
インターンは目的意識が勝負!面接でよく聞かれる質問例とマインドセット
はじめに:インターンは今や「当たり前」
就活生にとって、今や誰しもが通る道となっているインターンシップ。
1日だけのワンデーインターンや、裁量権を持って社会人並みにバリバリ仕事をこなす長期インターンなど、期間や内容も様々。
参加したことがあるという方も、多いのではないでしょうか。
リクルートキャリアの「就職白書2018-インターンシップ編-」によると、新卒採用を実施している企業のうち、2017年度にインターンシップを実施した(予定含む)企業は68.1%と約7割に上っています。
2016年度は59.4%と6割ほどに留まっていたので、年々インターン実施企業が増えていることが伺えますね。
インターンを実施する企業の増加に伴い、インターンに参加する学生の数もどんどん増えています。
2018年卒学生のうち、インターンシップ参加者は55.2%と、過半数の学生に当たります。またこのデータは、前年度よりも10%以上も増加していることになりますね。
就活において「インターン」は、企業・学生双方にとって欠かせない存在となってきていると言えるでしょう。
ですが、周りが皆参加しているからといって、目的意識もなく参加してしまえば、せっかく時間もお金も割いて参加しても何も得られませんし、時間の無駄になってしまいかねません。
今回の記事では、改めて押さえておきたい「インターン」について、
・企業側・学生側から考えるインターンの目的
・インターン面接の特徴とよくある質問例
・インターンのマインドセット
この3つの観点から見ていきます。
目的意識を持ってインターンに臨み、有意義なものにしましょう!
1.企業側からみたインターンの目的
「企業」がインターンシップを行う目的はなんなのでしょうか?
答えは大きく分けて、
・企業の知名度向上のため
・採用開始時の学生エントリー数を増やすため
・優秀な学生を確保するため
の3つがあります。
順に詳しく見ていきましょう!
1-1.企業の知名度向上のため
食品メーカーや携帯会社などの大手・有名企業いわゆる東証一部上場企業は、CMなどの広告媒体に大きな資金を投じ積極的に活用。
そのため、一般的に知名度があり、毎年多くの就活生が応募しますよね。
しかし、日本にはそれ以外にも多くの企業が存在します。一説には、約400万社とも言われているほど。
その殆どは中小企業であり、東証一部上場企業などはほんの一部。
そのような中小企業にとっては、毎年優秀な新卒を確保することは至難の技。
「どうすれば、学生に自社のことを知ってもらえるのか」
「どうすれば学生に、自社に興味を持ってもらえるのか」
「どうすれば、優秀な学生がうちに来てもらえるのか」
ということについて、頭を悩ませているのです。
そこで鍵となるのが、インターンシップ。
志望業界や志望職種などが決まりきっていないこの時期の就活生は、様々な業界の企業と接点を作ろうと、様々な業界のインターンへ応募します。
大手企業はもちろん、そこまで世間に名を知られていない企業にとっては特に、自社を知ってもらう絶好の機会ですよね。
そのため、インターンは企業にとって、自社についてまず認知してもらい、「企業ブランド」のイメージを構築する上で、非常に重要な施策であると言えます。
1-2. 採用開始時の学生エントリー数を増やすため
企業はより優秀な学生を採用するため、一人でも多くの学生に自社の選考を受けてほしいと考えています。
採用の早期化など、毎年変化し続ける就活環境。
そのような状況の中でより多くの学生に出会うため、企業は選考開始以前からPRをする必要があります。
そして、そのPRの手段の1つとして多用されるのが、インターンシップなのです。
インターンシップは一般的に、大学生の夏休みや冬休みなど長期休暇中に開催されるため、様々な地域の学生が参加可能。
実際に、
「夏休みを利用して、沖縄や九州から東京にある企業のインターンに参加した」
という学生も毎年多くいらっしゃいます。
企業にとっては、そういった遠方に住んでいる学生と直接会うことができるのがインターンシップであり、自社をPRする「コンテンツ」として非常に有効であるのです。
また、インターンシップは「就職活動の入り口」とも言われ、
企業にとってその年の学生の動向をつかむ“市場調査”のような役割も果たしています。
例えば、
「今年はIT業界が人気」
「今年の学生は安定志向」
など学生の傾向を把握することで、人事がより良い採用戦略を立てることが可能に。
また、インターンシップに参加した学生とのリアルなコミュニケーションを通じて、自社が打ち出しているPR資料(会社説明会の内容やパンフレットの内容)をより魅力的な内容に改善する機会にもなります。
1-3. 優秀な学生を囲い込むため
本来の目的は「職業体験」という意味を持つインターンシップですが、
先ほども記載した通り、企業にとっては「学生と出会う場」でもあります。
そのため、
「優秀な学生にインターンへ参加してもらい、なるべく接点を増やしておきたい」
という人事の思惑が存在するのも事実。
実際に、外資企業やベンチャー企業、大手企業の中にはインターンシップ参加学生に対して「早期特別選考」などを設け、
通常フロー(リクナビやマイナビでの応募)とは別の採用フローを案内している企業も存在します。
こういった企業の中には、インターンシップを通じ優秀な学生を見つけることで、いわゆる“青田買い”をしたい、つまり学生へ早期内定を出し、早いうちに囲い込んでおきたい、という企業も。
このような背景としては、
面接やエントリーシートでは表面に出てこない、学生の個性を把握しやすいから、というのがあります。
というのも、インターンでは主に課題を通じて学生を評価するため、学生の「個性」が色濃く反映され、自社によりマッチした学生を見つけることが容易になるからなのです。
2.学生側からみたインターンの目的
これまで、「企業側のインターンの目的」を見てきました。
では、「学生」がインターンに参加する目的は何なのでしょうか?
こちらも理由は大きく3つ、
・就活を有利にするため
・成長するため
・人脈づくりのため
であると言えるでしょう。
順に見ていきます。
2-1. 就活を有利にするため
一部の外資企業や大手企業を中心に、
「”インターン参加者”に対して、インターン後に”特別選考”を案内する企業が存在する」
というのは、先述の通り。
例えば、「サマーインターンシップ」や「ウィンターインターンシップ」の参加者の中から、結果的に内定者が出ることも珍しくありません。
だからといって、あまりに内定を期待してしまうのはよくありませんが、
「そのようなケースもあるのだ」
ということを頭の片隅に覚えておくと良いでしょう。
また、例え内定をもらえず、参加した企業にご縁がなかったとしても、そのインターンで得られた知識は同業界の他企業でも、きっと役に立つはずです。
「志望業界」「志望企業」がすでにある学生にとっては、インターンに参加した経験は就職活動でも非常に有益です。
こういった就職活動早期には、学生間でも「志望度」や「業界理解(知識)」に大きな差はそこまでないため、
すでに行きたい企業がある学生にとっては、自分の意欲をアピールする機会になります。
ですので、意識を高く持っている学生からしてみれば、絶好のアピール機会だと言えるでしょう。
2-2. 成長するため
学生にとって、初めて「ビジネス」に関わることができるインターン。
視野を広げ、知識を得ることができる機会となるインターンには、たくさんの成長機会に溢れています。
サークルやアルバイトなどとは、違った経験を通じて多くの経験を積むことができるということもインターンの良いところです。
また、「興味がなかった業界」「今まで知らなかった仕事」を発見することもできるため、就職活動の軸が定まっていない方にとっても、将来を考える貴重な経験になります。
さらに業界研究や企業研究にも繋がるため、皆さんもインターンで「知識」「経験」「考え方」など様々な観点から成長することでしょう。
2-3. 人脈作りのため
大学生活では出会えない「社会人」や「同年代の学生」と知り合うことができるのもインターンの魅力のひとつです。
インターンでは会社の人事だけでなく、実際に現場で働いている社員とも関わる機会があります。
インターンシップで知り合った社員と、インターン以降も繋がりを持ち続けることで、その後のOB・OG訪問の機会に繋がるかもしれません。
また、他大のインターン参加者とも知り合えるという点も、インターンのメリットであると言えます。
インターンで知り合った学生は、志望業界など同じ志向性を持っているケースが多くありますし、その後も他の選考などで再び顔を合わせることもあるかもしれません。
同じ会社に就職しなくても、同業界に就職し、仕事で取引先となることも。
このように、就職活動で知り合う友人は、就活以降も繋がりのある非常に重要な存在となるかもしれませんね。
3.インターン面接の特徴とよくある質問例
インターンシップの面接の特徴として、
“目的意識が問われる質問が多い”という傾向が挙げられます。
この背景には、内定目的で参加してきた学生を除くため、と言えるでしょう。
・インターンシップを通じてどういった成長を得たいのか
・社会に対してどう貢献していくのか
・自分のキャリアの1ページを描こうとしているのか
このようなことをストーリーとして語ることが、何よりも大事になってきますので、しっかりと自分の言葉で語れるようにしておきましょう。
ではここからは、具体的ま面接内容や質問項目を見ていきます!
3-1.「自己PRをお願いします。」
よくある質問ですよね。この質問の意図は実は3つあります。
まず、あなたの人柄を知るためです。
インターンや新卒採用では、スキル以上に人柄やポテンシャルを重視した採用になるため、「どのような個性を持った人か?」を見抜こうとします。
個性を理解してもらいやすくするためにも、あなたの一番の強みを堂々と伝えましょう。
次に、企業で活躍するために必要になる長所やスキルを持っているかを知るためです。
営業職であれば強い精神力やバイタリティ、
システムエンジニアやコンサルタント職であれば論理的思考力、
事務職であればコツコツと緻密な作業を努力できること、
といったように、職種や企業によって求められる長所やスキルは様々。
面接官は、自己PRで長所をヒアリングすることで、仕事に適性がありインターンでも活躍してくれるかどうかを予測します。
そして、最後はスキルのレベルを知るためです。
大会やアプリなどの開発、TOEICなどテストの実績は、客観的にスキルのレベルを図るための基準となります。
インターンではそこまで実績は重視されないものの、面接官は自己PRでエピソードを聞くことで、しっかりとスキルを持った人材だと判断します。
今までに何か実績を残している場合は、余すことなくアピールするようにしましょう。
3-2.「なぜ弊社のインターンに参加したいのですか?」
志望動機を問う質問は、
「中途半端な気持ちではなく、インターンの内容を理解して本気で参加しようとしているか」
を確認するために問われます。
というのも、インターン生を受け入れる企業は、インターン生へ教育等の面倒が発生するんですよね。
さらに、有給インターンの場合は給与を支払うなど、あらゆる面で企業側に負担が発生します。
それだけのコストをかけても問題ない人材かどうかを見極めようとするのです。
回答する際は、志望企業のインターンの内容やビジネスで何を重視しているのかについて事前にしっかりと調べておき、それらに絡めて志望動機を伝えましょう。
また、
・将来どのような職種への就職を考えているのか
・そのためにインターンでどのようなスキルを身につけたいのか
といったことも整理して筋道立てて伝えると、格段に説得力が増します。
3-3.「インターンに採用されたら何をしたいですか?」
採用後に何をしたいのかという質問も、志望動機を確認する意図が込められています。
インターンに参加したら何をすることになるのか。
そんな基本的なことすら理解していない状態の人を受け入れると、教育や指導の時間と手間がかかってしまいます。
企業としては、あまり好ましい状況ではありませんよね。
このような質問に対しては、事前にホームページを熟読してインターン内容を把握し、職種や業界研究をし、働く姿を具体的にイメージしてみましょう。
そして、インターン内容のどこに魅力を感じ、何を成し遂げたいのかを伝えると、面接官に好印象を与えることができます。
また、希望するインターンや仕事内容に興味を持った理由となるエピソードがあれば、それも絡めて答えることで熱意がより伝わるでしょう。
3-4.「学校では何を勉強しているのですか?」
あなたの人柄や能力を知るために、学校生活のことを質問されるケースも多々あります。
この際、選考している学部や学科の知識がなくても理解できるよう、分かりやすく内容を説明することが重要です。
インターンの参加理由に結び付けたり、大学で学んだことに対して自分はどう感じているかを伝えたりして、
学業に真剣に取り組んでいることをアピールしましょう。
例えば、情報技術系の学部でIT企業のインターンに参加する場合。
大学で学んでいることとインターンの関連性が強い場合には、大学で学んだことをインターンで活かし、実践的なスキルを身につけていきたいことをアピールしてください。
そうすることで、インターンの参加理由は強く裏付けられますし、仕事で必要になる基本的なスキルが身についていることを伝えられますので、選考でも有利になるはずです。
3-5.「インターンの期間や勤務日数の希望はありますか?」
長期インターンの場合、インターンの募集要項を事前に確認した上で、それを満たした参加期間や勤務日数を回答します。
一見事務的な質問のように思われますが、どの程度の期間、どのくらいのシフトで参加できるかは、インターンのカリキュラムを組んだり、今後の採用活動をどうするか検討したりする上で非常に重要になります。
仕事の相性を見てから長期間参加するか決めたい場合は、
「まずは3か月間チャレンジして、再度どうするか判断してもよいでしょうか?」
と正直に伝えることをおすすめします。
そうすることで、企業側もインターンの進め方を考えやすくなるためです。
なお、ここで伝えた期間や日数はきちんと守れるように努力してください。
採用されたいがために、自分のキャパシティを超えた日数を伝えて、それを達成できないと印象が悪くなってしまいます。
どうでしたでしょうか?
質問例を挙げて面接官の意図等などを解説しましたが、だからと言って自分を良く見せようとしてカモフラージュする学生が多々います。
しかし、そんなことが通用するほど、面接官は甘くありません。
会社の命運をかけて、そして己の首(クビ)をかけて本気で私たちに向き合ってくれるからこそ、小手先の技術はすぐに見破られてしまいます。
小手先の技術を磨くよりも、自分自身を磨くことに集中していきましょう!
4.インターンで大切なマインドセットとは?
これまでの流れで、就職活動においても、インターン選考においても。
目的意識を持つことの重要性を痛感した方もいらっしゃるかもしれません。
ではどうすれば、そのような目的意識を形成することができるのでしょうか?
ヒントは、バイトやサークル活動など、日常生活の中に隠されています。
つまり、バイトやサークル活動のような、“仕事”をどう捉えるかによって変わってくると言えます。
仕事の捉え方には、大きく分けて次の3つ、
・「仕事=作業」タイプ
・「仕事=成果物」タイプ
・「仕事=人を喜ばすこと」
があります。
① パターン1「仕事=作業」
言われた通りに作業をしている人。
作業の結果(作業時間または作業量)が重要と考えているはずです。
② パターン2「仕事=成果物」
言われた仕事の先にある成果物を考えており、その成果物から逆斬して、今の作業の重要性を考えることができる人。
成果物の納品が重要と考えているとも言えます。
③ パターン3「仕事=人を喜ばすこと」
成果物によって、どのように人を喜ばせることができるか、と考えて作業を行っている人。
成果物によって、何を成し遂げられるのかが重要と考えているとも言うことができます。
あなたは今どの段階にいますか?
パターン1もしくはパターン2だった方は、さらなる高みを目指し、今与えられている仕事の先を見据えてみてください。
パターン3だった方は、自分が見据えている世界をどうやって人に共有するかを考えてみましょう。
世界を共有しなければ同じものを目指すことはできませんし、ましてや面接官の人たちに伝えることは難しいことです。
これらのことを目指すために、日々の思考トレーニングが必要ということを忘れないでください。
日常生活の中で、他の人へ自分の目的を伝えることを繰り返してみる、というのも良いトレーニングになるかもしれませんね。
また、目的意識に加えて重要なのは、社会人としてのマナーです。
大学生活で頑張ってきたことをアピールする準備はもちろん大切ですが、それ以前の問題として、マナーがなっていなければ話すら聞いてもらえません。
社会人が働く上で必要とされる「ビジネスマナー」。
例としては、「挨拶をする」「時間を守る」「公私混同をしない」などがあげられます。
ビジネスマナーを知らないと、仕事で関わる相手を不愉快にさせ、悪い印象をあたえてしまうことがあります。
商談がうまくまとまらなかったり、社内であっても協力を得られなかったりと、業務を円滑に進める上で多くの不都合が生じる可能性も。
ビジネスマナーを身につければ、不要なトラブルを避け、業務を円滑に進められるようになりますし、
マナーを意識することは相手への敬意につながるため、仕事相手と良好な関係を築けるように。
さらに、人間関係が良好だとさまざまな場面で協力を得られるようになり、自分の仕事をよりスムーズに進めることができます。
詳しくはこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか?
企業側・学生側から見たインターンの目的、面接の特徴とよくある質問例、マインドセットについてご紹介しました。
繰り返しになりますが、インターンには明確な目的意識が必要不可欠です。
また、目的意識だけではなく基本的なビジネスマナーなどの他の部分にも目を向け、しっかりと備えましょう。
そうすれば必ず良い結果が返ってくるはずです。
この記事を読んだあなたに幸運が訪れることを願っています!