【企業分析】JERAの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
JERA（ジェラ）は東京都に本社を置くエネルギー企業です。
燃料の調達・トレーディングから火力発電の運営、さらに海外での発電・再生可能エネルギー投資まで、燃料バリューチェーンを一気通貫で手がける国内有数のプレーヤーとして事業を展開しています。
今回はそんなJERAの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介します。
この記事ではJERAへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、JERA 企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- JERAの仕事内容が気になる
- JERAの就職難易度を知りたい
- JERAの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、電力・エネルギー以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、JERAの就職難易度は「高め」だと考えられます。
エネルギー業界最大級の企業として知名度が高く、人気も集中するため競争率は一定以上ありますが、採用大学は幅広く、理系・文系問わずさまざまな学部から実績があります。
そのため、しっかりと企業研究と選考対策を進めれば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
特徴的な選考プロセスとしては、エントリーシートや面接に加えて「職種ごとに異なる専門性評価」が行われる点です。
たとえばエンジニア系では電気・機械系の基礎知識や現場対応力、ビジネス系では論理的思考力やエネルギー市場への理解が問われます。
また、説明会やインターンでのフィードバックも重要視される傾向があり、早い段階からの準備が有利に働きます。
職種は大きく分けて「技術系（発電所の運営・開発など）」「ビジネス系（燃料調達・トレーディング・経営企画など）」があり、勤務地も国内の発電所や本社だけでなく、海外プロジェクトに関わる可能性があります。
社会インフラであるエネルギーを担う仕事のため、スケールの大きな事業に携われるのが魅力です。
次の章からは、JERAの事業内容や社員データ、新卒採用の詳細といった就活に役立つ情報を紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
株式会社JERAについて
出典元：株式会社JERA
会社概要
株式会社JERAは、東京電力ホールディングス株式会社と中部電力株式会社の共同出資によって2015年に設立された、日本最大規模のエネルギー企業です。
事業領域は燃料の上流投資・調達から輸送・トレーディング、そして国内外での火力発電・再生可能エネルギー事業まで幅広く、エネルギーバリューチェーン全体を一気通貫で担っています。
JERAは「安定供給」「経済効率性」「脱炭素化」など3つの課題を両立させることを経営の柱としており、特にLNG（液化天然ガス）の調達力とトレーディングの強さで国内外に存在感を持っています。
国内火力発電における発電電力量は日本全体の約3割を占め、国内の電力安定供給を支える中核企業です。
また、再生可能エネルギー分野にも注力しており、欧州を中心に洋上風力発電の大規模プロジェクトを推進するほか、アジアを中心とした新興国での発電事業にも積極的に参画しています。
こうした事業展開により、日本国内のみならずグローバル市場でもプレゼンスを高めています。
さらに、JERAは「ゼロエミッション2050」を掲げ、既存の火力発電所の脱炭素化（アンモニア混焼や水素利用の研究）を進めるとともに、再エネ・次世代エネルギーへの投資を拡大しています。
これにより、従来の火力主体から脱炭素社会に対応した総合エネルギー企業へと進化することを目指しています。
各事業別の売上規模
株式会社JERAの2024年度の総売上収益は、前年度比3,548億円減の3兆3,559億円となりました。この売上は、以下の主要事業分野から構成されています。
- 国内火力・ガス事業
- 燃料事業
- 海外・再エネ発電事業
国内火力・ガス事業
売上高は42,653億円で、前年同期比1,588億円減少しました。
燃料事業
売上高は4,062億円で、前年同期比12億円減少しました。
海外・再エネ発電事業
売上高は727億円で、前年同期比202億円増加しました。
各事業セグメントの解説
株式会社JERAの主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| 国内火力・ガス事業 | 国内の火力発電所の運営・保守管理、電力供給、都市ガス事業。国内の電力安定供給を支え、発電効率向上や環境対応策（CO₂削減、燃料効率改善）も実施。 |
| 燃料事業 | LNG（液化天然ガス）や石炭などの燃料調達、輸送、トレーディング。国際市況に応じた燃料価格交渉やリスクマネジメントを行い、安定的かつ経済的な燃料供給を確保。 |
| 海外・再生可能エネルギー事業 | 欧州・アジアを中心に洋上風力、太陽光発電、独立系発電事業（IPP）を展開。再生可能エネルギーの導入拡大や海外事業の成長を推進。 |
| その他事業 | エネルギー関連のコンサルティングや技術開発、共同研究・国際事業連携。脱炭素化・次世代エネルギーの研究投資も含む。 |
JERAは、単なる発電会社や燃料供給会社にとどまらず、国内外のエネルギー供給を一貫して手がける総合エネルギー企業です。
特に国内火力・ガス事業はJERAの売上の大半を占める中核事業であり、燃料事業との連携により安定供給とコスト効率を両立しています。
また、海外・再生可能エネルギー事業は、今後の成長戦略の柱として注力されており、国内事業と海外事業のバランスを取りながら、脱炭素社会への移行に対応した投資も積極的に行っています。
その他事業における研究・コンサルティング活動は、JERAの技術力・市場理解を支える基盤となっています。
普段イメージする「火力発電会社」の枠を超え、燃料トレーディングから再エネ開発、海外プロジェクトまで、幅広く事業を展開していることがJERAの大きな特徴です。
JERAで働いている社員は？
平均勤続年数は？
JERAの平均勤続年数は2025年3月期の有価証券報告書によると約18年とされています。
発電所や燃料事業は長期的なプロジェクト運営が中心であるため、安定したキャリア形成が可能です。
また、大規模な設備や海外プロジェクトへの関与を通じて、社員は長期的な経験とスキルを積むことができます。
平均年収は？
JERAの平均年収は2025年3月期の有価証券報告書によると約925万円とされ、国内の総合エネルギー企業の中でも比較的高水準です。
技術系・研究系の社員は専門スキルに応じた給与体系があり、燃料トレーディングや海外事業に携わる社員はプロジェクト単位での手当やインセンティブも支給されます。
平均残業時間は？
部署や職種によって差はありますが、就職サイトの口コミによると平均残業時間は月20〜30時間程度です。
発電所の運営や海外との調整が必要な部署では、突発的な残業が発生することもありますが、全体としてはワークライフバランスを意識した働き方が推奨されています。
平均ボーナス額は？
JERAのボーナスは年2回支給されるのが一般的で、金額は非公開ですが月給から想定される支給額は約150〜200万円程度です。
業績連動型の部分もあるため、会社の経営状況や個人の評価によって変動する場合があります。
どんな文化なの？
JERAの企業文化は、安定した電力供給や燃料確保を使命とする責任感の強い社風が特徴です。
専門知識を活かしたチームワークや、プロジェクト単位での自律性が重視されます。
また、海外プロジェクトや再生可能エネルギー分野への挑戦が増えているため、国際感覚や柔軟な思考を持つ社員が求められる傾向があります。
研修制度や資格支援も充実しており、社員の専門性向上とキャリア形成を支える環境が整っています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しいエネルギー業界の中でのJERAの立ち位置をご紹介します。
売上高や事業規模を参照して比較してみても、JERAは国内最大級の電力・燃料会社であり、業界トップクラスの存在感を誇っています。
理由として以下の要因があると考えられます。
- 総合エネルギー事業による安定性
- 国際展開と再生可能エネルギーへの投資
- 技術力と専門性の高さ
総合エネルギー事業による安定性
JERAは国内火力・ガス事業、燃料事業、海外・再生可能エネルギー事業の3つのセグメントを通じ、電力供給から燃料調達まで一貫して手がけています。
これにより、国際市況の影響や国内市場の変動にも柔軟に対応できる体制を持ち、安定的な収益基盤を確保しています。
国際展開と再生可能エネルギーへの投資
JERAはLNGや石炭の国際調達をはじめ、欧州・アジアでの再生可能エネルギー事業にも積極的に参入しています。
海外プロジェクトや再エネ事業への投資により、国内事業への依存を分散し、将来的な成長を見据えた戦略を実行しています。
技術力と専門性の高さ
発電所運営や燃料トレーディング、海外事業に携わる社員には高度な専門知識とスキルが求められます。
社員はチーム単位での協働やプロジェクトマネジメントを通じ、専門性を活かした挑戦的な業務に携われます。
以上の要素により、JERAはエネルギー業界の中でも安定性と成長力を兼ね備えた企業として高い評価を受けています。
参考までに競合他社との比較もまとめました。
| 会社名 | 売上高(2024年度) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| JERA | 3兆3,559億円 | 約900万円 | 63 | 専門性を尊重する挑戦的な文化 |
| 東京電力HD（連結） | 約6兆8,103億円 | 約850万円 | 61 | 安定志向・堅実な社風 |
| 中部電力（連結） | 3兆6,692億円 | 約800万円 | 60 | 技術重視・協働を重んじる |
| 関西電力 | 約4兆3,371億円 | 約970万円 | 61 | チームワーク重視・安定型 |
JERAの新卒募集要項について
JERAの新卒採用では、国内外の発電所運営や燃料調達、再生可能エネルギー事業など、多岐にわたる業務に対応できる人材を募集しています。
初任給は業界水準に沿った給与体系で、年2回の賞与が支給されます。
研修制度は非常に充実しており、新入社員向けのオンボーディング研修に加え、年次や職種別のスキルアップ研修も用意されています。
勤務地は基本的に通勤圏内ですが、将来的な転勤の可能性もあるため、面接や説明会で確認しておくと安心です。
福利厚生や資格取得支援も整っており、専門性を高めながら長期的にキャリアを形成できる環境が整っています。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | テクニカルエンジニア（理系・土木・建築）、ビジネス（文系・理系・データアナリスト・ソリューションプランナー・デジタルICT） |
| 給与（2023年4月入社 初任給実績） |
備考：通勤交通費、時間外労働手当、扶養手当、家賃補助（適用条件あり）、交替勤務手当等別途支給 |
| 賞与 | 年2回 |
| 研修制度 | 新入社員研修、業務現場研修、専門性研修、リーダーシップ・変革力研修、語学研修、海外研修 |
| 福利厚生 | 各種保険、カフェテリアプラン、退職給付制度、財形貯蓄制度、住宅支援制度（寮・社宅・家賃補助）、業務上資格会社負担制度、自己啓発支援制度、その他 |
求める人材
株式会社JERAでは、新卒採用において以下のような人材を求めています。
事業内容が多岐にわたるため、技術力や国際的な視野だけでなく、柔軟性や主体性も重視されています。
- 課題解決力
- チャレンジ精神
- 主体性
- 協働力
- 誠実さ
課題解決力
国内外の発電所運営や燃料調達の中で、問題に迅速かつ正確に対応できる能力を求めます。
チャレンジ精神
現状に満足せず、再生可能エネルギー事業や海外プロジェクトなど、新しい領域に積極的に挑戦できる姿勢が重要です。
主体性
自ら考え、判断し、行動に責任を持つことで、チームや組織の成果に貢献します。
協働力
多国籍チームや社内外の関係者と円滑にコミュニケーションを取り、互いの強みを活かす協働が求められます。
誠実さ
安全・安定なエネルギー供給を担うため、高い倫理観と誠実な行動が必須です。
これらの要素は、JERAが掲げる「安全・安定・持続可能なエネルギー供給」を実現するために不可欠であり、選考時にもエントリーシートや面接で意識の有無が重視されます。
新卒採用のフロー
JERAの選考は、下記の通りのフローで進みます。
面接では志望動機やガクチカなどのスタンダードな質問に加え、エネルギー業界への理解度やチームでの行動特性を確認する質問が多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のキャリアビジョンを明確にすることが重要です。
①新卒エントリー
JERAの採用ページから新卒用のプレエントリーを行います。
必要事項を入力後、マイページが発行され、今後のエントリーシート提出や説明会予約に利用します。
②エントリーシート
エントリーシートの設問数は比較的多く、内容の深さも求められるため、論理的かつ具体的な記述を心がける必要があります。電力・インフラ業界への関心をどのように持ち、自身の経験をどのように活かすかを一貫性を持って伝えることが評価につながります。質問事項は
- ガクチカ
- 志望動機
- 強み・弱み
- 入社後に挑戦したいこと
といったように、基本的なことを聞かれるようです。
以下に参考になる記事を紹介します。
自分史の書き方は下記に記載した関連ページを確認してください。
③会社説明会
説明会はオンラインと対面の両方で実施され、事業内容や電力自由化に伴うビジネスモデルの変化、海外事業の取り組みなどが紹介されます。
参加者は質疑応答を通じて現場社員のリアルな話を聞くことができ、自身のキャリア観と照らし合わせる場になります。
説明会参加が選考に直結することもあるため、積極的な参加姿勢が大切です。
④複数回面接
JERAの面接は複数回に分かれて実施されます。
一次面接では人事担当者との個別面接が中心で、エントリーシートに沿った質問が多く、雰囲気は比較的和やかです。
二次以降では部門担当者や役職者が面接官となり、志望理由の深掘りや業界理解度、グローバル事業への適性などが問われます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- なぜエネルギー業界を志望するのか
- 10年後どのようなキャリアを描いているか
- 学生時代に最も困難だった経験とその乗り越え方
- チームでの役割と、自身のリーダーシップの具体例
- 世界的なエネルギー転換の流れをどう捉えているか
最終面接では役員クラスが参加し、入社に対する熱意や長期的なキャリア形成への意欲を確認されます。
JERAの面接は「人柄＋論理性＋業界適性」をバランス良く見られる傾向があります。
特に再生可能エネルギーや国際事業に関する理解を示しながら、自分の強みを具体的に結びつけて語れると高評価につながります。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内々定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
株式会社JERAの新卒採用における採用大学の実績は、難関大学から中堅・地方大学まで多岐にわたります。これにより、学歴フィルターは存在せず、多様な学生層を積極的に採用していると考えられます。
| ＜大学院＞ 東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学 ＜大学＞ 青山学院大学、中央大学、法政大学、横浜国立大学、お茶の水女子大学、東京理科大学、関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学、国際基督教大学（ICU）、学習院大学、慶應義塾大学、早稲田大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、東北大学、北海道大学、九州大学 |
このように、JERAは学歴に関係なく、多様な大学からの学生を採用しています。
そのため、学歴に自信がない方でも、エントリーシートや面接での自己PRをしっかりと準備し、自分の強みをアピールすることが重要です。
また、JERAの新卒採用倍率は高いため、早めの準備と情報収集が求められます。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
ここまでの内容を踏まえて、JERAの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、総合エネルギー業界の中でもやや高めの水準といえます。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 高度な専門性が求められる
- 採用大学は幅広いが倍率は高い
- 安定性と成長性の両立による人気
以上の点から、JERAの選考は基本的な「志望動機」や「自己PR」の準備に加え、専門性や国際感覚を意識した対策を行うことが内定獲得のカギとなります。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
JERAは、国内最大級の総合エネルギー企業として、火力発電・燃料調達・再生可能エネルギー事業を中心に安定的な電力供給を実現しています。
高度な専門性や国際的な視野が求められる企業ですが、学歴だけでの評価はなく、多様な学生にチャンスがあります。
就職活動では、志望動機や自己PRに加え、エネルギー業界やJERAの事業理解を深めておくことが重要です。
この記事を参考に、企業研究と選考対策をしっかり行い、内定獲得を目指してください。
