【新卒で証券会社社員になるための方法】仕事内容や年収、やりがいなどを解説

【新卒で証券会社社員になるための方法】仕事内容や年収、やりがいなどを解説

2023年11月23日更新

はじめに

新卒で証券会社社員になりたいと思っているが、仕事内容や年収、やりがいなど、具体的にどんな職種なのか気になる方も多いと思います。証券会社社員に就職したい方のために、本記事では新卒で証券会社社員になるための方法を詳しく紹介しています。

 

企業研究をする前に、まずはその職種について深く知り、自分と合っているか検討しましょう。

証券会社社員とは

証券会社とは、「投資家と投資家」「株式の発行会社と投資家」の間で、株式の売買の取り次ぎや引き受けを行う会社です。その会社が株式を発行してお金を集める手助けをするのが、証券会社社員です。

 

証券会社h、個人・法人を相手に、株式や債券などの金融商品を提供・販売しています。証券会社社員は、営業職やアナリスト職・ディーラー職などさまざま役職に分かれて業務を行っています。

 

証券会社といえば、野村證券・大和証券・SMBC日興証券・三菱UFJモルガンスタンレー証券などが有名です。新卒採用を積極的に行っている企業は多く、就活生の中でも人気の高い業界です。

 

そのため、優秀な就活生が集まりやすく応募人数も多くなるため激戦区になることが予想されます。難関大学からの応募も多いため、できる限りハイレベルな大学に進学しておきましょう。

 

証券会社の業務は多忙であるため、ハードワークな日々になりますが、優秀な人材は高く評価され、若いうちから高収入を狙うこともできます。

証券会社社員の仕事内容

証券会社社員の仕事は「ブローカー業務」「ディーラー業務」「アンダーライター業務」「セリング業務」の4つです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

①ブローカー業務

ブローカーとは、「仲買人」という意味があり、証券会社では「株式仲買人」のことを言います。「証券会社=ブローカ業務」というイメージがあるくらい、大きなウエイトを占めています。

 

一般の個人の方が証券を売買することができません。そのため、仲介役として業務を行うのがブローカー業務です。ブローカーは、投資家から依頼された売買注文を証券取引所に伝えることが仕事です。その際に発生する「株式売買委託手数料」を得ることで利益を出しています。

 

②ディーラー業務

ディーラー業務は、自社(証券会社)のお金を使い株の売買によって利益を得る業務です。ブローカーは顧客のお金で証券の売買を行うのに対し、ディーラーは自社のお金を使って売買する、という点が異なります。

 

ディーラー業務のメリットは、単純に利益を増やすことができます。自社で培った独自のノウハウを利用し、ブローカー業務やアンダーライター業務などで得た資金を増やすのが役目です。

 

また売買を頻繁に行うことで、新たな取引相手を見つけやすくなることもメリットの1つです。

 

しかし、プロだからといって必ず利益が増えるわけではありません。会社の資金を使うため失敗すれば、経営が不安定になることもあります。また、顧客との利害衝突が生まれる恐れもあります。

 

③アンダーライター業務

アンダーライン業務は、発行した証券を買い、投資家に売る業務のことです。株式会社は、事業を拡大するための資産を調達するために、株式を発行します。株式を発行しただけではお金にならないので、その株式の購入相手を探さなければなりません。

 

一般的には証券会社に買い取ってもらい、購入先を見つけてもらうのですが、この業務をアンダーライン業務といいます。

 

証券会社は買い取った株式に手数料を上乗せし、投資家たちに販売します。このときに出た手数料が証券会社の利益です。買い取った株式がすべて売れれば利益が増えますが、売れ残った分は証券会社が買わなければいけないため、損失になってしまいます。

 

④セリング業務

セリング業務はアンダーライン業務と同様で、株式会社が発行した株式を預かり、購入してくれる投資家を探す業務です。唯一異なる点は、株式を買い取るのではなく、「預かる」ため、売れなかった株式を証券会社が買い取る必要がありません。

 

アンダーライン業務は、リスクの伴う業務であるため内閣総理大臣から許可を得た証券会社のみ行うことができます。一方のセリング業務はリスクが低いため、許可がいりません。

証券会社社員になるためには

証券会社社員になるために必要な資格や通うべき学校などを見ていきましょう。

証券会社社員に必要な資格

新卒で証券会社へ就職する際に必要な資格はありません。そのため誰でも挑戦できます。もちろん、資格を持っていれば選考時に有利になります。

 

また入社後に金融関連の資格を求められることがあり、配属部門や職種によって必要な資格は異なるため、自分に必要な資格をを取得しましょう。

 

営業系の社員であれば、「外務資格」が代表的です。この資格を得ることで、有価証券などの金融商品を売却することが可能になります。また一種外務員資格を取得すれば、取り扱いできる幅が増え、信用取引や先物取引も可能です。

 

リサーチ系の職種であれば、公益社団法人日本証券アナリスト協会が認定する「証券アナリスト」や「CFA(CFA協会認定証券アナリスト)」がおすすめで、その他にも「ファイナンシャルプランナー(FP)」などの資格を取得する人もいます。

 

自分の担当する職種ごとに必要な資格が異なるので、日々勉強し続けることが大切です。

 

証券会社社員になるために通うべき学校

以前に比べ証券会社へ就職する基準が高くなっています。かつては、専門学校や短大卒でも入社可能でしたが、現在の証券会社は大手企業に限らず、地場証券であっても「4年制大学卒業以上」という学歴が必要となっています。

 

証券会社に就職するには、最低限「4年制大学卒業以上」であると考えておきましょう。また業界トップクラスの証券会社であれば、学歴フィルターも存在するため難関大学の卒業者が優遇されるケースもあります。

 

外資系を目指すのであれば専門知識の他にも語学力が必要になるため、自分の目指す証券会社に合わせて大学を選びましょう。一般的な証券会社であれば、学歴フィルターもないので、どこの4年制大学であっても構いません。

 

どちらにせよ、証券会社に就職する場合は、大学在学中から勉学に励み就職に向けて準備を整えておくことが重要です。

 

証券会社社員に向いている人

証券会社に向いている人の特徴は以下のようなものがあります。

向上心が強い人

証券会社に就職すると職種に合わせて資格を取得する必要があります。また職種が変われば、さらに別の資格を取る必要があるため、常に勉学に励み向上心を持って働くことが大切です。

 

また株式の売買を行うには、常にマーケットのトレンドなども把握しておかなければいけないため、調査や分析も欠かせません。キャリアアップを目指していくには、休日を返上して勉強するくらい向上心が強い方が向いています。

 

失敗を恐れず挑戦できる人

ディーラー業務は自社のお金を使って株式の売買を行います。「失敗して経営が悪化したらどうしよう」といったネガティブな気持ちで業務を行っては成功できません。失敗を恐れず自分のノウハウをフル活用し、会社の利益に貢献できるように挑戦する人が向いています。

 

精神力が強い人

証券会社はきつすぎると耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。ノルマを課され、達成できなければ上司から鋭いプレッシャーをかけられる、といったケースも中にはあります。また新入社員は新規開拓営業を行う企業も多いため、精神力が強い方に向いています。

 

証券会社社員の魅力・やりがい

証券会社社員は顧客のために働くことが多いです。顧客の資産を預かっているため、プレッシャーを感じることもありますが、成果が出たときにはやりがいを感じることでしょう。

 

また顧客から「あなたにまかせしてよかった」というような声をもらうこともあり、喜びの声を直に聞けることがやりがいにつながります。

 

証券会社の職種によっては、数百万円~数千万円といった大金を扱うこともあるため、一般的な企業に就職している方には味わうことができない高揚感を得ることができるのも魅力の1つです。

証券会社社員の1日のスケジュール

職種によって異なりますが、全体的に証券会社は多忙であることが多く朝から夜遅くまで働いている方もいます。4つの業務がありますが、今回はその中の「ブローカー業務」の一日のスケジュールを見ていきましょう。

 

時刻仕事内容
8:00出勤 ニュースや金融情報の確認
8:30朝礼 業務連絡
9:00 前場取引開始
12:00お昼休憩
13:00後場取引開始
14:00後場取引開始
15:00顧客訪問
16:00顧客訪問
17:00ミーティング
18:00勉強会
19:00デスクワーク 明日の準備
20:00退社

 

証券会社社員の求人について

証券会社社員の求人について見ていきましょう。

証券会社社員の新卒採用について

新入社員を多く採用している証券会社はいくつもあります。年度によっては一括で500人以上も採用している大手企業もあるくらい採用に積極的です。もちろん大手以外の中堅・地場系の証券会社でも入社できるチャンスがあります。

 

実際どれほど採用しているのか、大手証券会社の「野村證券」「大和証券」「みずほ証券」の採用実績を見てみましょう。

 

<野村證券>

年度男性女性合計
2022年度190人110人300人
2021年度152人104人256人
2020年度195人133人328人
野村證券の企業研究【企業研究】野村證券の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説 | ジョーカツキャンパス (jo-katsu.com)

 

 <大和証券>

年度男性女性合計
2021年度165人157人322人
2020年度239人216人455人
2019年度336人216人552人
野村證券の企業研究【企業研究】大和証券の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説 | ジョーカツキャンパス (jo-katsu.com)

 

 <みずほ証券>

年度男性女性合計
2022年度119人77人196人
2021年度120人99人219人
2020年度143人93人236人
野村證券の企業研究【企業研究】みずほ証券の採用大学・就職難易度・選考対策を徹底解説 | ジョーカツキャンパス (jo-katsu.com)

 

大手3社はどこも毎年約200人以上採用していることがわかります。大量に採用している背景として、辞める人数が多いことを年頭においておきましょう。

 

忙しすぎる、休みが取れない、ノルマが厳しい、上司のあたりが強いなど、辞める理由が挙げられています。もちろんすぐ辞める方もいれば長く継続して勤務している方もいます。自分に合った会社(職種)であるか、しっかり企業研究・業界研究・自己分析を行いましょう。

証券会社社員の平均年収

厚生労働省が発表している「令和4年度賃金構造基本統計調査」によると、証券会社社員(37歳)の平均年収は、607万円です。日本の平均年収が458万円なので、約150万円ほど高くなっています。

 

証券会社といっても職種や継続年数、年齢などによって大きく異なり、1,000万円以上稼いでいる方もいます。平均年収の幅は大きいですが、どのデータを見ても基準は高いです。

証券会社社員の就職先

大手系・銀行系・中堅系・外資系・地場系・ネット系と証券会社の種類はさまざまにあり、企業数も非常に多いです。そのため、就職先として豊富にあります。

 

日本の代表的な証券会社といえば、野村證券、大和証券、みずほ証券、モルガンスタンレー証券などがあります。近年では、ネット上でサービスが完結するネット系の証券会社も人気が高く、活躍する方が増えています。

 

証券会社社員の志望動機や目指すきっかけ

証券会社の志望動機として多いのが、「金融関係に興味がある」といった内容です。学生時代に、経済を学んで楽しいと思い、徐々に証券会社に魅力を感じていく方が多いです。

 

また「自分の実力を試せる」といったチャレンジ精神が理由になることもあります。

若いうちから高収入を狙える職種なので、収入面が目指すきっかけになった方もいます。

まとめ

新卒を一括採用するほど証券会社は、多くの人数を採用しているので積極的に挑戦してみましょう。証券会社に入るために、資格も必要ないため全くの未経験者でも問題ありません。

 

しかし、業務が忙しく辞める方も多い業界なので、しっかり企業研究を行い自分と合っているか確かめてから挑戦しましょう。



上京を志す地方学生ならジョーカツ

首都圏の学生ならスタキャリ