【面接対策】就活で「困難を乗り越えた経験」は何と答えるべき?
2022年10月31日更新
はじめに
面接シーズンが始まると、最もよく聞かれる質問は「困難を乗り越えた経験」ではないでしょうか。
面接はもちろん、ESの質問でも必ずと言っていいほど入ってくるこの質問に、どのように答えようか悩んでいる人は少なくありません。
また、
「本当にこの”困難”って経験として十分なの?」
「困難というほどの内容ではないかもしれない」
「他の就活生と比較すると、エピソードが弱いんじゃないか…」
と考えてしまうこともあるでしょう。
もちろん「困難な経験」に優劣はありませんが、面接においてより優位な内容を選びたいと考えるのは当然かもしれません。
そこで本記事では、そもそもなぜ面接で「困難を乗り越えた経験」を聞かれるのか、自分にとって面接で伝えるべき困難はどのように選ぶべきかなど、「困難を乗り越えた経験」への答え方について紹介します。
1.「困難を乗り越えた経験」で人事が知りたい3つのこと
人事が「困難を乗り越えた経験」を面接で聞くのは、以下のような理由があります。
①目標に向かって努力した経験を知るため
②困難にぶつかった時の乗り越え方を知るため
③困難をその後どのように活かしたのかを知るため
それぞれについて詳しく解説しましょう。
①目標に向かって努力した経験を知るため
困難にぶつかる時は、何らかの目標がある場合がほとんどです。
目標があるからこそ、そこへ到達しないという気持ちから「困難」が生まれます。
一見、困難がない方がスムーズな人生を歩めていて良いと感じるかもしれません。
しかし困難が多いということは、それだけ人生でたくさんの挑戦をしているということです。
また、困難が多いほどに挑戦したかった目標が多いということにも繋がります。
社会人になると、日々目標を達成するために努力しなければいけません。
営業職などが数字目標を持つイメージが大きいかもしれませんが、職種に関係なく、社会人はそれぞれが目標を持って業務に取り組んでいます。
しかし、目標をスムーズに超えることができる人はほとんどいないでしょう。
そのようなシチュエーションになることを想定し、過去の経験に近しいものがあるか、面接で確認しているのです。
②困難にぶつかった時の乗り越え方を知るため
困難にぶつかった時、どのように対応するのかという点は人柄をよく表します。
目の前の困難からとにかく逃げる人、周囲に相談する人、まずは自分で深く考えてみる人…というように、対処方法はひとつではありません。
このように対処法を確認することで、「その人が辛くなった時にどのような振る舞いをするのか」を理解することができるのです。
多くの人は「困難を乗り越えるために努力するのではないか」と回答するかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。困難な状況のまま心が折れてしまう人や、周囲を攻撃してしまう人もいます。
困難の乗り越え方を面接で把握することは、入社後にどのようなフォローをするのが適切なのかを企業側が把握・検討することにもつながります。
そのため、面接用にアレンジせずに自分の経験をそのまま伝えることが大切です。
③困難をその後どのように活かしたのかを知るため
困難を乗り越えたあとに、どのように困難を活用していくのかという点も面接官が知りたいポイントです。
また同じ困難にぶつかってしまうようなプロセスを描くのか、困難にぶつからないように工夫をするのかなど、困難を乗り越えた後の対応方法も垣間見ることができます。
困難にぶつかることは悪いことではありませんが、何度も同じ困難にぶつかってしまうのはその人自身が成長していないと言い換えることができるかもしれません。
そのため、困難を乗り越えた後についても確認することで、社会人になったらどのように成長していくのかをイメージすることができるのです。
2.なぜ人事は「困難を乗り越えた経験」を知りたいのか?
では、「困難を乗り越えた経験」を知ることで企業はどのようなことを把握したいのでしょうか。
①仕事で壁にぶつかった時の乗り越え方をイメージするため
②結果を出すことにコミットできるかを知るため
以上2点について詳しく見ていきましょう。
①仕事で壁にぶつかった時の乗り越え方をイメージするため
「困難を乗り越えた経験」は、そのまま「仕事で壁にぶつかった時」というシチュエーションに置き換えることができます。
もちろん学生時代の経験と、仕事での経験は関係者や悩みのレイヤーが異なる可能性が高いものの、近しい経験として面接で聞く内容としては最適です。
また、その時どのように困難を乗り越えたのかということが、仕事における困難をどのように乗り越えていくかというイメージにつながります。
困難の乗り越え方は人それぞれあるからこそ、学生の人となりを把握することはもちろん、入社後にどのような部署に配属すると輝ける可能性が高いのかを判断する材料にもなります。
②結果を出すことにコミットできるかを知るため
困難と一言に言っても、設定してあった目標によって困難のレベルが異なります。
高い目標を設定していると、その分困難も乗り越える難易度が高いものになるでしょう。
困難が高くなるほどに、乗り越える難易度が高くなってしまいます。
しかし「困難を乗り越えた経験」によって、どのように目標に向き合うのか、また結果を出すために、どれくらいコミットするのかを確認することができます。
社会人になると、設定される目標は簡単なものばかりではありません。むしろそれまでの経験から考えると、難易度が高い目標が多くなるでしょう。
そんな時に、過去の困難に対しても結果を出すときに乗り越えた経験があることが分かれば、企業は安心して学生を受け入れることができます。
このように、困難があっても結果を出すためにコミットできるのかを知るために「困難を乗り越えた経験」を確認するのです。
3.面接対策に必須!「困難を乗り越えた経験」の選び方
では、実際に面接で話すような「困難を乗り越えた経験」は、どのように見つけると良いのでしょうか。
①過去の経験から考える
②自分が成長したタイミングを思い出してみる
③思い付かない場合、モチベーショングラフを書いてみる
以上3つについて解説していきましょう。
①過去の経験から考える
最も手軽な方法は、過去の経験から考えることです。
これまでの人生を振り返ると、「あの時は困難だったな」と感じることがあるのではないでしょうか。
この時考えるべきは、困難な経験は特別な経験ではなくてもいいということです。
エピソードの珍しさが重要なのではなく、自分が何を困難と認識し、どのように乗り越えたのかをきちんと伝えることが大切です。
「困難を乗り越えた経験」と聞くと、つい耳障りが良い内容や、刺激的な内容の方が良いと考えたくなってしまうのではないでしょうか。
しかし、あくまでも自分自身が困難だと感じていれば問題ないのです。
なかなか「困難を乗り越えた経験」を過去の経験から思い出せない場合には、一度フラットな気持ちで過去を振り返ってみてはいかがでしょうか。
②自分が成長したタイミングを思い出してみる
「困難」から考えるのが難しい場合には、「あの時自分はとても成長したな」というタイミングを思い出してみるのはいかがでしょうか。
なぜなら、自分が成長したタイミングは困難を乗り越えたタイミングであることが多いためです。
成長は楽しいことが連続した時ではなく、辛いことが連続したときに起こりやすいものだとされています。ただし、辛いという感情はふたをしてしまっている人も多いかもしれません。
そこで、「成長した」という切り口で考えるとスムーズに過去のエピソードを思い出せるかもしれません。
③思い付かない場合、モチベーショングラフを書いてみる
どうしても思い付かない場合には、モチベーショングラフを書いてみるのがおすすめです。
モチベーショングラフとは、過去の自分のモチベーションをグラフ化することを指します。
就活の中では、自己分析をするツールとしてよく登場するかもしれません。
モチベーショングラフは基準のモチベーションを「0」として、出来事に応じてモチベーションを上下させながら描いていきます。
具体的にいつの出来事から書くべきなのかという決まりはありませんが、自分にとって最も印象的な過去の出来事から書き出してみるのがおすすめです。
モチベーショングラフ上でグラフが下がった時に、困難にぶつかっている可能性が高くなります。
「困難を見つけるためにモチベーショングラフを書く」という気持ちでは、正しいモチベーショングラフにならない可能性があります。
あくまでも自分のモチベーションの変化のみに注目したグラフになるように仕上げましょう。
4.面接で使える「困難を乗り越えた経験」のアピール方法
では、「困難を乗り越えた経験」はどのようにアピールするのが良いでしょうか。
①目標は何かをきちんと示す
②ぶつかった困難を端的に示す
③目標達成のために、何が最も困難だったのかを示す
④具体的な乗り越え方を示す
⑤最終的な結果を示す
以上5つの手順で紹介します。
①目標は何かをきちんと示す
「困難を乗り越えた経験」をアピールする際にはまず、どのような目標に向かって努力をしていたかを示すことが大切です。
目標が分からなければ、どの程度の困難だったのかを伝えることができません。
そのため、まずは明確に目標を伝えましょう。
②ぶつかった困難を端的に示す
続いて、自分がぶつかった困難はどのようなものだったのかを端的に示します。
困難そのものは、具体的に説明する必要はありません。
あくまでも端的に、自分にとって何が困難かを明示することが大切です。
③目標達成のために、何が最も困難だったのかを示す
最初に提示した目標を受けて、困難の中でも何が自分にとって最も大きな困難だったのかを示します。
とある出来事に対して、生じる困難は一つしかないように思うかもしれません。
しかし、何を困難と捉えるかには個人差があります。
そのため、自分にとっての最も大きな困難は何だったのかはしっかりと伝えましょう。
これによって自分自身の価値観や人柄を分かりやすく伝えることができます。
④具体的な乗り越え方を示す
困難を乗り越える時に、どのような工夫をしたのかもきちんと伝える必要があります。
困難を乗り越えるために自分は何を必要だと思ったのか、そのためにどのような行動をしたのかという点を伝えることで、「困難を乗り越えた経験」がより具体的に伝わります。
この時、具体的なエピソードを細かく伝える必要はありません。
なぜならエピソードはあくまでエピソードであり、汎用性がある話とは限らないためです。
何を重要だと捉え、乗り越えていったのかを分かりやすく伝えることが大切です。
⑤最終的な結果を示す
乗り越えた結果、最終的にどのような結果だったのかも伝えましょう。
結果は最初に伝えた目標に対してどうだったのかという視点で示すことが大切です。
社会人になると結果が重視されます。プロセスももちろん大事ではあるものの、結果が求められるシーンの方が多いでしょう。
そのため、最終的にどのような結果だったのかを合わせて伝えることが大切です。
5.おわりに:過去の困難を味方に、就活を突破しよう!
今回は、
「本当にこの”困難”って経験として十分なの?」
「困難というほどの内容ではないかもしれない」
「他の就活生と比較すると、エピソードが弱いんじゃないか…」
といった疑問を解消すべく解説を行ってきました。
この記事を通じて、そもそもなぜ面接で「困難を乗り越えた経験」を聞かれるのか、自分にとって面接で伝えるべき困難はどのように選ぶべきかなど、「困難を乗り越えた経験」の答え方のヒントを掴むことができたのではないでしょうか。
困難な経験に優劣はありません。
自分にとって困難だと思ったことに、正解や間違いはないのです。
ただし面接という場で質問される以上は、面接官の意図を汲み取り回答することが大切です。
過去の困難な経験が、面接官に自分という人間をアピールするために役立ちます。
冷静に過去の困難を見つめなおすことで、困難を味方につけて就活を成功させましょう。
困難や挫折など、一見ネガティブな性質を持つ出来事やエピソードも、今それをどう捉え、どう生かそうとしてるかと言う言い換えができることが肝要です。以下のような記事もぜひご活用ください。