就活で「自分をものに例えると?」と聞かれたときの回答ポイント
2024/9/2更新
はじめに
就活の面接では、自己PRや志望動機などの基本的な質問のほかに珍しい質問が投げかけられることもあります。
時には「自分をものに例えると何ですか?」という問いが聞かれることもありますが、これに対してスムーズに回答できる学生は少ないです。
この質問の意図を理解した上で的確に答えられれば、選考でもほかの学生よりかなり有利になるでしょう。
本記事では「自分をものに例えると?」と質問する意図と回答のコツを例文を交えて紹介します。
以下のようなお悩みのある学生は必見ですので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
- 「自分をものに例えると?」と質問する意図
- ベストな回答をするためのポイント
- 似たような質問が来たときの対処法
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「自分をものに例えると?」と面接で質問する意図
「自分をもとに例えると?」
面接でこの予想外の質問を投げかけられると、多くの就活生が答えに悩みます。
「なんでこんなことを聞くんだろう?」
「どう答えれば正解なの?」
面接官を唸らせるベストな回答をするために、まずは「自分をものに例えると?」という質問の意図を理解しておきましょう。
一見奇妙なこの質問には、大きく分けて3つの意図が込められています。
順に解説していきます。
- 自己分析ができているかを判断したい
- 論理的思考力を測りたい
- 予想外の事態への対応力を見極めたい
①自己分析ができているかを判断したい
1つ目の意図は、自己分析ができているかを判断することです。
自分をものに例えるには、
- 自分がどのような存在であるのか?
- 自分の特徴は何か?
- 自分には何ができるのか?
といったように、自分への深い理解、つまり自己分析が必要不可欠なのです。
周知のとおり、自己分析は就活で最も重要な要素。
この自己分析が疎かになっていると就活は絶対にうまくいきません。
- 就活軸がブレる
- 志望業界、志望企業が明確に定まらない
- ESの書き方に芯が無い
- 面接の受け答えに一貫性が無い
- 面接官に対して「どうしても御社で働きたい」という熱意が伝わらない
このような事態に陥る可能性が非常に高くなってしまいます。
つまり、この質問で自己分析ができているかを判断すると同時に、大切な場面や目標に向かって準備、努力ができる人間なのかも見極めているとも言えるわけです。
奇妙に感じられるこの質問は、就活生が今後社会人として働く上で必要となる根本的な能力をどれほど持っているのかまで炙り出してしまいます。
意外にも深く、恐ろしい質問なんですよ。
②論理的思考力を測りたい
2つ目の意図は、就活生の論理的思考力を測ることです。
面接官は、この質問への就活生の対応から社会人として求められる論理的思考力の有無を見極めています。
質問に対して単純に回答(主張)するだけでは、その回答(主張)に説得力も論理性も無く、相手を納得させることはできません。
論理的思考力に欠ける人は、就職後に上司や取引先と質の高いコミュニケーションを通じて成果を上げることは難しいでしょう。
「自分をものに例えると?」という質問への回答として最低限必要な要素は以下の3つです。
- 例える「もの」
- その「もの」を選んだ理由
- 理由に説得力をもたせるための具体例やエピソード
「主張→理由→具体例(エピソード)」という論理構造ですね。
- 私は◯◯だと思う
- なぜなら◇◇だから
- 具体的には〜〜
といったように論理的に物事を捉え、論理的に回答することができる就活生は、就職後の活躍が期待されるはずです。
「自分をものに例えると?」という質問から、あなたの論理的思考力の高さも見られているということを忘れないようにしましょう。
③予想外の事態への対応力を見極めたい
3つ目の意図は、予想外の事態への就活生の対応力を見極めることです。
「自分をものに例えると?」という面接官の狙いがわかりにくく、かつ事前の準備ができていない突飛な質問を投げかけられた時、就活生の素の部分が垣間見えます。
具体的には、予想外の事態に直面した時や緊急時に、どの程度冷静に対応する力があるのかがわかるというわけです。
社会人として働く中では、予想外の事態に直面することは少なくないですし、その時にどれほど臨機応変に対応できるかが重要になってきます。
冷静かつ臨機応変に対応できる能力は、社内でも高い評価を受けて信頼度も増し、早期の出世等にも繋がってくるでしょう。
「自分をものに例えると?」という質問は、あなたの将来性や今後の活躍の可能性をも明らかにしてしまいます。
以下の記事では「自分をものに例えると?」のような面白い質問と答え方を解説しているのでぜひ参考にしてください。
ベストな回答をするための4つのポイント
さて、一見不思議にも思われる「自分をものに例えると?」という質問には、3つの重要な意図が含まれていることがわかりました。
ここでは、それら3つの意図を踏まえた上で、面接官を唸らせるベストな回答をするためのポイントを4つご紹介します。
この4つのポイントを念頭に置いて回答できれば、面接官からの高評価は約束されたようなものです。
ポイントは以下のとおり。
- 自分が最もアピールしたい要素に合わせた「もの」を選ぶ
- 身近な「もの」に例える
- 理由、具体的なエピソードを交えて答える
- PREP法で答える
①自分が最もアピールしたい要素に合わせた「もの」を選ぶ
自分を例える「もの」は、自分を最もアピールしたい「要素」を持ち合わせている「もの」を選ぶようにしてください。
ここでいう「要素」とは具体的には以下のとおりです。
- 真面目さ
- 粘り強さ
- 継続力
- 分析力
- 課題解決力
- 協調性
- リーダーシップ
- 好奇心
- 探究心
- 発想力
- 臨機応変さ など
自己分析から導き出した自分の強みの中で、最も面接官にアピールしたい項目1つを選び、それに対応した「もの」を答えるというわけです。
なお簡潔に答えるためにも、アピールしたい項目は1つだけに絞ってくださいね。
「なんとなく」や「イメージ」で例える「もの」を選んでしまうと、話に説得力が生まれません。
例えた後は、理由や具体的なエピソードを交える必要がありますので、基本的にはESの自己PRで書いている「強み」や「性格」に合わせて「もの」を選びましょう。
ESには既に「理由」や「具体例(エピソード)」などが記載されているケースが多いかと思いますので、それを「もの」という角度から話せば良いわけです。
そう考えれば意外と回答は難しくないんですよ。
いわば「自分以外のもの」を通じて自分の強みを伝えるという作業なのです。
②身近な「もの」に例える
自分を例える「もの」の選び方については、もう一つ重要な基準があります。
その重要な基準とは、身近な(ポピュラー)な「もの」に例えるということです。
就活生の中には、センスの良さ、ユニークさなどをアピールしようとして、奇をてらって知名度の低い「もの」に例える人も少なくないようです。
実はこの回答方法は基本的にNG。
面接官がよくわからない「もの」に例えられても、その後の話に納得感は生まれません。
就活生がいくら丁寧に説明をしたところで、もともとの「もの」がわからなければ意味がないのです。
最悪の場合、就活生の回答内容に対して興味を失ってしまう可能性もあります。
あくまで身近な(ポピュラーな)「もの」を選ぶようにしてください。
センスやユニークさは、その後の「理由」や「具体例(エピソード)」の部分で発揮すれば大丈夫です。
③理由、具体的なエピソードを交えて答える
「もの」を選んだ後は、それを選んだ理由、理由を補足する具体例やエピソードを述べていきます。
理由等がしっかりしているほど、例えの説得力が増すというもの。
内容としては、例えた「もの」の特徴(性質)から話を広げていきましょう。
具体的には選んだ「もの」の
- 用途
- 機能
- 形
- 大きさ
などを多角的に捉え、自分のアピールポイントと合致する点を探し、組み合わせましょう。
④PREP法で答える
最後にお伝えするポイントは、質問に対して「PREP法」で答えるということです。
PREP法とは、最初に要点(結論や主張)を伝え、次にその理由と具体例を出し、最後にもう一度要点(結論や主張)を述べる論理的手法のことです。
- Point:要点(結論、主張)
- Reason:理由(結論や主張の理由)
- Example:具体例(理由に説得力をもたせる具体例やデータ)
- Point:要点(結論、主張)
“Point”、”Reason”、”Example”、”Point”の頭文字から来ています。
「要点→理由→具体例→要点」というシンプルな論理的構造になっているため、自分の主張を短時間でわかりやすく相手に伝えることができます。
- 主張が明確になる
- 短時間で簡潔に主張を伝えられる
時間の限られた面接の中でも、PREP法を用いれば簡潔かつ迅速に質問へ回答することができます。
「自分をものに例えると?」という質問の意図である「論理的思考力や予想外の事態への対応力」の見極めにもPREP法は合致しています。
その理由として、そもそもPREP法の構造自体が論理的であることや予想外の質問に対しても、「PREP法のプロットに落とし込んで答えればいい」と考えれば落ち着きを取り戻せる、といったことが挙げられるでしょう。
最後にPREP法を用いた例文を紹介します。
- Point:面接官の質問への返答にはPREP法を使うべきです。
- Reason:なぜなら、限られた時間の中で自分の主張をわかりやすく伝える必要があるからです。
- Example:PREP法には、「主張が明確になる」、「簡潔に主張を伝えられる」というメリットがあります。
- Point:したがって面接においては、自分の主張を明確かつ簡潔に伝えることができるPREP法を使うべきだと言えるのです。
PREP法の詳しい使い方に関しては以下の記事でも紹介しているので、合わせてチェックしておきましょう。
「自分をものに例えると?」のOK回答とNG回答
それでは、面接で「自分をものに例えると?」と聞かれたときのOK回答とNG回答をそれぞれ見てみましょう。
OK回答
「質問に隠された3つの意図」と「ベストな回答をするための4つのポイント」がわかったところで、今度は具体的な回答例文を紹介します。
自分の最もアピールしたいポイントを「臨機応変さ」として、PREP法を用いた回答例文です。
例文
- Point:私をものに例えるならば、「エアコン」です。
- Reason:エアコンの「臨機応変」に機能できるところが私と似ていると感じたからです。
- Example:エアコンは、夏なら温度を下げ、冬なら温度を上げ、湿度が高ければ除湿と、臨機応変に機能することができます。
私も接客業のアルバイトを経験する中で、できる限り多くのお客様のご要望にお応えできるよう、常に臨機応変に対応してまいりました。 - Point:今後社会人として働く上でも、エアコンのように状況に応じて臨機応変な行動ができるよう心がけていきたいと思っております。
- 自分の最もアピールしたい要素として「臨機応変さ」を選ぶ
- その性質と合致し、かつ身近なものである「エアコン」を選ぶ
- エアコンの特徴や性質から、臨機応変さが伝わるような具体例やエピソードを述べる
- PREP法で主張を明確にしつつ、論理的思考力もアピールできている
この回答例文や解説を参考に、自分ならどう答えるか考えてみてください。
NG回答
NGになりやすい回答例として、例えた「もの」のイメージがわきにくいのはマイナス評価につながりやすいです。
また、「スポンジ」など多くの学生が例えそうなものは周囲と被ってしまうので気を付けてください。
あくまで個性を出しつつ、誰もが想像しやすいような「もの」に例えるのがおすすめです。
NG回答例の一例を見てみましょう。
- 私は自分をプラセオジムに例えます。プラセオジムとは1805年にオーストリアのウィーンでアウエル・フォン・ウェルズバーによって発見された元素で~~。
- 私は自分をスポンジに例えます。なぜなら、新しいことを吸収する力があるからです。
「自分をものに例えると?」のベストな回答の探し方
「自分をモノに例えると?」という質問に対する回答を考える際には、自己分析が非常に重要です。
自己分析を通じて、自分の強みや価値観、行動パターンを深く理解することで、自分を最も適切に表すモノを選べるでしょう。
例えば自己分析により自分がチームでの調整役としての役割を果たしてきたことがわかれば、コルクボードや接着剤のような、つなぎ役を象徴するモノを選べます。
また自己分析はオリジナリティのある回答づくりにも役立ちます。
ライバルと同じような回答を避け、自分ならではの経験や価値観を反映したモノを選ぶことで、面接官に強いインパクトが与えられるでしょう。
このように自己分析をしっかり行えば具体的かつ説得力のある回答を準備することができ、自分をより効果的にアピールできるのです。
自己分析のやり方に関しては以下の記事も合わせてチェックしてみてください。
「自分を◯◯に例えると?」のバリエーション一覧
今回の記事では「自分をものに例えると?」という質問をテーマに解説してきましたが、「もの」の部分を他の言葉に変えた質問も存在しています。
「自分を◯◯に例えると?」のバリエーションを知っておきましょう。
- 自分を食べ物に例えると?
- 自分を動物に例えると?
- 自分をキャラクターに例えると?
- 自分を花に例えると?
- 自分を野菜に例えると?
など様々な種類があります。
とはいえ焦る必要はまったくありません。
ここまでに紹介してきた「質問の意図」と「4つのポイント」に沿って同じように答えれば大丈夫。
基本を理解しておけばいくらでも応用が効くというわけです。
別パターンの質問が来ても焦らず基本を思い出して回答しましょう。
「自分をものに例えると?」の質問がされやすい業界・企業
どの業界、企業でもこの質問がされるケースはありますが、傾向としては以下の仕事を含む業界、企業で問われることが多いようです。
- お客様や取引先対応など、臨機応変さが求められる仕事
- クリエイティブさが求められる仕事
上記のような仕事が含まれる業界、企業を志望している場合はこの質問が来るかもしれないと頭の片隅に置いておきましょう。
さいごに
今回は就活の面接で聞かれる質問「自分をものに例えると?」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
記事の内容を簡単にまとめます。
- 質問の意図は、「自己分析ができているかを判断したい」、「論理的思考力を測りたい」、「予想外の事態への対応力を見極めたい」の3つ。
- ベストな回答をするためのポイントは以下の4つ。
- 自分が最もアピールしたい要素に合わせた「もの」を選ぶ。
- 身近な「もの」に例える。
- 理由、具体的なエピソードを交えて答える。
- PREP法で答える。
- 「もの」の部分が他の単語に変わっていても、答えるときのポイントは変わらない。
記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!