自分史の作り方のコツとは?役立つテンプレートや例文も紹介!
2024/7/23更新
はじめに
就職活動において、最も力を入れるべきなのが自己分析です。
自分の長所・短所や志向性、価値観などを洗い出し、「どのような仕事が向いているか」、「どうしてこの業界にいきたいのか」などを明確にすることで、「就活の軸」をつくります。
自己分析の一環としてよく知られているのが、「自分史」をつくることです。
「自分史」とは、これまでの経験を時系列順にまとめたもので、自分の価値観をはかるのに非常に効果的だと言われています。
しかし、「自分史の作り方が分からない」、「自分史を作ってみたけど、上手く活用できない」という人も多いようです。
そこで本記事では、「自分史」を作る際のコツや、活用しやすいテンプレート、例文などをご紹介します。
この記事は以下のようなことを知りたい就活生を対象にしています。
- 「自分史」の作り方がわからない
- 「自分史」を作ってみたが、上手く活用できなかった
- 「自分史」を作るのに効率的なテンプレートを知りたい
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただけたら幸いです。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、「自分史」はこれまでの人生を振り返り、具体的なエピソードと共に時系列順にまとめたものです。
「幼少期(小学校入学前)」、「小学生」、「中学生」、「高校生」、「大学生」など、時代を分けて記入すると作成しやすくなるでしょう。
まとめる内容としては、「その当時、どんなキャラクターだったか」、「頑張ったこと(習い事や勉強など)」、「当時考えていたこと・抱いていた感情」、「経験から学んだこと」などがおすすめです。
しかし、これに限らずに印象的なエピソードがあればどんどん書いていくことが大切です。
次の章からは、自分史を作るのに役立つテンプレートや、自分史づくりのコツについて、わかりやすく解説していきます。
自分史づくりに役立つテンプレートや例文
「自分史」を作る際にまずすべきことは、子どもの頃から現在に至るまでのエピソードを書き出すことです。
書き出す項目としては、その当時の性格や考えていたこと、夢中になっていたこと、頑張っていたことなどをまとめ、それにまつわるエピソードを書き出すとスムーズにいくでしょう。
以下では、自分史づくりの流れをご紹介し、それぞれの段階で役立つテンプレートや項目例(例文)をご紹介します。
- 時代を分ける
- 当時の性格やキャラクターを書き出す
- 印象的な出来事やエピソードを書き出す
- 当時考えていたことや悩んでいたことを書き出す
- 経験からどんな学びを得たかを書き出す
一つずつ解説していきます。
時代を分ける
まずは、「幼少期(小学校入学前)」、「小学生」、「中学生」、「高校生」、「大学生」と、ざっくりと年齢ごとに分けて表にします。
幼少期(小学校入学前) | |
小学生 | |
中学生 | |
高校生 | |
大学生 |
必要な場合は、「小学校低学年・高学年」や、「中学1年生・2年生・3年生」など、細かく分けて書いてもOKです。
ただし、時系列がバラバラにならないように注意しましょう。
当時の性格やキャラクターを書き出す
小学生の頃の自分と、大学生の自分では、性格が変わっているケースも考えられます。
その変遷を客観的に書き出すことで、自分がどのように変化していったかを理解することができるでしょう。
例えば、「昔は引っ込み思案だったが、スポーツ等をきっかけに改善されていった」などです。
反対に、「勉強をよくサボる不真面目な学生だった」など、一旦マイナスと取られることも書き出してみることが大切です。
▼書き方の一例
時代 | 当時のキャラクター・性格 |
幼少期(小学校入学前) | 人見知りで引っ込み思案 |
小学生 | スポーツより勉強が得意で、よく友達に勉強を教えてたタイプ |
中学生 | 音楽にハマり、勉強より軽音部に熱中する音楽少年 |
高校生 | バンド内でのまとめ役・相談役 |
大学生 | 広く浅く付き合い、人と人を引き合わせるタイプ |
印象的な出来事やエピソードを書き出す
次に、各時代ごとに、思いつく限りの印象的な出来事を書き出していきましょう。
この時に大切なのは、そのエピソードが「就活に使えるかどうか」で選ばない事です。
「自分の理解が深まるか」どうかが大切なため、些細なエピソードであっても思いつく限り書いてみるのがおすすめです。
▼書き方の一例
時代 | 印象的なエピソード |
幼少期(小学校入学前) | 弟とよくオモチャの取り合いなどでケンカをしていた。マンガが好きで「ごっこ遊び」をよくしていた。 |
小学生 | 国語や歴史が得意で、勉強を教えていた友達が20点も点数を上げた。 |
中学生 | 軽音部の活動を通して、違う学校の生徒とも親友になった。部活に熱中しすぎて、第一志望の高校に落ちた。 |
高校生 | バンドメンバーが対立した時に、双方の話を聞くなどの仲介をして解決に貢献した。 |
大学生 | 先輩や他大学等との付き合いを広げ、「この人とこの人は気が合いそう」という人を紹介することも多かった。4年間同じアルバイトを続けた。 |
当時考えていたことや悩んでいたことを書き出す
上記で書いたエピソードや性格に紐づける形で、当時の考えや悩みなどを書き出してみましょう。
自分の感情やコンプレックスに思うこと、夢中になったことなどを書き出すことで、「自分はこういう部分に強みを持つんだな」、「自分の欠点や弱点はここかもしれない」という理解が深まっていきます。
▼書き方の一例
時代 | 当時考えていたことや悩んでいたこと |
幼少期(小学校入学前) | いわゆる内弁慶で、外では引っ込み思案で友達を遊びに誘えなかった。弟は可愛いのに、ついケンカになってしまうのに悩んでいた。 |
小学生 | 優等生キャラだったが、内心スポーツが得意な友人たちに憧れていた。自分に夢中になれるものがあまりなく、悩んでいた。 |
中学生 | 音楽と出会って、同じ趣味を持つ友達と交流するのが楽しかった。一方で、勉強との両立や楽器の上達などで悩んでいた。 |
高校生 | バンドメンバー同士が上手くいかず、ハラハラすることも多かった。自分が仲介役になることが多く、このままではいけないと直接話し合う場を設けた結果、なんとか仲直りさせられて安心した。 |
大学生 | アルバイト先は良い人に恵まれ、出勤するのが楽しかった。楽しいことの気配があると顔を突っ込むようにして、他大学ともコネクションを作ることで、面白いイベントに呼んでもらえたりした。 |
経験からどんな学びを得たかを書き出す
さまざまなエピソードを書き出したら、その中から「今後はこうしよう」と思ったことなどを書き出していきます。
といっても、幼少期のエピソードなどは直接ビジネスに関係するものではないかもしれません。
しかし、人の人格形成においても幼少期の話は非常に重要だと考える人もいるため、練習がてら書き出してみるのがおすすめです。
▼書き方の一例
時代 | 経験から学んだこと |
幼少期(小学校入学前) | 「弟はまだ小さいから」という意識が芽生え、だんだんと兄として譲ることが増えた。 |
小学生 | 人に勉強を教えるのは、自分でただ勉強するよりも大変だということを学んだ。その分、自分が教えた友人の成績が上がり、喜ぶ姿を見るのは嬉しかった。 |
中学生 | 自分は一つのことに熱中すると、周りが見えなくなることがあるということを学んだ。やりたいこととやるべきことのバランスを取ることが大切だと学んだ。 |
高校生 | 人間関係が上手くいかないと、活動そのものも上手くいかなくなることを学んだ。チームの中には、バランサーのような役割が必要なことも学んだ。 |
大学生 | 継続して一つのことを続けることの大切さや、人との繋がりの大切さを学んだ。 |
「自分史」を作る際のコツ
「自分史」を作る際には、「面接官から良い印象を持たれるように」と意識すると、却ってよくない出来になってしまうことがあります。
あくまでも「自分を理解するためのツール」として活用するのが第一歩のため、耳障りの良いことばかりを書くのもいけません。
そこで以下では、自分史を作る際のコツや守った方がいいこと等をご紹介します。
- できるだけ多くのエピソードを書き出す
- 何気ないエピソードもまずは書く
- 「なぜ始めたか」、「なぜ辞めたか」をしっかり書く
- 誰かにチェックしてもらう
- 嘘や大げさなことは書かない
一つずつ解説していきましょう。
できるだけ多くのエピソードを書き出す
記入例では各行で1〜2エピソードしか記載していませんが、実際はできるだけ多くのエピソードを集めるのがおすすめです。
中には「面接や自己PRには相応しくない」エピソードもあるかもしれませんが、それは後から削除することも可能です。
まずは一通り書き出すことで意外なことが見えてくるかもしれません。
また、書き出すエピソードが思いつかない時は、「勉強」、「部活」、「趣味」、「習い事」、「家族関係」、「友人関係」などの項目に分け、それぞれで頑張ったことや印象に残っていることを書いてみましょう。
何気ないエピソードもまずは書く
「友人と喧嘩した」、「字の上手さを褒められた」など、一見して自己PRに結びつかなそうなエピソードも、ためらわずにまずは書き出してみましょう。
こうしたエピソードを深堀りしていくと、「何故友人と喧嘩したのか?」→「自分の家族の悪口を言われた」→「自分は家族を大切に思っている」=「家族思いの性格」など、自分でも意識してなかった性格が見えてくるかもしれません。
「なぜ始めたか」、「なぜ辞めたか」をしっかり書く
部活やサークル、アルバイトなどのエピソードを書く時は、「なぜ始めたか」と「なぜ辞めたのか」をしっかり書くことで、自分の価値観が見えやすくなります。
例えば、「最初は友人に無理やり入らされたサークルだったが、こういう面白さを知り、夢中になった」というエピソードは、現状を楽しめる能力があるというPRに繋がります。
また、「実力ではなく顧問の贔屓でレギュラーが決められた」という理由で部活を辞めている場合、「実力を正当に評価してほしい」という自分の性質を知るキッカケになるかもしれません。
自分史を書いていてエピソードに詰まった時は、こうした観点から見直しをすると良いでしょう。
誰かにチェックしてもらう
自分史は、自分が経験したエピソードが主体となるため、「自分ではわかっているつもりが、説明不足である」、「起きた出来事と、その時考えていたことの繋がりが不明瞭だ」といった事態に陥りがちです。
そのため、一通り作成した後に誰かに客観的な視点でチェックしてもらうと良いでしょう。
「ここはいいけど、ここは分かりにくい」というポイントを挙げてもらうことで、自分のことを知らない面接官や採用担当にとっても分かりやすい自分史を作成することが可能です。
友人や家族に見せるのが恥ずかしい場合は、大学のキャリアセンターなどで見てもらうのも良いでしょう。
嘘や大げさなことは書かない
「自分史」は、それそのものが自己PRではなく、あくまでも実体験ベースで書くことが大切です。
「アルバイトを4年間続けた」、「サークルで多くの友達を作った」などの事実を書くのはいいですが、「アルバイトで全国チェーンの中から表彰された」、「友達を100人作った」など、嘘や誇張した表現は使わないようにしましょう。
実際に面接でこうした誇張エピソードを話すと、「表彰はどのような基準でされるか」、「100人は全員がしょっちゅう遊ぶような間柄なのか」という風に、突っ込んだ質問をされてしまう可能性があります。
あくまでも事実に沿って、ある程度淡々と記載していくことも大切です。
「自分史」を作るメリットは?
企業の中には、「自分史」の提出を求めるところもありますが、あまり重要視されない企業もあります。
自分が受ける企業が「自分史」を重視していない場合、作成しなくても良いのではないか?と考える人もいるかもしれません。
しかし、自分史を作ることは非常に多くのメリットがあり、直接的に提出が必須ではない場合も、作成して損はありません。
以下では、「自分史」を作るメリットについて、詳しくご紹介します。
- 強みや弱みが見えてきやすい
- 大切にしたい価値観が分かる
- モチベーションの源泉が分かる
一つずつ、詳しく見ていきましょう。
強みや弱みが見えてきやすい
就活生に限らず、人は一人ひとり違う性格をしています。
「誰かに怒られたこと」で奮起する場合もあれば、やる気をなくしてしまうこともあります。
その反対に、「誰かに褒められたこと」で実力が伸びるケースもあれば、もういいやと満足してしまう人もいるでしょう。
これまでの出来事や、それにまつわる感情を整理することで、「自分は褒められて伸びるタイプだ」、「自分は人間関係が悪化すると、モチベーションが下がってしまうタイプだ」など、自分の特性を正しく理解することができるでしょう。
自己PRで必ずと言っていいほど聞かれる「強み・弱み」は、具体的なエピソードを添えることで説得力が増します。
そのため、自分史を整理して強み・弱みを知ることは、就活生の皆さんにとって大きなアドバンテージとなるでしょう。
大切にしたい価値観が分かる
「どの企業に就職したいか」は、その人の価値観によって変化します。
「楽しそうだと思う仕事がしたい」、「安定した企業に勤めたい」、「エンタメに関係する仕事がしたい」などの基準がハッキリしていれば迷うことがありませんが、こうした価値観が自覚できていないケースもよく見られます。
高校や大学、部活、サークルなどを決めた時のことを振り返ると、「楽しそうだから」、「音楽やスポーツが好きだから」、「仲のいい友達がいたから」といった、「自分が大切にしたい価値観」のヒントになることがあります。
そのため、人生の節目で決断した時のことを振り返るのも、大いに就職活動に役立つでしょう。
モチベーションの源泉が分かる
「好きなことであれば寝食を忘れて頑張れる」、「誰かの喜ぶ顔が見たい」など、モチベーションの源は人それぞれです。
「頑張り」の起因になることを理解することで、仕事に対するモチベーションのヒントになるかもしれません。
さらに自分のモチベーションに応えられそうな仕事や会社を選ぶことで、長く働ける環境を見つけやすくなります。
面接や自己PRへの活用方法
「自分史」はエントリーシートの課題などにも出されるなど、企業によっては非常に重要視されるフレームワークです。
しかし、いざ自分史が完成しても、「出来上がった自分史を上手く面接や自己PRなどに活かせない」という人も多いようです。
一方、面接での質問は予測不可能なものも多く、「自分史」でとりまとめたエピソードが役に立つ場面も多く見られます。
以下では、自分史を就活で活用できる2つの方法について、詳しくご紹介します。
- 志望動機に繋げる
- 求める人材に沿うようアピールする
ぜひ参考にしてみてください。
志望動機に繋げる
志望動機は、企業が必ずと言っていいほど確認する項目です。
企業研究を重ねるのはもちろんですが、「なぜ自分はその会社を受けたか」という理由付けに納得感を持たせることが、上手く面接や選考を切り抜けるコツとなります。
たとえば、安定した企業に就職したい場合、ただ「安定しているから」だけでは「その会社じゃなくてもいい」という風に取られてしまいます。
しかし、「大好きだったアルバイト先が潰れてしまったという経験から、就活において企業基盤というものを重視するようになった」という理由付けをすると、納得感が生まれます。
反対に、ベンチャースピリットの高い会社に入社したい場合は、「学生時代の学祭で、自らのアイデアでこうした企画を立てた」という成功体験から、「若手でもどんどん仕事を任されやすいベンチャーに入社したいと思った」という風に繋げることができます。
ただし、「その企業ならでは」の志望動機がないと、人事としては納得しづらいため、あくまでも補助的な志望動機として活用するといいでしょう。
求める人材に沿うようアピールする
企業研究を通して、その企業の「求める人物像」を知ることができるでしょう。
しかし、自分がそうした「人物像」に合致するかどうかは、自己分析が不十分だと分かりにくいかもしれません。
しかし、自分史で多くのエピソードをまとめておくと、その企業が求める人物像にあったエピソードを見つけやすくなります。
例えば、「何事にもチャレンジングな性格」が求められる場合、「未経験からこんなことにチャレンジした」というエピソードや、「人見知りの自分を変えるために接客のアルバイトにチャレンジした」という具体的なエピソードを添えることで、非常に説得力を増すことができます。
企業によってエピソードの使い分けもできるため、できるだけ多くのエピソードを挙げておくことで、自己PRの選択肢を増やせるでしょう。
まとめ
本記事では、「自分史」の書き方や活用方法についてご紹介しました。
自分の価値観や欠点、長所などは、いきなり考えても分からないものです。
だからこそ、自分の子ども時代からの出来事やエピソードを振り返ることで、自分を見つめなおすキッカケとなります。
「自分はこんな考えがあったのか」という発見によって、今までなんとなくしか見えてこなかった「就活の軸」をハッキリさせられるかもしれません。
自己分析のやり方が分からない、という人も、まずは「自分史」を作るのが手軽でおすすめです。
また、「自分史」で自己分析ができてきたら、さらにエントリーシートや自己PRの精度を高めていきましょう。
以下の記事でも、「ガクチカ」やエントリーシートの書き方について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。