【資格】簿記は就職で有利になる?大学生が取得すべき理由・時期を解説!

【資格】簿記は就職で有利になる?大学生が取得すべき理由・時期を解説!

2022年5月4日更新

はじめに

就活を見据えて資格を取得しておこうとする大学生は非常に多く、特に人気なのは簿記資格です。

 

そんな人気の簿記の取得を検討している学生の中には、以下のような疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。

 

・簿記を取得していると就活で有利になるの?

 

・就活に間に合わせるにはいつまでに簿記を取得しておけばいいの?

 

・簿記以外に就活で有利になる資格はあるの?

 

この記事を読むことで、上記の疑問はすべて解決できます。

 

それに加えて、この記事はあなたに以下のようなメリットを提供します。

 

・就活における簿記の価値がわかり、簿記や他の資格の取得を検討できるようになる。

 

・就活が始まる前にアドバンテージを取ることができるようになる。

 

ぜひ最後までお読みいただき、就活を有利に進めてください!

1. 簿記とはどんな資格なのか

そもそも簿記とはどのような資格なのか、以下に沿って説明します。

 

・簿記の概要

 

・日商簿記検定試験

 

・難易度や勉強時間

簿記の概要

簿記とは、「帳簿記入」の略で、会社の日々のお金の流れを記録・計算・整理して、会社の経営状況を明確にする手段です。

 

お金の流れを適切に管理していなければ、会社経営はまともに成り立たないですよね?

 

簿記という、毎日のお金の流れを一定のルールに基づいて管理する手段によって、会社の過去ー現在ー未来に渡るお金の流れが明らかになります。

 

その情報があってはじめて会社は様々な意思決定を行うことができるのです。

 

さて、ここまでの内容からすると、簿記の知識は経理にしか役に立たないのではないかと思われるかもしれません。

 

しかし、実際は経理以外の様々な場面において簿記の知識を活用することができるのです。

 

例えば、営業や企画などの職種においても簿記の知識があれば、サービスを提供するためのコストを会社の財務状況に照らして考えることができたり、取引先の経営状況を数字で理解したりできます。

 

簿記の知識はビジネスに関わる人間ならばぜひ習得しておきたいものなのです。

日商簿記検定試験

簿記の知識をどの程度有しているのかを測るために行われているのが、簿記検定試験です。

 

簿記試験は、異なる3つの団体がそれぞれ別の検定試験を開催しているのですが、その中で最もメジャーなのは日本商工会議所などが主催する「日商簿記検定試験(通称:日商簿記)」です。

 

日商簿記以外に「全経簿記能力検定試験」と「全商簿記実務検定」というものがありますが、今回は割愛します。

 

世間的に言われる「簿記〜級」というのは、基本的に日商簿記のことを指しています。

 

日商簿記には3級から1級まであり、お金の流れに関する様々な知識が問われます。

難易度や勉強時間

日商簿記の取得難易度や勉強時間は次のとおりです。

難易度合格率(※1)独学で合格するのに必要な勉強時間(※2)
3級低い40%〜50%程度120〜140時間
2級高い15%〜30%程度370〜490時間
1級極めて高い10%程度870〜1,190時間

 

(※1 参考:日本商工会議所 受験者データ

(※2 参考:資格の学校TAC

 

1日2時間勉強にあてられる場合、「3級は2ヶ月程度」、「2級は半年〜8ヶ月程度」、「1級は1年半程度」の期間がかかる計算になります。

2.簿記で就活が有利になる!

ここでは、簿記の資格を取得していると就活で有利になるということについて、以下4つの観点から解説していきます。

 

・簿記が就活で有利になる理由

 

・簿記が特に有利になる業界

 

・就活で有利になるのは簿記2級?3級?

 

・簿記資格のアピールの仕方

 

簿記が就活で有利になる理由

簿記が就活で有利になるのは、簿記の知識・考え方があらゆる職種において必要とされるからです。

 

先述のとおり、簿記の知識があると、自社や他社の経営状況が理解できたり、自社が提供するサービスのコストを財務状況等に照らして考えることができます。

 

主としてお金の動きを仕事とする経理のような職種でなくても、営業・企画など多くの職種において、簿記の知識があると仕事の質が高まるのです。

 

就職後の仕事の質がある程度担保されるため、簿記資格は就活で有利になるのです。

簿記が特に有利になる業界

簿記資格の取得によって、就活で特に有利になる業界は以下の3つです。

 

・金融業界(銀行・証券・リース会社など)

・商社業界

・コンサルティング業界

 

これらの業界では、お金の流れや会社の財務状況などを深く理解できなければ仕事になりません。

 

そして、その能力を持っていることを証明できるのが簿記資格なのです。

 

上記3業界を志望している大学生の皆さんは、簿記の取得を強くおすすめします。

 

就活で有利になるのは簿記2級?3級?

一般的に企業から高く評価される簿記検定のレベルは2級以上です。

 

3級は簿記に関する基本知識があることの証明にはなるのですが、自己PRとしては少し弱いです。

 

2級を取得していれば、企業で働く上で必要となる実践的な知識を持っていることの証明になりますので、2級の取得をおすすめします。

簿記資格のアピールの仕方

簿記資格は就活で有利になると述べてきましたが、面接等で簿記をアピールする際に気をつけておきたいことがあります。

 

それは、「資格を取得していること自体」をアピールしても効果は薄いということです。

 

例えば、「私の強みは簿記2級の資格を所持していることです」といったようなアピールは、面接官に「この学生を採用したい!」と思わせるには弱いです。

 

次の図をご覧ください。

(引用:リクルート「就職活動・採用活動に関する振り返り調査」データ集2021年卒

 

これはリクルートが行った調査で、「企業が採用基準で重視する項目」と「学生が面接等でアピールする項目」の割合を比較したものです。

 

この調査によれば、企業が採用基準で重視する項目のTOP3は「人柄」、「自社/その企業への熱意」、「今後の可能性」です。

 

したがって、面接で簿記資格を効果的にアピールするには、「人柄」、「自社/その企業への熱意」、「今後の可能性」の3項目で高く評価されるような内容を話す必要があるということになります。

 

具体的には、以下の要素を軸に話を展開しましょう。

 

・なぜ簿記資格を取得しようと思ったのかを伝える

 

・簿記の知識を就職後どのように活かすことができるのかを伝える

 

例えば、

 

「社会人として生産性の高い仕事をするには、お金の流れや会社の財務状況などを理解できる必要があると思ったので、簿記資格を取得しました。」

 

「御社の○○というサービスに特に興味があり、コスト面などについて簿記の知識を活用して貢献していきたい」

 

といったような内容を伝えてみてはいかがでしょう?

 

企業が重視する「人柄」、「自社/その企業への熱意」、「今後の可能性」が伝わってきますよね?

 

簿記資格という武器をうまく扱って、効果的にアピールできるようにしておきましょう。

3. 就活に間に合わせるにはいつまでに取得すればいいのか

簿記の資格取得を就活に間に合わせるには、いつまでに取得すればいいのでしょうか?

 

日商簿記検定試験は、年に3回(6月・11月・2月)開催されます。

 

したがって、就職活動に間に合わせるには、大学3年生の11月の試験に合格する必要があります。

 

それでは、11月の試験に合格するためにはいつから勉強を始めればよいのでしょうか?

 

先述のとおり、合格するのに必要な勉強時間は、3級で120〜140時間、2級で370〜490時間が目安です。

 

1日にどれくらいの勉強時間が確保できるのかを踏まえて勉強の開始時期を逆算してみてください。

 

参考までに、毎日2時間勉強する場合の勉強開始時期は以下のとおりとなります。

 

・簿記3級:8月〜9月から勉強開始

 

・簿記2級:3月〜5月から勉強開始

 

4.簿記以外に就活で有利になる資格

ここでは簿記以外に就活で有利になる資格のうち、合格に必要な勉強時間が少なくて取りやすい、2つの資格を紹介します。

 

・TOEIC

・MOS

TOEIC

大学生にはおなじみのTOEICは、高得点を取っておけば就活において有利になります。

 

グローバル化が進行する社会において、あらゆる業界・職種で英語力は高く評価されるからです。

 

ユーキャンの「就職・転職に有利で役立つ資格ランキング!」でもTOEICは1位にランクインしています。

 

なお、就活で高く評価されるTOEICの点数の目安は、700点以上といわれることが多いです。

 

TOEICの公式データによると、大学生の平均スコアは616点となっていますので、ぜひ700点以上を目指してみてください。

 

(出典:TOEIC Program DAA2021(和文)2021年7月版

 

参考までに、TOEICで100点アップさせるときに必要な勉強時間について、オンライン英会話のレアジョブが次のような目安を提示しています。

 

現在のレベル100点アップに必要な勉強時間の目安
200〜300点300~400時間
300~400点300~400時間
400~500点250~350時間
500~600点250~350時間
600~700点250~350時間
700~800点500~700時間
800~900点500~700時間

 

(引用:RareJob English Lab TOEIC700点に必要な勉強時間&勉強法は?転職での評価やおすすめ教材も紹介

 

大学生の平均スコア616点から700点を目指すには、250〜350時間が目安となるようです。

MOS

もう一つの資格はMOSです。

 

MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)とは、「Word」や「Excel」などのWindowsのソフトの利用スキルを証明できる資格です。

 

ほとんどの企業がWindowsのソフトを使っている中で、それを高度に操作できることは大きな武器になります。

 

先ほどのユーキャンのランキングにおいても、MOSは6位にランクインしています。

 

なお、ユーキャンによれば、独学でMOSを取得するまでの勉強時間の目安は、毎日2〜3時間ほどの勉強で1ヶ月程度とのことです(初学者の場合)。

 

つまり、全部で60時間〜90時間程度の勉強が必要ということですね。

 

MOSは比較的簡単に取得できて、就活でも有利になる資格ですのでぜひ取得してみてください。

5.よくある質問

よくある質問をまとめました。

 

よくある質問
Q1.就活で簿記2級はいらない、意味ないって聞いたけど本当?

Q2.簿記2級を取得していれば食いっぱぐれないの?

Q3.簿記3級は就職活動で役に立たないの?

Q4.大学生が簿記を取得するなら何級を目指せばいいの?

Q5.新卒で就職する場合、簿記2級とTOEIC700点はどっちが有利?

Q6.簿記2級は大学生でも独学で取得できるの?

Q7.大学生で簿記2級を取得している割合はどれくらい?

Q8.簿記2級を取得している大学生は就職活動で有利になるの?

 

Q1.就活で簿記2級はいらない、意味ないって聞いたけど本当?

絶対に必要というわけではありませんが、先述のとおり就活で簿記2級を持っていると有利になりますので、取得することをおすすめします。

Q2.簿記2級を取得していれば食いっぱぐれないの?

簿記2級を取得していると就活や転職において有利にはなりますが、食いっぱぐれないというほどの効力はありません。

Q3.簿記3級は就職活動で役に立たないの?

就職活動で高く評価されるのは簿記2級であることが多いですが、3級がまったく評価されないというわけではありません。

Q4.大学生が簿記を取得するなら何級を目指せばいいの?

就活で高く評価されやすい2級を目指すことをおすすめします。

Q5.新卒で就職する場合、簿記2級とTOEIC700点はどっちが有利?

一概に比較することはできませんが、金融・商社・コンサル業界なら簿記2級が、グローバル企業などであればTOEIC700点が有利になる可能性が高いです。

Q6.簿記2級は大学生でも独学で取得できるの?

独学で取得できます。

勉強時間の目安は370〜490時間です。

Q7.大学生で簿記2級を取得している割合はどれくらい?

日商簿記検定試験の受験者の年齢層などは公表されていないため、割合は不明です。

Q8.簿記2級を取得している大学生は就職活動で有利になるの?

先述のとおり、一般的に簿記2級は企業から高く評価されることが多く、取得しておけば就活で有利になります。

 

おわりに

今回は簿記資格が就活で有利になるということについて詳しく説明してきましたが、いかがでしたか?

 

この記事の内容を簡単にまとめます。

 

・簿記とは、「帳簿記入」の略で、会社の日々のお金の流れを記録・計算・整理して、会社の経営状況を明確にする手段。

 

・簿記の知識・考え方はあらゆる職種において必要とされるため、簿記資格を持っていると就活で有利になる(2級以上を目指すべき)。

 

・就活に間に合わせるには、大学3年生の11月の試験までに合格する必要がある

 

・簿記以外に就活で有利になる資格は、TOEIC(700点以上)とMOS。

 

簿記の資格は就活で有利になるだけでなく、就職して仕事をする上でも役に立つので、取得することを強くおすすめします。

 

時間に余裕があるのならば、TOEICとMOSも併せて取得し、さらに就活を有利に進められるようにしましょう!

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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監修者情報

近藤明弘

キャリアアドバイザー

株式会社ニトリに新卒入社。
個人売率ランキングでは全国で10位に入賞するなど、多くの成果を生み出してきた。 2021年より株式会社ナイモノにジョイン。 リクルーティングアドバイザー(RA)とキャリアアドバイザー(CA)の経験を持ち、現在はCAとして急成長中。