【企業分析】信越化学工業の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/5/25更新
はじめに
信越化学工業株式会社は、主にシリコーン製品を中心に幅広い化学製品を製造・販売している日本の大手化学メーカーの一つです。
シリコーン製品は、高い耐熱性・耐候性・電気絶縁性・柔軟性などの特性を持ち、自動車、電子機器、建築、医療、化粧品などさまざまな産業で利用されています。
化学メーカーに興味を持っている人の中には、同社で働いてみたいと考える方も多いでしょう。
今回は、そんな信越化学工業の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
同社への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 信越化学工業の仕事内容が気になる
- 信越化学工業の就職難易度を知りたい
- 信越化学工業の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、化学メーカー以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、信越化学工業の就職難易度は比較的高いです。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、標準難易度といえるでしょう。
有名・難関大学だけではなく、中堅大学からの採用実績がありますが、応募する就活生のレベルも低くないことから、選考対策を入念に行うことは必須です。
主にシリコーン製品を中心に幅広い化学製品を製造・販売しており、同社の開発・製造した製品は、自動車、電子機器、建築、医療、化粧品などさまざまな産業で利用されています。
採用選考のフローで特別なものはありません。
しかし、技術系は研究レポートの提出、事務系総合職はグループディスカッションの実施が予定されているため、事前準備が必要です。
募集職種は、技術系(研究開発、生産技術、プラントエンジニアリング、機器開発、情報システムなど)と、事務職(営業、経理、経営企画、人事、総務、広報、法務など)であり、幅広く募集しています。
次からは各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
信越化学工業株式会社について
出典元:信越化学工業株式会社
会社概要
信越化学工業株式会社は、1926年に設立された日本の大手化学メーカーです。
同社は、シリコーン、半導体シリコン、塩化ビニル、機能性材料の製造と販売を行っています。
メイン事業であるシリコーン製品の分野では、世界的なリーディングカンパニーとしても知られており、自動車、建築、電気電子、ヘルスケア、化粧品など、さまざまな用途に応じた製品を提供しています。
また、スマートフォン、コンピューター、自動車、家電製品などの半導体デバイスの基板として使用される高品質なシリコンウェーハを製造し、半導体シリコンの分野においても世界最大手の一社です。
さらに、建材、パイプ、フィルム、シート、電線被覆など多岐にわたる用途で使用されるポリ塩化ビニル(PVC)を生産し、安定した供給を行っています。
信越化学工業は各事業分野で最先端の研究を進め、革新的な技術開発に力を入れていると言えるでしょう。
業界をリードする技術を有しており、新しい製品や応用技術の創出を目指していることにも注目です。
同社は環境保護と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを重視しています。
製品のライフサイクル全体で環境負荷を低減する活動の推進、地域社会への貢献活動にも積極的で、CSR(企業の社会的責任)活動を展開しています。
このように、信越化学工業株式会社は多様な化学製品を提供する総合化学メーカーです。
高い技術力と研究開発力、グローバルな事業展開、環境保護と社会貢献への取り組みを通じて、世界中の顧客と社会に貢献しているといえるでしょう。
各事業別の売上規模
信越化学工業株式会社の業績ハイライトを確認すると、売上高は2兆8,088億円です。
- 2023年は2兆8,088億円で、前年度を7,314億円と大きく上回る結果となっています。
- コロナ禍の2019年から2021年まで売上高が減少しましたが、その後は順調に回復しています。
- 利益率は高く、2023年には35.5%に達しており、2桁台で推移しています。
各事業セグメントの解説
信越化学工業株式会社の主な事業セグメントは、以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
生活環境基板材料事業 | 塩化ビニル樹脂、メチルクロライドやメタノールなどの化成品、ボバールやカルボン酸ビニルなどの製造。 |
電子材料事業 | 化合物半導体、ネオジウム磁石やサマリウム磁石などのマグネット、液状エポキシ封止材や高熱伝導シリコーン材料などの有機材料、新機能材料や精密材料などの製造。 |
機能材料事業 | メトロースやシアノレジンなどのセルロース部、シリコーンオイルやシリコーンレジンなどのシリコーン事業、金属ケイ素、液状フッ素エラストマーなどの製造。 |
加工・商事・技術サービス事業 | 光触媒コーティング液、高強度無機薄膜抗菌・抗ウイルスコーティング液、ウエハーケース、OAローラなどの製造。 |
同社は生活環境基板材料事業、電子材料事業、機能材料事業、加工・商事・技術サービス事業の4つの事業を展開中です。
メイン事業は半導体シリコン事業は、高品質なシリコンウェーハの製造で知られており、スマートフォン、コンピューター、自動車、家電製品などの半導体デバイスの基板として広く利用されています。
信越化学工業で働いている社員は?
平均勤続年数は?
マイナビに掲載されている情報によると、信越化学工業株式会社の平均勤続年数は20.3年(2022年実績)です。
化学業界の平均勤続年数は16.4年であることから、同社の平均勤続年数は長いといえるでしょう。
平均年収は?
信越化学工業株式会社の平均年収は876万円でした。
全国平均の年収である458万円、化学メーカーの平均年収は656万円を大幅に上回っていることから、同社の給与は高い水準と言えます。
同社の課長や部長などの役職者の平均年収は1,000万円を超えているため、高収入を目指したい人にとって魅力的です。
平均残業時間は?
信越化学工業株式会社の従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり18.8時間(2022年実績)でした。
化学メーカーの平均残業時間は14.8時間といわれていることから、同社の残業時間は標準よりも長めです。
1ヵ月20日の場合1日あたりの残業時間は1時間程度であるため、健康やプライベートを充実させられるでしょう。
平均ボーナス額は?
ボーナスは6月・12月の年2回支給されます。
具体的な金額についての情報は公開されていませんが、インターネット上の情報によると、年間で基本給の5~6ヵ月が支給されるとのことです。
厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査-令和2年夏季賞与の結果」によると、2020年(令和2年)の夏のボーナスの平均支給額は38万3,431円であったことから、同社のボーナス支給額が高い水準といえるでしょう。
どんな文化なの?
信越化学工業の方針は、「全ての企業活動で人権を尊重し、人材の育成と多様性を推し進めます」です。
チームワークを重視して協力し合う風土が強く、社員は国際的な視野を持ち、多様な文化や価値観を尊重しながら業務に取り組んでいます。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
信越化学工業株式会社のメイン事業である化学事業において、競合を含めた同社の立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し、他社と比較してみても、信越化学工業はトップクラスの企業だとわかるでしょう。
理由として以下の要因があると考えられます。
- 卓越した技術力と研究開発能力:
信越化学工業は、シリコーン、半導体シリコン、塩化ビニルなどの分野で高度な技術力を持っています。
特に半導体シリコン事業においては、世界トップクラスのシェアを誇り、品質と性能で他社をリードしています。
持続的な研究開発への投資により革新的な製品と技術を市場に提供し、この技術力が同社を業界内で突出したものにしているのです。 - 品質管理と信頼性:
信越化学工業は、製品の品質に対する徹底した管理体制を持っています。
顧客からの信頼を得るために品質保証のプロセスを厳格に運用し、安定した高品質な製品を提供しています。
この品質の高さが、顧客の信頼を獲得し、長期的なパートナーシップを築く要因です。
特に、半導体や医療分野など高い品質が求められる市場での評価が高いと言えるでしょう。 - グローバルな事業展開と強力な生産拠点:
信越化学工業は、アジア、アメリカ、ヨーロッパを中心に、世界各地に生産拠点と販売拠点を持っています。このグローバルネットワークにより、世界中の市場に迅速に対応できる体制が整っています。
地域ごとの需要に応じた柔軟な供給とサービスを提供することで、国際的な競争力を維持していると言えるでしょう。
また、現地ニーズに適応した製品開発や顧客サポートが可能な点も、他社と比べて優位に立つ要因です。
以上の要素により、信越化学工業はトップクラスの立ち位置にあると考えられるでしょう。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(2023年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
三井化学 | 1兆7,373億円 | 892万円 | 60 | 年齢や入社年度、役職に関係なく、自分の意見を発信できる社風 |
日東電工 | 9,151億円 | 822万円 | 57 | 積極的にチャレンジする社風 |
信越化学工業 | 2兆4,149億円 | 876万円 | 58 | 社員の実績を評価し成長できる社風 |
UBE | 4,682億円 | 745万円 | 56 | 若手社員でも世界を舞台に活躍できる社風 |
信越化学工業の新卒募集要項について
以下に信越化学工業の新卒募集要項についてまとめました。
学歴や職種によっても異なりますが、新卒の待遇は月給22万~33万円です。
独身寮・社宅が完備されているため、就職のために地方から引っ越ししてきた場合でも新生活をスタートしやすいのが魅力です。
フレックスタイム制が採用されており、通勤時の混雑回避ができるのも嬉しいポイントです。
同社は人材育成にも力を入れており、新入社員研修はもちろん、各階層別研修も充実しているため、キャリアアップした際にも不安なく成長できます。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 |
|
給与 | 総合職
一般職
|
賞与 | 年2回(6月・12月) |
研修制度 |
|
福利厚生 |
|
求める人材
信越化学工業株式会社は、公式サイトの採用情報の中で以下のような人材を求めていることを公表しています。
すべての職種で共通することは『自分自身でしっかり考えることができる人』です。
その上で、技術系社員には技術者のベースとなる理系の基礎知識や科学的思考能力を求めます。
これに柔軟な発想力や対人能力が加われば、あとは一人ひとりの意欲次第で素晴らしい人材に育っていただけると信じています。
事務系社員には論理的思考力や対人関係能力を特に求めます。
採用情報 | 信越化学工業株式会社
上記の通り、技術系/事務系どちらも特別難しい要件というわけではありません。
これを言い換えれば、あらゆる企業でも通用するのです。
そのため、求められる要素をアピールする際には、同社にマッチしたエピソードを用意することがポイントとなるでしょう。
自己アピールをする際には入念に準備を行ってください。
新卒採用のフロー
信越化学工業株式会社の新卒採用は、下記の通りの選考フローです。
選考プロセスには特別なものはないため、事前の企業研究や面接対策を行うことで十分に内定を狙えるでしょう。
①新卒エントリー
信越化学工業の公式サイトもしくはマイナビ・リクナビから新卒エントリーを行います。
エントリー後は、公式サイト内のマイページで情報管理しましょう。
②会社説明会
会社説明会への参加は必須ではありません。
しかし、会社説明会は公式サイトをはじめとするWebサイトでは入手できない情報や、会社の雰囲気を知る貴重な機会であるため、積極的に参加しましょう。
③エントリーシート
信越化学工業が指定するエントリーシートおよび履修履歴表を提出します。
技術系に応募する場合には、研究レポート(A4サイズ2枚程度)も併せて提出が必要です。
これらの提出書類をもとに書類選考が行われるため、ポイントを押さえて作成しましょう。
以下、参考になる記事を紹介します。
④複数回面接
公式サイトおよびマイナビ・リクナビに掲載されている選考フローを確認しても、具体的な面接回数は掲載されていません。
事務職系総合職においてはグループディスカッションの実施も予定されています。
通常の面接対策だけではなく、各ポジションの立ち回り方を確認しておくと当日慌てずに済むでしょう。
⑤内定
複数の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
信越化学工業株式会社の採用大学の実績を以下に掲載します。
難関大学から中堅大学まで幅広いレベルでの採用実績があり、いわゆる学歴フィルターはないと考えられるでしょう。
【大学】 東京大学、東京工業大学、一橋大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、九州大学、山形大学、筑波大学、埼玉大学、群馬大学、東京外国語大学、電気通信大学、信州大学、新潟大学、静岡大学、富山大学、福井大学、名古屋工業大学、金沢大学、京都工芸繊維大学、岡山大学、広島大学、九州工業大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、明治大学、立教大学、中央大学、青山学院大学、学習院大学、法政大学、同志社大学、関西学院大学、立命館大学ほか |
上記には偏差値が高い大学も含まれていますが、信越化学工業株式会社は多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。
技術系には学部学科の条件が設けられています。
しかし、事務系においては文理不問としていることから、学歴が理由で不採用になることは考えにくいでしょう。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、信越化学工業株式会社の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論として、偏差値・難易度は比較的高いです。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 会社規模や知名度、待遇が良いから
- 就職倍率が高いから
- ライバル就活生のレベルが高いから
学歴フィルターはなく、事務職系においては全学部・分野からの応募が可能です。
しかし、会社規模や知名度、待遇の良さから就職倍率は約60倍といわれています。
決して低くはないレベルのライバルと競うことになるため、入念な事前準備を行いましょう。
まとめ
信越化学工業株式会社は、化学事業をメイン事業とした日本の化学メーカーです。
主にシリコーン製品を中心に幅広い化学製品を製造・販売しています。
同社の開発・製造した製品は、自動車、電子機器、建築、医療、化粧品などさまざまな産業で利用されています。
アジア、アメリカ、ヨーロッパを中心に、世界各地に生産拠点と販売拠点を持っており、半導体シリコン事業においては世界トップクラスのシェアを誇っている会社です。
品質と性能で他社をリードしていると言えるでしょう。
新卒採用フローには特別なものはありませんが、技術系では研究レポートの提出、事務系ではグループディスカッションの実施といったように、職種によって選考フローが異なる点に注意が必要です。
採用人数は80~90名程度が予定されていますが、就活生のレベルは決して低くはないため、ライバルと差をつけるアピールが重要です。
求められる人物像は公式サイトやマイナビ・リクナビの募集要項に記載されているので、それに合ったエピソードを考えておくと良いでしょう。
学歴フィルターはないと考えられます。
信越化学工業株式会社への就職を検討する方は、社風や求められる人物像を十分に理解した上で対策を立て、内定を目指してください。