
【面接官目線】就活で失敗しないスーツ色の選び方
2022年1月7日更新
はじめに
リクルートスーツを新調するにあたり、
「スーツを買おうと思うんだけど何色がいいの?」
「黒じゃなきゃダメなの?」
「ストライプのような模様が入っててもいいの?」
といったスーツの色選びで迷走しますよね。
基本的に黒、濃紺、チャコールグレー(濃いグレー)の無地ならすべて大丈夫です。
でも、周りが黒色ばっかりなので黒以外はダメなような感じがしますよね。
しかし、いまの40代、50代の面接官が就活していた頃は濃紺やグレーが主流だったので、濃紺やグレーを見ても全く抵抗がありません。
逆に面接官側からすると、黒色のスーツは冠婚葬祭に着ていく色なので違和感さえ感じることもあります。
したがって、スーツの色は「業界別の特性」や「どのような自分を企業側に見せたいのか」を考慮して選択する必要があります。
本記事では、失敗しないスーツの色の選び方や印象が良くなる着こなし方、印象が悪くなるNG例なども含めて面接官目線で解説していきます。
この記事を読めばスーツの色で悩むことは無くなりますので、最後までジックリお読みください。
1.見た目が6割の現実
メラビアンの法則によれば、人間の第1印象はものの数秒で決まってしまいます。
そして、その印象を変えようと思ってもくつがえすのに長い年月がかかるようです。
心理学では初頭効果と呼ばれ、第一印象がその後のその人の評価や好感度を大きく左右することが分かっています。
なんとなく体験的にわかりますよね。
あなたの周りを見ても「コイツ、なんか嫌な奴だな」と第1印象で感じたら、よっぽどのことがない限り、その固定観念をひっくり返すのは至難の業ですよね。
それだけ第1印象は強烈で、面接でも同様に評価でかなりの影響を及ぼします。
たとえば、面接で入室してきた就活生のスーツが肩から着崩れていて、寝ぐせが付いた髪型で、ネクタイがヨレヨレで、肩にはたくさんの白いフケが落ちていて、無精ひげだと、もうその時点でアウトですよね。
さらにメラビアンの法則によれば、最初に会った際に視覚、聴覚、言語のどの要素で優先的に第1印象を決めているかを数値化しています。
実に、
見た目55%、話し方38%、言語7%
という衝撃的な結果が公開されています。
「えっ!話す内容って、たった7%しかないの?」
「見た目で6割決まっちゃうの!」
と目を疑ったかもしれませんが、それだけ人間は視覚を使って物事を判断しているというわけです。
つまり、リクルートスーツ1つをとっても大事な判断材料になりますので、スーツも慎重に選ぶことが大切です。
それでは実際問題、どのようにスーツの色を選べばいいのかを解説していきます。
2.スーツの色の選び方(基準)
スーツの色を選ぶときの基準は大きく2つあります。
1.どんな自分を相手に印象づけたいのか?
2.志望する業界にマッチした色は何色か?
この2つを意識して選択することをおすすめします。
「自分がこの色好きだから」といって選ぶのではなく、あくまでも「相手にどのような自分を印象づけたいのか?」、「業界別にどのような色合いが親和性が高いのか?」といった相手目線で考えることが大切です。
今回は黒、濃紺、グレーの基本3色でそれぞれ印象別、業界特性別の切り口で解説していきます。
尚、スーツの柄は無地を選び、ストライプやチェックなどの柄入りは避けましょう。
2-1.「相手に与える印象」で選ぶ
まず相手に与える印象でそれぞれの色を見ていきましょう。
2-1-1.黒色
黒色は現代の就活のスタンダードカラーであり、キリっとした凛々しい印象を与えます。
学生に向けた様々なアンケートでは、就活生全体の7割がブラックスーツを着用しているという結果も出ており、最も当たり障りのない安全な色だと言えるでしょう。
就活の場で「皆と同じ」「周りから浮いてない」と安心感を得たい人は黒色を選ぶ傾向があります。
ただでさえストレスの多い就活中に、服装で余計なストレスがかからないということも黒のスーツという誰もが選ぶ色を選択するメリットです。
さらに黒色のメリットとしては、就活以外にも使え汎用性が高いということです。
たとえば、冠婚葬祭に出席する時など黒のスーツを1着もっていれば、礼服として代用でき一石二鳥でコスパがいいです。
一方で、面接官側から見た黒のスーツの印象は「協調性」「素直」「自分の色を出さない」といったイメージです。
たとえば、コンプライアンスが厳格で同調性が求められるような会社であれば黒だと無難です。
逆に黒色のスーツは「没個性」「周りと一緒」「堅い」などを連想します。
求める人物像が「チャレンジ精神」や「好奇心旺盛」、「行動力」などを掲げている会社だと黒色はネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。
2-1-2.濃紺
スーツの中で最もフォーマルとされているのは「濃紺無地」です。
この色は「誠実さ」や「さわやかさ」を相手に与えます。
特に濃紺無地は40代、50代面接官世代のスーツの定番色だったことを考えると、実は黒無地よりも好印象を狙えるカラーなのです。
類は友を呼ぶ(類友の法則)ではないですが、やはり人間は無意識化で自分と似た共通点をもつヒトを選ぶ性質があります。
この法則によれば、面接官に一番刺さる色は「濃紺」なので、「みんなが黒にしているから自分も…」という考えがいかに浅はかであるかを感じてもらえると思います。
2-1-3.グレー
グレーを選ぶ場合はできるだけトーンの低いチャコールグレーを選ぶのが正解です。
あまりライトなグレーは明るすぎてカジュアルっぽく見えるので控えたほうがいいでしょう。
グレーは黒や濃紺よりも「落ち着き」や「知的」な雰囲気が手に入ります。
最近はグレーのスーツを着用している就活生をほとんど見かけなくなりましたが、会議やプレゼンの場にふさわしく、ビジネスマンには必須の色と言えるでしょう。
真面目で上品な印象に見えるチャコールグレースーツなら、就活の場でも全く問題ありません。
加えて、黒色や紺色と異なり、グレーならば汚れやホコリ、フケといった白い汚れが目立ちにくいため、あまり気にする必要がなく、お手入れが簡単というメリットもあります。
就活活動する上で、泊りがけや夜間バスでの移動、連日の面談になった場合にこのメリットは大きいと言えます。
「周りと同じはイヤ」、「もう少し個性を出したい」、「あまり気を使いたくない」という人は次の業界特性も加味しながら、決して失礼にあたらないチャコールグレースーツを選ぶのもアリです。
2-2.「業界特性」での選び方
次に業界により望ましいスーツの色があることも否定できませんので、「固めの業界」と「柔らかめの業界」に区分して色選びを解説していきます。
2-2-1.固めの業界
堅めの服装がおすすめとされる業界は下記のとおりです。
・銀行
・証券
・保険
・ホテル
・公務員
スーツの色は男女ともに黒か濃紺が無難です。
ただし、企業の社風や方針によっても変わりますので、あなたが受ける業界や会社の傾向をリサーチしてスーツの色を選びましょう。
2-2-2.柔らかめの業界
柔らかめの服装でも大丈夫な業界は下記のとおりです。
・アパレル
・IT
・映画
・ゲーム
・広告
・テレビ
柔らかめの服装がおすすめとされる業界では、黒や濃紺のほか、グレーのスーツを着用しても良いでしょう。
スーツの柄は無地が基本ですが、志望先によっては目立たないストライプ柄(シャドーストライプ)のスーツがOKな場合もあります。
3.スーツの着こなしポイント
いくらスーツの色が合格点でも、着こなしがマズいと一気に第1印象が悪化します。
たとえば、濃紺のスーツでもサイズが体型と合っていなかったり、ボタンを外してダランとしていたら減点要素になり得ます。
メラビアンの法則では『第1印象は「見た目」で55%決まる』でした。
これは単にスーツの色だけでなく着こなし方も含まれますので、着こなしについても5つほど大切なポイントを解説していきます。
3-1.サイズ感は大切
スーツのサイズ感はかなり大切です。
ダブダブだとダラしなく見えますし、キッチリだと窮屈そうで貧相な感じがします。
あなたの体にスーツがフィットしていないと「当社の選考への本気さを感じない」と面接官が感じて評価が不利になる可能性もあります。
ネットでのスーツ購入だとサイズ感が合わないスーツを入手する可能性が高いので、かならずお店でプロに仕立ててもらい、あなたにピッタリのスーツで堂々と選考に臨むようにしましょう。
3-2.ボタンは男性は1つ掛け、女性は2つ掛け
男性のスーツで2つボタンの場合、上を留め、下のボタンは外したままにします。
現在ではスーツのラインが崩れないように、下のボタンは留めないことがマナーとなっているため、就活の際もそれに従うようにしましょう。
女性は2つボタンをどちらとも留めることがマナーです。
しかし、ボタンが留まっていると座りにくい、シワになりやすいなど、着ごこちの悪さが出る可能性があります。
スーツを購入する際は立って試着するだけでなく、座り心地も試してみるようにすると安心です。
3-3.ワイシャツとジャケットのバランスで綺麗に
スーツに合わせるワイシャツはレギュラー、またはワイドカラーシャツがおすすめです。
ジャケットの袖口から1.5㎝、襟部分からは1.5~2㎝ほど出すようにしてシャツを見せることでスーツ全体の印象に立体感が出るため格好良く着こなすことができます。
3-4.ネクタイの幅と長さ
ネクタイを着用する際には、ジャケットのラぺル幅(ジャケットのカラー(上襟)に続く下襟部分を「ラペル」という)とネクタイの大剣の幅を同じにすることでバランス良く見えます。
また、ネクタイの長さもベルトのバックルに剣先がくる程度の長さが良いです。
3-5.カッターの襟とズボンの折り目
次に見られているポイントは「カッターの襟元とズボンの折り目」です。
アイロンがかかっておらず、ヨレヨレだとダラしなさを感じます。
小まめにクリーニングに出すか、自分でアイロンをかけるなどしてピシッと感や清潔感を保つようにしましょう。
4.スーツのトラブル・リスク管理
次に面接前にスーツでのトラブルがないように事前にリスク管理しておくべきポイントを2つ紹介します。
4-1.移動中のしわ
就活中はスーツを着用したまま電車やバスなどの交通手段を利用した長時間の移動で会場まで行く機会が多くなります。
スーツでの日常の何気ない行動(階段の上り下り、座る立つ、歩く)もシワの原因になります。
面接などの前日にスーツに着替えられる場所を調べて、私服で移動するのがオススメです。
4-2.急な天候の変化
当日の天気も気をつけておきたいですね。
スーツの生地が雨に濡れると、シワが残りやすく型崩れの原因になります。
また、雨に濡れたスーツで面接を受けると、相手に与える印象も悪くなってしまいます。
そんなケースに備えて「折りたたみの傘」を常に持っていると良いでしょう。
折りたたみ傘であれば面接会場によっては傘の置き場に困りアタフタしたり、雨が止んでいると持って帰るのを忘れてしまうという事態も防げます。
5.スーツに関するQ&A
次にスーツに関してよく出る質問についてQ&A形式で整理しておきます。
Q1:スーツはどこで買えばいいの?
A1:洋服の青山、アオキ等で気に入ったものが見つからなければ、少々値段は高いですがマルイやパルコのようなファッションビルや、高島屋や伊勢丹等の百貨店に行けばたくさんの種類のスーツがあります。
Q2:スーツの価格相場ってどのくらい?
A2:リクルートスーツ1着の相場は20,000円~40,000円です。素材、機能性、パンツが2本付いているツーパンツスーツなどで値段が変わります。
Q3:スーツは何着ぐらい持っておけばいいの?
A3:最低2着はもっておくことをおすすめします。クリーニングに出している間や修理している間に面接が入っても大丈夫なように予備があると安心です。経済的に余裕がある場合は2着、ない場合は1着で効率よくまわしていきましょう。
Q4:夏の暑いときはクールビズでも大丈夫?
A4:ノーネクタイ、半袖カッターといったクールビズは企業の指定がない限りは避けて下さい。暑いですがマナーとしてジャケットをはおり、長袖の白シャツで臨みましょう。
Q5:リクルートスーツはストライプ柄はダメなの?
A5:艶・光沢感のあるスーツやラインのハッキリしたストライプ柄などは、カジュアルな印象を与えるため避けるようにしましょう。ただし、同じ色で太さの違う糸を使っていて近くで見た時にストライプに見えるシャドーストライプならOKです。
Q6:スーツに合わせるネクタイはどんなものがいいの?
A6:リクルートスーツに合わせるネクタイは、無地・ストライプ・小紋柄など、なるべくオーソドックスな柄で安心感を与えるような色柄がオススメです。紫やピンクなどの明るい色・季節感のない色は印象が悪くなってしまいます。また、柄ではストライプの間隔が広いモノ、高級感のあるペイズリーやポップな柄は避けるようにしましょう。
おわりに
以上、スーツの色の選び方について解説してきました。
よくスーツの色で長時間悩む就活生をみかけますが、そんなことに頭を悩ませるぐらいだったら、さっさと片づけて他の就活準備に時間を充当するほうが賢明です。
あなたの個性はスーツではなく質問の受け答えでアピールするといったマインドセットをもったほうが就活の成功確率が高くなります。
ただし、見た目6割なのであなたが何をどのように着ているのかが、面接官の第1印象を決める重要な役割を果たします。
相手目線でスーツの色を選び、着こなしを意識して、清潔感をキープするようにお手入れを心がけましょう。
本記事があなたの就活に役立てば幸甚です。