
【語学資格】就活で英検は何級から有利になる?
2022年7月28日更新
はじめに
就活を少しでも有利にしたいがゆえに、資格を取得する就活生も多いです。何ももっていないよりは、何か一つでも履歴書に書けるものがあったほうがいいと考えるかもしれません。
しかし、就活では資格や検定によって「何級以上の取得でないと意味がない」と考えている企業も実は多いのです。
そこで今回は、就活での英検について解説していきます。
「英検って取得しておいて意味があるの?」「英検があるとどんな業界で役立つ?」といったことを知りたい就活生にピッタリの内容です。語学資格で英検を取得しておきたいと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。
1.就活で英検は準1級から有効
結論から言うと、英検は準1級から取得しておくのがおすすめです。準1級は大学中級程度と考えられていて、日本英語検定協会では「実際に使える英語力」として高く評価されています。
高校生が英検準1級を取得していれば、就活でも大学入試でも大変有利に進めることができますし、大学生が取得してればビジネスシーンにおいて英語力があるのを証明することが可能です。
英検をアピールしたいのであれば、まずは準1級の取得を目指して勉強に励んでいきましょう。
TOEICもあわせて取得しておくがおすすめ
もし余裕があるなら、TOEICもあわせて取得しておくのもいいかもしれません。TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会の「英語活用実態調査2019」によると、新卒採用では49.1%がTOEIC L&Rのスコアを参考にしていると回答しています。
参考にする具体的なスコアは新入社員は535点、海外部門は690点です。
志望業界が具体的に決まっていない就活生であれば535〜600点、英語を使った仕事に就きたいなら700点以上を目標にするといいでしょう。仕事で英語をそこまで使用しない業界なら、600点以上で十分にアピールできます。
これに加えてさらに英検準1級があれば、英語力に優れた人材であることが強く証明できるはず。
2.就活で英検を取得しておくことのメリット
英検を取得しておくと「就活でどんなメリットがあるのか」を次にまとめましたので、ご覧ください。
・英検はいつまでもアピールできる
・認知度が高い
・企業によっては即戦力と捉えてくれる
・4技能をアピールできる
頑張って勉強して取得した資格が決して無駄にならないのが、英検の嬉しいポイントです。では、それぞれ見ていきましょう。
英検はいつまでもアピールができる
英検自体に有効期限はないため「取得してから数年経って破棄されてしまう」といった心配はありません。資格によっては更新が必要な場合もありますが、英検は一度取得してしまえば、いつまでも履歴書に記載できるのがメリットです。
とはいっても、取得から年数が経ち過ぎてしまうと「現在でも英語力はあるのか?」「形だけの資格ですでに衰えているのでは?」といったことを懸念される可能性があります。
履歴書にはいつまでも記載することができますが「いつまでも有利になる」のを保証するわけではありません。取得から年数が経っても英語力が変わらないのであれば、それが証明できるものを準備しておく必要があります。
自信がある方は、面接時に英会話を提案してみてはいかがでしょうか。
認知度が高い
英検はコロナ禍を除いて年々志願者数が増加していて、国内での認知度が高いです。2021年度の累計志願者数は約410万人、一方TOEICは約230万人と両者に大きな差があります。
テスト方式・難易度の違い・学校の方針などによって志願者数に影響が出ていると考えられますが、それでも英検は多くの方が知っている資格です。
認知されている資格を高いレベルで取得しておけば「能力の高さ」を企業に伝えることができます。取得できるならもっておいて損はないでしょう。
企業によっては即戦力と捉えてくれる
企業や業界にもよりますが、高いレベルで英検を取得していれば「英語力のある人材」として考えてくれます。
最近では、英語に力を入れている企業が増えてきましたが、内部が追いつかず社員がまだ育っていない可能性もあるそうです。その場合は、英語力の高い人材を新たに採用したほうが物事がスムーズに進むこともあるでしょう。
そういった背景もあり、英検を取得している就活生を即戦力として歓迎してくれるのです。
4技能をアピールできる
英検は「ライティング」「スピーキング」「リーディング」「リスニング」の4技能の総合力を測定する資格です。高いレベルを取得できれば、4技能において高いレベルであることをアピールできます。
特に準1級レベルとなると合格率は約15%と言われているので、同じ就活生でも差別化が可能です。
また、ビジネスシーンでは「話す」「聴く」が重要と思われますが、メールや書類などの対応では「読む」「書く」も求められます。つまり、英検を取得していれば「どのようなシーンでも英語で対応できる人材」といったことを企業に伝えられるのです。
3.就活で英検が役立つ業界・企業
英検を取得しておくと役立つ業界・企業をいくつかピックアップしてみました。参考までに目を通しておくといいでしょう。
・教育業界
・航空業界
・外資系企業
上記以外にも役立つ業界・企業はあるため、気になる方は個別で調べてみるのをおすすめします。
教育業界
英検は教育業界への就職を目指している人に有効なだけではありません。オンライン語学・幼児向け英会話・英語教材の開発などの分野でも求められています。
小学校でも英語教育がスタートしたため、まだまだ教員の人材が不足しているようです。
また、厚生労働省の「外国人雇用状況」を見ると、外国人労働者が2012年以降から過去最高を更新し続けています。つまり、今後も外国人の児童・生徒も増えていくと考えられるので、英語力の高い人材はますます必要となるでしょう。
出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和元年 10 月末現在)
航空業界
空港カウンターに在中しているグランドスタッフ・キャビンアテンダントなどにも英語力が求められています。
たとえば、JALスカイは「英検2級、もしくはTOEIC550点以上を有する方が望ましい」としているようです。応募時点ではハイレベルな水準を求められているわけではないため、しっかりと勉強に励んで取得できれば、誰でも応募ができます。
加えて、キャビンアテンダントでも国内線では英語を使う機会は多くないですが、国外線であれば日常的に使用するため英検取得は必須です。
外国人と接する機会のある職種は、英語力が必要と考えておくのがいいでしょう。
外資系企業
国内を拠点としオフィスでのやりとりが日本語でも、海外に支店があるならメールや電話対応は英語です。日々の情報交換は英語でおこなわれるため、ビジネスレベルの英語力がなければ業務に支障が出てしまいます。
専門用語はその都度覚えればよいですが、日常会話はある程度の知識と経験が必要です。そのため、英検を取得していればきっと役立つでしょう。
特に外資系企業ですと、英語を基本言語と捉えている可能性が高いため、英検を持っていることがプラスに働くとは限りません。最適でも準1級にTOEIC600点以上があると心強いです。
4.就活で英検をアピールする際の注意点
英検は立派な資格なので、適切な場所でアピールするのはよいですが、アピールするからこそ求められることもあります。以下にアピールする際の注意点をまとめましたので、ご覧ください。
・業界によっては評価されないこともある
・実際に英語力を試されるケースがある
・英検2級だと意味がないと思われる可能性がある
では、順に見ていきます。
業界によっては評価されないこともある
英検が役立つ業界は多いですが、すべての企業が英語力を求めているわけではありません。業界によっては英語と無縁のケースもあるため、いくら英語力に優れているとはいえ、評価に直結しません。
また、入社してから英語を主に使用する企業であれば、そもそも英語を前提としているため「英語力」で差をつけることが難しいです。よほど高い級・スコアを獲得していなければ、プラスに繋がらない可能性があることを覚えておくといいかもしれません。
英語はあくまで手段ですので「企業が何を求めているのか」を見失わないようにしましょう。
実際に英語力を試されるケースがある
就活生の英語力を測るのであれば、実際にコミュニケーションをおこなうのが手っ取り早いです。そのため、面接時に「では、軽く英語で会話をしてみましょう」と提案されることもあります。
スラスラと話せる必要はないですが、あまりにぎこちないと「本当にこの級に見合った英語力なのか?」と疑問に思われるかもしれません。
特に、入社してから英語でやりとりをするのであれば、事前に英語力をチェックしておきたいと考える企業もあるでしょう。万が一に備えて、英会話の準備もしておくのがおすすめです。
英検2級だと意味がないと思われる可能性がある
「就活であれば英検2級以上から有効」と聞いたことがある就活生もいるかもしれません。もちろん、業界・企業によっては英検2級以上でもプラスになるケースもありますが、英検2級は「高校卒業程度」のレベル。
日本英語検定協会でも「履歴書で評価される」と記していますが、あまり期待しないほうが得策です。むしろ、「大学を卒業して、まだ高校卒業程度のレベルか」などの評価をされる可能性があります。