
【業界研究】商社業界についてザッと解説します。
はじめに
商社は学生から絶大な人気を誇る業界の1つです。
スーツをしっかり決めたかっこいい商社マンの姿をイメージする方も多いのではないでしょうか?
もしくはグローバルな印象がありますよね。
そこで本記事では、
商社業界について解説していきます。総合商社と専門商社の違いや5大商社についての説明をした後、「もっと商社業界について知りたい!」という人に向けてオススメの本を紹介します。
商社業界に興味がある人や商社業界についてまんべんなく知りたい人には必見の記事です。
1.業界研究 商社ってどんな業界?
商社の業界研究をしていきましょう。
まず、商社はどのような仕事を行なっているのでしょうか?
結論、商社は
・トレーディング
・事業投資
この2つのビジネスモデルを中心に成り立っています。
本章ではそれぞれ解説します。
1-1.商社におけるトレーディングとは
商社において最も伝統的で基本的なビジネスモデルといえるのが「トレーディング」です。
トレーディングとは、中間業者として需要者と供給者を結ぶ事業のことを指します。
例えば、「製造した自動車Aを販売したい企業X」と「自動車Aを仕入れたい企業Y」をクライアントとし、その両企業の間に入ることで需要と供給をマッチングさせることで「トレーディング」が成り立ちます。
「やっていることはわかった、んで利益はどうやってあげてるの?」
トレーディングにおける利益は
・仲介業者としての手数料
・マージン…買値と売値の差額
以上2点から発生しています。
このトレーディングを理解することができれば、商社がグローバルな印象を持っていることにも納得ですよね。
しかし、高度経済成長期以前には、収益の多くをトレーディングでしたが、インターネット技術の発達により「商社外し」が見受けられるようになりました。
その結果、「事業投資」というビジネスモデルを選択していくことになります。
1-2. 商社における事業投資とは
「事業投資」とは継続的・多面的な経営参画を念頭に置きながら、ある企業へ投資を行うことを指します。
その際の商社の行動としては、商社は目をつけた企業Pの株式を買収することで、企業Pの発行する株式の一部を取得・保有し、企業Pの大株主になります。
そして商社は株式を取得して資金を投入するだけではなく、企業Pの経営にも参画していきます。
この場合の収益は、
・配当金やキャピタルゲインといった直接的な利益
・グループ会社とのシナジー効果などの間接的な利益
です。
2. 総合商社と専門商社
次は総合商社と専門商社について解説していきます。
2-1.総合商社とは
総合商社は、豊富な資金力と情報収集力という大きな強みを生かして、1章で解説したトレーディングと事業投資が利益の2本柱となっています。
トレーディングに関しては、非常に幅広い分野の商材を取り扱っており、果物や野菜といった食品の買い付けから、航空機や金融商品の売買まで多種多様な商材を扱います。
一方、事業投資では強みである資金力と情報力を生かし、見込みのある事業だと判断した場合に投資することで利益をあげています。
主な企業は以下の通りです。
・三菱商事
・伊藤忠商事
・丸紅
・三井物産
・住友商事
2-2.専門商社とは
専門商社は先述した総合商社と比較して、取り扱う分野がある程度絞られています。
また、中心事業といえるのはトレーディング事業であることも総合商社とは異なる点です。
専門商社は取り扱う分野によって、以下の3つのタイプの企業に分けることができます。
・大手メーカー
・総合商社
・特定の商材
専門商社はこの3つのうちどれか1つの分野に深く関係していることがほとんどです。
しかし、近年はメーカーが自社で原料の調達や売買を仕掛けることも増加してきており、商社のトレーディングの機会が減少しています。
そのため、トレーディング以外の分野でも収益を上げるよう模索する企業もあります。
主な企業は以下の通りです。
・株式会社メディパルホールディングス
・アルフレッサホールディングス株式会社
・三菱食品株式会社
・株式会社スズケン
・日鉄物産株式会社
3.五大商社とは?年収も高い?
本章では、商社業界の中でも特に人気の高い五大商社について、各社の強みや社風など解説していきます。
なお、各商社の平均年収も紹介していますが、出典は2018年度有価証券報告書です。
3-1.五大商社の三菱商事
三菱商事はバランスの取れた優等生と表現できます。
というのも、三菱商事は非常にバランスの取れた事業経営を行なっているからです。
中でも食品や生活消費財、衣料などを扱う「生活産業」に強みを持っています。
社風としてもバランス感が取れていると言われることが多く、人間的に魅力のある社員が多いように感じた内定者もいるようです。No. 1商社ならではの環境といえます。
平均年収:1608万円
3-2.五大商社の伊藤忠商事
伊藤忠商事は「非資源商社No. 1」です。
財閥関係商社と比べて資産があるわけではない伊藤忠商事は、非資源分野に強みを持っています。
社風としては、三菱商事が優等生の集団であれば、伊藤忠商事は1つの物事に取り組んできたエネルギッシュな人間が集まると言われます。
平均年収:1521万円
3-3.五大商社の丸紅
丸紅は電力と穀物の2本柱で、特に電力分野では他社の追随を許しません。
こちらも伊藤忠商事と同じく、非財閥系総合商社です。
社風としては、他の総合商社と比べると年功序列の風潮が比較的弱いということもあり、親しみ易さを感じると言われます。
平均年収:1389万円
3-4.五大商社の三井物産
三井物産は伊藤忠商事とは異なり、資源分野に大きな強みを持っています。
しかし、経営方針を切り替え始め、急速にポートフォリオ総合商社の側面を持つようになってきました。その中でも特にヘルスケア事業に強みがあるといえます。
社風としては、個が尊重される自由闊達とされています。その自由な社風はインターンにおいても確認でき、三井物産の人を押すようなテーマのプログラムが多いようです。
平均年収:1420万円
3-5.五大商社の住友商事
住友商事はメディアと不動産に強みがあります。「石橋を叩いて渡らない」ほどリスクに慎重だといわれていますが、近年は事業投資に積極的な姿勢を見せています。
社風としては堅実です。「自利利他公私一如」「浮利を追わず」などを理念に掲げていることからもわかりますね。
平均年収:1390万円
4.商社の業界研究をしたい人にオススメの本3選
本章では本記事を読んで、「もう少し商社の業界研究をしたい!」とか「もう少し商社について知りたい!」という人に向けて本を紹介しています。
商社の業界研究をする際の参考にしていただけると幸いです。
総合商社の図解と謳っているだけあって、イラストと図解を使うことで総合商社のプロジェクトをわかりやすく解説しています。
取り上げている事例も生活に身近なものが多く、総合商社の仕事とはどのようなものか理解できるような構成になっています。
総合商社と普段の生活との関わりがよくわかる一冊となっています。
4-2.図解入門業界研究 最新総合商社の動向とカラクリがよーくわかる本
総合商社について、歴史であったり7大商社のビジネスモデルなどが詳しく述べられています。そのため、総合商社への就職を考えている人にとっては、まさに入門書といえるでしょう。
総合商社にしかできないスケールの大きな仕事の素晴らしさなどを客観的な視点で解説しています。
総合商社が日本の中でどのような機能を果たしているのかという理解にも繋がるので、総合商社以外の就職希望者も読んでおいて損はない一冊といえます。
4-3.総合商社プロフェッショナル 15人の三菱商事マン ビジネスの最前線からのレポート
三菱商事株式会社の協力のもとに作られた、インタビューが中心の一冊となっています。15人の商社マンが商社の仕事はもちろん、仕事の本質的な部分やライフスタイルなど幅広いトピックについて語ります。
商社で働くとはどういうことなのかを知りたい商社志望の学生にはおすすめの一冊です。
まとめ
本記事では商社業界について解説してきました。
みなさんがイメージする商社の業界とは異なっていましたか?一致していましたか?
単に商社業界といっても総合商社や専門商社があり、企業ごとのカラーも異なっています。
また、商社業界には優秀な人も多く、正直なところ狭き門です。
しかし、本記事を読んで「商社業界に興味を持った」あるいは「商社業界に行きたい」と感じたのであれば、紹介した本を読むなどして商社業界についてもう少し調べてみてください。
その業界研究を通じて、自分が商社に向いているのか、向いていないのかが分かってくるはずです。
仮に向いていなかったとしても、調べているうちに考えたことは今後の就活にも生きてくるので無駄にはならないはずです。
本記事が、
商社業界に興味がある人や商社業界についてまんべんなく知りたい人の参考になれば幸いです。