【例文あり】自己推薦書とは?書き方のコツをていねいに解説
2024/9/27更新
はじめに
企業によっては、履歴書やエントリーシートのほかに、自己推薦書の提出が求められる場合があります。
この際自己推薦書について理解していないと、万全な用意ができない可能性があるでしょう。
この記事では自己推薦書の書き方について知りたいと思っている以下のような就活生を対象に、ポイントや注意点の解説を行っています。
- 自己推薦書を提出する目的が知りたい
- 自己推薦書の書き方が知りたい
このような方はぜひ最後までご覧いただき、自己推薦書の記入の際に役立ててください。
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自己推薦とは客観的に自分をアピールすること
「自己推薦」とは、自分を紹介するというよりも、第三者の目線に立って、自分の強みや周りと比べて優れている点を客観的に伝えることを指します。
つまり「他の就活生と比べると◯◯な点が秀でています」と他者に推薦することです。
自己推薦書は、履歴書やエントリーシートと似て非なるものだといえます。
それぞれの違いを下記の表でまとめたので、チェックしてみましょう。
区 分 | 履歴書・エントリーシート | 自己推薦書 |
目的と対象 | 自身の学歴、資格、スキルなどの基本情報を提供し、企業に自分自身をアピールすることが目的。 | より深い自己分析や自己評価を行い、自身の強みや成果を具体的にアピールすることが目的。 |
形式と長さ | 一般的に短く、箇条書き形式で情報をまとめる。 詳細な説明や具体例は限られる。 | より自由な形式で書かれることが多く、一般的には長めの文章やパラグラフ形式で記述する。 具体的な事例やエピソードを交えて自己アピールを行う。 |
視点と アプローチ | 客観的な情報を提供することに重点が置かれる。 自己の経験や能力を客観的に示し、求められる条件に合致していることを示すことが重要。 | 自己分析や自己評価に基づいて自身の強みや成果を相対的にアピールすることに重点が置かれる。 自身の独自性や価値を示し、他の候補者との差別化を図ることが重要。 |
以上のように、自己推薦書は履歴書やエントリーシートとは異なる役割があるため、違う視点で企業に自分のアプローチができます。
自己推薦書を書く際には、自分の強みや成果について自己主張することが大切です。
自己推薦文を書く前の準備事項
自己推薦文を書く際は、何より事前準備が大切で、入念に時間と労力を割く必要があります。
その準備に関しては、以下の5項目を意識してください。
①自己分析
自己推薦書を記入する際は、まずは自分の強みやスキル、経験などの記載内容を整理しましょう。
そのため、自己推薦文を書く前には必ず自己分析を行いましょう。
自己分析に取り組む際は、自分史やモチベーショングラフ、マインドマップなどの自己分析ツールを利用すると、効率的に行えます。
このステップにより、自分の特徴や価値観を把握することができるため、自己推薦文の方向性を定めることができます。
具体的な自己分析の方法は下記の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
②リサーチ
自己推薦書の内容を記入する上では、リサーチが最も大切だといえます。
なぜなら、相手に響くアピールポイントを探る必要があるからです。
企業側が望んでいない強みを延々とアピールされても、魅力的だとはいえないでしょう。
そのために、応募先の企業や組織について必ず事前調査を行いましょう。
企業のビジョンや価値観、求められる人物像などを把握することで、自己推薦文を企業に合わせてカスタマイズすることができます。
また、応募するポジションや業界のトレンドやニーズにも注目しておきましょう。
③接点探し
志望する会社の価値観や社風、求める人物像が把握できたら、そこから逆算して自分の強みとの接点を探していきます。
この際相手のニーズに沿った強みでないと、適切なアピールになりません。
企業と自分の接点探しは、選考を左右する重要なステップだといえるため、慎重に作業を進めていきましょう。
④実績やエピソードの整理
自己推薦文に盛り込む具体的な実績やエピソードを整理しましょう。
過去のプロジェクトや成果、貢献した経験などを振り返り、数値や具体的な事例としてまとめていきます。
このステップにより、自己アピールが具体的で説得力が増すでしょう。
相手に明確に伝わるように意識することが大切です。
⑤作成
上記の作業をすべて終えたら、自己推薦書に記載する内容をまとめて、記入しましょう。
あとは自己推薦文の構成に沿って、パズルのようにあてはめていけば自己推薦文が完成します。
文章がすべて完成したら、文章にまとまりがあるかや簡潔に伝えられているか、誤字脱字はないかなどを確認しましょう。
自己推薦文の構成
自己推薦文は、下記のような3段論法の構成で記載しましょう。
この構成を意識することで、相手に簡潔で適切に伝えることができます。
①結論「私の強みは御社の〇〇で活かせると自負しています」
↓
②具体例「具体的には△△でこの強みが発揮されました」
↓
③ベネフィット「なので、貴社の××で貢献できます」
①結論
自己推薦文の冒頭では、結論となる自分の強みや特徴を簡潔にまとめましょう。
あまりにも長い文章だと、何が結論なのかが曖昧になり、論点がズレるため、端的に伝えることが大切です。
結論は読み手に対して自分の価値を明確に伝える重要なポイントとなります。
文章表現を工夫して、「次が読みたい」と思わせるような魅力のあるメッセージで自分をアピールしましょう。
②具体例
強みや特徴をサポートする具体的な事例やエピソードを挙げましょう。
結論を下支えする具体的な実績や経験を示すことで、自己アピールがより具体的で信憑性が増すものになります。
経験やエピソードを説明する際は、論理的で簡潔な文章を心がけましょう。
③ベネフィット
ベネフィットは「採用理由」や「活躍理由」とも言い換えられます。
自分を採用すると、企業側がどのように利益や価値を享受できるのかを説明します。
自分の強みが企業に与える利益や貢献度を明示することで、「ぜひ会って、話してみたい」という興味を与えられるでしょう。
このような順序で自己推薦文を構成することで、自分の強みを明確に提示し、具体的な実績やその結果から生まれるベネフィットを示すことができます。
結果、相手の腑に落ちて説得力のある自己推薦文になるでしょう。
ただし、自己推薦文は個人のスタイルや応募先によっても適切なアレンジが必要なので、その点を考慮してアプローチしてください。
自己推薦文の書き方のコツ
自己推薦文を効果的に書くにあたっては、コツがあります。
記入の際はしっかりと下記を意識してみましょう。
①具体的な事例を挙げる
自己推薦文では、抽象的な表現よりも具体的な事例や実績を挙げることが重要です。
自分の成果や貢献を数値や具体的なエピソードとして示すことで、読み手に信憑性のあるポジティブな印象を与えます。
また、読み手にどういう人物であるかという具体的なイメージも与えやすくなります。
②自己評価を客観的に行う
自己推薦文では、自分自身を客観的に評価することが求められます。
自分の強みやスキルを客観的に分析し、自己PRの材料として適切に活用しましょう。
過度な自己評価や誇張は避け、客観的な視点から自分を見つめ直すことが大切です。
③読み手に合わせたアプローチを取る
先述の通り、自己推薦文は応募先の企業やポジションに合わせてカスタマイズすることがポイントです。
応募先の価値観やニーズに対して、自分の強みや経験を結びつけて説明しましょう。
企業のニーズや求められる人物像に沿ったアプローチをすることで、自己推薦文の効果をより高めることができます。
④強調すべきポイントに焦点を絞る
自己推薦文では、自分の強みや特徴を明確にアピールすることが肝要です。
自分が他の就活生とどのように異なるのか、なぜ自分が適任であるのかを読み手に伝えるために、強調すべきポイントに焦点を絞りましょう。
強調するポイントが多すぎると、かえって自己推薦文が散漫になり内容が薄れてしまうため注意が必要です。
⑤ポジティブな表現を使う
自己推薦文では、ポジティブな表現と自信に満ちた文体を使うことがコツです。
自分の能力や成果を適切にアピールし、読み手に自信と魅力を伝えるような文体を心掛けましょう。
そうすれば、自分の魅力や経験を最大限に引き出すことができ、効果的な自己アピールが可能となります。
自己推薦文の例文
自己推薦文の具体例を紹介します。
以下の文章を参考に、自己推薦文を作成してみましょう。
私には組織力を使ってパフォーマンスを発揮できる強みがあります。この強みは大学祭の地域住民の動員で功を奏しました。「地域に開かれた大学」を標榜する当校としては、大学のメイン行事である大学祭に地域住民を誘導することが積年の課題となっていました。
私は学祭実行委員会の渉外部長として、部員と意見を出し合いました。検討を重ねた結果、戸別訪問により招待状を直接手渡すローラー作戦と地域住民参加型のゲームを実施するなど、地域住民が参加しやすい導線を引くことを企画し、実行に移しました。また、自治会長宅へ出向き直に住民への周知徹底を依頼し、その結果、前年度対比150%の地域住民の動員を達成しました。自治会長からも「久々に学祭に来たけど、若者と触れ合うのは楽しいね。お疲れさん」という労いのお言葉をいただきました。
学祭のエンディングの花火大会では、部員たちと肩を組んで、喜びと充実感に溢れながら花火を見たことは一生忘れません。このように、リーダーとして1人ひとりに合わせた対応を行ってきた経験から、それぞれのお客さまに合ったサービスを提案する貴社の営業職に貢献できると考えております。また、地域のお客さまとの信頼関係を構築しながら、サービスを拡大してきた貴社の姿に大変感銘を受けました。私も、貴社の一員として、地域に根ざしたサービスを提供できるよう努力いたします。
ぜひ一度お会いし、貴社での貢献の機会をいただければ幸いです。
上記の見本は、具体的なエピソードやスキルの具体例を挙げることで、自己アピールの具体化に成功しています。
また、責任感やビジョンへの共感といった企業の要素にも触れている点で、相手の好感度を一気に引き上げる文章に仕上がっているといえます。
自己推薦文のNG例
自己推薦文のNG例も併せて紹介します。
ポイントを押さえながら修正すべき箇所を見分けてみましょう。
私は優れた人物です。能力も高く、結果を出す自信があります。周囲の人々よりも優れたスキルを持っており、常に最善を尽くします。チームでもリーダーシップを発揮し、他のメンバーを引っ張ってきました。私なら絶対に成功しますし、貴社にとって価値を提供できる自信があります。ぜひ私を採用してください。
まず、 「優れた人物」や「能力も高い」といった自己評価は、客観的な根拠がないため信頼性に欠けるでしょう。
つまり、具体的なエピソードや実績を挙げずに抽象的な言葉で自己アピールしているため、説得力が乏しいと判断できます。
また、「周囲の人々よりも優れたスキルを持つ」「ほかのメンバーを引っ張ってきた」といった表現は、他者を見下すような自己中心的な印象を与えます。
加えて、「私なら絶対に成功する」「貴社にとって価値を提供できる自信がある」といった主張は、傲慢さを印象付け、過大な期待を抱かせるため避けるべきです。
自己推薦文では、客観的なデータや具体的な事例、チームでの貢献などを通じて自己の魅力や能力を裏付けることが重要です。
また、謙虚さや他者への敬意を示す表現を心掛けることも忘れないでくださいね。
さいごに
自己推薦文は、自分自身の強みや経験を的確にアピールする貴重なツールです。
しかしただ単に自己PRをするだけではなく、具体的な事例やエピソードを交え、自己の魅力を客観的に示すことが何よりも大切です。
また、謙虚さや他者への敬意も忘れずに表現しましょう。
本文でも説明したとおり、自己推薦文を作成する際には、企業の求める人物像や応募職種に合わせてカスタマイズすることが重要です。
自己分析をしっかりと行い、自己の強みや成果を的確に把握したうえで、企業側のニーズにミートさせていきましょう。
最後に、自己推薦文は1つのステップに過ぎません。
面接や試験などほかの選考フェーズでも自己アピールが求められます。
自己成長を続け、自己アピールのスキルを高めることで、就活の成功につなげていきましょう。
この記事を参考に自己推薦書に活かしてくださいね!