【企業研究】花王の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年12月30日更新
はじめに
花王株式会社は日本を代表する世界的な大手総合消費財企業であり、東京都に本社を置いています。
1887年に創業した同社は、長い歴史と経験を有しており、化粧品、健康、家庭用品、など、人々の生活に欠かせない製品を提供しています。
実際に、洗剤・トイレタリー部門では30年以上国内1位、化粧品は2位で、洗剤の「アタック」は誰もが一度は目にしたことがあるほどの人気製品です。
今回はそんな花王株式会社の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
花王株式会社や同業界への就職を考えている以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
- 花王の仕事内容が気になる
- 花王の就職難易度を知りたい
- 花王の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、その他の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
結論から先にお伝えすると、花王株式会社の就職難易度は高難度です。
以下の記事で詳細を後述していますが、新卒採用では理系修士課程で専門的な分野を学んでいる人の需要が高く研究職の募集が30〜90名程度、その他の事務系、営業、マーケティングは文理合わせて30名程度の募集になっています。
また、採用大学はMARCH、関関同立以上の偏差値の難関大学と国公立の大学が中心で、内定を勝ち取るためには選考対策だけでなく、花王に入社したいという強い気持ちと明確な志望動機が必要です。
自分が学んで来たことを活かして、花王で自分がどんなビジョンを実現していきたいかを一貫して表現する事が重要になります。
花王株式会社について
花王株式会社は、日本を拠点とする総合生活化学メーカーで、世界中で幅広い製品を展開している企業です。
1927年に設立され、以来、高品質な製品と持続可能な事業活動を通じて、多様な市場で一貫して成長してきました。
家庭用品、パーソナルケア製品、健康関連製品、化学品などの製造・販売を行っており、これらの製品は日常生活に欠かせないものとなっています。
同社の製品は、革新的で先進的な技術を駆使して開発され、品質と安全性に対する厳格な基準を満たしているのが強みの一つです。
また、環境への責任を果たすことを重視しており、サステナビリティへの取り組みも積極的に行っています。
サプライチェーン全体での環境への影響を最小限に抑え、再生可能エネルギーの活用、廃棄物の削減、リサイクルの推進など、様々な取り組みを通じて企業としての社会的責任を果たしています。
花王は国内外で幅広い事業を展開し、多様なブランドポートフォリオを有しています。
主力製品には、「メリット」「ビオレ」「キュレル」「ソフィ」「ヘルシア」などがあり、これらのブランドはそれぞれ異なる市場で高い評価を受けています。
また、研究開発にも力を入れ、新しい技術や素材の導入を通じて、製品の革新と向上を図っています。
消費者のニーズに応えるだけでなく、未来の社会課題に対しても積極的な解決策を提供することを目指しています。
このように、卓越した製品とサービス、社会への貢献を通じて、持続可能な成長を遂げ、世界中で信頼され続けている企業であり、これからも進化し続けることが期待されています。
事業内容
花王の事業別の売上高と比率は以下をご覧ください。
各事業内容についても簡単に解説しています。
各事業の解説
ハイジーン&リビングケア事業
アタック、ハミング、ワイドハイター、キュキュット、マジックリン、リセッシュ。
これらの商品を一度は目にし、手に取った経験があると思います。これらを中心に人々の生活を清潔にし、快適にしてくれる様々な商品を年代、ライフステージに合わせて提案し続けています。
日本国内にとどまらず国外でもシェアを獲得しており、花王全体の売上高の約30%を占めている事業で、花王の中で最も規模の大きい事業です。
ヘルス&ビューティーケア事業
ビオレ、メリット、バブ、ケープ、ニベアなどが代表的でシャンプー、ボディーソープをはじめ、身だしなみや、身体のメンテナンスに関わる人間の生活から切り離せない商品を多数提供しています。
衛生面だけでなく、心身の面でも世の中に価値を生み続けていることが分かります。
人生を通して花王の商品を使わない日のほうが少ないとまで言えるかもしれませんね。
この分野は花王の売上高の約25%を占めていて2番目に規模の大きい事業になっており、近年はUVケアをはじめとする「スキンプロテクション事業」でのグローバル戦略に力を入れているのでチェックしておきましょう。
ケミカル事業
花王の中でヘルス&ビューティーケア事業に並ぶ売上高を誇る事業です。世界のトレンドである社会の脱炭素化、循環型経済への転換に向けた取り組みに貢献することをテーマにしており、産業用の油脂、機能材料、情報材料を主な製品として扱っています。
日々の生活に直接関わっているものではないので、先ほど触れた2つの事業よりイメージがつきにくいかもしれません。
しかし、花王全体の売上高で約20%を占める事業となるため、同社を志望する場合は、しっかり頭に入れておいた方が良いでしょう。
化粧品事業
セルフコスメ、カウンセリングコスメどちらも多様なブランドを扱っています。
国内ではシェア2位を誇りますが、人口減少と共に成長は鈍化してきているため、花王の強みである生産技術とグローバル拠点を活かして世界に展開していくグローバル戦略に舵を切っています。
今後2年で基盤構築と事業拡大、3年後からは本格的なグローバル事業にすることが計画されています。
以上のことから化粧品部門では特にグローバルに活躍できる人材が重宝されていく事が見て取れます。
ライフケア事業
この事業では花王が「プレシジョン・ライフケア」と定義している、「一人一人の未解決課題に最適なソリューションを提案すること」を軸に事業が進んでいます。
テクノロジーの力を駆使して人々の個性に合わせて進化するモノ作りを目指しており、市場の変化に合わせて新たな価値を作っています。
参照ページ
花王で働いている社員は?
平均勤続年数は?
花王は現在約7000名の従業員がいて平均勤続年数が22. 3年です。
平均年収は?
平均年収は729万円で、外資系競合のP&Gよりは1割程低いですが、国内の同業界のライオンや資生堂と比べるとやや高いです。
平均残業時間は?
平均残業時間が月平均9.7時間となっています。
平均ボーナス額は?
ボーナスは年3回で合計で150万程度です。
どんな文化なの?
全体的に真面目で穏やかな人が多く風通しの良い企業です。
業務の進め方は自分の裁量に任される部分も多く、成長していくには自分で考えどんどん提案していくことが求められます。
個人で仕事をこなすというよりは組織で目標を達成するという意識が強い傾向にあります。
また、新しいことをどんどん採用するよりも、前例から慎重に決断していく事が多いです。
特に近年は女性や多国籍な社員が増えてきているのでグローバル、多様性という面で働きやすい環境になってきています。
参照ページ
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
例年の採用は理系大学院卒の研究職の割合が最も多く30-90人程度、法務、経理、営業、マーケティングなどの事務系は、文系が20人程度、理系学部卒が10数名です。
消費財業界の同業他社にはP&G、ライオン。化粧品分野では資生堂などがあります。
東洋経済オンラインの発表した「入社が難しい有名企業ランキング」トップ200の中で、花王は86位に選ばれていました。
同業他社の資生堂が175位、ライオンが92位、P&Gが10位となっていて、86位の花王の就職難易度が高い事が伺えます。
また、2024年卒の大学院生の選ぶ就職希望ランキングでは33位となっています。
花王の募集要項について
以下に花王の新卒の処遇・待遇についてまとめました。
花王はフレックスタイム制を導入しているなど、社員にとって働きやすい労働環境であると言えます。
各種手当や、福利厚生が非常に充実している点も非常に魅力的です。
①初任給
博士了 | 修士了 | 学部卒 | 高専卒 | 短大/専門卒 |
263,500円 | 246,100円 | 225,600円 | 192,800円 | 182,800円 |
①その他
各項目 | 詳細 |
---|---|
昇給 | 昇給:年1回 |
年間休日数 | 年間休日:123日 |
賞与 | 賞与:年3回 (6月、12月、3月) |
福利厚生 | 完全週休2日制(土曜、日曜)、祝日、年末年始休日、有給休暇、夏季特別休暇、私傷病特別休暇、慶弔休暇、ボランティア特別休暇、看護・介護特別休暇、勤続リフレッシュ休暇など。 |
福利厚生 | 各種保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)、従業員持株会制度、慶事見舞金各種支給、産休育休制度、学業支援金制度(子供の学業費支援)、その他 |
求める人物像
①協調性
全ての人に敬意、公平さ、共感を持って働くことで、チームとしての最高の力を引き出します。
②主体性
主体的に行動することで、組織に貢献し、自身を成長させ続けます。
③革新
探究心旺盛な発想力で新しいアイディアを積極的に取り入れ、市場の変化を先取りし、あらゆる場面で絶えず成長と変革を目指します。
⑤挑戦
行動しないリスクよりも、行動するリスクを選びます。社会と地球に利益をもたらすために意欲的な目標を設定し、挑戦し続けます。失敗した時は反省し、学び、成し遂げます。
⑥倫理観
正しく合法的な振る舞いがビジネスの基本です。勤勉に働き誠実に生きる人々のみが幸運を掴む事ができると考えます。
⑦多様性
多様な文化、国籍、人種、性別、能力、アイデンティティを積極的に受け入れ、ありのままを尊重します。
新卒選考フロー
花王の選考は下記の通りのフローとなっています。
*年度や人によって異なることもあります。
①エントリーシート(ES)
消費財業界の有名企業は応募者が膨大になることも多いため、エントリーシートからかなり本気で取り組んでいく必要があります。
花王の理念にあった志望動機、自分の実績に加えて、属している組織への思いや自分がどう影響を及ぼしたのかを伝えられるように準備しておきましょう。
②Webテスト
花王のWebテストは「SPI・eF-1G・TGWEB」の形式の複合問題が出題されています。
内容は「言語/非言語/性格/クリエイティブ系」であり、この中でも珍しいのがeF-1Gのクリエイティブ系の問題です。具体的には、「タオルについて、拭く以外の用途をできるだけ多くあげて下さい。」といった内容となり、少し対策が難しいかもしれません。
回答する際は質にこだわりすぎるより、量を出すのを意識していきましょう。
③1次面接(動画面接)
1対1で30分程度の個人面接となり、動画面接が採用された年度もあります。
比較的和やかな雰囲気で進行する中で価値観や人間性、人柄を見極めていくのが目的です。
志望動機や、やりたいことは、事業部が分かるくらい明確にしておきましょう。
また、自己紹介は、組織全体のために自分が頑張ってきたこと、コツコツと努力して向上できることが伝わるエピソードをいくつか準備して、自信を持って自然体の自分で面接に臨んでみてください。
④2次面接
社員2、学生1で30分程度の個人面接です。
自分が花王の「どの事業部」で「どんな目標を持って働いているのか」を、細かくイメージしながら志望動機を話していくと良いでしょう。
また、高い倫理観があり、チームや人の細かいところにも着目できる人間性をアピールするのがおすすめです。
⑤最終面接
社員6、学生1で30分程度の面接です。理論的な追求によって能力や志望度を見極めていきます。
内定自体のリスクを考慮しながら、入社して欲しい人を厳しく見極めていくので、花王の商品、社風、事業内容、今後の事業戦略を参考に、花王だから自分のやりたい事ができると言える理由を考えておきましょう。
自分のあらゆる返答になぜと聞かれる覚悟で論理的に返答する準備が必要です。
*技術系の採用では②webテストから④2次面接が無く、人事と研究員との面接になり自分の研究への向き合い方や研究成果について花王にマッチするか深掘りされるので、自分が「花王ウェイ」にマッチすることを表現し、専門性の高い内容にも答えられる準備が必要です。
花王の選考で大事なポイント
人に寄り添って主体的に考え課題解決のために行動できる人間であるか、組織のために自分の能力を最大限に発揮する姿勢があるか、といった面を重視しています。
また、花王の商品の名前や将来のビジョンを聞くことで、学生の本気度を見分けていきます。
エントリーシートの時点から企業理念の「花王ウェイ」と募集要項を必ずチェックして言葉にどんな意味や思いが込められているのか理解し、自分のどんな部分と親和性があるのか喋れるような準備をしておきましょう。
採用大学
過去の傾向を見ると偏差値の高い大学が中心ですが、中堅大学からの採用も多少あるので学歴フィルターは多少あると考えて良いでしょう。
研究職の理系院卒採用がメインなので、自分の携わった研究分野が、花王の事業に活かしやすいと評価が高くなります。
【採用実績大学】
東京大学、京都大学、東京工業大学、一橋大学、大阪大学、神戸大学、名古屋大学、東北大学、九州大学、北海道大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、東京理科大学、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学、筑波大学、横浜国立大学など
就職偏差値・難易度
ここまでの内容を踏まえて、花王の就職偏差値・難易度を見ていきましょう。
結論として、花王の就職偏差値・難易度は高いといえます。その理由としては以下の3点が挙げられます。
- 理系大学院卒の採用がメインで競争率が高いため、花王でなければならない強い理由を強く表現する必要がある。
- 中堅以上の私大と国公立卒の採用が多く多少の学歴フィルターがある。
- 福利厚生がとても充実しており、平均年収・ボーナスも高水準。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
参照ページ
まとめ
花王は大手企業の中でも人気があり競争率が高い企業です。
内定を勝ち取るには自分の実績だけでなく、企業研究を徹底的に行い、花王だからこそ活躍できる自分を表現する必要があります。
企業研究を行うことで、就活で結果が出やすくなるだけでなく、自分がどんな価値観で、どんなビジョンを持ち、どんな仕事にチャレンジしたいのか言語化していく一歩目になります。
就活という人生で大事なフェーズに全力で取り組み、後悔しないものにして下さい。