就活で将来の夢を聞かれたときの伝え方【例文つき】
2024/9/6更新
はじめに
面接やエントリーシートでよく聞かれる「将来の夢」。
これを聞かれると、就活生の皆さんはしばしば「何か特別なことをアピールしなければならないのか?」と疑問に思うかもしれません。
本記事はこのような不安を持つ就活生の皆さんに向けて、「将来の夢」を聞かれたときの回答方法を詳しく解説します。
この記事ではまず、企業側がこの質問を通じて何を聞きたいのか、その真意を理解することから始めます。
次に、評価される回答の「型」と具体的な「例文」を提供し、効果的な答え方を紹介していきます。
さらに、避けるべき5つのNG例と、将来の夢が思いつかない場合の答え方も詳しく解説しました。
この記事は特に以下のような就活生に向けて書かれています。
- 面接で将来の夢を聞かれたらどう答えればいいのかわからない
- 将来の夢を聞かれても困ってしまう
- 効果的に将来の夢をアピールする方法を知りたい
最後までしっかり読んで、面接での成功を手に入れてください。
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企業が「将来の夢」を聞く理由
まず、企業が就活生に「将来の夢」を質問する理由について見ていきましょう。
将来の夢を通して企業が知りたがっていることは次の3つです。
成長意欲を持っているか
企業が採用において「将来の夢」を尋ねるのは、就活生の成長意欲を見極めるためです。
将来に対して明確なビジョンを持ち、それに向かって努力する姿勢は、企業の持続的な発展に不可欠な要素です。
具体的な夢を持つことは、自己主導で目標を設定し、それを達成するための計画を立てる能力を示しているといえるでしょう。
さらに、夢を具体化する過程で、どのようなスキルや知識が必要かを考え、習得するための意欲もチェックしています。
面接やエントリーシートで「将来の夢」について語る際は、ただ夢を語るのではなく、その夢を実現するための具体的なステップと、それに向けた自己成長への強い意志をアピールすることが重要です。
これにより、企業はあなたのポテンシャルと成長意欲を評価していきます。
自社との適性があるか
企業が面接で「将来の夢」を尋ねる理由の一つは、就活生が自社とどれほど適性があるかを確認するためです。
これは、企業が求める人材像と学生が描く将来のビジョンが一致しているかどうかを判断する重要な指標となります。
まず、企業は学生の夢や目標を通じて、どのようなことに情熱を持っているのか、そしてその情熱が自社で活かせるかを見極めています。
例えば、学生の夢が自社のビジネス領域と一致している場合、その学生が入社後に高いモチベーションを持って仕事に取り組む可能性が高いと考えられます。
また、学生が将来の夢を語ることで、その夢が自社で実現可能かどうか、さらには企業文化やビジョンに合致しているかを企業側は判断します。
もし、学生の描く夢が自社で叶えることが難しい場合、適性が低いと見なされることもあります。
というのも、適性の低い人材を採用してしまうと、結果的に早期退職に繋がり、企業にとっても大きな損失となるからです。
そのため、面接で「将来の夢」について話す際は、自己のキャリアプランが企業の未来とどのように連動するかを具体的に語ることで、その一致を強調しましょう。
志望動機と一貫しているか
就職活動において「将来の夢」を問われる際、その回答が志望動機とどれだけ一貫しているかは、面接官にとって重要な評価ポイントの一つです。
企業は、就活生がただ面白そうな回答をするのではなく、自身のキャリアプランがどれだけ徹底して検討され、熟考されているかを見ています。
面接で求められるのは、あなたの将来の夢が、志望する企業での職務とどのようにリンクしているかです。
例えば、「〇〇のような夢を実現するために、御社で〇〇に挑戦したい」と明確に筋を通した回答をすれば、自分のキャリア目標と企業側がどのように結びついているかを示せるでしょう。
一貫性がある回答は、あなたが自身のキャリアと将来に対して真剣に考え、計画を練っていることを示します。
また、それはあなたが職務に対して持つ真摯な姿勢とモチベーションを反映し、企業にとっては、採用後も長期的に貢献し続ける可能性が高いことを意味するのです。
したがって、面接時には、あなたの志望動機が将来の夢とどのように連動しているのかを明確にし、さらには一貫性を通す中で自己のプロフェッショナルな意識と企業への貢献度をアピールすることが求められます。
以下の記事では、志望動機の作り方について解説していますので、あわせて参考にしてください。
評価される「将来の夢」の答えの型と例文
ここからは採用担当者に評価される「将来の夢」の答え方のポイントと、例文を見ていきましょう。
答え方のポイント
「将来の夢」を伝えるとき、その夢が志望企業で実現可能かどうかを明確にすることは極めて重要です。
まず、自分の夢がその企業の事業内容や社風とどのように合致しているかを具体的に示す必要があります。
例えば、技術開発に携わりたいと考えているのなら、その企業がどのような技術や製品を扱っているかを研究し、そこでどのような貢献ができるかを具体的に述べることが効果的です。
もし企業が製品開発を行っていない場合には、この企業でどのような開発をするのが夢なのか、企業理解をした上でフィールドを合わせることが大事になります。
次に、将来の夢が企業の利益にどのように貢献できるかを考慮することが求められます。
例えば、「新製品の開発に関わりヒット商品を生み出したい」というような夢は、企業の収益向上に直結するため好印象を与えます。
また、志望動機との関連性を持たせることも重要です。
あなたの志望動機が「貴社の革新的な環境で成長したい」というものであれば、「環境問題に取り組む新しい技術の開発に貢献し、持続可能な社会の実現に貢献したい」といった夢は、その志望動機と自然につながります。
さらに、夢の大小よりもその背景にある真摯な思いを大切にしましょう。
面接官は、壮大な夢よりも、その夢を持つに至った経緯や動機、実現に向けての具体的な計画を評価します。
そのため、「なぜその夢を持ったのか」「どうやって実現したいのか」を明確に伝えることがカギとなります。
最終的には、あなたの将来の夢が企業の企業理念や文化とどのように一致しているかを示すことで、その企業にとって「適切な投資」と見なされるでしょう。
この一致があれば、企業はあなたを通じて未来の成長や成功を見据えることができます。
評価される答えの型
「将来の夢」を語る際、ただ夢を述べるだけでは不十分です。
面接官にポジティブな印象を与え、自己の能力と意欲を効果的にアピールするための戦略的な答え方をマスターしていきましょう。
【答えの型】
この型を用いることで、「将来の夢」をただ語るのではなく、その夢がどのようにして現実のものとなるのか、その過程を明確に示すことができます。
目標に対するコミットメントが高いと評価されるでしょう。
「将来の夢」の例文
私の将来の夢は貴社でナンバー1のMR(医療情報担当者)になることです。
私は20歳の時にバセドウ病を患いました。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰になり、起こる病気です。動悸や発汗、体重減少などの症状により、精神的なイライラや落ち着きがなく、情緒が不安定な状態が何カ月も続きました。お医者さんからバセドウ病と診断され、薬の投与を受けると次第に症状が治まり、現在は病気も寛解し、健康な日常生活を取り戻しました。
あのような苦しい状態から私を救ってくれた担当医師や薬に感謝でいっぱいです。
この感謝をどうしても恩返しという形に換えたく、今度は私が病院や患者さんから喜ばれる医療情報担当者になりたいと強く思うようになりました。
業界トップの貴社であれば、多方面の医療関係者にリーチでき、ナンバー1のMRになることで世の中に貢献できると確信しています。
しかしながら、最初は多忙な医師に面会を拒絶されたり、製薬会社と医師や薬剤師の現場ニーズのギャップにより売上に直結しない可能性が考えられます。
また、医薬品の情報を提供する医師からの信頼を得るためには、対等にコミュニケートできる医学知識が必要です。したがって、すでに1日3時間ほどMR認定試験問題集で医薬品情報、疾病と治療、MR総論を前倒しして学習しています。
過去問や問題集を解くことにより今のうちから知識を増強し、貴社で入社後早期に戦力となれるように研鑽していきたいと思います。
【ポイント】
「結論」として冒頭で「全国でナンバー1のMR」になることを端的に掲げています。
できるだけ仕事との連動性があり、手を伸ばせば届くような現実味のあるイメージしやすい夢が望ましいです。
「理由」はバセドウ病を患い、医師と薬に救われたことが原体験です。
その感謝を世の中に恩返しすることが原動力となっている部分で、説得力がより一層増しています。
その会社でないとできない理由(今回の場合「業界トップ」)をさりげなく入れ込むことで「それはウチでなくてもできるよね」という疑問をかわすことができます。
「反論」として、すぐに売上に直結できるのは厳しいという現実的な解釈を挿入し、短絡的な絵空事ではないことを伝えています。
「小さな第一歩」としては、在学中にMR認定試験の学習を前倒しして知識を埋め合わせること、さらに「ベネフィット」として早期の即戦力化をアピールしています。
「将来の夢」の答え方NG例
ここからは「将来の夢」の質問で答えてはいけないNG例について解説していきます。
- プライベートな夢
- 趣味の夢
- 抽象的な夢
- 転職や起業をイメージさせる夢
- 特になし
プライベートな夢
面接官に不適切な印象を与えないために、プライベートな夢の取り扱いには注意が必要です。
例えば、面接で「あなたの将来の夢は何ですか?」と尋ねられたときに、「30分以内で通勤できる一戸建てのマイホームを持つこと」と答えたら、どのような印象を持たれるでしょうか?
おそらく多くの採用担当者は、この回答を職業的な文脈ではなく、個人的な願望として受け取ります。
これは「それはプライベートのことですね」とか「こちらはビジネスの場ですが」といった反応を招くことがあり、面接の場では好ましくないと見なされがちです。
採用選考の場でプライベートな夢を話すことは、専門的なスキルやキャリアに対する情熱を伝えるチャンスを失うことにつながります。
趣味の夢
面接はあなたの専門性と職業的な適合性を評価する場であり、個人的な趣味や情熱が中心となるべき場ではありません。
例えばギターを趣味としているとして、面接で「私の将来の夢は世界を魅了するビッグなギタリストになることです」と答えた場合を考えてみましょう。
このような答えは、確かに情熱的であり、夢自体は素晴らしいものかもしれませんが、それがその企業の業務や文化にどのように貢献するのかが明確ではありません。
面接官は恐らく、この答えに対して「その夢は当社では実現できませんが…」と感じるでしょう。
職業的な面接の場で趣味に基づく夢を述べることは、企業とのミスマッチを示唆してしまう可能性があります。
それはまた、あなたがその職業や業界に対してどれほど真剣であるかという点に疑問を投げかけることにもなりかねません。
抽象的な夢
就職活動で「将来の夢」を問われる際、多くの就活生が陥りがちな罠の一つが、抽象的でつかみどころのない夢を述べることです。
例えば、「みんなを笑顔にしたい」とか「世の中を良くしたい」といった夢は、確かに魅力的で高尚な目標ですが、これらは具体性に欠け、面接官が評価しにくい内容となります。
このような夢がNGとされる主な理由は、その壮大さと測定不可能さにあります。
これらの夢は、非常に広範で具体的なアクションプランや達成指標が設定しにくいため、現実味を欠いてしまいます。
また、これらの夢は特定の企業や業界に限定されず、どのような場所でも共有される可能性があるため、特定の企業での職業的な貢献と直結しづらいのです。
面接で高く評価される「将来の夢」は、達成可能で具体的な目標が示されているものです。
「10年後にはこの業界でこういった影響を与えたい」といった形で、明確な時間枠と達成目標を設定し、どのようにしてその夢を実現するかの具体的な計画が伴うべきでしょう。
このアプローチにより、夢が具体性を帯び、実現可能性が高まります。
そのため、就職面接においては、「みんなを笑顔にする」という夢を「10年後までに、顧客サービスの質を改善し、顧客満足度を国内トップレベルに引き上げる」といった具体的なビジョンに落とし込んで表現することが望ましいです。
このように具体化することで、あなたの夢がその企業のビジョンとどのようにリンクしているかを明確に示すことができ、面接官にとっても評価しやすくなります。
転職や起業をイメージさせる夢
就職面接において、自分のキャリアパスについて語る際は、特定の言葉選びに注意が必要です。
特に、「将来的に独立したい」「転職を考えている」といった目標は、面接の場では避けるのが賢明です。
なぜなら、多くの企業は長期的に貢献してくれる人材を求めているからです。
採用担当者は面接を通じて、就活生がその企業で長く働く意欲があるかどうかを見極めたいと考えています。
企業は新しい従業員に投資し、訓練と時間を費やして育てます。
そのため、将来的に他社に移ることや、独立を前提にしたキャリアの構築を考えているような発言は、企業の期待とは明らかに矛盾します。
例えば、面接で「10年後には貴社で培ったスキルを活かして自分の会社を設立することが夢です」と述べた場合、これは採用担当者にとっては警戒のサインです。
このような表現は、自社をステップとして利用する意図があると捉えられ、不利に働くことが多いです。
「特にありません」
就職面接で「将来の夢」について尋ねられた際、「特にありません」と答えることは避けましょう。
このような回答は、企業や業界への興味が乏しいこと、自己アピールの機会を逃していること、そして問題解決能力に欠ける可能性があることを示してしまいます。
具体的な夢が思い浮かばない場合でも、事前に業界のトレンドを調査し、自分のスキルや経験を活かせる実現可能な目標を設定することが重要です。
「将来の夢がない!」場合の夢のつくり方
なかには「どう考えても将来の夢が見つかりません」という就活生もいると思います。
それでも「夢はありません」という答えは避けたいので、どうにかひねり出しましょう。
最後にヒントとして「夢をひねり出す3つのコツ」を紹介します。
本質的な質問で自己分析する
自分に内在する気づいていない夢を発掘しましょう。
具体的には本質的な質問を投げかけて、自分の中に眠っている夢をあぶり出すのです。
本質的な質問例は下記のとおりです。
- 子どものころに好きだったものは?
- 自分の過去のつらかった経験は?
- お金をもらえなくてもやりたいことは?
- 寝食を忘れて没頭できることは?
- 休日に1番やりたいことは?
- いままでで1番お金と時間を費やしたものは?
- 部屋やパソコン、スマホの中を何で1番満たしていますか?
- あと3年しか生きられないとしたら、どんな仕事がしたいですか?
ここでのポイントは誰にも邪魔されない静かな空間で、本質的な質問に対して素直に向き合うことです。
先入観や思い込みで浮かんできた答えを決して排除せずに、漏らさず書き出してください。
詳しい自己分析のやり方については以下の記事にまとめていますので、こちらもあわせて参考にしてください。
OB・OG訪問してあたりをつける
自身の希望する会社のOB・OGを訪問して、「先輩の将来の夢は何ですか?」とダイレクトに聞いてみましょう。
年齢的にも10年後の自分を想像できるOB・OGであれば、あなたの将来的な夢のモデルになりやすく、答えの中にあなたの夢に通ずるヒントがあるかもしれません。
以下の記事ではOB訪問のやり方を詳しくご紹介していますので、あわせて参考にしてください。
憧れの人の言動を調べる(書籍・ネット)
あなたが憧れている人の語録を調べたり、実際の行動をチェックしたりするのもおすすめです。
あなたが憧れるということは、何らかの共通する関心や嗜好性があるはずです。
それが何なのかを探ることで、あなたの将来的な夢の手がかりになるかもしれません。
憧れの人のとった言動・行動を感じて「自分はこの言動の何に憧れてるんだろう?」と自問してみてください。
きっと将来的な夢につながるヒントが発見できるはずです。
【面接頻出質問集】100種類の回答例をいつでもスマホからチェックできる!
面接対策に悩んでいる方にピッタリの面接頻出質問集を用意しました。
質問と回答例は、全部で100種類あります。
まとめ
本記事では、就活において「将来の夢」を聞かれたときの対策について詳しく解説しました。
就職面接で「将来の夢」を聞かれた際には、具体性、企業との関連性、長期的なビジョン、そしてポジティブな姿勢が重要です。
具体的な目標や計画を示し、あなたの夢が現実的で達成可能であることを伝えましょう。
また、その夢が企業でどのように実現できるかを説明し、企業で働く意欲と熱意をアピールすることが大切です。
さらに、長期的なキャリアプランが企業の目標と一致することを強調し、面接官に強い印象を与える準備をしましょう。
これらのポイントを押さえることで、あなたの将来の夢が企業の成長にどう貢献できるかを効果的に伝えることができます。