就活の早期選考の内定を保留できるのはいつまで? 対応法・注意点・返事の期限【例文あり】

就活の早期選考の内定を保留できるのはいつまで? 対応法・注意点・返事の期限【例文あり】

2023年12月20日更新

はじめに

就活がある程度進んでくると、自分の気持ちがはっきりと決まらないうちに、いくつか内定を貰うことになることもあります。そして、早期選考を受けたことによって行きたかった企業から内定を貰う前に、他の企業から内定の連絡がきてしまったり、内定承諾をすぐにできないこともありますよね。

 

その際に、やむなく「内定を保留する」という事態が生じます。つまり、企業から許可を得て一定の時間をもらい、内定を承諾するか辞退するのかを考えることになるのです

 

保留は、企業の方へ自らお願いをし承諾してもらうものです。しかし、企業側からすると「せっかくお金と時間を使って合格通知を出しているのに、、」と、あまり気持ちの良いことではありません。

 

このため、もし内定の保留をする場合には、その期限はいつまでなのか、はっきりと把握しておき、さらにしっかりとしたマナーと対応を持って臨むべきです。

 

本記事では、早期選考などさまざまな理由で内定の保留を考えている就活生に向けて、その理由やマナー、対応などを解説していきたいと思います。

 

内定を保留するリスク

就活生にとっては、やむを得ない判断である「内定の保留」ですが、当然企業に良い顔をされるはずがありません

 

そもそもは就活生の方から採用試験を申し込んできておきながら、多大なお金と時間をかけて内定を出した後に「やっぱり時間をください」「やっぱり辞退します」言われてしまうのですから、企業にとっては良い気がしないのは当然ですね。

 

 

 

具体的には、内定を辞退すると下記のようなリスクがあります。

 

1.内定取り消しになるリスク

 

2.オワハラを受けるリスク

 

 それぞれ解説していきます。

 

 

1.内定取り消しになるリスクがある

企業は、年によって内定を出す上限人数が決まっています。「◯人採用したい」という考えのもと、毎年の傾向から「これくらいの内定を出せば、これくらいの人数が入るだろう」と逆算して、計画を立てているのです。

 

それが、内定の保留をされてしまうと、どうでしょうか。入社してくれるのか、してくれないかの判断がつきませんよね。

 

これでは、企業も困ってしまいますので、最小限の採用人数を確保するため早期に内定保留者を切り、新しく採用活動をしようとすることがあります。

 

新しく採用活動をして気に入った人材が見つかると、内定の保留中の就活生に「すみませんが内定を取り消させていただきます」という連絡がくる場合があり、せっかく持っていた内定も取り消されてしまうことがあります

 

 これは、内定保留の大きなリスクと言えるでしょう。

 

 

 

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2.オワハラを受けるリスクがある

内定をもらった企業に保留を伝えた際、「オワハラ」を受ける可能性があります。オワハラとは「就活終われハラスメント」のことです。

 

具体的には、就活生が他の企業へと行かないように、「就活を終わらせてください」「他の企業の面接を受けないでください」と言ってくることです。

 

また、さまざまなイベントを企画し、内定を出した学生が、他企業のイベントや選考に出られないよう、仕向けてくるケースもあります

 

このような、精神的に圧迫されてしまう可能性があるのは、大きなリスクになるでしょうるかもしれませんね

 

内定保留を伝える際の注意点

採用の電話がかかってきて、内定の保留を伝える際にはいくつかの注意点があります。

 

しっかりとルールと注意点を踏まえておくことで、少しでもスムーズに内定の保留を認めてもらえるようにできます。

 

1.保留の場合は早めに報告

 

2.メールと電話をする

 

3.理由を素直に伝える

 

4.期限を伝える

 

これまで、内定保留のリスクについて見てきましたが、この項では非常に気をつける必要がある伝え方について解説します。

 

内定保留を伝える際の注意点について、しっかりと頭に入れておき、企業から変に反感を買ってしまうことのないように準備しておきましょう。

 

1.保留の場合は早めに報告

保留にしたいと決めたら、すぐに企業に連絡しましょう。企業によっては、あなたのことを既に入社するうちの一人と換算しており、その上で他の採用活動を減らしている場合もあるからです。

 

このため、企業からすると内定の保留をしたいとわかった時点ですぐに連絡をもらったほうが、次の計画を立てやすくなるのです。

 

2.メールと電話をする

基本的には、メールと電話の両方をすると印象がいいです。まずはメールでその旨を伝えて、その報告を持って企業側に連絡をしましょう。

 

そうすれば、企業も内容をわかった状態で電話を受けることができ、すんなりと話が入ってきやすくなりますし、自分としても思考がまとまるので話に説得力がでます

 

3.理由を素直に伝える

内定の保留の理由は、素直に伝えましょう。たまに、嘘をついてその場をしのごうとする人がいますが、何万と就活生や社会人を見ている人事の方は、嘘は簡単に見抜くことができます。また、嘘をついてもその場はいいですが、後々辻褄が合わなくなってしまいます。

 

企業側も内定保留は困ることですが、ありえないことではないので理解は示してくれます。そのため、素直に話した方がその後の関係性としても得策と言えます。

 

4.期限を伝える

もっとも大切なのは、内定を保留にした場合、次の回答の期限をいつまでに設定するのかをしっかりと考えておき、それを伝えることです。

 

自分としても、期限を決めることでズルズル考えることが無くなりますし、企業としても期限が設定されていると次のアクションが取りやすくなります。

 

必ず期限を決めて、それを一緒に伝えるようにしましょう。待ってもらえる期限の目安については、次章で詳しく説明します。

 

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3.返事を待ってもらえる期限の目安はどのくらい?

それでは、実際に内定を保留にする際の、期限の決め方について見ていきましょう。

 

 内定をもらった時期(状況)別に、

 

・大学3年の場合

 

・大学4年の4〜5月末までの場合

 

・大学4年の6〜7月末までの場合

 

・大学4年の8〜9月末までの場合

 

・大学4年の10月以降の場合

 

この5つに分け、それぞれ見ていきます。

 

1.大学3年の場合

多くの就活生が就活を本格的に始めるより前、つまり大学4年になる前に内定を獲得できた場合は、非常に早期での内定となります。

 

ただし、このような時期に内定を出す企業は、そう多くありません。「他企業の選考を待ってから考えたい」という場合、多くの企業が内定を出し始める大学4年の5〜6月頃まで待ってもらえるのが通常です。

 

3年時点で内定を出す企業側も、学生がまだ決めきれないことを承知で出していますので、すんなりと受け入れられるケースが多いはずです。

 

2.大学4年の4〜5月末までの場合

多くの企業が内定を出し始める時期である、大学4年の4〜5月頃。

 

経団連の就活ルール解禁により、企業側の選考スケジュールも早期化の動きが強まっていますが、今までの慣例通り、6月解禁まで待つ企業も中には存在します。

 

このような企業の選考に臨む場合、結果が出るのはその1ヶ月以上先になりますので、選考が長引いた場合は、8月まで就活を続ける必要が出てきます。

 

となると、4月に内定をもらっていた場合、最大4ヶ月ほど待ってもらう必要性があります。

 

4ヶ月ほどであれば待ってくれる可能性も高まりますが、さらに再延長で「9月以降まで待ってほしい」というのは、企業に納得されないケースもあります

 

期限の再延長を余儀なくされるような事態は避け、内定をもらっている企業へなるべく迷惑をかけずに済むよう、志望企業の選考スケジュールは事前に確認しておくようにしましょう。

 

3.大学4年の6〜7月末までの場合

就活を終了する学生も多く出てくる、大学4年の初夏の時期。企業にとっても大事な時期であり、採用活動を終了するか、追加で夏募集・秋募集をかけるかの判断が求められるため、非常にシビアになっています。

 

そのため、この時期に内定をもらった場合、待ってもらえたとしても1〜2週間が限度でしょう。

 

志望企業の選考スケジュールが、それよりも後ろになりそうな場合は、もちろん交渉の余地がありますので、納得してもらえるよう、誠意ある態度で理由を説明することが大切です。

 

4.大学4年の8〜9月末までの場合

多くの企業では10月頭に内定式を実施するため、8〜9月のこの時期は、次年度の採用人数の最終調整を行う時期となります。

 

「9月末までには内定者リストを確定したい」と考える企業も必然的に多くなりますので、なるべく9月末までには意向を固めるようにしましょう。

 

5.大学4年の10月以降の場合

ほとんどの学生が就活終盤を迎えるこの時期は、内定を出す企業の数は非常に少ないといえます。

 

むしろ、内定をもらえただけラッキーと捉えた方が適切かもしれません。「大学卒業が目前に迫る、このギリギリの時期にせっかく内定を出したのに、なぜ内定保留なのだろう」。もし内定保留をする場合、このように企業から訝しがられてしまう可能性が高まります

 

企業側としては、なるべく早く採用活動を完全に終了させ、予算を抑えたいという思惑がありますので、保留を伝える際には、非常に慎重な姿勢が求められると同時に、出来るだけ早く意向を伝える必要があります。

 

なぜこの時期に内定保留をしなくてはならないのか、についてよく考えた上で、内定を取り消されるリスクも考慮し、発言には十分気をつけるようにしましょう。


4.【4つの状況別】内定保留を伝える際の例文

内定を保留にする理由は人それぞれですが、大きく分けると次の4つに分類することが出来ます。

 

1.他の内定もあり、どこにしようか悩んでいる

 

2.家族や友人に相談したい

 

3.本命の企業からの内定がまだでていない

 

4.他の進路と迷っている場合

 

 

それぞれのパターン別に、例文をご紹介します。

 

1.他の内定もあり、どこにしようか悩んでいる場合

 この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。御社から評価を賜り、大変嬉しく思っております。本来はすぐにお返事するべきなのですが、●月●日まで返事を待っていただけないでしょうか。失礼ながら併願している他社様からも内定をいただいており、自分としてはじっくりと検討してからご回答させていただきたいと考えております。このため、少し回答までにお時間をいただくことはできないでしょうか。大変身勝手なお願いで申し訳ありませんが、ご検討よろしくお願いいたします

 

2.家族や友人に相談したい場合

 「内定のご連絡、ありがとうございます。貴社から内定をいただけたことに対し、大変嬉しく思っております。ただ、勤務地のことなども合わせ、世話になった家族に報告させていただき、相談の上、決定させていただきたく存じます。このため、正式なお返事につきましては少しばかりお時間をいただき、改めて正式にご連絡させていただけますと幸いです。」

 

3.本命の企業からの内定がまだでていない場合

 「内定のご連絡、ありがとうございます。ただ、これまで受けてきた企業の選考がまだ全て終わっておらず、他企業の選考を途中で辞退することは、非常に中途半端であるという認識があり、全て終わってから慎重に決断したいと考えております。

 

貴社への入社を前向きに検討させていただいておりますが、◯月◯日に選考が終わりますので、大変恐縮ながらそれまでもう少しだけ時間をいただけないでしょうか。」

 

 

4.他の進路と迷っている場合

「内定のご連絡、ありがとうございます。かねてより念願であった御社から内定をいただけ、大変嬉しく思っております。ただ、少し迷っておりますのが、留学したい(教員になりたい)という夢がどうしても諦めきれず、心の整理がつかずにおります。

 

もちろん、御社への入社を前向きに検討させていただいているのですが、もう少しだけ考える時間をいただき、気持ちに整理をつけさせてから改めてお返事させていただいても宜しいでしょうか。」



5.電話・メールで内定保留を伝える際の例文

では、実際に内定の保留を伝える際の電話でのトークスクリプトとメールでのテンプレートを紹介しますので、参考にしてみてください。

 

ただ人によって理由はさまざまですし、この限りではないので自分に合わせて編集をしてみるとよいと思います。

 

1.電話のトークスクリプト

電話をかける際はすごく緊張しますよね。今日かけようと思っていても緊張して「また明日でいっか」と思ってしまうこともありますが、早めにかけて伝えることを心がけましょう

 

企業側も内定の保留は想定はしているとのことなので、ひどい態度をとられる怒られることはまずないと思いますし、ひどい態度をとられ怒られたらそんな企業には行かなければいいだけですからね。

 

では実際の電話のトークスクリプトをみてみましょう。

 

「お世話になっております。〜〜大学の〜と申します。先日は内定の連絡をいただきまして、ありがとうございました。

 

今回は、内定の保留をお願いできないかと思いご連絡させていただきました。他にも選考が進んでいる企業様がございまして、全ての結果が出るのが〜月〜日頃になりそうです。その結果をみてから判断したいと考えております。

 

たくさんの選考のお時間や相談のお時間をいただいたのに申し訳ございませんが、内定の保留を〜月〜日までさせていただくことは可能でしょうか?

 

大変勝手なお願いではございますが、ご理解いただけますと幸いです。」

 

2.メールのスクリプト

 

件名:内定保留のお願い 〜大学〜(名前)

 

 本文:

 

〜様(担当者名)

 

お世話になっております、〜大学の〜と申します。

 

先日は内定のご連絡をいただきまして、ありがとうございました。

 

内定承諾に関して〜月〜日まで保留にさせていただきたくご連絡させていただきました。

 

貴社の他にも選考をいくつかの企業様で受けさせていただいており、最終的に結果がまとまるのが〜月〜日になります。その結果をもって判断させていただきたいと考えております。

 

お忙しいところ大変恐縮ですが、ご理解いただけますと幸いです。

 

〜大学

〜(氏名)

 

6.就活生が内定を保留にする4つのメリット

これまで、内定を保留にする注意点とリスクについて解説してきましたが、就活生にとって、もちろん大きなメリットがあることも事実です。

 

後悔のない就活にするためにも、リスクはあるにせよ内定保留は一つの切り札として、認識しておきましょう。

 

1.他企業と比較して決められる

ある程度就活が軌道に乗ってきて、経験値やスキルが溜まってくるといくつかの企業から内定が出てくる場合があります。

 

どれも自分が「いいな」と思って選考を受けている企業でしょうから、同時にいくつかの内定が出てくるとどれも捨てがたく思ってしまったり、「自分は本当はどこにいきたいのか」

と考える時間が必要になるでしょう。

 

その際、考える時間を作る時に”内定の保留”という選択肢を取ることができます

 

2.家族や友人に相談できる

自分の就職先は、自分だけのものではないという人も多いですよね。特に、進路に厳しい両親の場合や、もしくは就活やキャリアに詳しい友人がいる場合には、相談したい気持ちは良くすごくわかります。

 

 

 

最終的に「自分がいく企業は自分が決める」ことが大前提なのですが、他の人の意見を聞いておくことも大切です。

 

もしかしたら、親の方が社会人経験が長いので的確なアドバイスをくれる場合もあるでしょうし、友人がそうかもしれません。そういったアドバイスを他人からもらうために、保留にする就活生も多いが現状です。

 

3.納得感を持って就活を終えられる

大学生のほとんどが、「社会人として働く」という経験がありません。

 

このため、自分が本当にその会社で生き生きと働いているイメージが持てなかったり、ネットの評判などをみて「大丈夫かな」と感じてしまったりすると、「内定を承諾していいのか」と感じてしまいますよね。

 

あるいは、「もしかしたら、他にもっと良い企業があるんじゃないか」と考えてしまうと、「やっぱりもう少し就活を続けて頑張ってみよう」と思いますよね。

 

その際に、内定を保留という選択肢もあるでしょう。

 

4.本命の企業の結果を待てる

 「いきたい会社ではあるけれど第一志望の会社ではない。」「まだ、第一志望の会社から選考結果が出ていない」

 

このようなことも、就活中はよく起こり得ます。やはり自分の第一志望の会社というのは、他の企業にない魅力があるもの。

 

 「行けなかったら後悔する」と考えてしまうと、やはり内定が出るまでに挑戦期間が欲しくなりますよね。その際に使えるのが、内定の保留ですね。

 

 保留の期間に受かれば、第一志望の企業に行けばいいですし、受からなければ保留をしている企業に行けばいいというのは、リスクを減らすことになり、大きなメリットであると言えるでしょう。

 

まとめ:迷っているなら内定を保留にしても問題ない

もちろん前述したように内定保留にはリスクは伴います。企業としても、あなたのことを採用したいと思って内定の連絡を出しているわけで、それに対し「待ってください」と言われるのは、はっきり言って不快感を感じてしまいます。

しかし日本にはたくさんの企業があり、一生をかけても見切ることができません。そのため「少し自分がやりたいことと違うかもしれない」「この企業で本当にいいのかな」と違和感がある場合には、保留にして自分で考えたり、相談したりして納得感をもって次に進んだ方がいいでしょう

 

その際には本記事を参考にしていただけますと幸いです。自分の人生ですので、自分で道を決めることが大切。みなさんが納得のいく就活ができることを、心より願っております。

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監修者情報

須藤由加里

キャリアアドバイザー リーダー

株式会社やまとに新卒入社。
全国での採用担当&新卒中途の研修担当の3職種を経験。 その後挑戦心が原動力となり2020年に株式会社ナイモノにジョイン。 現在キャリアアドバイザー リーダーとして就活生のサポートを行う。