【企業分析】エムスリーの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024年3月22日更新
はじめに
エムスリー株式会社は、医療従事者を対象とした医療ポータルサイト「m3.com」のサービスを提供している企業です。
日本を代表する企業であり、国内32万人以上、世界650万人以上の医師が利用するプラットフォームを活用し、日本および世界の医療の変革に挑戦しています。
今回はそんなエムスリーの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などを紹介しましょう。
この記事では株式会社エムスリーへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- エムスリーの仕事内容が気になる
- エムスリーの就職難易度を知りたい
- エムスリーの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、IT以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、エムスリーの就職難易度は、職種によります。
ビジネス職は平均、データサイエンティストは平均よりも高めとなります。
データサイエンティストにはプログラミングの技術が要求されますが、医療の知識は必須ではなく、採用大学は様々な偏差値帯や種類の学校の実績があり、いわゆる学歴フィルターはありません。
選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分に有り得ます。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
株式会社エムスリーについて
会社概要
2000年の設立以来、株式会社エムスリーは医療従事者向けの医療ポータルサイト「m3.com」を運営しています。
国内では32万人以上、世界では650万人以上の医師がこのプラットフォームを活用しており、2000年以降に創業した企業の中で初めて日経225銘柄に選ばれるなど、日本を代表する企業としての地位を確立しているのです。
社名の「エムスリー」は、Medicine（医療）、Media（メディア）、Metamorphosis（変革）の3つの言葉から取られています。
その目標は、「インターネットを駆使して、健康で楽しく長生きする人々を増やし、不必要な医療コストを削減する」ことです。
エムスリーはソニーグループの持分法適用関連会社であり、東京証券取引所市場第一部に上場しています。
本社は東京都港区赤坂にあり、2022年3月期の連結売上高は2,081億5,900万円、営業利益は5,000億円を超えています。
エムスリーは、医療従事者向けのプラットフォームとして、20以上の事業を展開し、医療の進歩を支えているのです。
全国5,300以上の医療施設に各種ソリューションを提供し、医療業界のDX推進と医療の質向上に寄与しています。
参照ページ
各事業別の売上規模
株式会社エムスリーの2023年度の第四半期連結業績に基づく、売上収益の合計は58,428百万円でした。
各事業別の売上規模とその前年比は以下の通りです。
- メディカルプラットフォーム事業: 売上収益は21,947百万円（前年比+9%）、利益は8,904百万円（前年比+1%）
- エビデンスソリューション事業: 売上収益は6,965百万円（前年比-3%）、利益は1,885百万円（前年比-16%）
- キャリアソリューション事業: 売上収益は5,588百万円（前年比+2%）、利益は2,663百万円（前年比-6%）
- サイトソリューション事業: 売上収益は7,663百万円（前年比-25%）、利益は831百万円（前年比-43%）
- エマージング事業群: 売上収益は552百万円（前年比-21%）、利益は-126百万円
- 海外事業: 売上収益は15,715百万円（前年比+5%）、利益は3,679百万円（前年比-9%）
参照ページ
各事業セグメントの解説
株式会社エムスリーは以下の5つの事業セグメントで活動を展開しています。
| 事業部門 | 活動内容 |
| メディカルプラットフォーム | 医療関連会社マーケティング支援、調査、一般企業向けマーケティング支援、開業・経営サービス、「治験君」サービス、CSO事業、電子カルテ等の開発・販売、医療機器等の開発・販売 |
| エビデンスソリューション | CRO事業、SMO事業 |
| キャリアソリューション | 医療従事者等向け人材サービス |
| サイトソリューション | 医療機関の運営サポート、訪問看護 |
| 海外 | マーケティング支援、調査、医療従事者向け人材サービス、治験支援事業 |
メディカルプラットフォーム
このセグメントでは、医療関連会社向けのマーケティング支援や調査、一般企業向けのマーケティング支援を行っています。
また、開業や経営に関するサービス、治験に関する「治験君」サービス、CSO事業も展開しています。さらに、電子カルテや医療機器などの開発・販売も手がけているのです。
エビデンスソリューション
このセグメントでは、CRO（Contract Research Organization）事業とSMO（Site Management Organization）事業を展開しています。
これらは、医薬品の開発や治験に関する業務を請け負うものです。
キャリアソリューション
このセグメントでは、医療従事者向けの人材サービスを提供しています。
医療業界に特化した求人情報の提供やキャリアコンサルティングなどが含まれます。
サイトソリューション
このセグメントが提供しているのは、医療機関の運営サポートや訪問看護などのサービスです。
医療機関の経営効率化や地域医療の支援を目指しています。
海外
このセグメントでは、海外市場向けにマーケティング支援や調査、医療従事者向けの人材サービス、治験支援事業を展開しています。
グローバルな視点から医療業界の発展に貢献しているのです。
これらの事業は、医療業界のさまざまなニーズに対応するためのもので、それぞれが連携しながら全体としてのサービスの質を高めています。株式会社エムスリーは、これらの事業を通じて、医療業界の発展と医療の質の向上に貢献しています。
以下参照ページを紹介するので是非確認してみてください。
参照ページ:
エムスリーで働いている社員は？
平均勤続年数は？
株式会社エムスリーでは、社員の平均勤続期間は約3年5ヶ月となっています。
これは、IT業界全体の平均在籍期間が12.9年であることを考えると、エムスリーでは比較的高い社員の流動性が見られると言えます。
このことは、エムスリーが新たな人材を積極的に受け入れ、多様な視点やアイデアを尊重する職場環境を提供していることを示しているのです。
平均年収は？
2023年度におけるエムスリーの平均年収は、949万円に達しました。
この数値は、国内上場企業の平均年収（614万円）を大きく上回り、さらに業界平均（531万円）と比較しても高い水準を示しています。
これはエムスリーが優れた給与水準を提供していることを明確に示しています。
平均残業時間は？
2022年度におけるエムスリー社の従業員の月平均残業時間は34.1時間でした。
これに対して、IT業界全体の月平均残業時間は23.2時間となっています。
この結果から、エムスリー社の従業員の残業時間は、IT業界全体の平均を上回っていることが明らかです。
平均ボーナス額は？
エムスリー社の平均ボーナスは、145万円となっております。
これは、同業界の平均ボーナス額が85万円であることを考慮に入れると、エムスリー社のボーナスは約60万円高いということになります。
これは、エムスリー社が社員の努力と貢献を高く評価し、それに見合った報酬を提供していることを示しているのです。
どんな文化なの？
エムスリーでは、ルールや制度よりも、全社員が共有する文化と価値観が、人々と事業の成長を支える最大の力となっています。
これは、組織の硬直化を防ぎ、事業や人々の進化が停滞することを避けるためです。
そのため、全社員が共有する価値観であるM3ismが、エムスリーの重要な役割を果たしているのです。
エムスリーの文化は、一人ひとりの社員の成長を促進し、事業の成功を追求する強力な推進力となっています。
このような環境で働くことは、将来のキャリアにとって非常に有益な経験となるでしょう。
さらに、エムスリーは、20代の成長を最大限に引き出し、30代で経営に参加する意欲のある人々を求めています。
エムスリーでは、結果を出せば報酬は必ず得られます。
「報酬があるから働く」のではなく、ミッションや目的意識を持って働くことで、大きな報酬が得られるのです。
エムスリーは、新卒者が多様なスキル、経験、バックグラウンドを持つ先輩たちから学べる環境を提供しています。
ビジネスパーソンとして最も成長する可能性が高い20代に、多種多様なプロフェッショナルな人材に学ぶことは、何よりの修行となるでしょう。
参照ページ
IT業界全体の平均勤続年数は？他業種と比較しながら徹底解説！ – WEBCAMP MEDIA
【エムスリー】平均年収901万円｜年収推移・業界・年代・役職別など徹底解説！ | CareerMine（キャリアマイン）
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
株式会社エムスリーは、医療IT分野のリーダーとして広く認識されています。
その主要な事業である「m3.com」は、日本の医師の約80%、つまり25万人以上が利用する、医療業界における重要なプラットフォームです。
さらに、エムスリーは医療データの活用や臨床試験の運営支援など、多岐にわたるサービスを提供しています。
これらの事業を通じて、エムスリーは医療業界のデジタル化を推進し、大きな貢献を果たしています。
また、エムスリーは一時的に時価総額1.5兆円を超え、2017年には米Forbesの「世界で最も革新的な成長企業」で5位（日本企業では1位）にランクインし、その世界的な影響力を示しました。
これらの要素を考慮すると、エムスリーはIT業界、特に医療IT業界における主要なアクターと言えます。
その革新的な事業戦略と広範囲な影響力により、エムスリーは業界の発展をリードし続けているのです。
参考までに競合3社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 売上高(2022年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| エムスリー | 2081億5900万円 | 948万円 | 53 | 実力主義かつロジカルなカルチャー |
| メドピア | 84億5200万円 | 589万円 | 51 | 積極的にトライする姿勢を重視 |
| ケアネット | 93億2700万円 | 691万円 | 51 | 新規事業に積極的に挑戦する社風 |
エムスリーの新卒募集要項について
株式会社エムスリーは、医療業界の進化を牽引する多岐にわたる事業を手がけている企業であり、新卒採用には以下のような魅力があります。
ビジョン: エムスリーの目指すところは、「インターネットの力を借りて、健康で充実した長寿生活を送る人々を増やし、無駄な医療費を削減する」ことです。
成長の場: エムスリーは、クライアントの価値を最大化することを真剣に考え、情熱を持った人材を一年中募集しています。
また、入社後2年でプロジェクトのリーダーになることも珍しくありません。
求める人物像: エムスリーは、困難な問題にも果敢に挑戦する意欲的な方からの応募をお待ちしています。
エムスリーは、医療業界のデジタル化を推進する企業として大きな影響力を持ち、新卒者に対しても豊富な成長の機会を提供しています。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 |
|
| 業務内容 | ビジネス職：クライアントの価値最大化を考え、事業の成長を推進すること データサイエンティスト：データから適切なKPI設定、インサイト提供を行 い、KPIのモニタリングから必要な施策を立案、実施 |
| 初任給 | ビジネス職：約303,572円 データサイエンティスト：一般的には23万円～25万円程度（公開情報なし） |
| 勤務時間 | 9:00～17:45 |
| 勤務地 | 東京（本社） |
| 給与 | 年俸制 ※昇給年1回 |
| 賞与 | 賞与年2回 |
| 各種手当 | 深夜残業・休日勤務 |
| 休日・休暇 | 完全週休2日・祝祭日・年末年始・慶弔休暇・産前産後・育児・介護 有給休暇（初年度17日付与） |
| 福利厚生 | 関東ITソフトウェア健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険 M3 Patient Support Program®（M3PSP®）・年次健康診断（人間ドック） インフルエンザ予防接種補助 慶弔金・傷病見舞金 |
参照ページ
求める人材
株式会社エムスリーでは、以下のような人材を求めています。
事業を通じて医療の発展を推進するプロフェッショナル
エムスリーは「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らす事」をミッションとしています。
そのため、医療業界の課題解決による価値創造を通じて、医療業界を更に前進させることができる人材を求めているのです。
様々な領域のプロフェッショナル
エムスリーでは、医療×インターネットの領域で日本発のビジネスモデルを創出し、日本国内はもちろん世界に驚きを与え続ける事業をリードしています。
そのため、社会課題の解決にリーダーとして挑戦できる人材を求めているのです。
エンジニア
エムスリーでは、技術選択がエンジニアに任され、解決する課題に合わせて先進的な技術も積極的に採用していく文化があります。
そのため、テクノロジーで医療業界にイノベーションを起こすことができるエンジニアを求めています。
これらの情報を基に、自分がエムスリーで求められる人材に合致しているかを考えてみてください。
エムスリーでのキャリアを積むことで、自身のスキルを活かし、業界に貢献することができるでしょう。
新卒採用のフロー
株式会社エムスリーの新卒採用フローは以下の通りです。
エントリー
まずはエムスリーの採用サイトからエントリーします。
エントリ―選考のためにエントリーシートの提出が必要です。
就活の教科書によると、エントリーシートの内容は、以下の通りです。
「弊社であなたが活躍できると思う理由を「以下の内容を必ず含んで」述べてください。（400～600字以内)
ご自身の最大の強みを一つ挙げ、その強みが発揮されたエピソードを簡潔に教えてください。
その強みが、弊社入社後どのように発揮できると思うかを教えてください。
※弊社HPや採用HP、紹介動画などを丁寧に確認し、まとめてください。
今までの「最大の成長」は何か、教えてください(300字以内)
今までの「最大の成果・実績」は何か、教えてください(300字以内)」
WEBテスト
エントリー後、WEB上でのテストが行われます。
WEBテストの出題形式は、一般的なSPIです。
1次面接
WEBテスト通過者は1次面接に進みます。
就活の教科書によると、1次面接の様子と質問内容は以下の通りです。
「中堅社員と、1対1の30分程度で、フランクな雰囲気の面接です。
1次面接では、次のようなことが質問されます。
1次面接の質問
学生時代に頑張ったこと
志望動機
あなたのビジョンは何か
あなたの強みは
※データサイエンティスト職の応募者には、1次面接前にプログラミングの課題が課せられます。
2次面接
1次面接通過者は2次面接に進みます。
就活の教科書によると、2次面接の様子と質問内容は以下の通りです。
「社員との1対1の面接で、時間は45分程度です。
2次面接では、以下のような質問がされます。
2次面接の質問
・学生時代に頑張ったこと
・強みについて
・経歴について
・ケース面接 など
※データサイエンティスト職の応募者には5日程度の短期インターンがあります。
3次面接
2次面接通過者は最終的な3次面接に進みます。
就活の教科書によると、最終面接の様子と質問内容は以下の通りです。
「最終面接は、社長と1対1の面接で、時間は1時間ほどです。
最終面接の質問は以下のような内容です。
最終面接の質問
・自分の強みを5つ
・自分の弱みを5つ
・自分が大切にしている本は何か
・ケース面接 など」
オファー
最終面接を通過した方には内定のオファーが出されます。
以上が一般的な流れです。
選考にあたっては、学部不問、医療・医薬品に関する製薬知識不要、国籍不問となっています。
引用・参照ページ
採用大学
エムスリーの採用大学の実績の一部を以下に掲載しますが、国公立大学や有名私立大学だけではなく、準難関大学や、地方私立大学からも採用されており、所謂学歴フィルターはないと考えます。
| ＜大学院＞ 東京大学、京都大学、東京工業大学、名古屋大学、九州大学、東北大学、大阪大学、早稲田大学、神戸大学、岡山大学、金沢大学、筑波大学、立命館大学、同志社大学、関西大学、麻布大学、茨城大学、岩手大学 ＜大学＞ 東北大学、東京医科歯科大学、大阪大学、北海道大学、慶應義塾大学、岡山大学、立命館大学、東京理科大学、芝浦工業大学、上智大学、明治大学、関西学院大学、学習院大学、麻布大学、茨城大学、大阪府立大学、大阪薬科大学、香川大学、北里大学、京都薬科大学、埼玉大学 |
上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、エムスリーは多様な学生層からの応募者を積極的に採用しています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいですが、だからこそ、他の学生と差別化をはかれるように、しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、エムスリーの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
ビジネス職とデータサイエンティストで異なります。
ビジネス職の就職偏差値・難易度は平均的です。
エムスリーのビジネス職の選考は、一般的なWebテストや面接で行われ、特定の学部卒である必要も、医療、医薬品に関する知識も必須ではなく、大卒以上ならばどなたでも応募可能です。
そのため、選考の難度は平均的と言えます。
ただし、誰でも応募できるため、応募者数が多くなり、競争率が高くなる可能性も否定できません。
データサイエンティスト職の就職偏差値・難易度は平均よりも高めです。
データサイエンティスト職の選考は一般的に難易度が高いとされている上、エムスリーでは学部等の制限はない反面、選考過程でプログラミングスキルが試されます。
データサイエンティストはデータ分析、統計、機械学習、プログラミング言語の知識が求められるため、理系の学生や大学院卒業生が主に応募します。
医療分野の知識は必要なくても、データ操作能力やプログラミングスキルが求められる点で平均より難度は高くなります。
しっかりと対策を行い内定を獲得してください！
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
参照ページ
まとめ
エムスリーは、医療従事者を対象とした医療ポータルサイト「m3.com」のサービスを提供している企業で、その目指すものは「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を1人でも増やし、不必要な医療コストを1円でも減らすこと」です。
エムスリーはIT業界の中でもトップレベルの企業なので、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。
しかし学部不問、医療・医薬品に関する製薬知識不要、国籍不問の企業ですので、全員に等しくチャンスがあります。
対策をしっかり行って選考に望んでください。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね
