【業界研究】航空業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種・就職偏差値を徹底解説

【業界研究】航空業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種・就職偏差値を徹底解説

2023年6月14日更新

はじめに

航空業界に就職したい方のために、業界研究の手助けとなる「志望動機」、「ビジネスモデル」などを徹底解説します。

 

業界研究を行うことで、求める人物像とのミスマッチや早期退職を防ぐことが可能です。業界や企業を研究することで、本当に自分が求めている会社なのか、やりたい仕事なのかが判断しやすくなります。

 

今回は航空業界の企業研究の手助けとなるように紹介していきます。

 

航空業界とは?

航空業界は、空港運営会社と航空会社の2つに分けることができます。

 

空港運営会社

民間航空機の離陸・着陸など航空機や空港などの事業に関わる会社です。

 

航空会社

人や荷物、貨物などを運ぶことを中心にビジネスを展開する会社です。航空会社の中でも「メガキャリア」、「LCC」の二つに分類されます。

 

メガキャリアについて

メガキャリアは機内環境を充実化し、移動するという行為に付加価値を加えている航空会社のことをいいます。国内ではANAやJALがよく知られている会社です。

 

店内で料理が提供されたり、テレビやゲームができたりと様々なサービスにより、満足のいく空間を味わえるのがメリットです。

 

近年では、移動することに楽しみを抱くのではなく、「単なる手段」として捉える人も増えています。そのため、メガキャリアは昔ながらの航空会社に当てはまることが多いスタイルです。

 

充実した環境を味わえる半面で、料金が高くなってしまうことがデメリットです。サービスを行う人件費や、提供する商品の物価状況により価格が高騰することもあります。

 

LCCについて

LCCは「Low Cost Carrie(ローコストキャリア)」の略でサービスを最小限に留めることで価格を抑えて提供する会社です。日本では「格安航空会社」と呼ばれていることが多いです。ピーチアビエーションやジェットスタージャパンがよく知られている会社です。

 

メガキャリアと違い、機内食やテレビ、ゲームなどのサービスを受ける場合に、追加料金が発生してしまいます。座席の間隔も狭く、長時間のフライトであっても座席にゆとりのあるスペースが少ないのが特徴です。

 

移動手段に「快適性」や「利便性」を求めるのではなく、価格を抑えて移動する手段として用いているのがLCCです。短距離を何度も往復することが多く、コストを抑えたい人に向いています。

 

サービスを最小限に抑え有料化することや、利用頻度の少ない空港を利用することでコストを削減し、低価格を実現しています。

 

 

航空業界のビジネスモデル

航空業界がどこから収入を得ているのか知ることで、面接での受け応えや業界への知見が広がります。

 

大きく分けて「旅客輸送事業」、「貨物事業」、「旅行事業」、「小売・サービス販売事業」の4つに分類されるためひとつずつ見ていきましょう。

 

旅客輸送事業

航空会社のビジネスモデルのメインとなるのが旅客輸送による旅客収入です。旅客収入は、「旅客人数×旅客単価」で求めることができます。

 

単純に航空会社のビジネスを考えると、

 

・座席数が多く人で埋まっている機体

・運航便数が多い

・旅客単価が高い

 

この3つの条件が満たされているほど収益が大きくなります。

 

一方のコストは、機体に生じるコスト、各空港に支払う空港費、人件費や販促費などです。これらのコストを抑えるか、旅客収入を上げるかのどちらかを対策することで収益が増加します。

 

機体の総座席数や運行本数を増やすことは、簡単ではないので「座席利用率」と「旅客単価」を上げることが重要です。この2つの損益によって航空会社のビジネスが決まるといっても過言ではありません。

座席利用率を上げなければ、空気にコストを払っているのと同じです。座席をいかに満席にするかがポイントです。

 

高ランクの座席(プレミアエコノミークラスなど)を使用してもらえる頻度を上げることで旅客単価をアップさせることができます。

 

航空会社の貨物事業

LCCはできるかぎり機体の稼働時間や効率を高めるために、空港での滞在時間を短縮しているのが特徴です。そのため貨物事業に力を入れてません。

 

一方のメガキャリア(日本航空や全日空)は、貨物事業を収入源とし航空貨物専業の会社があるほど積極的です。日本航空や全日空の場合、収益は全体の1割ほどであるため、あまり多くありません。(航空会社によって収益の割合は異なる)

 

貨物専用機があるかないかで、主要な収入と考えるか副産物として考えるかが異なります。貨物専用機を所有している航空会社の多くは、子会社が事業を経営していることが多いです。

旅行事業

旅行事業の目的は、自社便を利用させることが狙いです。自分で航空券やホテルを手配するよりもパッケージツアーで参加するほうが、低価格で旅行することができます。「旅客輸送事業」で説明した、座席利用率を高めることができることが一番のメリットです。

 

自社便の利用率向上の他にも、ツアー手配によるマージンやコミッションも得られるため収益を上げることができます。

 

皆さんがよく知っている会社であれば、ANAセールスやJALPAKが有名です。

小売・サービス販売事業

小売販売でイメージしやすいものと言えば、機内販売です。メガキャリアはサービスが充実しているので、価格にサービス料が上乗せされているので高くなります。

 

一方のLCCはサービスをオプション化し、有料で提供することにより収益を上げているのが特徴です。LCCによって有料のサービスは異なりますが、一部事例を紹介します。

 

食事や飲み物Wi-Fiのサービス電話予約
機内音楽テレビや動画荷物の預入
座席指定エンターテイメント座席のオプション

これらのサービスを有料化することで収益を上げています。

 

 

航空業界の職種

航空業界には男性に人気のパイロットや、女性に人気のキャビンアテンダントなど様々な職種があります。職種によっては資格が必要なものがあるため、事前に勉強しておくことが重要です。自分にあった職種があるか見ていきましょう。

 

客室乗務員(キャビンアテンダント・CA)

客室乗務員はキャビンアテンダントやCAと呼ばれる人たちです。目的地まで安全に届けられるように保安要員としての役割と、飲食やひざかけの提供といったサービス要員としての2つの役割があります。

 

緊急時でも冷静に状況を判断し、お客様の誘導をする必要があるため判断能力が高く冷静に行動できる力が必要です。フライト数や目的地によって勤務時間が異なり、月の半数はホテル生活になることが多いので、観光好きの方に向いています。

 

運航乗務員(パイロット)

パイロットは飛行機を操縦士し、人や物を目的地まで送り届けるのが仕事です。大勢の命を預かり、予定時刻に到着しなければいけないため、責任感の強い人に向いています。命を預かる仕事なので、年収が高い傾向にあります。

 

飛行機を操縦するためには、「定期運送用操縦士」の資格と「航空身体検査証明書」の2つが必要です。

 

・「定期運送用操縦士

専門学校で取得するか、航空会社が用意している自社養成パイロットで訓練を受けて取得するといった方法があります。

 

・「航空身体検査証明書

パイロットを続けるためには、半年に1度ある航空身体検査を受診し、航空身体検査証明書を発行しなければいけません。

 

パイロットは、機体を操縦する機長と、管制官とのやり取りを担当し機長を補佐する副操縦士の2名で行うことが基本です。定期運送用操縦士の資格を取得していてもすぐに操縦できるわけではありません。

 

特定地上職員(グランドスタッフ)

特定地上職員は、グランドスタッフや旅客ハンドリング、GSと呼ばれる人たちです。客室乗務員と同様に人気の高い職種で、サービス要員や保安要員としての役割があります。

 

空港でお客様をお出迎えをするグランドスタッフは、多様な業務内容をこなす必要があります。カウンターや搭乗口、到着ロビー、保安検査場、VIPサービスなど多くの場所でお客様の安全とサポートの両方をこなさなければいけません。

地上業務の全般を担うことから管理能力が高く、臨機応変に状況を判断し行動できる人が向いています。

ディスパッチャー(運航管理)

ディスパッチャーは、地上から飛行機を安全に飛ばすために気象情報や機体の状態を判断し、飛行プラン・便の欠航などを管理する仕事です。

 

ディスパッチャーは、実務経験を2年間行い「運航管理者技能検定」に合格しなければいけません。現場の状況を常に把握しておかなければいけないので、無線やインカムを使用してハンドリングスタッフや操縦士と情報を共有しています。

 

情報を即時に判断できる即決力や分析力、常に連絡を取り合うことからコミュニケーション能力が必要です。機体や気象情報に合わせて臨機応変に対応できる人に向いています。

 

グランドハンドリング

空港の駐機スポットである制限区域で航空機の誘導、コンテナや貨物の搭降載業務、飛行機の入り口と搭乗口をつなぐ橋の操縦など多彩な仕事を行っています。

 

特殊車両や大型車両、取り扱う器具が多いため「大型特殊自動車免許」「危険物取扱者」といった様々な資格が必要です。地上支援業務の全般を担うため、車両や機械の扱いが多くなります。

 

客室乗務員や運航乗務員といった目立った仕事ではなく、裏方に徹した仕事なので真面目にコツコツ継続できる人が向いてます。

航空整備士

航空整備士は航空機の点検や整備といったメンテナンスを行う仕事です。専門学校で航空整備士の資格を取得するか、大学の理工学部や工業専門学校などを卒業していなければ応募できないことがあります。

 

万を超える部品で組み立てられた機体であるため、小さなミスでもトラブルを引き起こす可能性があります。安全に運航するための根幹を担っているので、知識と正確性が重要です。

 

機械を整備する仕事なので、手先が器用な人や几帳面な人に向いています。

 

 

航空業界の大手 就職偏差値・難易度や平均年収

航空業界で代表的な3つの企業について、企業理念や就職偏差値を、表にまとめたので見ていきましょう。就職偏差値・難易度について、詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。

【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング

 

企業名ANAホールディングス株式会社
企業理念安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で

夢にあふれる未来に貢献します

グループ行動指針「あんしん、あったか、あかるく元気!」

安全・お客様視点・社会への責任・チームスピリット・努力と挑戦

平均年収496万円
就職偏差値59
就職難易度4.2/5

引用元:ANAホールディングス株式会社

 

企業名日本航空株式会社
企業理念JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、

一、お客さまに最高のサービスを提供します。

一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。

グループ行動指針安全とは、命を守ることであり、JAL グループ存立の大前提です。

私たちは、安全のプロフェッショナルとしての使命と責任をしっかりと胸に刻み、知識、技術、能力の限りを尽くし、一便一便の安全を確実に実現していきます。

平均年収702万円
就職偏差値60
就職難易度4.3/5

引用元:日本航空株式会社

 

企業名スカイマーク株式会社
企業理念1.安全運航を使命として、社会に役立ち評価される存在となる

2.お客様の思いを真摯に受け止め、チャレンジ精神を忘れず、広くアンテナを張り、社会環境の変化に機敏に対応することで、良質かつ特色あるサービスを提供する

3.お客様へのサービス提供者である社員を尊重し、社員が互いに協力しあい、誇りを持って働ける環境と企業風土を築く

グループ行動指針1.革新性と多様性

空の旅に革新性と多様性をもたらし、業界の進歩的発展に資する

2.地域共生

全国ネットワークを生かして就航地の素晴らしさをお伝えし、地域の人々・経済の活性化・発展に貢献する

3.安全・安心・快適・身近

全社一丸となり、安全・安心・快適なフライトと温かく誠実なサービスを、より身近な価格で提供する

平均年収452万円
就職偏差値不明
就職難易度3.9/5

引用元:スカイマーク株式会社

 

航空業界を目指す志望動機

志望動機の書き方として、「なぜ航空業界を選んだのか」、「この企業のどこに惹かれたのか」この2つを伝えることが重要です。

 

例えば、世界と日本の人々が自由に行き来できる社会を作りたい、新規路線の開拓により新しい国の人とつながりたい、といった航空業界ならではの理由を述べましょう。

 

また企業の求める人物像を把握しておく必要があります。企業理念や経営方針を確認し、自分の考えや体験と企業の考えがマッチしているか確かめましょう。

 

航空業界でよくある志望動機を紹介します。

 

・世界中の人の夢や希望を空でつなげたい

外国へのボランティア活動により、世界とつながる喜びや現地の人の夢や希望に寄り添いたいから。

 

・当たり前ができ、お客さまに愛されるCAになりたい

保育関係のアルバイトで、命を預かる重みと責任感、相手の気持ちに寄り添った行動を学んだから。

 

・地方に住む人たちのためになりたい

自分も地方出身であったが、移動手段に不便を感じなかった。しかし人口減少から不便に感じる人が増えるので、移動手段を守りたいと思ったから。

 

航空業界ならではの、「世界中とつながりたい」、「移動手段を維持したい」といった志望動機があります。

 

航空業界の今後の動向

コロナウイルスの感染拡大により2020年に大きな打撃を受けてしまった航空業界ですが、徐々に回復の兆しも見えています。コロナウイルスが収縮し始め、「Go To トラベル」など政府の取り組みにより右肩上がりに戻りつつあるのが現状です・

 

パイロット不足も懸念される中、政府は2024に旅客機パイロット養成訓練の期間を3ヶ月短縮することを検討しました。

 

世界情勢によって左右されやすい航空業界ですが、まだまだ人気の高さは引けを取らないためしっかりと企業研究をしてから、就職にあたりましょう。

 

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就活ハンドブック編集部

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