航空業界のエントリーシートの対策法を徹底解説

航空業界のエントリーシートの対策法を徹底解説

2024年1月21日更新

はじめに

この記事では航空業界への就職を目指しているものの、エントリーシートのライティングに不安を感じている方へ向けて、エントリーシートの書き方のポイントについて詳しく解説しています。

特に航空業界ならではのエントリーシートでのアピール方法から実際の記載例まで、明確かつ分かりやすく紹介しています。

また、航空業界が求める人材の特徴や、選考情報の重要なポイントについても詳しくアドバイスしていますので、航空業界の内定を目指す就活生は、ぜひ最後までお付き合いください。

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航空業界の概要

航空業界

初めに航空業界とはどんな業界なのかを簡単に紹介します。

航空業界とは

航空業界は、航空機を利用した輸送サービスを提供する業界です。航空業界には、航空会社や空港運営会社、航空機メーカーなどが含まれます。航空業界は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて一時期減便を余儀なくされていましたが、2022年から回復傾向にあり、2023年には新型コロナウイルス感染拡大前の状況に戻りつつあります。社会インフラとして重要な役割がある一方、世界情勢の変化で大きく影響を受ける業界でもあります。

航空業界の採用難易度

航空業界の採用難易度は比較的高いとされています。

東洋経済オンラインの「2022年度入社が難しい有名企業ランキング」で日本航空は、111位で入社難易度は「60.1」となっています。全日本空輸は、2022年度新卒採用は中止していたためかランクインはされていません。

また、東洋経済オンラインの「学生2万5000人が選んだ就職人気ランキング」で、全日本空輸は122位、日本航空は127位と学生からの人気が高いため、採用倍率は高く難易度があがる傾向にあります。

参照ページ

入社が難しい有名企業ランキング」トップ200社 外資コンサルや商社が上位、右肩上がりの業種は | 就職四季報プラスワン | 東洋経済オンライン

学生2万5000人が選んだ「就職人気ランキング」 伊藤忠が3年連続でトップ、金融にも人気集まる | 就職四季報プラスワン | 東洋経済オンライン

航空業界の採用大学

航空業界2大航空会社、全日本空輸と日本航空の2022年の採用大学の実績上位校は、ダイヤモンドオンラインによると以下になります。

難関大学から標準大学まで幅広い採用実績となっており、学歴フィルターは多少存在していると考えられますが、東海大学、法政大学、桜美林大学では航空業界の人材を育てるためのシステムが整っているため、採用実績があると考えられます。

<全日本空輸>

東海大学、慶應義塾大学、法政大学

<日本航空>

慶應義塾大学、早稲田大学、法政大学、桜美林大学、東京大学、上智大学、東京外国語大学、明治大学、立教大学、関西学院大学

参照ページ

2大航空会社「採用大学」ランキング2022最新版【全10位・完全版】 | 親と子のための大学研究2023 | ダイヤモンド・オンライン

以下の記事に学歴フィルターに関する内容を記載しているので、ぜひ記事を参考にしてください。

【徹底解説】学歴フィルターはどこから?実態(エピソード)と突破方法

航空業界が求める人材とは?

航空業界が求める人材といってまず思いつくのは、英語能力かと思います。

ですが、実際に企業が求めているのはそれだけではありません。

今回は、JAL(日本航空)グループが公表している求める人財像(”人材”ではなく”人財”といっています)をご紹介いたします。

これからわかることは、仲間と共に感謝の気持ちをもって挑戦する精神と成長意欲をもった人財が求められているということです。

また、チームとしてお客さまや世の中すべてから謙虚に学ぶことができ、自律した人財ということもわかります。エントリーシートでは、こういったポイントと自分の強みと一致している点を重点にまとめていくとよいでしょう。

感謝の心をもって、謙虚に学ぶ

感謝の気持ちを常にもち、世の中すべてから謙虚に学び、自己成長できる人財

果敢に挑戦し、最後までやり遂げる

失敗を恐れず常に新しい事に挑戦し、人任せにせず最後までやり遂げる人財

プロ意識を持つ

自分の仕事に誇りと責任をもち、地道に自分の専門を極める人財

採算意識を持つ

JALグループが社会から必要とされ永続的な発展の為に、強い採算意識を持つ人財

多文化を尊重し、適応する

世界の多様な文化と積極的に触れ合い、異なる文化・価値観を尊重できる人

仲間と共に働く

仲間と共に働き、仲間のために頑張ることに誇りと喜びを感じられる人

お客さまに心を尽くす

すべてのお客さまに、感謝の気持ちを形にしてお返しすることができる人

引用ページGroup JALグループ採用情報

航空業界各社の採用方向性の違いは?

航空業界、特に航空運送に関して各社の募集職種を見ると、総合企画職・専門技術職・客室乗務職と大きく3種類の募集をしています。

各社年度によっては、募集をしない職もありますが、企業としての採用職種の方向性はほぼ同じと考えられます。

今回は、航空業界2大航空会社、全日本空輸と日本航空の新卒採用の方向性をご紹介いたします。

2社とも募集職種はほぼ同じですが、全日本空輸では、障がい者新卒の方を別枠で募集をしていることが特徴です。

日本航空では、業務企画職で、障がい者の方を募集しています。

また、どの職種も学部学科問わず応募が可能ということが特徴です。職種により、応募条件を定めている職種

<全日本空輸>

新卒採用では以下の5つの職種の8つのコース別に募集を行っています。

職種により、応募資格・条件がある職種があります。

①グローバススタッフ職(事務)

グローバルスタッフ職(事務)は、オペレーションコース、ビジネス・マーケティングコース、コーポレートコースの3つのコースを含みます。

文理区分学部学科を問わず応募が可能です。

②グローバルスタッフ職(技術)

グローバルスタッフ職(技術)は、整備技術コース、運航技術コースの2つのコースを含みます。理系学部生が対象の職種です。

③運航乗務職(自社養成パイロット)

運航乗務職は、文理区分に関わらず応募可能

④客室乗務職

客室乗務職は、文理区分学部学科の指定はありませんが、応募資格として在住地、業務を遂行できる健康状態・英語力など、いくつか条件があります。

英語力は、TOEIC600点程度もしくはGTEC260点程度以上と、それほど高くはないといえるでしょう。

⑤エキスパートスタッフ職(障がい者採用)

エキスパートスタッフ職は、文理区分学部学科の指定はありませんが、応募資格として障がい者手帳を保持しているという条件があります。

<日本航空>

新卒採用では以下の3つの職種と8つのコース別に募集を行っています。

どの職種も、文理区分学部学科の指定はないため、多くの学生が応募可能ですが、職種により、応募資格・条件がある職種があります。

①業務企画職

業務企画職は、コーポレートコース、ビジネス・マーケティングコース、エアラインエンジニアコース、オペレーションコース、数理・ITコースの5つのコースからなります。

この企画職内でのコース併願はできません。

また、コース別に、障がい者の方の選考もあります。

どのコースも、日本航空の基盤をつくるという点では共通していますが、求められている役割が異なるため、職種を研究し、自分のやりたいことやキャリアプランに合わせた志望動機を固めていきましょう。

②パイロット職

パイロット職では、パイロット(自社養成)とパイロット(ライセンス保有者)で募集しています。

文理区分学部学科の指定はありませんが、応募資格として航空法をベースにした日本航空基準の身体条件があります。

③客室乗務職

客室乗務職は、文理区分学部学科の指定はありませんが、応募資格として業務を遂行できる健康状態・英語力など、いくつか条件があります。

英語力は、TOEIC600点程度または同程度の英語力と、それほど高くはないといえるでしょう。

参照ページ

職種紹介(業務企画職)|仕事・人|新卒キャリア採用サイト|JAL

ANA Recruiting Runway

全日本空輸・日本航空以外の募集職種や選考STEP・スケジュールに関する詳細は、航空業界それぞれのマイページで案内されています​​。

エントリーシートで企業がチェックしているポイント

ポイントの概要

エントリーシートでは、企業が応募者の能力や性格が自社が求める人物像にマッチしているかを重点的にチェックしています。

これは、個々の能力や性格が、企業の文化や仕事にどうフィットするかを見極めるためです。

 また、応募者がその企業で働く目標が十分かどうかも重要なポイントです。

自身が設定した目標に向かって働ける社員は、より良いパフォーマンスを発揮し、企業に貢献できる傾向があるからです。

一時的なやる気やモチベーションだけではなく、「なぜ他の企業ではなくその企業を志望したのか」という点も明確に示す必要があることを覚えておきましょう。

選考を通過しやすいエントリーシートの書き方

選考を通過しやすいエントリーシートとはなんでしょうか。

ポイントは、読み手が1度読んで内容を理解し、その応募者に会いたいと思わせるかどうかです。

航空業界のような人気業界では、読み手は大量のエントリーシートを読むため疲れています。

そういった状況の読み手に配慮した読みやすい文章かつ説得力のある内容にすることで、読み手の心をつかみましょう。

エントリーシートは、以下の順番を意識すると説得力のある文章になります。

  1. 結論
  2. 理由
  3. 具体例
  4. 再び結論

この順番で書くことで、焦点を当てているテーマが伝わりやすく、かつ論理的な構成になるため読み手の理解が深まり、字数制限があっても、ポイントがずれることはありません。

以下の例文を参考にしてください。

結論:私が航空業界を志望する理由は2点あります。

理由:1点目は、お客様に寄り添い問題解決できる私の強みを、航空業界で最大限に発揮できると考えるからです。

具体例:私はバイトリーダーとして塾の運営を行っています。運営においては、関係者と問題共有・話し合いする場を設け、生徒と個人面談をし寄り添うことで諸問題を解決してきました。

結び:この強みを発揮できると考え航空業界を志望します。

理由:2点目は、幅広いお客様に携わることにより様々なスキルを吸収し、成長したいと考えるからです。

具体例:現代ではコロナウイルスやIT、グローバル化により日々社会が激しく変化しています。様々な状況に適応し、活躍していくために自身の能力を高めていくことが不可欠です。航空業界では幅広いお客様を安全に目的地にお運びする中でも、お客様それぞれに合わせた課題解決のための提案や、ニーズを満たすため日々インプットできる環境があり、志望理由にマッチします。

結び:そのため、自身の成長できる環境があるという点から航空業界を志望します。

航空業界の価値観やカルチャーを文章に取り入れる

エントリーシートで大事なポイントの一つでもある「なぜこの会社を選んだのか」を明確にすると、通過率が上昇するでしょう。

例えば全日本空輸であれば「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」であったり、その他バリューやビジョンだったりを文章の中で取り上げましょう。

もちろん上記のような基本理念が必ずなければいけないわけではありません。

例えば航空業界は特に、社会に欠かせないインフラであるため社会貢献度が高いことが大きな強みです。

その強みを活かし、自分のやりたいことや、将来像にマッチする形で文章を作成することもできます。

大事なのは数ある企業や代替可能業界がある中で、なぜ「航空業界」を選ぶのかを論理的に説明することです。

参照ページANA 採用情報

エントリーシートの位置付け、及び対策方法

エントリーシートの位置づけに関しては、主に就活生の論理的思考力と自分の思いを正しく言語化して伝えることができる文章力を試されているセクションと捉えるのが良いでしょう。

もちろん、文章の内容も評価の対象になっているものの、一番は文章の構造に問題が見られないかであったり、論理展開に問題がないかを最も注目しています。

読み手が読みやすい文章を書くことは、お客様の立場に立っている、と考えられるでしょう。

そのため、企業に提出する前に必ず論理展開や文章構造を確認し、全体の見直しをすることをおすすめします。

また、設問別に企業が見ている点は以下のように分類されます。

(a) 志望動機系

 (見られている点:熱意、情報収集能力)

(b) 過去の経験系

 (見られている点:コミュニケーション能力、リーダーシップなど一般的な資質)

(c) 未来目標系

 (見られている点:大局観、未来志向、社会貢献性)

(d) 価値観系

 (見られている点:個性的か、適性があるか)

(e) その他

 (長所・研究内容)

設問で見られている点を意識し、読みづらく途中で離脱される文章になっていないかを考えながら、エントリーシートの対策をしましょう。

また、対策をする上で必要な情報がエントリーシート対策記事にまとまっておりますので、そちらもご参照ください。

参照ページ

【例文5選】エントリーシートの自由記入欄の書き方! 書くべき内容とポイントを紹介 | 就活ハンドブック

過去のエントリーシートの質問内容と記載例

航空業界の選考においてエントリーシートで問われたことがある質問と記載例を紹介します。

グローバルスタッフ(事務)職のエントリーシート

志望動機

・グローバルスタッフ職事務として活かすことができると思うあなたの経験や強みを教えてください。(300文字以下)

【記載例】

私の強みは「相手の立場に立ち、工夫して取り組む」ことです。

この強みを活かしてアルバイト先のカフェでの接客の質改善に取り組みました。勤務するカフェは高価格帯の珈琲を取り扱う高級路線にも関わらず、お客様の求める接客が出来ていませんでした。

この課題に対し、「自分がお客様の立場なら再訪するか」という基準のもと、「丁寧で先回りを意識した接客」を率先して行うこと、他の従業員に呼びかけることを行った結果、接客面での高評価を多く頂くようになりました。

貴社のインターンシップに参加した際に、「お客様視点」で動くことが非常に活きると社員の方々が仰っていたことから、自身の強みを活かし顧客体験価値の向上に貢献したいです。

ポイント:最初にパラグラフを述べて結論ファーストで展開している点は評価できます。また、自分の現在軸から未来軸へ論理構造を作ることで、航空業界で何をしたいのかが分かりやすくなっています。

自己PR

・ 自身について自己紹介自分らしさが分かる写真をアップロードし、その写真を選んだ理由と共に教えてください。(250文字以内)

【記載例】

【新たな地平を切り拓く人】自身の研究成果をオンラインで学会発表した時の写真です。
先行例がない状態から、情報を得るために他大学の学生と定期的なディスカッションや、自身の研究に必要な専攻外の知識に関する報告を読みながら研究を遂行しました。その努力が実った瞬間としてこの写真を選びました。私は、「○○」の名前のごとく、誰も足を踏み入れていない領域に果敢に挑むことができ、そうした瞬間が、自分が輝いている瞬間です。

ポイント:最初にタイトルを述べている点は評価できます。

た、苦労した結果のゴールを端的に表現している点は評価ポイントに該当するでしょう。

しかし上記の文章では、「自身についての自己紹介・自分らしさ」という点がどれなのか、明確に記載されていません。

また、学会で発表して努力が実った瞬間が必ずしもグローバルスタッフ(事務)職に応募する根拠とはならないため、エントリーシートが通過したとしても面接時に深堀りされる可能性があることを念頭に置きましょう。

参照ページ

全日本空輸(ANA)のエントリーシート(グローバルスタッフ職事務) | 就職活動支援サイトunistyle

全日本空輸(ANA)のエントリーシート(グローバルスタッフ事務) | 就職活動支援サイトunistyle

まとめ

この記事では、航空業界の概要やエントリーシートの書き方について解説しました。

航空業界は、航空機を利用した輸送サービスを提供する業界です。

社会インフラとして重要な役割がある一方、世界情勢の変化で大きく影響を受ける業界でもあります。

全日本空輸や日本航空などメガキャリアをはじめ、航空機や客室乗務員へのあこがれから男女問わず人気の業界です。

航空業界では、感謝の気持ちをもって挑戦する精神と成長意欲をもった人財が求められています。

エントリーシートを書く際は、なぜこの会社・業界を選んだのか、自分の強みや経験をどのようにその会社・業界で活かせるのか、これらの価値観に沿った内容を心掛けることが重要です。

この記事が、航空業界の内定に一歩近づくための参考になることを願っています。

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