トヨタファイナンスのES(エントリーシート)の対策法を徹底解説
2023年12月28日更新
はじめに
この記事ではトヨタファイナンスへの就職を目指しているものの、エントリーシート(以下ES)のライティングに不安を感じている方へ向けて、ESの書き方のポイントについて詳しく解説しています。
特にトヨタファイナンスならではのESでのアピール方法から実際の記載例まで、明確かつ分かりやすく紹介しています。
また、トヨタファイナンスが求める人材の特徴や、選考情報の重要なポイントについても詳しくアドバイスしていますので、トヨタファイナンスの内定を目指す就活生は、ぜひ最後までお付き合いください。
トヨタファイナンスの概要
初めにトヨタファイナンスとはどんな企業なのかを簡単に紹介します。
トヨタファイナンスとは
トヨタファイナンスは、1988年に設立されたトヨタグループの金融事業を担当する会社です。トヨタファイナンシャルサービス株式会社が100%の株主となっています。
従業員は1,928名、主な事業は販売金融とクレジットカード事業ですが、販売金融とクレジットカードの両事業で培ったノウハウを基盤に、幅広い顧客ニーズに応えるための金融ビジネス会社としてサービスを展開しています。
また、2021年には株式会社ブロードリーフと業務提携をおこない、トヨタグループ領域外では初めての金融サービス提供を開始したのも特徴です。
参考:自動車アフターマーケットへのモビリティ金融サービスの提供に関する協業について
トヨタファイナンスの採用難易度
トヨタファイナンスの採用難易度はそこまで高くないとされています。
過去の採用実績校も見てみると、最難関大学から標準的な大学までさまざまな大学から採用しています。
一方、採用人数が総合職が約35名(業務職が若干名)と競合他社に比べてやや少ないため、簡単ではないもののそこまで難易度は高くないとされています。
トヨタファイナンスの採用大学
トヨタファイナンスの採用大学の実績は以下の通りですが、さまざまな大学より採用しているため、いわゆる学歴フィルターは存在しないと考えられます。
<大学> 愛知大学、大阪市立大学、関西大学、学習院大学、北九州市立大学、京都大学、岐阜大学、慶應義塾大学、恵泉女学園大学、甲南大学、駒澤大学、滋賀大学、昭和女子大学、専修大学、中央大学、東京大学、東京女子大学、東洋大学、南山大学、日本大学、名城大学、横浜市立大学、立命館大学、和歌山大学 |
採用実績のある大学を見ると、最難関大学から標準的な大学まで幅広い大学から採用しているため、選考難易度は高くありません。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
【徹底解説】学歴フィルターはどこから?実態(エピソード)と突破方法
参照ページ:リクナビ
トヨタファイナンスが求める人材とは?
結論から言うと、トヨタグループが掲げているTPS(トヨタ生産方式)の価値観に基づいた改善活動に取り組める人材を求めています。
トヨタファイナンスで働くうえで非常に重要視される内容なので、参照ページより詳細を確認してください。
職場での活動内容や改善事例を発表する「改善活動報告会」を定期的に実施していることからも、改善活動を重要視していることがわかります。
また、入社前に取得すると有利な資格は無く、入社2年間は育成期間を位置づけ、入社3年目より主体的な働きができることを目指していることが記載されています。
ただし、総合職に関しては入社までに普通自動車免許が必要なので注意が必要です。
(面接の時点で取得する必要はありません。)
この観点から、トヨタファイナンスの門をくぐりたい人は事前に金融知識が無くてもよいことが読み解けます。
参照ページ:改善活動
参照ページ:人材育成
トヨタグループ各社の採用方向性の違いは?
トヨタグループは共通してTPS(トヨタ生産方式)の価値観に基づいた改善活動を重要視しています。
その中で、トヨタファイナンスが独自に掲げているのは「フェアネスを貫く」「多様性を認め合う」「人を育てる」という三つの基本方針です。
「人を大切にする」という基本方針に基づき、個人ではなく組織全体で行動できる人材を求めています。
また、トヨタファイナンスは3つの職種にて採用を行っております。
さまざまな業務を経験し、マネジメントまたは高度な専門人材として活躍できる総合職(オープンキャリアコース)、自身の経験やスキルを活かし入社時にキャリアを特定して専門性を磨く総合職(DXコース)、勤務地域内で実務のプロフェッショナルを目指す業務職があります。
選考ステップやスケジュールに関する詳細はトヨタファイナンスの新卒採用情報ページに記載されています。
エントリーシートで企業がチェックしているポイント
ポイントの概要
エントリーシートでは、企業が応募者の能力や性格が自社にマッチしているかを重点的にチェックしています。
企業は、応募者がどのような人物であるか、そして自社でどのように力を発揮できるかを知りたがっています。
これは、個々の能力や性格が、企業の文化や仕事にどうフィットするかを見極めるためです。
また、応募者がその企業で働くモチベーションが十分かどうかも重要なポイントです。
常に高いモチベーションで働ける社員は、より良いパフォーマンスを発揮し、企業に貢献する傾向があるからです。
そして、「なぜ他の企業ではなくその企業を志望したのか」という点も明確に示す必要があることを覚えておきましょう。
選考を通過しやすいESの書き方
ESは結論から書き始めると説得力が増します。
以下の順番を意識すると良いでしょう。
- まず結論を提示する
- 結論に至った理由を書く
- 理由を強調するために具体例を用いる
- 最後に再び結論を強調する
この方法で書くことで、どのようなテーマに焦点を当てているかが伝わりやすく、かつ論理的な構成であるため読み手の理解が深まります。
以下の例文を参考にしてください。
結論:私が金融業界を志望する理由は2点ある。 理由:1点目は、自身の強みであるリーダーシップと責任感を活かし、金融分野にてイノベーションを推進したいという思いからである。 具体例:私はボランティア団体の代表として活動している。この団体では、地域社会に対する様々な社会貢献プロジェクトを企画・実行し、学生と地域住民の間の連携を強化した。団体代表として、複数のプロジェクトを同時に管理し、異なるバックグラウンドを持つ人々と協働し、多くのプロジェクトを遂行した。プロジェクトを通じて、私は困難な状況下での意思決定や多様なステークホルダーとのやり取りの方法を学んだ。 結び:この経験から、私は複雑な金融市場の動向を理解し、チームを導いて、効果的な戦略を立案・実行できると考え金融業界を志望する。 理由:2点目は、金融業界にて多くのことにチャレンジして、知識を技術を身につけたいと考えるからだ。 具体例:金融業界は常に変化し、新しい技術や手法が絶えず導入されている。このような環境は、学び続け、自己を成長させる絶好の機会を提供してくれる。例えば、最近のフィンテックの進展は従来の金融サービスを大きく変えつつあり、これに携わることで最先端の知識と技術を身につけることができると考え、自身の志望動機にマッチする。 結び:そのため、自身の成長できる環境があるという点から金融業界を志望する。 |
トヨタファイナンスの価値観やカルチャーを文章に取り入れれる
エントリーシートで大事なポイントの一つでもある「なぜこの会社を選んだのか」を明確にすると、通過率が上昇するでしょう。例えばトヨタファイナンスであれば「TPS(トヨタ生産方式)の価値観に基づいた改善活動」であったり、「モビリティ社会」など企業理念に含まれているワードを文章のなかで取り上げましょう。
もちろん上記のような基本理念が必ずなければいけないわけではありません。
トヨタファイナンスはトヨタグループを担う金融会社です。
トヨタグループ全体を通じて自分のやりたいことや将来像にマッチする形で文章を作成することもできます。
大事なのは数ある金融関連の会社の中で、なぜ「トヨタファイナンス」を選ぶのかを論理的に説明することです。
参照サイト:企業理念
エントリーシートの位置付け、及び対策方法
エントリーシートの位置づけに関しては、主に就活生の論理的思考力を試しているセクションと捉えるのが良いでしょう。
勿論文章の内容も評価の対象になっているものの、一番は文章の構造に問題が見られないかであったり、論理展開に問題がないかを最も注目しています。そのため、企業に提出する前に必ず論理展開や文章構造の見直しをすることを推奨します。
また、設問別に企業が見ている点は以下のように分類されます。
(a) 志望動機系(見られている点:熱意、情報収集能力)
(b) 過去の経験系(見られている点:コミュニケーション能力、リーダーシップなど一般的な資質)
(c) 未来目標系(見られている点:大局観、未来志向、社会貢献性)
(d) その他(長所・研究内容)
設問で見られている点を意識して、エントリーシートの対策をしましょう。
過去のESの質問内容と記載例
選考においてESで問われたことがある質問と記載例を紹介します。
総合職(オープンキャリアコース・DXコース)のエントリーシート
志望動機
・弊社を志望する理由をご記入ください。(500文字以下)
【記載例】
私が貴社を志望する理由は2点あります。1点目はモビリティ社会における同社の革新的な役割と、常に改善を求める企業文化に大きな魅力を感じたからです。貴社は単なる金融会社に留まらず、モビリティサービス全体において重要な役割を果たしていると感じました。 日々新たなことを学び続けたいと考えている私にとって、このような業界でキャリアを積むことは自身の成長だけでなく、人々の生活をより良くすることができると感じ貴社を志望いたします。 2点目は貴社ホームページに記載されている「人を大切にする」という人材育成方針に共感したためです。 説明会の際に社員の山田様と話した際、若手社員が社内チームを組んで積極的にアイデアを発表したり、先輩方が積極的に新人をフォローしてくれる環境であると伺いました。このことより、貴社内での人材育成に力を入れており、新人でも活躍する環境が整っていると感じました。ひとりではなくチームで物事を成し遂げたいと考えている私にとって、このような社風は非常に魅力的に映りました。 以上2点の理由より、私は貴社を強く志望します。 |
ポイント:最初に志望動機が2点あることを明記して、読み手に結論を先に伝えている点が評価できます。志望理由と自分の強みや考えを結びつけることで、より一層説得力がある内容となっています。自身の強みについては別の質問項目があるため、ここでは細かく記載する必要はありません。
また、ホームページに書かれている内容だけではなく、実際に社員と話した内容を具体的に記載することで、あなたの熱意が伝わります。
自己PR
・トヨタファイナンスと、ご自身のマッチしている点を教えてください(500字程度)
【記載例】
貴社の社会貢献と従業員の成長を大切にする方針と自身のビジョンがマッチしております。 貴社が展開しているグリーンボンド(無担保普通社債)のように、社会に貢献できる金融商品に非常に感銘を受けました。 上記商品のように、私は多くの人々と一丸になって社会に役立つことをしたいと考えています。 そう思うきっかけとなったのはボランティア団体の代表を務めた経験です。地域社会のニーズを理解し、それに応えるためのプロジェクトを主導し、ひとりでは解決できない問題を多くの関係者とともに議論を続け解決に導いてきました。 これらを通じて、多様なバックグラウンドを持つステークホルダーとの協力を通じて、幅広い視点と柔軟な思考を持ち合わせ物事を解決する力を身につけるだけでなく、多くの人と何かを成し遂げる喜びを知りました。決して簡単な道のりでは無かったですが、仲間がいたからこそ成功させることができたと確信しております。 貴社の社会貢献の姿勢と人材育成に非常に力を入れていることを踏まえると、貴社にて「社会に役立つ商品開発」を「皆で力を合わせて作ること」ができ、これは自身のビジョンとマッチしていると考えております。 |
ポイント:最初に結論を記載している点は評価できます。最初の一文は要点を伝えたいので「自身のビジョン」はあえて抽象的に記載して、その後の文章で補完するようにしましょう。グリーンボンド(無担保普通社債)というのはグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券であり、公式ホームページに記載されています。
公式ホームページには事業に関するさまざまな情報が掲載されています。
このような情報をエントリーシートに盛り込むことで、企業研究をしていることを面接官にアピールできます。
参照サイト:トヨタファイナンスグリーンボンド
総合職(業務職)のエントリーシート
志望動機
・弊社を志望する理由をご記入ください。(500文字以下)
【記載例】
私が貴社を志望する理由は2点あります。1点目はモビリティ社会における同社の革新的な役割と、常に改善を求める企業文化に大きな魅力を感じたからです。貴社は単なる金融会社に留まらず、モビリティサービス全体において重要な役割を果たしていると感じました。 日々新たなことを学び続けたいと考えている私にとって、このような業界でキャリアを積むことは自身の成長だけでなく、人々の生活をより良くすることができると感じ貴社を志望いたします。 2点目は営業事務・企画事務にて貴社の業務をサポートしたいと感じたからです。 私は積極的に先頭にたって人々を主導するタイプではなく、裏方の仕事に適していると考えます。 これはサークルにて会計担当をしていた経験に基づくものです。 リーダーのように主要な役割でないものの、組織を運営するにあたって必ず必要な役割であり、ミスが許されないものです。サークル内では合宿や歓迎会の費用の管理など、責任のある役割を担っておりました。このような活動を通じて、裏方のフォローは自身の性格に合っており、適した業務であると感じるようになりました。 以上2点の理由より、私は貴社を強く志望します。 |
ポイント:基本的な構成は総合職と変わりませんが、なぜ業務職がよいのか、具体的に記載するようにしましょう。面接では総合職ではなく業務職を選んだ理由を聞かれる可能性が高いです。ESだけでなく面接で聞かれた際の回答も合わせて準備しておきましょう。
長所
・自身の長所2つと、それが活かされた経験を教えてください(500字程度)
【記載例】
私の長所はこつこつした作業が得意であること、几帳面であることです。 こつこつした作業が得意なことに関しては、大学での研究プロジェクトにて活かされました。私は生態学に関する長期的な調査研究に携わり、野鳥の生息パターンを分析する必要がありました。この研究では野鳥の観察データを毎日記録し、そのデータを基に行動パターンの変化を分析することが求められます。多くの学生がこの繰り返しの作業に飽きて挫折しましたが、私は日々の観察記録を丁寧に続けることで研究に大きく寄与することができました。 几帳面については書店でのアルバイト経験にて活かされました。そこでは、商品の陳列や在庫管理が主な仕事でした。私の几帳面な性格が功を奏し、商品の配置を常に整理整頓し、在庫の正確な管理を行うことができました。このおかげで、店舗の売り上げ向上にも貢献できました。また、この経験から、細部に注意を払い、効率的な仕事をする重要性を学びました。 上記2点については、営業事務・企画事務を通じて裏方の役割を全うすることで貴社の業務に貢献できると考えております。 |
ポイント:エピソードについてはより具体的に書くことを意識しましょう。「野鳥の生息パターンを分析する」だけでなく、「野鳥のデータを毎日記録し、そのデータを基に行動パターンの変化を分析する」とより具体的に記載しているのは良い点です。
また、自身の長所をどのような業務に活かすことができるか具体的に記載している点も良いです。
まとめ
この記事では、トヨタファイナンスの会社概要やエントリーシート(ES)の書き方について解説しました。
トヨタファイナンスはトヨタグループの金融事業を担当する会社であり、幅広い顧客ニーズに応えるための金融ビジネス会社としてサービスを展開しています。
このような背景を持つトヨタファイナンスでは、「期待を超える金融サービスでモビリティ社会の未来とお客様の笑顔を創造」を存在意義として掲げており、この精神に共感できる人材を求めています。
特に、トヨタファイナンスでは社員一人ひとりが社会の変化を捉え、自ら課題を認識し、変化に挑戦し続ける姿勢を重視しています。
また、モビリティ社会の推進を通じて社会の発展に寄与したいという強い意志を持つ人材が評価されます。
ESを書く際は、これらの価値観に沿った内容を心掛けることが重要です。
この記事が、トヨタファイナンスの内定に一歩近づくための参考になることを願っています。