大企業のメリット・デメリット|ベンチャーとの違いは?
204年8月28日更新
はじめに
「誰もが知っている有名な企業で働きたい!」
「でも中小・ベンチャーも捨てがたい…」
こんな悩みを抱えている就活生は多いのではないでしょうか?
大企業の人気は高く、倍率も年々上昇傾向にあります。
知名度以外にも、入社後のメリットが魅力的です。
一方で、見過ごせないデメリットも存在します。
本記事は、主に以下のような就活生を対象としています。
- 大手企業と中小・ベンチャー企業の選択に迷う就活生
- 大企業の実態をより深く知りたい就活生
- 将来のキャリアプランを慎重に考えたい就活生
本記事では、大手企業から中小・ベンチャー企業へ転職した筆者が、実体験を基に大企業のメリット・デメリットを詳細に解説します。
就職後のミスマッチを防ぐため、大企業の実態を明確に理解することが重要です。
就活生の皆さんは、自身のキャリアプランと照らし合わせながら、慎重に検討してください。
なお、ベンチャー企業については以下の記事で解説しています。
ぜひご覧ください。
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大企業に就職する5つのメリット
先述のように、大手企業の人気の背景には、地名度の高さ以外にもさまざまな要因が絡んでいます。
大手企業のメリットとして挙げられる5つのポイントについて、詳しく解説していきます。
また、ベンチャー企業のメリットについては、以下の記事で解説しています。
あわせてご覧ください。
経営基盤が安定している
大企業の経営破綻リスクは、中小企業やベンチャー企業と比較して極めて低いです。
莫大な資本力が背景にあり、一時的な業績悪化でも即座に経営破綻に陥る可能性は低くなります。
市場での強固な立場と多角的な投資により、資産は安定的に確保されます。
経営破綻のリスクが低いということは、働いている社員の生活も経済的には安定しているということになります。
これは働いていく上で非常に重要な要素の1つです。
例えば、筆者の知人は大手旅行代理店に勤めているのですが、コロナ禍で大打撃を受けた大手旅行代理店でも、夏のボーナスが支給され、雇用も維持されました。
勤務日数の調整程度で対応できたことは、大企業の経営基盤の強さを示しています。
年収が高い
大企業と中小企業・ベンチャー企業では、実は基本給にはあまり大きな差はありません。
社員の年収に差が出るのは、賞与と残業代の支給金額に大きな差があるからです。
- 大企業:基本給の3カ月分×年2回
- 中小企業:基本給の1.5カ月分×年1回+業績賞与
大企業では、キャリアアップに伴い基本給が上昇し、賞与も増加します。
労働組合の存在により、残業代も確実に支払われる傾向にあります。
一方、中小企業やベンチャー企業では「みなし残業」制度を採用するケースもあり、実質的な年収差が生じやすくなるでしょう。
さらにいうと、大企業だとキャリアを積むごとに基本給が上がっていきますので、比例して賞与の額も大きくなっていきます。
また、大企業では労働組合が確立していて、企業側との労働条件や待遇についての話し合いが行われています。
そのため、残業代はほぼ確実に支払われるのです。
中小企業やベンチャー企業では、「みなし給」として支払われないケースがあるのも事実です。
賞与と残業代の違いによる年収の差は、大企業の魅力といえるでしょう。
福利厚生が整っている
福利厚生には、「法定福利」と「法定外福利」の2種類があります。
法定福利は、企業が社員に必ず提供する制度のことで保険制度がこれに当てはまるでしょう。
法定外福利は、これ以外の福利厚生のことで、大企業の場合にはこれが充実しています。
主な法定外福利の例は以下のとおりです。
- 社宅・寮
- 家賃補助
- 出産祝金
- 健康診断費用補助
- 企業型確定拠出年金
上記の制度により、通勤ストレスの軽減や経済的負担の軽減が図られます。
さらに、大企業特有の制度として、全国の提携施設利用時の割引特典なども存在するのです。
例えば、宿泊施設やテーマパークの利用料金割引などが適用される場合もあります。
福利厚生の充実度は、長期的なキャリア形成や生活の質に大きく影響する要素です。
就職先選択の際は、給与だけでなく、福利厚生の内容も重要な判断基準となるでしょう。
教育・研修制度が整っている
日本の大企業は、即戦力よりも今後会社の発展に貢献してくれるかどうかという「ポテンシャル採用」で新卒を雇う傾向にあります。
そのため、人材育成のための研修は非常に重要です。
大企業の主な研修内容は以下のとおりです。
- ビジネスマナー(名刺交換、電話対応等)
- 業界動向
- 実務スキル
- セミナー開催
- 資格取得支援
これらの研修を通じ、新入社員は着実に成長します。
同時に、会社の雰囲気や社会人生活にも慣れていきます。
同期との横のつながりや、先輩社員との縦のネットワークも構築でき、充実したサポート体制の下で社会人生活をスタートできるでしょう。
一方、中小企業やベンチャー企業では、これらの研修制度が設けられていないこともあります。
「自分で先輩社員に聞きながら学ぶ」という現場スタイルの箇所も少なくありません。
しかしながら、その点大手は資本力も伴っているため、しっかりとプログラム化された研修から新卒生活をスタートさせることになります。
着実に成長することはもちろん、研修期間を経ることにより、徐々に会社の雰囲気や社会人生活に慣れていけます。
その他、多数の同期とのつながりなど横のネットワークや、フォローしてくれる若手社員など縦のネットワークを構築することが可能です。
初めての社会人生活を、充実したフォロー体制の下で始められることは、大きなメリットであるといえるでしょう。
社会的な信用度が高い
先述のように大企業は経営基盤が安定しており、年収も高い水準にあります。
大企業の信用の高さからくるメリットには、以下のようなものがあります。
- 住宅ローンなどの高額ローン審査が通りやすい
- 転職時に有利に働く
- 「優秀な人材」という印象を与えやすい
大手企業での勤務経験は、「高いスキルを持つ信頼できる人材」という証明になります。
キャリアパスを考える上で、大企業での勤務経験は大きな強みとなるでしょう。
実際の転職事例では、履歴書に記載された大手企業名を見た面接官の反応が劇的に変わることもあります。
「会社ブランド」の影響力は想像以上に大きいのです。
キャリアパスを考えたときに、「大企業在籍」が、大きな後押しになることは間違いないでしょう。
大企業に就職するデメリット4つ
ここまで5つのメリットについて解説してきましたが、大企業に勤めることはメリットばかりではありません。
個人の希望が反映されにくい
大企業では、社員数の多さゆえに個人の希望が通りにくい傾向があります。
組織の機能性を維持するため、個人の意向よりも全体の調和が重視されます。
また、総合職での採用が主流となっており、配属先は会社側が決定することが一般的です。
個人の希望と実際の配属が一致しないケースも珍しくありません。
自身の希望と異なる部署への配属も想定内とし、柔軟な姿勢が求められます。
大企業就職を考える際は、個人の裁量が限られる可能性を念頭に置く必要があるでしょう。
研修が整っている分、自立までに時間がかかる
先ほどメリットのところで書いたように大企業では、人材育成にお金と時間をかける余裕があるため、研修制度が整っています。
座学での知識のインプットを経て、OJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)へと進んでいきます。
多くの大企業では、新入社員の自立まで約3年を要します。
座学から始まり、OJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)へと段階的に進みますが、期間の長さゆえにさまざまな課題が生じることがあります。
キャリアの先行きが見えづらくなったり、自身の成長に対する焦りを感じたりすることも少なくありません。
同期との比較による不安も生じやすい環境です。
長期的な視点でキャリアを捉える必要がある一方で、短期的な成果を求める現代社会との齟齬を感じる社員も多いでしょう。
自己成長のペースと会社の育成方針のバランスを見極めることが重要です。
実力が評価されるとは限らない
中小企業やベンチャー企業では、年次に関係なく実力で勝負できる、いわゆる「成果主義」の評価制度を取り入れている企業が多いです。
一方で大企業では、いまだに「年功序列型」となっているケースが多い傾向にあります。
年功序列型の下では、ひとつのプロジェクトの中で成果をあげたとしても、昇級に結びつく可能性が低いです。
また、大企業では年次に応じて年収の上限が設定されていることもあります。
そのため、成果をあげていたとしても給与が上がらないという現実もあるのです。
専門性を磨きにくい
大企業では、社員数の多さから部署が細分化され、個人の役割が限定されがちです。
担当業務が全体のごく一部に限られ、仕事の全体像を把握しづらい環境となるでしょう。
さらに、多くの大企業で導入されているジョブローテーション制度は、ゼネラリスト育成には適していますが、個人の専門性を磨く機会を減少させます。
転職時のリスクとして、「何ができますか?」という質問に対し、具体的な専門知識や技能を挙げられない可能性が高まります。
キャリア形成において、専門性の欠如は大きな課題となり得るでしょう。
おわりに
大企業就職には魅力的なメリットが多く存在します。
安定性や高い社会的信用は確かに魅力的です。
一方で、見落とされがちなデメリットも無視できません。
就活生の中には企業のブランド力を過度に重視する傾向があります。
学生時代は有名企業への就職が自慢の種になるかもしれません。
長期的な視点で考えると、想定していたメリットが実際には得られない可能性もあります。
企業選びの基準は知名度やブランド力だけでは不十分です。
自身のキャリアビジョンと企業が提供する機会の整合性を慎重に検討することが重要です。
「自分のやりたいこと」と「企業でできること」のバランスを十分に吟味しましょう。
最終的な就職先の決定は、表面的な魅力だけでなく、長期的なキャリア形成を見据えて行うべきです。
大企業のメリット・デメリットを冷静に分析し、自分に最適な選択をすることが成功への近道となるでしょう。