【企業分析】カンケンテクノ株式会社の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/6/25更新
はじめに
カンケンテクノ株式会社(以下、カンケンテクノ)は、本社を京都府長岡京市に置き、半導体などの様々な製造工程で排出される有害ガスを処理する、大気環境保全装置メーカーです。
1978年に、関西研熱工業株式会社として設立されたカンケンテクノは、半導体業界のパイオニア企業として国内シェア1位、世界シェア2位と、業界の中でトップの地位を築いています。
大気環境保全装置の開発を主要事業としており、半導体業界やFPD、太陽電池、LED、二次バッテリーなどの最先端技術業界を筆頭にあらゆる産業の製造工程から排出される排気ガスをオリジナル技術を駆使して処理する装置、システムを開発している企業です。
今回は、そんなカンケンテクノの企業研究を行うための基礎知識や働く環境、選考対策などを紹介していきます。
カンケンテクノへの就職に興味があるなど、以下のような就活生を対象に企業分析を行っているので、ぜひ最後までご覧ください。
- カンケンテクノの事業内容や社風が知りたい
- カンケンテクノの就職難易度が気になる
- カンケンテクノの選考対策ポイントを知りたい
また、大気環境保全装置メーカー以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論をお伝えすると、カンケンテクノの就職難易度は非常に高いと思われます。
以下紹介している参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、標準的な就職難易度と考えられるでしょう。
大学院卒の内定者が多いことや、採用予定人数が6名〜10名と比較的少ないことから、選考対策をしっかり行わなければ、簡単には内定は獲得できないと考えられます。
カンケンテクノの選考対策として、企業の求める人物像にどこまで近づけるかが非常に重要です。
そのためには企業研究や分析が必須であり、カンケンテクノで自分がどんな活躍ができるのか、そんなキャリアを築いていきたいかを考えなければなりません。
内定を狙うなら積極的に会社説明会に参加し、企業理解を深めることから始めてみてください。
次の章からは、カンケンテクノの内定に向けた内容や、その他就活に役立つ情報を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
カンケンテクノについて
出典元:
会社概要
カンケンテクノは大気環境保全装置の開発を主要事業としており、半導体業界やFPD、太陽電池、LED、二次バッテリーなどの最先端技術業界を筆頭にあらゆる産業の製造工程から排出される排気ガスをオリジナル技術を駆使して処理する装置、システムを開発しています。
半導体製造装置では、成膜やエッチングなどの各工程で特殊なガスや薬液を扱います。
その過程で発生する温室効果ガスや可燃性ガス、毒性ガスなどを無害化することで、地球環境を保護することがカンケンテクノの役割です。
カンケンテクノはスローガンとして「未来環境を創造するカンケンテクノ」を掲げています。
水・大気・緑をクリーンに保ち、地球上全ての生物が共生する循環型未来の為に、 大気環境を改善する事業を通して社会に貢献し、ニーズを先取りした企業になりたい、そんな想いをシンボルマークに込めているのです。
そんなカンケンテクノは1978年に創業し、長い歴史の中で世界でトップシェアを誇り、売上高は10期連続増収、利益は30年連続黒字と、安定的に業績を伸ばしています。
近年、世界各国のカーボンニュートラル実現目標を受けて、半導体メーカー各社ではより一層環境意識が高まり、除外装置の需要も増加している傾向です。
各事業別の売上規模
カンケンテクノの2023年度の総売上高は241億円で、経常利益は30期連続黒字でした。
この売上は、大気環境保全装置開発事業の収益によって構成されています。
経常利益や事業所ごとの売上高はインターネット上に記載されていませんでしたが、大気環境保全装置開発事業の分野では、売上高が241億円で、前年同期比150%増、経常利益は30期連続黒字となっています。
各事業セグメントの解説
カンケンテクノの主な事業は以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
大気環境保全装置の開発事業 | 半導体業界やFPD、太陽電池、LED、二次バッテリーなどの最先端技術業界を筆頭にあらゆる産業の製造工程から排出される排気ガスをオリジナル技術を駆使して処理する装置、システムを開発 |
事業が多岐に分かれていないカンケンテクノですが、長い歴史の中で培われた技術を活かし、大気環境保全装置の開発事業において圧倒的なシェアを誇っています。
カンケンテクノの除害装置における市場シェアは国内1位・世界2位です。
半導体業界やFPD、太陽電池、LED、二次バッテリーなどの最先端技術業界を筆頭にあらゆる産業の製造工程から排出される排気ガスをオリジナル技術を駆使して提供しています。
高い技術力とフルオーダーメイドによる装置の開発を強みとし、顧客の信頼を勝ち得業界トップの地位を築き上げました。
今後も顧客サポート体制を整えることで、欧米市場でのシェア拡大を図り、世界トップシェアの獲得を目指している注目の企業です。
カンケンテクノの強みや特徴、スローガンは以下の参考ページで確認できるので、選考前にぜひ目を通しておいてください。
カンケンテクノで働いている社員は?
平均勤続年数は?
カンケンテクノの平均勤続年数は7.6年です。
半導体業界の平均勤続年数は12年であることから、業界平均よりは社員が定着しづらい環境だと考えられます。
しかし、国内シェアや世界シェアトップを誇るカンケンテクノで働く経験はその後の転職にも非常に有利に働くでしょう。
ご自身のキャリアプランと照らし合わせて、考えてみてください。
平均年収は?
カンケンテクノの正式な平均年収は明かされていませんが、就活口コミサイトの情報だと、正社員の平均年収は約462万円と記載があります。
半導体業界の平均年収は470万円であることを考えると、全国平均の年収とほぼ同じだと考えられます。
しかし、カンケンテクノの平均年収はあくまでも口コミサイトの情報のみのため、勤続年数や所属部署によって大きく変わってくるでしょう。
平均残業時間は?
カンケンテクノの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり27時間でした。
半導体業界で働く従業員の平均残業時間は職種によって大きく異なり、10時間の平均残業時間である場合もあれば、40時間を超える職種もあります。
カンケンテクノの募集職種は①技術系②営業系③管理系④製造系と4職種に分かれています。
半導体業界においては、残業時間を考えるなら希望職種の業務内容をよく理解しておくことが大切です。
平均ボーナス額は?
カンケンテクノのボーナスは、平均年収と同じく正式な金額は明かされていませんが、就職サイトの口コミ情報では賞与の合計が125万円だったことが記載されてました。
夏と冬の年2回のボーナスに加え、定期賞与や決算賞与年があります。また、個人成績(インセンティブ賞与)が反映されるため、努力次第でさらに年収を上げられると考えられるでしょう。
ただし、業績の影響による変化もあるため、ボーナスの金額は参考程度にとどめておくと良いです。
どんな文化なの?
カンケンテクノが取り扱う除外装置は、環境問題の解決の一助となるものばかり。半導体をはじめとする最先端のテクノロジーに関わり、開発設計から設置・納品、アフターサービスまで、一貫したサービスを提供できます。
豊富な情報量を共有できる事は、モノづくりがしたい方には、やりがいを感じられる環境と言えるでしょう。
また、経済産業省認定の「地域未来牽引企業」「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」にも選ばれ、当社のコアな技術は世界規模で信頼されており、海外への出張や出向などグローバルに活躍することができます。
一方、技術系職種に就かれる方は機械、電気・電子、化学系の分野を学ばれた方であれば、専門知識が仕事に直結し近い将来、即戦力として活躍できると考えられます。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
人手不足の半導体業界の中でのカンケンテクノの立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し、競合他社と比較すると低い位置ですが、戦略的な事業展開をしています。
理由として、以下のような要因が考えられます。
- 安定的な業績
世界各国のカーボンニュートラル実現目標に向けて、半導体メーカーではますます環境意識が高まっています。
製造工程で必須となる除外装置の需要も増加しているため、カンケンテクノの国内・世界シェアはトップを誇ります。
業績についても成長を続けており、売上高は10期連続増収、利益は30年連続黒字という成績を残しているのが強みです。 - 積極的な海外展開
現在のカンケンテクノの除外装置における市場シェアは国内1位、世界2位です。
現状にとどまらず、カンケンテクノは世界トップシェアを目指し、積極的な海外展開を行なっています。
国内が28拠点なのに対し、海外も25拠点を構えており、グローバルに世界を舞台に活躍できる環境がカンケンテクノにはあるでしょう。
これらの要素により、カンケンテクノは市場でも需要が強まる除害装置を高い技術力で提供し、圧倒的なシェアを誇る企業だと言えるでしょう。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(2023年) | 平均年収 | 就職偏差値・ 難易度 | 社風 |
カンケンテクノ | 241億円 | 462万円 | 53 | やる気を育てる社風 |
ダイオーエンジニアリング株式会社 | 192億円 | 500万円 | 50 | さまざまなことにチャレンジできる社風 |
新東工業株式会社 | 315億1700万円 | 541万円 | 54 | 自分次第でスキルアップしやすい環境 |
株式会社オーク製作所 | 246億2700万円 | 502万円 | 51 | チームワークを通じて目標を成し遂げる社風 |
カンケンテクノの新卒募集要項について
以下に、カンケンテクノの新卒募集要項についてまとめました。
カンケンテクノでは、主に4つの職種で募集をしており、各職種にはしっかりとキャリアパスが用意されています。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 配属職種:総合職(技術系) 配属職種:総合職(営業) 配属職種:総合職(マネジメント候補/製造工場) 配属職種:総合職(管理系) |
給与(2023年4月入社 初任給実績) | 高専卒・短大卒:209,200円 大学卒:226,800円 大学院了:236,600円〜252,600円 備考:大学院卒(修士)236,600円 大学院卒(博士)252,600円 |
賞与 | 年2回(7月、12月) |
研修制度 | 研修制度:新卒新入社員/2か月間のビジネス基礎研修、製品研修、工場での実地研修、その後は配属先でOJT研修・勉強会など 全社員/入社時研修、階層別教育、教育訓練計画 |
福利厚生 | 社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労働災害補償保険(労災)) 福利厚生:財形貯蓄利子補給、確定拠出年金制度(DC制度)、制服・工具一式貸与、慶弔見舞、教育訓練計画制度、資格取得報奨金制度、奨学金返済支援制度、家賃補助制度、本社通勤送迎バス |
社内制度には研修制度や自己啓発支援だけでなく定期的な上司との面談も行われるため「頑張りを評価する」風土が整っています。これらの面談では給与制度と共に連動する評価基準もあるため、頑張り次第で給料アップも目指せるでしょう。
また、「奨学金返済支援制度」という、本人が返済する奨学金に対して、最長10年間、月額1万円を上限に手当として支給されるのもカンケンテクノの福利厚生の魅力です。
求める人材
カンケンテクノでは、就活生に対して「求める人材」、「企業に合う人材」を下記のように公表しています。
- 自分の得意分野を活かしたい人
技術系職種に就かれる方は機械、電気・電子、化学系の分野を学ばれた方であれば、専門知識が仕事に直結し、近い将来即戦力として活躍できます。 - 環境問題に興味がある人
地球温暖化、カーボンニュートラルなど環境問題がクローズアップされる今、私たちが手がけ、世に送り出す製品は全て問題解決の一助となるものばかりです。 - グローバルに活躍したい人
経済産業省認定の「地域未来牽引企業」「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」にも選ばれ、当社のコアな技術は世界規模で信頼されており、海外への出張や出向などグローバルに活躍することができます。
これらの軸は、カンケンテクノが目指す「地球の未来を考える会社」の一員となるために必要な人物像です。
エントリーシートや面接では、「カンケンテクノが求められる人材にどれだけマッチしている人物なのか」が見られるため、求められる人物像を念頭におき、選考に臨んでください。
新卒採用のフロー
①新卒エントリー
カンケンテクノの公式サイトにある採用エントリーボタン、またはリクナビからプレエントリーしましょう。
エントリーする際は、志望動機や自己PR、長所や短所など一般的な質問に回答します。
企業ホームページからエントリーをする際は、希望勤務地や履歴書、職務経歴書をアップロードする必要があるので事前に準備が必要です。
②会社説明会
カンケンテクノの事業内容を理解するために、会社説明会が実施されています。
会社説明会は対面とWebの両方で開催されているため、ご自身の都合が良い方法で説明会が受けられます。
事業紹介やカンケンテクノの強み、特徴などがわかり、企業研究はもちろんのこと業界のことを知るきっかけにも繋がるでしょう。
志望動機や自己PR対策のためにもぜひ参加しておいてください。
③エントリーシート
エントリーシートは随時提出を受け付けています。
- ガクチカ
- 志望動機
- 経験や成功例
- 長所や短所
これらの基本的な質問が含まれているでしょう。
エントリーシートを書く時は、カンケンテクノの求める人物像や自分の強みがどのように活かせるかを意識して書くようにしましょう。
④1次面接・Web適性検査
カンケンテクノでは、就活生1人ひとりの成果やモチベーションを知るため、最初の面接からすべて個別面接です。
自己PRや志望動機、半導体業界を選んだ理由などが問われるでしょう。
カンケンテクノが面接で重視しているポイントや質問はインターネット上には情報が出ていませんでしたが、採用サイトを見た上で分かるカンケンテクノの面接重視ポイントをお伝えします。
- 学生生活での学びがカンケンテクノでどのように活かせるのか
- カンケンテクノでどんなことを成し遂げたいか
カンケンテクノの企業文化は下記6つです。
- 環境問題に興味がある
- モノづくりがしたい
- グローバルに活躍したい
- 専門知識を活かしたい
- 社会貢献がしたい
- チャレンジ精神を持っている
これらの要素は学生時代にどんな経験を積んできたのか、そしてその学びをもとにどんな就活軸を持っているのかを明確にしておくことが大事だと考えられます。
特に、カンケンテクノの特徴や強みをしっかりと理解し、志望動機が上記6つの点にしっかりとマッチしていることが重要でしょう。
面接はWeb適性検査を突破した後も2回あります。
実際にあなたが現場で働く姿を面接官にイメージしてもらえるように、具体的かつ納得感のある回答を準備しておいてください。
また、Web適性検査はSPI試験ではありません。
質問に対して5択から回答する形式となっており、20分程度で終わるテストです。
⑤面接(2回)
適性検査受検後は、2回の面接があります。
いずれも個別面接なので、限られた時間の中でご自身の強みや想いを100%伝えられるようしっかりと準備して挑んでください。
⑥内定
2回の面接を突破すると、内定となります。
採用大学
カンケンテクノの採用大学の実績を以下に掲載しています。
難関大学から標準的なレベルの大学まで全国から幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターは存在しないでしょう。
<大学院> 大阪市立大学大学院、大阪大学大学院、大阪府立大学大学院、京都大学大学院、千葉大学大学院 <大学> 愛知学院大学、秋田大学、大阪経済大学、大阪芸術大学、関西大学、関西学院大学、九州工業大学、京都大学、近畿大学、群馬大学、慶應義塾大学、東海大学、東京大学、龍谷大学、早稲田大学 |
積極採用大学も大学生(文系)、大学生(理系)、大学院生(文系)、大学院生(理系)、短大生、専門学校生、高等専門学校生、海外大生となっていることや、募集職種が多岐に渡ることから理系文系に関わらず内定が狙えると考えられます。
とはいえ、採用予定人数が6名〜10名と、倍率が高いこともカンケンテクノの特徴の1つです。
大学院生の採用割合が他社と比べて多いことからも、ライバルの数は多いと考えられます。
エントリーシートや選考対策は入念に行い、内定獲得を目指してください。
就職偏差値・難易度
ここまで解説してきた内容を踏まえて、カンケンテクノの就職偏差値・難易度をみてみましょう。
結論として、偏差値・難易度はやや高いと考えられます。
その理由は以下の3つです。
- 採用予定人数が毎年6名〜10名と少ない
- さまざまな大学から採用されてはいるが、大学院卒の学生の割合も多い
- 技術職を目指すのであれば志望動機やガクチカがとても重要になる
技術職以外の職種で内定獲得を目指す場合は、そこまで就職難易度が高いとは言えないでしょう。
短大生や専門学校生、高等専門学校生なども積極的に採用している点をみると、学歴フィルターや理系文系に関わらず内定が狙えると考えられます。
しかし、技術職を目指す学生にとっては倍率の高さやライバルの中に大学院生も多数いることなどを踏まえると就職難易度はやや高いでしょう。
一般的な面接における頻出質問「ガクチカ」や「志望動機」など、基本的な対策はもちろんのこと、業界研究や企業研究も念入りに行うことをおすすめします。
ライバルである就活生との差別化を図り、対策をしっかり行って内定を獲得してください。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
カンケンテクノは、1978年に設立された長い歴史のある半導体業界のパイオニア企業です。
半導体業界の市場ではカーボンニュートラル実現目標をもとに環境意識がますます高まっており、国内だけでなく、世界でも市場拡大が継続しています。
その点、カンケンテクノは安定した業績と積極的な海外展開を強みとし、除外装置における国内シェアは1位、世界シェアも2位の地位を築いている、将来性のある企業と言えるでしょう。
得意分野を活かしたい人、環境問題に興味がある人、グローバルに活躍したい人などは、カンケンテクノはぴったりの企業です。
内定獲得にはカンケンテクノの企業研究をしっかり行っているかどうか、そしてカンケンテクノが求める人物像に近いかどうかが、就活の結果に影響してきます。
採用予定人数は6名〜10名と少ないですが、しっかり準備をすることで内定獲得のチャンスは十分にあります。
ぜひエントリーシートや面接の対策をしっかり行い、選考に挑んでくださいね。