【企業分析】アース製薬の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
アース製薬株式会社は東京都千代田区に本社を置く生活環境化学メーカー・化学業界に属する企業です。
家庭用・業務用の害虫駆除製品や衛生用品、農業用製品などを手がけ、国内外で幅広い事業を展開しています。
今回はそんなアース製薬の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事ではアース製薬株式会社への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- アース製薬の仕事内容が気になる
- アース製薬の就職難易度を知りたい
- アース製薬の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、化学業界・製薬・日用品メーカー以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、アース製薬の就職難易度は中〜高水準と考えられます。
就職偏差値の目安としては、化学・日用品メーカーの中でも安定性と専門性が求められる企業のため、標準〜やや高めの難易度といえるでしょう。
採用大学も理系・文系を問わず幅広く実績があります。
特に研究開発職では化学系・生物系学部出身者の採用が中心ですが、営業職や企画職では学部不問で活躍のチャンスがあります。
選考対策としては、自己分析や志望動機をしっかり整理することが重要です。
また、面接での企業理解や業界理解を示すこともポイントとなります。
職種としては、研究開発職、営業職、企画職などがあり、配属先によって業務内容が大きく異なります。
研究開発職では新製品や技術開発に従事し、営業職では家庭用・業務用製品の提案や販売、企画職では市場分析や商品企画に携わります。
次の章からは、アース製薬の事業内容や各職種の詳細、社員の働き方、選考対策など就活に役立つ情報を順を追って紹介します。
ぜひ最後まで読んで、アース製薬への理解を深めてください。
アース製薬について
出典元：アース製薬株式会社
会社概要
アース製薬株式会社は、家庭用・業務用の害虫駆除製品や衛生用品、農業用製品の開発・製造・販売を主な事業内容としている企業です。
アース製薬は、生活環境を快適にする製品を通じて、人々の暮らしを支えることを使命としています。
同社は、消費者の生活スタイルに合わせた製品提案を重視する「生活環境ソリューション型ビジネス」を採用しており、家庭や企業に向けた製品の提供に加え、使用方法や安全性の指導にも力を入れています。
家庭用製品では「アースレッド」「ムシューダ」「アースノーマット」などのブランドを展開し、業務用製品ではホテルや飲食店、医療施設向けに効率的で安全な衛生管理製品を提供。
アース製薬のビジネスモデルは、家庭用製品、業務用製品、農業用製品の三本柱で構成され、国内市場での高いシェアを確保しています。
さらに、海外市場、特にアジア地域においても事業を拡大しており、現地のニーズに応じた製品提供を通じてグローバル展開を進めています。
こうした多角化戦略と地域展開により、アース製薬は国内外で競争力を高め、安定した成長を続ける企業として知られています。
各事業別の売上規模
アース製薬株式会社の2024年度の連結売上高は1,692.7億円で、営業利益は64.2億円、経常利益は73.6億円でした。売上は「虫ケア用品」「日用品」「海外」「総合環境衛生」「その他」の5つの事業分野から構成されています。
- 虫ケア用品事業
- 日用品事業
- 海外事業
- 総合環境衛生事業
- その他事業
虫ケア用品事業
売上高は697億4,400万円で、前年同期比12.4％増。家庭用殺虫剤や衛生用品の需要増に加え、新製品投入により売上が伸長しました。利益率も高く、同社の主力事業となっています。
日用品事業
売上高は676億5,300万円で、前年同期比0.7％増。口腔衛生用品や入浴剤などの主力製品が堅調に推移し、家庭向けカテゴリー全体を支えました。
海外事業
売上高は不明で、前年同期比不明。タイ、ベトナムなどアジア市場での販売が伸長し、輸出事業も順調に推移しました。
総合環境衛生事業
売上高は318億8,800万円で、前年同期比9.7％増。ホテルや医療施設向けの衛生管理サービスの需要が増加し、効率性と安全性を重視した展開が評価されました。
その他事業
売上高は115億1,600万円で、前年同期比17.8％増。ペット用虫ケア用品や猫砂、機能性フードの売上が好調に推移しました。
各事業セグメントの解説
アース製薬株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| 家庭用製品事業 | 家庭向け殺虫剤や衛生用品の開発・製造・販売、使用方法や安全性の指導、販促支援。 |
| 業務用製品事業 | ホテル・飲食店・医療施設向けの害虫駆除・衛生管理製品の提供、導入に伴うコンサルティングや使用方法の提案。 |
| 農業用製品事業 | 環境配慮型農薬や害虫防除製品の開発・販売、国内外の農家や農業法人への提供。 |
| 海外事業 | アジア地域を中心とした家庭用・業務用製品の販売、現地ニーズに合わせた製品開発や販路開拓。 |
アース製薬は、家庭用から業務用、農業用、海外展開に至るまで幅広く事業を展開しており、多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しています。
家庭用製品や業務用製品は国内市場での安定した収益を支え、農業用製品や海外事業は今後の成長を担う分野として注力されています。
普段イメージする生活環境化学メーカーとしての事業に加え、海外展開やコンサルティング的な支援も行うことで、多面的な価値提供を行っています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
アース製薬で働いている社員は？
平均勤続年数は？
アース製薬の社員の平均勤続年数は約13年で、長期的に働きやすい環境が整っています。
安定した企業基盤のもと、キャリアを積みやすく、定着率も高めです。
平均年収は？
平均年収は約680万円とされ、業界平均と比べてやや高めの水準です。
営業職や研究職では、役職や成果に応じた報酬体系が用意されており、努力が給与に反映されやすい構造です。
平均残業時間は？
平均残業時間は月15〜30時間程度で、繁忙期には増加するものの、ワークライフバランスを保つ取り組みも進められています。
効率的に業務を進める文化が根付いており、残業抑制の施策も実施されています。
平均ボーナス額は？
ボーナスは年2回支給され、年間平均で約100〜200万円程度です。
業績連動型の要素があり、個人やチームの成果がボーナスに反映される仕組みとなっています。
どんな文化なの？
社風は安定志向でありながら挑戦意欲のある社員が多く、チームで協力して課題に取り組む文化があります。
風通しがよく、自由に意見を出し合える環境が整っており、研究開発や営業、企画の各部門で主体性を発揮できる雰囲気です。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい化学・生活環境用品業界の中でのアース製薬の立ち位置をご紹介します。
売上高や市場シェアを参照すると、アース製薬は国内市場で高い競争力を持つ企業であることが分かります。
理由として以下の要因が挙げられます。
- 多角的な事業戦略
- 海外展開による市場拡大
- 家庭用・業務用製品の両輪展開
多角的な事業戦略
アース製薬は家庭用製品、業務用製品、農業用製品、海外事業と幅広い分野で事業を展開しています。
これにより、国内外の市場変化に柔軟に対応でき、売上の安定化と多角化を実現しています。
海外展開による市場拡大
アース製薬はアジアを中心に海外市場に進出しており、現地ニーズに合わせた製品開発や販路開拓を行っています。
海外市場の拡大は、国内市場の競争激化に対する成長戦略の一環となっています。
家庭用・業務用製品の両輪展開
家庭用製品と業務用製品の両方を手掛けることで、国内市場での顧客基盤を広げつつ、法人向け高付加価値製品で利益率の向上も実現しています。
以上の要素により、アース製薬は化学・生活環境用品業界において競争力の高い企業として位置付けられます。
参考までに競合4社との比較もまとめました。
| 会社名 | 売上高(2024年度) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| アース製薬 | 約1,693億円 | 約680万円 | 58 | 安定志向だが挑戦を重視する社風 |
| フマキラー | 約740億円 | 約500万円 | 55 | 技術力と現場力を重視する社風 |
| 花王（生活用品部門） | 約1兆円 | 約700万円 | 60 | 成果主義と自由な提案文化 |
| 小林製薬 | 約1,656億円 | 約600万円 | 57 | 企画力とスピード感を重視する文化 |
アース製薬の新卒募集要項について
アース製薬の新卒募集では、給与や福利厚生が整っており、安定した環境でキャリアをスタートできる点が魅力です。
研修制度も充実しており、新入社員向けのオンボーディングだけでなく、年次や役職ごとに設けられたカリキュラムで段階的な成長が可能です。
賞与は年2回支給で、業績連動型の制度も導入されており、努力や成果が反映されやすくなっています。
家庭用・業務用・海外事業と多岐にわたる事業に触れられる環境も、新卒にとって大きな魅力です。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | 研究開発、品質保証、生産、営業、営業事務 |
| 給与（2026年4月入社 初任給予定） |
|
| 賞与 | 年2回（6月・12月） |
| 研修制度 | 新入社員研修（4〜6月）、階層別研修、ハラスメント研修、その他の研修 |
| 福利厚生 | 各種社会保険、各種団体保険、財形貯蓄制度、保養所、社員持株会制度、私傷病休職時の給与補償制度、その他 |
求める人材
アース製薬株式会社では、革新的な製品開発とグローバル展開を推進するため、以下のような人材を求めています。
企業理念や社風を踏まえると、エントリーシートや面接でもこれらの資質が重視されます。
- 主体的学習力
- 創造力・改善力
- チャレンジ精神
- チームワーク力
- 社会・顧客志向
主体的学習力
自ら課題を見つけ、必要な知識やスキルを主体的に学ぶ姿勢が求められます。
新製品や研究開発の知見を積極的に吸収し、実務に活かせる力が重要です。
創造力・改善力
現状に満足せず、製品や業務プロセスの改善、新しいアイデアの提案を行う力。
効率向上や品質改善、製品開発における独自性を発揮できる人材です。
チャレンジ精神
リスクを恐れず、新しいことに挑戦する姿勢。
社内のプロジェクトや研究開発、社会課題への取り組みに積極的に関わることが期待されます。
チームワーク力
多様な価値観を尊重し、他部署や研究チームと協力しながら成果を出せる力。
円滑なコミュニケーションと協働を重視する社風に合致する能力です。
社会・顧客志向
顧客や社会のニーズを理解し、それに応える意識。
製品やサービスを通じて社会に貢献する視点を持ち、仕事の意義を考え行動できる人材です。
アース製薬の採用では、これらの能力や価値観をエントリーシートや面接で具体例を交えて示せるかが評価のポイントです。
自身の経験や考えを整理し、入社後の貢献イメージを明確に伝えることが重要です。
新卒採用のフロー
アース製薬株式会社の新卒採用選考は、以下の流れで進行します。
選考では人物重視の基準が採用されており、ご自身の「持ち味」を存分にアピールすることが重要です。
①新卒エントリー
アース製薬の公式採用サイトからエントリーを行います。マイページを通じて、説明会の予約やエントリーシートの提出、PR動画の投稿など、選考に必要な手続きを進めることができます。
②説明会・一次選考
アース製薬では、新卒向けにオンラインと対面の両方で会社説明会を実施しています。
説明会の目的は、企業理解を深めることと、選考への意欲や適性を把握することです。
説明会では、アース製薬で働くイメージを具体的に持つと同時に、自身の志望度や適性を整理する機会にもなります。
説明会参加後、一次選考に進むためにはエントリーシートとPR動画の提出が必要です。PR動画は、書類だけでは伝えきれない自身の人柄や熱意を、1〜2分程度でアピールします。また、エントリーシートの質問事項は
- ガクチカ
- 志望動機
- 強み・弱み
- 自己PR
といったように、基本的なことを聞かれるようです。
以下に参考になる記事を紹介します。
③複数回面接
職種によって異なりますが、1〜2回の面接が予定されています。
面接では、自己紹介や志望動機、強み・弱みなどの基本的な質問に加え、人物面を重視した質問が多くなっています。
自分の「持ち味」をしっかりと伝えることが求められます。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- 将来のキャリアプラン（10年後にどのように活躍したいか）
- 価値観や考え方（他人からどのように評価されるか、自分を色で例えると？）
- 説明会に参加して感じたことや印象
- チームでの経験（協調性、リーダーシップ、課題解決力）
- 想定される業務課題への対応（クレーム対応、改善提案など）
- 会社訪問経験や製品の理解度
面接では志望動機・自己PR・ガクチカ・入社意欲・価値観の一貫性が最重要ポイントです。
事前に企業研究・自己分析・製品理解・想定質問の準備を徹底すると合格率が高まります。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
④最終選考
最終選考では、社長へのプレゼンテーションが実施されます。自身の想いや熱意を社長に直接伝える機会となります。
プレゼンテーションでは、仕事に対する前向きな姿勢や熱意が重要視されます。
また、これまでの面接で確認された能力・人物面を最終的に評価するとともに、企業理念や価値観とのフィット感、入社意欲の本気度をチェックされます。
ほかにも、プレゼンテーションを通じて、論理的思考力や表現力、課題解決力も見られます。
⑤内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
アース製薬株式会社では、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用実績があり、学歴フィルターは存在しないと考えられます。
以下に、過去の採用実績をもとに代表的な大学を掲載いたします。
| ＜大学院＞
東京電機大学、東京薬科大学、東京理科大学、同志社大学 ＜大学＞ 青山学院大学、慶應義塾大学、早稲田大学、明治大学、法政大学、立教大学、中央大学、東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、九州大学、筑波大学、東京工業大学、東京理科大学、名古屋大学、神戸大学、広島大学、北海道大学、東京医科歯科大学、東京農業大学、東京海洋大学、東京学芸大学、東京電機大学、東京女子医科大学 |
アース製薬株式会社は、多様な大学からの採用を行っており、学歴よりも志望動機や自己PR、企業とのマッチングを重視しています。
学歴に自信がない方でも、しっかりとエントリーシートや面接対策を行い、企業への理解と熱意を伝えることが重要です。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、アース製薬の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は標準的といえます。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 採用フローが比較的シンプルで特別なステップがない
- 学歴よりも人物重視で選考が行われ、幅広い大学出身者にチャンスがある
- 専門知識は入社後研修で補えるため、選考時点で高度な技術力を求められない
よって、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」、またアース製薬の事業や求める人物像を踏まえた自己PRをしっかり準備していれば、選考は過度に難しくありません。
企業研究や基本的な選考対策を丁寧に行い、内定獲得を目指しましょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
アース製薬は、化学・生活環境用品業界に属する企業で、家庭用・業務用・農業用製品の開発・製造・販売を主事業としており、国内外の市場や顧客ニーズに応じた製品提供と安全性・利便性を重視しています。
アース製薬は業界内でも安定性と成長性を兼ね備えた企業であり、企業研究や事業理解の有無で選考結果に差が出やすい企業です。ただ学歴重視ではなく、主体性や挑戦心、企業の求める人材像に沿った行動が評価されるため、全員に等しくチャンスがあります。選考に臨む際は、この記事を参考にしっかり準備を進め、自分の強みを効果的に伝えましょう。
