
資格があると就活が有利になるってホント?資格の活用方法まとめ
はじめに
「〇〇の資格を持っていると強い」
「〇〇の資格を持っていた方が優遇される」
こんな話をしたことがある方も、多いのではないでしょうか?
もし、ある資格を持っているだけで就活が有利に働くのならば、ぜひとも取っておきたいところですよね。
ですが、残念ながら”資格があるだけ”では有利にはなりません。
なぜかというと、企業は学生が持っている資格について、そこまでの強い関心が無いからです。
ただし、専門職の場合や自己PRの仕方次第では、有利になるケースももちろんあります。
今回の記事では、「資格があると有利になる」という噂を徹底検証していくと共に、具体的な活用方法についてご紹介します。
それでは早速見ていきましょう!
1. 企業が採用時に重視している点とは?
“資格があるだけ”では、有利にならない。
冒頭でもお話ししましたが、学生の保有資格を重視する企業は、全体のわずか8%しかありません。
つまり、企業はそこまで資格に強い関心を持っていない、ということが伺えますね。
(出典:就職白書2018)
ただし、例えばエンジニアなど専門スキルを必要とする専門職の場合は、関連する資格を持っていた方が、有利になるかもしれません。
では、企業が資格にそこまで興味がないとすれば、どこで判断しているのでしょうか?
ズバリ、企業が重視しているのは、これから会社で活躍してくれそうかといった「ポテンシャル」であると言えます。
入社時にそれほどの資格やスキルを有していなくとも、
「今は業界未経験でスキルが無いが、この人は社風にマッチする人柄であるし、入社後に頑張ってもらえそうだ」
などとポテンシャルを認めてもらうことが出来れば、内定に繋がってくるのかもしれません。
実際に、企業が採用時に重視する点として、「人柄」が92%とダントツの1位。その次に「企業への熱意」(78%)、「今後の可能性」(66%)と続いています。
(出典:就職白書2018)
つまり、資格の有無は採用にあまり関係がないということが言えます。
2.自己PRの方向性によっては資格が有利に働くことも
前章で、
「資格の有無は、採用にあまり関係がない」とお話ししました。
かといって、裏を返すようですが、まったく意味がないというわけでもありません。
自分の性格や興味などを示す上で、“資格”は客観的な指標となってくれるため、自己PRの方向性や使い方によっては就活が有利に働くことに繋がることもあります。
たとえば、資格取得のきっかけや過程を示すことで、目標に対して適切に努力や行動ができることをアピールできます。
「英検◯級を取るために、このような計画を練り、日々このように努力を積み重ねることで、最終的に目標を達成することが出来ました」
といったような感じですね。
また、取得した資格が志望業界に関係があるものならば、業界への興味や志望度の高さをアピールすることもできます。
このように、公的な資格を持っていると自己PRにより説得力が生まれ、面接官に強く訴求することが可能になるのです。
かといって、何も就活のためだけに慌ててその資格を取る必要はありません。
それよりも、
・なぜその資格を取ろうと思ったのか
・取るまでにどんな行動をとったのか
という過程の方が、よっぽど大切です。
このことをしっかり整理・言語化して、自分の「人柄」や「企業への熱意」のアピールにつなげるようにしましょう。
3.就活でのおすすめ資格4選
以上を踏まえた上で、就活においておすすめの資格を4種類ご紹介します。
おすすめする観点としては、
・現実的に取れるかどうか
・それぞれの目的においてかなりメジャーなものかどうか
この2点です。
志望する業界や職種よっては、ここで紹介する以外にも持っていた方が良いものはたくさんあります。
また逆に、ここで紹介するものがそこまで就活に役立たないケースもあります。
ですので、
・自分の志望する業界にとってはどのような資格が必要なのか
・その資格はどのようなものなのか
・持っているとどんなメリットがあるのか
など、様々な側面から考えることを前提に、参考にしてみてください。
3-1.おすすめ資格1:TOEIC/TOEFL
英語系の資格です。
知名度が高く、受けたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
TOEICとTOEFLは、どちらも英語コミュニケーション能力を測定するためのテストです。おおまかには、測定される技能数、出題範囲、受験者の目的といった点が異なります。違いを簡単にご紹介します。
TOEIC
(出典:TOEIC)
・リスニングとリーディング(各495点)、990点満点
・出題範囲は、日常生活やビジネスの場面
・就活や、昇進のために利用する人が多い
・日本での知名度が高い
TOEFL
(出典:TOEFL)
・リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング(各30点)、120点満点
・出題範囲は、日常生活やビジネスの場面に加え、人文科学などアカデミックな問題
・海外留学のために利用する人も多い
・世界的に広く利用されている
どちらの資格も、全就活生におすすめできます。
受けている人が多く、勉強の方法も確立されてきているので、挑戦しやすいですし、適切に努力できることをアピールすることも可能です。
また企業によっては、点数が採用要件となっていることもあります。
志望業界や職種にもよりますが、TOEICならば600点以上を目指すと良いでしょう。海外で働きたいといった方には、世界的に利用されているTOFELも合わせて挑戦すると良いでしょう。
3-2.おすすめ資格2:基本情報技術者(IPA)
(出典:情報処理推進機構)
プログラミングに関する資格です。
この基本情報技術者の資格は、実務に役に立つレベルのものです。
採用要件とまではいきませんが、業務に関連する事例を知る目的で、勉強しておくのも良いでしょう。
単なる知識を問う問題ばかりではなく、実践的な問題も、出題されます。また、客観的に関連知識を習得しているかどうか測るために、資格が用いられることもあります。
そのため、エンジニアを目指す方にとっては、取得しておいて損のない資格であると言えます。ただし、取得のために500時間かかるとも言われているため、ある程度の勉強量は必要です。
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3-3.おすすめ資格3:日商簿記
(出典:日本商工会議所)
会計系の資格です。
特に、経理や財務などの専門的な職種につきたいと考えている人におすすめの資格です。
簿記とは、簡単に言うと、帳簿にお金や財産の取引の記録をつけ、企業活動をお金の流れから把握するもの。
1級、2級、3級、初級、原価計算初級、この5つの階級に分かれているため、低級は、社会に出るにあたっての教養として取得するのが良いでしょう。
専門的な職種を目指す方は、2級以上をおすすめします。
さらに、1級を持っていると、企業からかなり評価されます。というのも、学生で1級を持っている方があまりいないからです。しかし、非常に難易度が高いので、相当な勉強時間と計画性が必要になるでしょう。
3-4.就活でのおすすめ資格4:興味のある分野の変わった資格
「自分は、興味関心に対して、とことん突き詰めて勉強したい人間だ」
という方は、一風変わった資格の取得をおすすめします。
履歴書やESに書かれた、他の学生とは異なる資格が、企業の目にとまったり、会話の糸口になったりする可能性もあるでしょう。
具体的に言うならば、食品や旅行業界など、周辺資格がある業界は、それらを取得することで志望度の高さをアピールできます。
また、自分が目指す企業がが関わっている資格を取得し、熱意をアピールできることもあるでしょう。
この他にも、様々な企業や団体が主催している資格があるので、目指したいものがあれば探してみましょう。
4. 書ける資格がない場合は嘘の資格を書いても良い?
ここまで、資格が就活にもたらす効果、オススメの資格についてご紹介しました。
「この資格持ってる!」
という方から、
「一つも持っていない.. 今からでも勉強した方がいいのだろうか」
と焦ってしまった方もいるかもしれませんね。
確かに、資格を一つも持っていないと履歴書の欄がぽっかり空いてしまうため、何か適当にそれっぽいことを書いて埋めたくなってしまうかもしれませんね。
ですが、当たり前と言えば当たり前ですが、嘘をつくことは良くありません。
道徳的なことだけではなく、もし虚偽の資格であることが企業にバレてしまったら。
信用できない人間であると判断され、
「(入社後に)業務で何かミスがあった場合や不祥事などを犯してしまった場合も、虚偽の報告をして誤魔化そうとしてくるかもしれない」
と思われ、会社の信頼を落としかねない存在として、不合格になってしまうことは間違いありません。
また、内定をもらっていた場合でも、最悪のケースでは内定取り消しになってしまう恐れもあります。
また、これは何も就活に限った話ではありません。
例えば、学歴。
いくらあまり評判の良くない学校や大学だからといって、嘘を書いてしまえば、それは立派な「経歴詐称」に該当します。
当然、不合格ですね。
また、仮に嘘がばれず運良く合格できたとしても、最終的に苦しくなったり、損をするのは自分自身だと思います。
就活において、資格を持っていても有利にはなりません。
したがって、アピールする資格が無いのであれば、履歴書やESは空欄で構いません。
それ以外の面で、アピールすることを見つけましょう。
まとめ
「就活のために資格をとる」必要はない
就活のためだけに、資格を取得する必要はまったくありません。
まずすべきは、自己分析や業界研究、あるいは面接練習など、自分にとっての優先順位を決めることです。
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それらに十分に取り組んだ上で、興味のある分野のものがあり、時間に余裕があれば、勉強してみましょう。
もちろん、資格を持っていることがマイナスになることはないので、取得した資格を使って、上手に就活を進めていってください。