【企業分析】沖縄電力株式会社の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/5/24更新
はじめに
沖縄電力株式会社（以下、沖縄電力）は、沖縄県浦添市に本社を置く電力会社です。
昭和47年に琉球電力公社の業務を引き継いで設立されたのが沖縄電力のルーツとなっています。
創業以降、沖縄県全域を担当領域とし、総合エネルギー事業者として、人々の暮らしや経済活動を支えています。
そんな沖縄電力の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などを紹介していきます。
沖縄電力や大手電力会社への就職を考えている以下のような就活生を対象に、企業分析を行っていきます。
- 沖縄電力の業務内容が知りたい。
- 沖縄電力の就職難易度が知りたい。
- 沖縄電力の選考対策について、何をしたらいいかわからない。
その他の業界については以下の記事でまとめているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
沖縄電力の就職難易度は、高いといえるでしょう。
その理由としては以下の点が挙げられます。
- 大手電力会社で業績が安定していること
- 地元での就職を希望する学生に人気があること
- 採用人数が20名程度と狭き門であること
また、沖縄県の平均年収は約367万円なのに対して、沖縄電力の平均年収は774万円となっており非常に高い水準を誇っているのが人気の理由として挙げられます。
以上の理由により、選考は高倍率となる可能性が高いでしょう。
ただし、採用大学は幅広く採用されており、沖縄、九州地方だけでなく全国各地の大学から採用しています。
沖縄電力に入社したいという強い気持ちと、明確な志望動機をアピールして選考対策を充実させれば、内定を獲得できるチャンスがあるでしょう。
地域の人々の暮らしを支えたいという思いはどの就活生も持っているはずなので、他の就活生と差別化を図るためにも自己分析や企業分析を徹底し、対策しておいてください。
沖縄電力の募集職種は「技術職」と「事務職」の2つです。
技術職へは「電気・電子・機械・情報・科学・物理、その他理系学科」を専攻していないと応募することができないので注意しましょう。
また、採用職種は2種類ですが、入社後の業務内容は多岐にわたります。
企業説明会への参加やOB訪問を行い、希望する仕事を明確にしておきましょう。
次の章からは、各事業内容やその他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
株式会社沖縄電力について
出典元：ごあいさつ| 沖縄電力
会社概要
沖縄電力は、1972年に沖縄振興開発特別措置法に基づき発足した電力会社です。
昭和63年に民営化され、特殊法人から株式会社に移行しています。
日本国内の主要電力会社10社と比較すると、電気供給量は最も低いものの沖縄県内に電気を供給し、人々の暮らしの根底を支えています。
また、日本国内の電力会社の中で唯一、原子力発電所を持たない電力会社として知られており、発電設備のほとんどを火力発電で賄っていることが特徴です。
沖縄電力は「地域とともに、地域のために」を企業理念とし、電力の安定供給を通して地域社会の発展に寄与しています。
沖縄県全域において、重要なライフラインを担う企業として、今日も安定した電力供給を行っているのです。
主な事業部は以下のとおりです。
- 発電本部（発電部・燃料グループ）
- 送配電本部（送配電事業部・電力流通部・配電部・離島発電部・用地部）
- 販売本部（販売企画部・法人営業部・生活営業部）
上記の3事業部以外にも経営戦略本部などの部署があり、沖縄電力の企業活動を支えています。事業内容については後ほど解説いたします。
沖縄電力の強みとして以下の2点が挙げられます。
1つ目は、県内で唯一、電気とガスの両方を供給することが可能な点です。
沖縄電力は総合エネルギーサービス企業として事業を展開しているため、電気、ガス両方の供給を可能としています。
電力の自由化により、消費者は電力会社を選べるようになりましたが、総合的なエネルギーサービスの展開により、県内の販売電力量の約9割を沖縄電力が担っています。
2つ目は、優秀な人材を確保できる点です。
沖縄電力は沖縄県を代表する企業の一つとして事業を営んでいます。
沖縄県での電気供給は高いシェアを誇っており、業績も安定しています。
また、待遇も良く、学生から非常に高い人気を誇っています。
次に、沖縄電力の電力業界内での立ち位置について紹介いたします。
2016年の電力小売り自由化以前に担当エリアを独占していた大手電力会社が、現在においても日本国内で76.2％をシェアするなど高い勢力を誇っています。
今までは電力の供給区域別に会社が設立されているので競合他社とはならないことが特徴でしたが、四国と沖縄を除く8社は供給区域外への越境販売を行ったり、東京ガスや大阪ガスなどが電力小売り事業へ参入したりしており、業界内の競争が活発化しています。
各企業は差別化を図るためにそれぞれ特色を出していますので、しっかりと業界分析、企業分析を行い、トレンドを押さえておきましょう。
各事業別の売上規模
有価証券報告書によると、沖縄電力の売上規模は、2235億1,700万円です。（2023年実績）
2022年は1,762億3,200万円だったため、売上規模は大きくなっています。
また、内訳として電気事業が2133億8,300万円、建設業が242億円、その他ガス事業などが303億8,800万円となっています。
※2023年度は営業費用等の増加により、480億9,900万円の経常損失を計上しています。
上記のとおり、売上高の約8割を電気事業が占めています。
売上の詳細について気になる方はOB訪問や企業説明会などで質問してみましょう。
各事業セグメントの解説
沖縄電力の事業部門は12に分類されています。
それぞれの分野が非常に重要な役割を担っているのですが、特に重要な7つの事業内容について解説いたします。
| 事業部門 | 業務内容 | |
| 発電本部 | 発電部 | 電源の開発と的確な保守・修理を行い、電力の安定供給を行う。 |
| 燃料グループ | 燃料の調査、調達などの統括管理を行う。 | |
| 送配電本部 | 送配電事業部 | ネットワーク企画、新電力からの申込受付などの契約業務を行う。 |
| 電力流通部 | 送電線や変電所の建設、保守などを行い、発電機等を運用する。 | |
| 配電部 | 配電設備の計画、構築、運用。 | |
| 離島発電部 | 離島発電所・電業所における発電設備の計画、建築、運用、保守を行う。 | |
| 用地部 | 自社所有の土地などの管理、保全を担当する。 | |
| 販売本部 | 販売企画部 | お客さまサービスに関する企画・計画の立案。 電気料金の計算、請求などを担当。 |
| 法人営業部 | 法人分野への販売活動を行う。 | |
| 生活営業部 | オール電化を中心とした豊かで便利な生活スタイルの提案を行う。 | |
| 経営戦略本部 | 企画部 | 経営方針の策定などを担当。 |
| デジタル イノベーション 推進部 | 情報処理技術を活用し、業務の効率化やコスト低減に取り組む。 | |
| グループ 事業推進本部 | 事業開発部 | グループ会社の管理・支援を行う。 新規事業開発グループとエネルギー事業グループに分かれている。 |
| カーボンニュートラル 推進本部 | 研究開発部 | クリーンエネルギーなどの新技術の研究開発を行う。 |
| 環境部 | 地球温暖化対策、循環型社会形成に向けた取り組みを行う。 | |
| 資材部 | 電力設備の新設、修繕に必要な資材の調達や工事の発注を行う。 | |
沖縄電力では、電気事業を中心に上記の事業部門を展開しています。
沖縄県全域に安定したエネルギー供給を行うために事業部門が細分化されているのが特徴です。
また、上記以外にも総務部、経理部、防災危機管理室などがあり、後方支援も充実しています。
沖縄電力で働いている社員は？
平均勤続年数は？
有価証券報告書によると、沖縄電力の平均勤続年数は20. 3年となっています。
日本国内の民間企業の平均勤続年数が11. 8年であることから、全国平均よりもかなり長い年数です。
平均年収は？
沖縄電力の平均年収は、約774万円です。
全国平均の年収が433万円、沖縄県の平均年収が367万円であることから、給与水準は全国および沖縄県の平均より高くなっています。
平均残業時間は？
沖縄電力の平均残業時間は、16.3時間です。
厚生労働省が発表している「毎月勤労統計調査」によると、一般労働者の平均残業時間は13.8時間なので、沖縄電力の残業時間は平均より少し多いといえます。
一方、沖縄電力の年間有給休暇の取得日数は平均で18.8日とされており、全国の民間企業の平均である10. 3日を大きく上回っています。
配属部署、担当プロジェクトにより異なる可能性はあるものの、非常にワークライフバランスを推進している企業といえるでしょう。
平均ボーナス額は？
沖縄電力のボーナスについては年2回、業績や勤務成績によって支給されるようです。
詳しい支給額については公表されていませんので、気になる方はOB訪問などを活用し情報収集するようにしましょう。
どんな文化なの？
沖縄電力は、ワークライフバランスが充実しており、社員一人ひとりを大切にする文化があります。
有給取得率も高く、その他の休暇制度や福利厚生も充実しているので非常に働きやすい企業といえるでしょう。
また、風通しもよく、明るい雰囲気となっているようです。
一方、競争意識が低くまったりとした雰囲気があるようなので、就活の際は自己分析をしっかりと行い、自身の求める働き方や労働環境を明確にし、選考に臨みましょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
大手電力会社の中での沖縄電力の立ち位置を紹介します。
売上高や就職偏差値などを参照し、その他の大手電力会社と比較してみましょう。
まずは、以下の表をご覧ください。
| 会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値 | 社風 |
|---|---|---|---|---|
| 沖縄電力 | 2,235億1,700万円 | 774万円 | 61 | ワークライフバランスが充実しており、風通しの良い社風 |
| 東京電力 | 7兆7,986億円 | 815万円 | 60 | 社員やグループ企業が連携し、助け合う社風 |
| 九州電力 | 2兆2,461億円 | 766万円 | 66 | 教育制度が充実しており、働きやすくキャリア形成しやすい社風 |
| 四国電力 | 8,332億円 | 772万円 | 63 | 風通しがよくアットホームな社風 |
上記のとおり、どの企業も就職偏差値が高く、内定を勝ち取るには充分な対策が必要です。
また、社風については、どの企業もワークライフバランスが充実しており、働きやすい職場であるといえるでしょう。
一方で大手企業ならではの保守的な部分もあるようなので、自分が望む働き方とマッチしているか確認するようにしてください。
就職活動で選考に臨む際は、業界研究をしっかりと行い、なぜ電力会社を志望したのか明確にしておくことが重要です。
沖縄電力の新卒募集要項について
以下に、沖縄電力の新卒募集要項についてまとめました。
2025年度の募集要項では学部卒の初任給が210,500円、修士卒が215,500円となっており、大卒の平均初任給228,000円よりも低い水準です。
各種手当や昇給制度について詳しく知りたい方は企業説明会で質問してみましょう。
| 各項目 | 詳細 |
| 応募資格 | ①事務系：学部・学科不問 ②技術系：電気、電子、機械、情報、物理、その他理系学科 |
| 職種 | ①事務系：企画、営業、総務、経理、用地など ②技術系：発電、送電、変電、配電、環境、情報、通信など |
| 基本給 | ①高専・短大・専門卒：185,400円 ②大学卒 ：210,500円 ③大学院卒 ：215,500円 ※2024年度実績 |
| 昇給 | 年1回 |
| 賞与 | 年2回 |
| 福利厚生 | 各種社会保険制度、育児休業制度、介護休業制度、カフェテリアプラン制度、財形貯蓄制度、社員持株会制度、医療共済会制度、慶弔見舞金制度、転勤者用社宅（沖縄本島・東京・宮古・八重山・その他各離島） |
| 勤務時間 | 8：30〜17：00 ※職種、勤務地によって交替勤務制あり |
| 勤務地 | 沖縄県内各事業所および東京支社 |
| 募集人数 | 20名程度（過去3年間の採用実績より） |
求める人材
沖縄電力は、求める人財像として以下のような就活生を求めています。
- 長期的な視野を持つ人物
- 高い倫理感を持つ人物
- 地域特性について理解することができる人物
- チャレンジ精神旺盛な人物
沖縄電力は地域に根ざす企業として、安定したエネルギー供給や地域社会への貢献を使命としています。
重要なライフラインを支えるという使命感と高い倫理感を持つこと。
目先だけの利益にとらわれず、本当に社会や地域のためになるのかを考えることができる長期的な視野を持つこと。
離島を抱える島しょ地域の特性を理解し、困難に立ち向かうチャレンジ精神を持つことなどを兼ね備えた人物を求めています。
新卒採用のフロー
沖縄電力の選考は、下記のとおりの流れです。
※採用年度によって変更がある可能性があるので注意が必要です。
①エントリーシート提出
ネームバリューと安定性がある企業ですので就活生の応募が膨大になる傾向があります。
高倍率な中でエントリーシートを通過させるためにも、なぜ「沖縄電力」を志望したかを明確にしておきましょう。
②適性検査
適性検査ではSPI試験が実施されるようです。
参考書を繰り返し解くなどして徹底的に対策しておきましょう。
③面接（複数回）
沖縄電力では、複数回の面接試験が実施されます。質問に対して論理的に回答することを心がけてください。
また、以下のような質問が多いようです。
- 志望動機
- 企業研究で行ったことは？
- 最大の挑戦はなんですか？
- 10年後のビジョンは？
比較的オーソドックスな内容が多いので、自己分析や企業分析を徹底し、面接対策を行いましょう。
また、沖縄電力の採用ページには記載されていませんが、グループディスカッションが実施されたとの情報もあるため、あわせて準備しておきましょう。
④内定
複数回の選考を突破すると内定が決まります。
採用大学
沖縄電力の過去の採用実績を見ると、国公立大学や有名私立大学だけでなく、中堅大学を含め幅広く採用しています。
採用実績は以下のとおりです。
【採用実績】
| 茨城大学大学院、岡山大学、沖縄工業高等専門学校、北里大学大学院、九州工業大学、九州工業大学大学院、九州大学、九州大学大学院、熊本大学、熊本大学大学院、慶應義塾大学、静岡大学大学院、信州大学、東京工業大学大学院、東京理科大学、東北大学大学院、豊橋技術科学大学大学院、同志社大学、長岡技術科学大学大学院、広島大学、福岡大学大学院、法政大学、室蘭工業大学、明治大学、山梨大学大学院、横浜国立大学、立教大学、立命館大学、琉球大学、琉球大学大学院、早稲田大学 |
採用大学のランクに関しては、以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
ここまでの内容を踏まえて、沖縄電力の就職偏差値・難易度を見ていきましょう。
結論として、沖縄電力の就職偏差値・難易度は高いといえます。
その理由としては以下の3点が挙げられます。
- 大手電力会社で業績が安定していること
- 地元での就職を希望する学生に人気があること
- 採用人数が20名程度と狭き門であること
以上3点の理由から、選考倍率が高くなる可能性が高いです。
数多くの学生と差別化を図るためにも、企業分析を充実させ、面接などの準備を整えておきましょう。
まとめ
企業研究として、沖縄電力の就職難易度・採用大学・選考対策などについて解説しました。
沖縄電力は総合エネルギー事業者として、人々の暮らしや経済活動を支えています。
インフラ企業として業績が安定していることや、ワークライフバランスが充実していることから、選考は高倍率になる可能性が高いです。
高倍率の選考を突破するために、自己分析と企業研究を徹底して行い、選考対策を行いましょう。
ぜひこの記事を参考にし、内定を獲得できるように頑張ってくださいね。
