SIerの大手ランキング!業務内容・分類・働くメリットなども解説
2024年1月25日更新
はじめに
SIerは、IT企業の中でも特に幅広いニーズに対応する、高度なサービスを提供する会社です。
一般的なIT企業で働く場合とはまた少し異なるメリットなどもあり、就職先として興味を引かれている学生もいるかもしれません。
SIerは事業規模や業務内容の水準が高く、大きな成長を見込みやすい職場です。
ただし、就活生からの人気も高いので、内定を得るためにはまず業界や企業をよく知る必要があります。
そこで今回は、SIerに関する基本的な知識や働くメリットなどとともに、SIerの大手をランキングの形で紹介します。
どのような企業がSIerとして事業を展開しているのか、SIerについて詳しく知り、選考対策に役立ててください。
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SIerとは
SIer(エスアイヤー)とは、「システムインテグレーター」の略称です。「システムインテグレーション(SI)」に、人を意味するerを加えた言葉で、直訳すると「システムインテグレーションを行う者」となります。
IT業界でSIerは、システムインテグレーションを行う企業のことを指します。
システムインテグレーションとは、クライアントが求めるITシステムを、企画から実際の導入、運用管理までトータルでサポートするサービスです。
SESとの相違点
なお、SIerに似た言葉で「SES」があります。これは「システムエンジニアリングサービス」の略称です。
クライアントの依頼によりシステムの開発・運用などの業務を行う点はSIerと類似しますが、2つは全く別物なので注意が必要です。
SESはクライアントの事業所にシステムエンジニアを常駐させるものであり、必ずしも客先常駐があるわけでないSIerとは人員の動き方が異なります。
また、SIerがシステム開発そのものを依頼されることに対し、SESはシステムエンジニアのパフォーマンスを提供することであるのも相違点です。
参照ページ
SIerの業務内容
SIerが行う具体的な業務内容には主に次のようなものがあります。
- クライアントの課題を分析し解決に導くコンサルティング
- 課題解決のためのシステム企画・設計・開発
- システムの導入支援
- システム導入後の運用・保守
上記の業務は、クライアントがシステム導入・運用によって課題を解決するために必要な工程であり、基本的にSIerはこの全ての業務を提供できます。
ただし、この工程内のどこに強みを持っているかはSIerによりまちまちです。
例えば親会社にパソコンなどハードウェアのメーカーを持つSIerであれば、システムと相性の良い親会社の製品を提案できるでしょう。
コンサルティング会社から流れを組むSIerであれば、質の高いコンサルティングでクライアントの満足度を高められます。
SIerの分類
SIerはその成り立ちや特色、強みなどから主に4つに分類できます。具体的には次に挙げる通りです。
メーカー系SIer
メーカー系SIerは、ハードウェア(パソコン・ネットワーク機器など)の開発・製造を行う企業から流れを組むSIerです。
親会社から開発部門が独立するケースなどが多いでしょう。
親会社のハードウェア、ソフトウェアなどを活用した開発などが得意です。
ユーザー系SIer
ユーザー系SIerは、ハードウェア系企業以外の企業から派生するSIerです。
必ずしもIT企業から独立するわけではなく、他業界のIT開発部門などがSIerになるケースもあります。
親会社の多様な取引を活かし、柔軟な開発を行う傾向も見られます。
独立系SIer
独立系SIerは、親会社の開発部門から独立という形ではなく、始めからSIerとして独立している企業のことです。
IT開発の経験者が起業するケースが珍しくありません。
親会社からの指示などがないため、より自由な開発が可能です。
ただし、独立系SIerは企業ごとの実績の差が大きい傾向もあり、あまり高度なプロジェクトは請け負っていない企業なども存在します。
外資系SIer
外資系SIerは、外資系企業の日本法人などを親会社に持つSIerです。
グローバルな案件を取り扱うこと、コンサルティングに強い傾向があることなどが特徴です。
SIerで働くメリット
Slerで働くことで期待できるメリットも見ていきましょう。
SIerはIT企業の中でも特に提供するサービスが多様で、業務の幅も広いことが特徴です。
働く人に求められる内容も多くなりますが、その分さまざまなものも得られます。
請け負うプロジェクトの質が高い
SIerはITをトータルでサポートする高度なサービスを提供できることが大きな強みです。サービスの質が高いため、請け負う案件の質も高いものになります。
例えばプロジェクトでは元請けを担当することが多いです。
働く人にとっては業務のハードルが高くなりますが、その分働く手ごたえややりがいも感じやすい職場と言えます。
自分の成長につながりやすい
先述の通り、高度なプロジェクトを取り扱うSIerは、そこで働く人にも高いスキルが求められます。
そのため、SIerでの業務経験の積み重ねを、自らの成長につなげやすいこともメリットです。
さまざまな工程をトータルで引き受けるので、業務の幅を広げられるでしょう。また、プロジェクトの始めから終わりまで関わるため、案件全体を通しての管理の仕方などがわかり、マネジメントスキルも鍛えられます。
のちのキャリアとして、プロジェクトマネージャー(PM)なども目指しやすくなります。
SIerの大手ランキングBEST8
それでは、国内に拠点のあるSIerの大手をランキング形式で紹介します。
こちらはネット上のさまざまなランキングや売上高、事業の規模、SIerとしての分類などを踏まえながら独自にランキングしたものです。
1位:富士通
出典元
- 売上高(2022年度):3兆7,137億円
富士通(富士通株式会社)は、日本有数の大手電気機器メーカーです。
パソコン・サーバー・ソフトウェアなど、ハード・ソフトを製造販売しているイメージが強いかもしれません。
しかし、富士通が行っているのは電気機器の提供だけではありません。
システム構築やモダナイゼーションなどを含めたシステムインテグレーションを展開していて、メーカー系SIerとしての側面も持っています。
その他にも、コンサルティング・クラウド・ビジネスプロセスアウトソーシング・マネージドサービスなど、ITソリューションのラインナップが豊富です。
ハードウェアからそれを利用した高品質なITサービスまで、トータルで提供できることが大きな強みでしょう。
新卒採用では5つのコースが用意されており、希望する職種は内定後に決められる「OPENコース」、希望する職種が決まっている人向けの「職業マッチングコース」、研究職を志望する人向けの「研究所コース」など、就活生の希望に寄り添った内容になっています。
業界の中では就職難易度はそれほど高難度というわけではないものの、学歴フィルターが多少存在している可能性があり、就職は簡単ではありません。
ただし、地方大学からも採用実績はあるので、選考対策次第で道が開けそうです。
富士通についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
【企業研究】「富士通」の選考対策・就職偏差値/難易度・社風・求める人物像を徹底解説
参照ページ
2位:NEC
出典元
- 売上高(2022年度):3兆3,130億円
NEC(日本電気株式会社)は、住友グループに属する大手電機メーカーであり、メーカー系SIerです。
NECも、パソコン・タブレット・サーバ・周辺機器などメーカーとしてのイメージを持っている人が多いでしょう。
ITサービス事業・社会インフラ事業・その他事業の3つの事業を主軸にしており、このうち主にITサービス事業においてシステムインテグレーションを提供しています。
NECのシステムインテグレーションはシステム開発やコンサルティングをメインに、同社の提供する多様なソリューションも活用しながら課題解決へと導くスタイルです。
また、社会インフラ事業における航空宇宙防衛領域でも、システム構築などに関するシステムインテグレーションを行っています。
新卒採用については、近年は年度ごとに500~600人の採用実績があり、徐々に増えています。
募集職種も研究職・技術開発職・SE職・事務職・営業職など幅広です。
就活生からの人気は高いものの、倍率は数十倍ほどと見られていて、また採用実績のある大学に偏りが少ないことから学歴フィルターも存在しない可能性があります。
さまざまな学生に内定獲得のチャンスがありそうです。
NECが属する住友グループについて研究を進めたい場合は、こちらの記事も参考にどうぞ。
住友グループの企業序列とは?住友グループの代表的な企業と強みを徹底解説!
参照ページ
3位:NTTデータ
出典元
- 売上高(2022年度):3兆4,902億円
NTTデータ(株式会社NTTデータグループ)は、日本有数の通信企業グループであるNTTグループ内の企業です。
NTTを親会社に持つユーザー系SIerであり、システム構築や通信などの領域に長けています。
多様なコンサルティングや、ビジネスニーズ・テクノロジー・ITインフラ運用に関する各種サービスなど、提供可能なサービスのバリエ―ションが豊富です。
なお、NTTグループでは主要5社に数えられ、グローバル・ソリューション事業を担っています。
新卒採用は、募集職種がSE・コンサル・営業・スタッフなどさまざまです。採用者数は年々数十人ずつ増えていて、2022年度は548名でした。
国立難関・有名私大・中堅大学・地方大学とかなり幅広い大学から採用の実績があるので、特別高学歴でなくとも選考対策次第で内定を狙えそうです。
NTTデータの選考対策などをもっと知りたい場合は、こちらの記事もおすすめです。
【NTTデータの就活フィルターは?】「採用事情」から「必須対策」までを網羅解説
また、NTTグループについて、ヒエラルキーなど詳細を調べたい方は次の記事も参考にしてください。
NTTグループにおけるヒエラルキーTOP10!新卒選考の傾向や社風も紹介
参照ページ
NTT DATA|Trusted Global Innovator、グループ企業一覧|NTTグループについて|NTT
4位:日立製作所
出典元
- 売上高(2022年度):10兆8,811億円
日立製作所(株式会社日立製作所)は、日本を代表する大手電機メーカーであり、IT業界トップクラスのSIerでもあります。
事業は「デジタルシステム&サービス」「グリーンエナジー&モビリティ」「コネクティブインダストリーズ」「オートモーティブシステム」の4つを主軸にしています。
このような多彩な事業において、日立の製品やノウハウを活用しながら、クライアントの課題に細やかにフィットするシステムインテグレーションを展開しています。
新卒採用の就職難易度は、業界の中ではトップクラスです。
ただし、採用大学には難関大や有名私大の中に、地方大学の名前も存在します。
また、採用者数は例年500~600名ほどとやや多めです。
これらのことから、特別な高学歴でなくても内定を得ることは不可能ではなさそうです。
日立製作所について企業研究を進めたい方には、こちらの記事がおすすめです。
【企業研究】日立製作所の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
参照ページ
5位:TIS
出典元
- 売上高(2022年度):5,084億円
TIS(TIS株式会社)は、国内の独立系SIer最大手のIT企業です。
創業50年以上の老舗企業であり、ソフトウェア開発から徐々に事業を拡大して、現在はTISインテックグループを構成しています。
事業内容はコンサルティングやシステム・インテグレーション、システム開発、アウトソーシングなど多岐にわたります。
また、海外をフィールドに事業を展開する企業のサポートも。
グループ内には中国や東南アジア、アメリカなどの海外企業も存在し、国外の拠点も活かしたグローバルなサービスが実現できます。
新卒採用者数は、例年200~300名ほどです。
就職難易度は高めですが、新卒採用の倍率は数十倍ほどと見られており、業界大手としては就活でチャレンジしやすい企業と言えそうです。
採用実績のある大学も非常に幅広いため、例えばあまり知名度が高くないローカルな大学出身の就活生も、選考対策次第で十分内定を狙っていけるでしょう。
TISに興味を持っている方、詳しく企業研究をしたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
【企業研究】 TISの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
参照ページ
6位:伊藤忠テクノソリューションズ
出典元
- 売上高(2022年度):5,709億円
伊藤忠テクノソリューションズ(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)は、伊藤忠商事グループに属するユーザー系大手SIerです。
伊藤忠商事と言えば、国内屈指の大手商社であり、繊維・食品・住生活・機械・金属・エネルギー・金融などさまざまな分野における大規模な事業展開も知られています。
伊藤忠テクノソリューションズは、グループ内の情報関連事業をけん引する存在です。
商社ならではのIT機器販売やインフラ構築のノウハウを活用しながら、一環したソリューションの提供につなげています。
各種業界ことに、「エンタープライズ事業」「流通事業」「金融事業」など事業分野を設けており、業界の特徴やニーズにマッチしたサービスを実現しています。
新卒採用者数は、例年160人前後です。
就職難易度は高いと見られますが、これまで採用実績のある大学は国内難関大・有名私大・中堅大・ローカル大、また海外大学まで非常に幅広い状況になっています。また、選考においては人柄重視の傾向もあります。
これらのことから、採用活動に関して間口の広い企業だと考えて良いでしょう。
伊藤忠テクノソリューションズについて、もっと研究したい場合はこちらの記事も参考にどうぞ。
【企業研究】伊藤忠テクノソリューションズの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
参照ページ
7位:BIPLOGY
出典元
BIPLOGY株式会社
- 売上高(2022年度):3,398億円
BIPLOGY(BIPLOGY株式会社)は、日本の老舗大手IT企業です。
日本初の商用コンピューター設置、日本初のオンラインバンギング処理開始など、国内のIT業界において昔から存在感を放ってきた企業でもあります。
SIerにおいて比較的事業規模や売上高がコンパクトになりがちな独立系SIerながら、安定して高い水準の売上高を記録しています。
テクノロジーやインフラシステムサービスを活用し、幅広いビジネス課題の解決をサポート。
サービスを提供できる業種も、金融・製造・流通・エネルギー・官公庁・医療・観光など多種多様です。
新卒は例年100~150名ほどを採用しています。
就活生からの人気が高く、就職難易度も高い方です。
ただし、IT業界や他のSIerと比較して、特別難易度が高いとまでは言えません。
また、採用実績のある大学はかなり幅広く、学歴フィルターは存在しない可能性が高いでしょう。
BIPLOGYについてもっと企業研究を深めたい場合は、こちらの記事もおすすめします。
【企業研究】BIPROGYの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
参照ページ
8位:日本HP
出典元
- 売上高(第8期):2,181億1,300万円
日本HP(株式会社日本HP)は、アメリカに本拠を置く大手電機メーカー・HP Inc.の日本法人です。
パソコンメーカーのイメージが強いかもしれませんが、国内の外資系SIer最大手でもあります。
日本HPはパーソナルシステムズ事業とプリンティング事業がメインであり、この事業内で自社製品を利用したソリューションなども提供しています。
世界中に製品を供給するグローバルな電機機器企業ならではの実績やノウハウを活かし、企業の業務の効率化や安全性の確保など高品質なサービスを実現できることが強みです。
新卒採用は、セールス・エンジニア・管理部門などの職種で行われています。
なお、近年の新卒採用実績はほとんどないようですが、25年新卒の募集は発表されています。
データが少なく、選考体験談などから情報はあまり得られそうにないので、選考対策として企業研究を特にじっくり行うことが重要です。
参照ページ
まとめ
SIerはIT業界への就職を希望しているなら、しっかり押さえておきたい存在です。
多くの企業が抱える課題をITシステムによって解決し、また解決のためのシステムの導入から運用まで、総合的なサポートを提供するSIer。
高度なサービスを展開しているからこそ、そこで働ければIT人材として大きな成長が期待できるでしょう。
また、SIerの大手には国内外問わず事業活動を行っている企業も多いため、海外と関連する業務に興味がある方にもマッチするかもしれません。
ぜひ今回紹介した内容を元に、SIerについてより深く研究してみてください。