【企業研究】オートバックスセブンの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年10月30日更新
はじめに
オートバックスセブン(株式会社オートバックセブン)は、カー用品の卸売販売などを中心に行う大手企業です。全国に数多くのフランチャイズ店舗を展開し、現在進行形で国内外に店舗が増え続けています。
本記事はそんなオートバックスセブンの企業研究記事です。事業内容や業界での立ち位置など企業を知る上での基本データのほか、新卒選考フローや就職偏差値、採用大学など選考対策に役立つ内容も紹介します。
卸売業界
オートバックスセブンが属する卸売業界は、メーカーと小売業者の間に入り、商品の流通を支える業界のことです。卸売業者がメーカーから商品を仕入れ、小売業者に卸します。なお、卸売業界は取り扱う商品によって細かく分類されますが、オートバックスセブンはカー用品の卸売をしているため、「カー用品業界」にも分類されます。また、オートバックスセブンは自動車整備業務も行っており、「自動車業界」の一旦も担っていると言えるでしょう。
卸売業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
事業内容
オートバックスセブンの事業内容は主に次のように区分されます。国内外でフランチャイズ店舗を展開するとともに、ITを利用したサービスや販路の拡大など、さまざまな事業に積極的に取り組んでいます。
国内オートバックス事業
カー用品総合専門店「オートバックス」などのフランチャイズ店舗を展開し、商品の販売や自動車に関連するサービスの提供などを行っています。オートバックスは国内で580店舗以上を有する規模であり、売上高は国内トップクラスです。
取り扱っている商品は多岐に渡り、タイヤ・ホイール・カーナビ・ドライブレコーダー・各種パーツ・アクセサリ・ガレージ用品・エクステリア・インテリアなどさまざまです。カー用品だけでなく、キャンピングカーや電動バイクの販売もあります。サービスは、車検・安全点検・各種整備交換・中古車の買取販売などを行っています。
海外事業
海外での卸売を担う事業です。オートバックスはASEAN諸国を主として海外でも店舗を展開しています。現地の有力企業と業務提携などで連携し、市場規模に合わせたビジネスモデルの採用などによって、スピード感のある事業を実現しています。
ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス
オートバックスセブンが将来的に拡大を目指している事業が、ディーラー・BtoB・オンラインアライアンスです。ディーラー事業としては、Audiの正規ディーラーの孫会社化や、電気自動車メーカーBYDとのディーラー契約などを行っています。BtoB事業では、オートバックス店舗以外での卸売を進めるため、ほかの販売店の子会社化を進めています。また、整備事業のネットワーク構築を目指し、整備業者の子会社化も進捗中です。
オンラインアライアンス事業では、オンラインプラットフォームの構築に力を入れています。自社サイト・アプリ・実店舗を連携させたカー用品の提供や、さまざまな企業との連携を通じたEC市場への参入、飲酒運転根絶を目的としたクラウド型アルコールチェッカーの提供などがこの事業の要です。
新卒選考フロー
続いて、オートバックスセブンの基本的な新卒選考フローを紹介します。オートバックスセブンでは、下記のようなステップのほか、応募者の希望に応じて職場訪問や職場見学などにも柔軟に対応しているようです。
会社説明会への参加
まずは会社説明会に参加します。オートバックスセブンの新卒採用ページや就活支援サイトなどにエントリーし、申込みを行います。説明会はWEB形式で、事業内容や採用に関する情報の説明、質疑応答などの時間が設けられるようです。
履歴書&エントリーシート提出・適性検査受検
会社説明会の後は書類の提出です。履歴書とエントリーシートを作成します。過去のエントリーシートでは、自分の強みやそれにまつわるエピソード、今まで1番力を注いだこと、自分が興味を持っている職種とその理由などが問われたようです。提出後はWEBから適性検査を受検します(形式はオリジナルという情報があります)。
オートバックスセブンゼミへの参加
オートバックスセブンでは、選考においてオートバックスセブンゼミという独自の選考ステップを設けています。これは模擬面接を兼ねて行われるもので、診断シートなどを用いながら、応募者個人の適正や考え方などを分析するものです。採用担当者に直接アドバイスをもらえる場でもあります。
面接の実施
最後のステップは面接です。1回目は人事面接、2回目が最終面接になります。面接では志望動機や企業研究の内容など一般的な問いのほか、自動車業界の展望などの見解も求められることがあるようです。
社風
オートバックスセブンの社内はどのような雰囲気なのでしょうか。社風の特徴としてよく聞かれるものを紹介します。
風通しが良く人間関係を築きやすい
規模の大きい企業ながら風通しが良く、誰でも意見を発しやすい社風のようです。世代や性別に関係なく、若手のうちからやりがいのある仕事を任せてもらえるため、意欲を持って働けるとの声がよく聞かれます。上司とも同僚ともコミュニケーションがとりやすいようなので、良好な人間関係を築きやすいでしょう。
福利厚生や休暇制度などを利用しやすい雰囲気がある
休暇が取りやすくしっかりリフレッシュできる、福利厚生が充実しているなど、職場の待遇面に満足感を得ている人が多いようです。また、産休・育休など女性のライフステージに求められる休暇も取得しやすい状況だとの感想も見られました。自動車に関わる業界は男性社会のイメージが強めですが、オートバックスセブンには女性も働きやすい環境があると言えるでしょう。
求める人材
オートバックスセブンはリクルートサイト内において、求める人財像を「一歩踏み出す力」「協働力」「傾聴力」「目的を達成する力」「本質探求力」のどれか1つでも備えている人としています。
オートバックスセブンのパーパスは「社会の安全な交通とお客様の豊かな人生の実現」です。時代の変化に柔軟に対応し、社会課題の解決にも取り組みながら、人とクルマが共存する持続的な社会づくりに携わることを目標としています。この目標を達成するため、上記のような力を駆使しながら働ける人材が必要だと考えられます。
参考:求める人材像 オートバックスセブン RECRUITMENT SITE 2024、パーパス 会社情報 株式会社オートバックスセブン
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
ここからは、オートバックスセブンと同じ業界に属する企業を挙げ比較しながら、オートバックスセブンの業界における立ち位置を説明します。また、就職難易度も見ていきます。
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
オートバックスセブン | 2,362億円 | 727万円 | 55 | 風通しが良く女性も働きやすい |
イエローハット | 1,471億円 | 703万円 | 55 | 男女の格差が少ない |
フジ・コーポレーション | 430億円 | 468万円 | – | 繁忙期以外は落ち着いて働ける |
G-7ホールディングス | 1,769億円 | 515万円 | – | 主体性ある社員が成長しやすい |
財務情報の比較(売上)
カー用品を取り扱う卸売業界の最大手はオートバックスセゾンです。今回競合会社としてピックアップしたのは、オートバックスセブンと同じく業界トップクラスの大手企業。売上高も事業規模もオートバックスセブンが頭1つ抜きんでており、今後もこの状況にはあまり変動はないと見込まれます。
業界自体は若い世代を中心とした自動車離れによる市場の伸び悩みと、防犯意識の高まりによるドライブレコーダーなどの需要拡大とが同時に見られ、商品によって状況が異なります。市場で苦戦する大手もいる中、オートバックスセブンはさまざまな分野で着実に事業を広げ、じりじりと業績を伸ばしています。
社風の比較
自動車業界は男性社会のイメージが根強く、関連するカー用品業界も同じイメージを持つ人が多いようです。実際男性の方が多い職場ではありますが、大手企業の社風を見ると、女性でも働きやすい環境が整っている傾向にあります。性別による不当な差別などがない、女性や子育て家庭に必要な休暇が取得しやすいなど、気持ち良く働ける職場が多いと言えます。
風通しに関しては企業ごとの違いが大きいようです。企業の規模が大きければ大きいほど、風通しを意識するのは難しくなりますが、オートバックスセブンに関しては、業界トップの規模ながら風通しが良く、縦横のコミュニケーションが取りやすい雰囲気があるとの声が聞かれます。
就職偏差値
カー用品の卸売業界は全体的に就職偏差値がそれほど高くない傾向にあります。業界トップのオートバックスセブンで55と、難易度が特別に高いという水準ではないでしょう。その理由のひとつとして、この業界が幅広い学歴を持つ人を採用していることが挙げられます。業界トップクラスの企業でも、学歴によらずさまざまな大学・地域から採用しています。また、大卒だけでなく、短大や高専、自動車関連の専門学校などからの採用者も少なくありません。
もちろん決して簡単に選考を突破できるわけではありませんが、学歴に関わらず、選考対策やアピールの仕方次第で十分採用を狙えると考えられます。
採用大学
オートバックスセブンの採用実績がある大学の例は次の通りです。
青山学院大学、亜細亜大学、跡見学園女子大学、学習院大学、関西大学、関西外国語大学、関東学院大学、京都産業大学、共立女子大学、近畿大学、甲南大学、神戸学院大学、神戸市外国語大学、神戸海星女子学院大学、駒澤大学、国士舘大学、産業能率大学、静岡大学、上智大学、駿河台大学、清泉女子大学、成城大学、専修大学、創価大学、南山大学、日本大学、日本女子大学、二松学舎大学、ノースアジア大学、大東文化大学、千葉大学、筑波大学、都留文科大学、帝京大学、中央大学、中京大学、東海大学、東京工科大学、東京情報大学、東京農業大学、東洋大学、獨協大学、藤女子大学、法政大学、武蔵野大学、明治大学、明治学院大学、横浜国立大学、立教大学、立正大学、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、龍谷大学など(五十音順)
実績の例を見ると、かなり広範囲の大学から採用していることがわかります。難関大学・有名私大など偏差値が高めの大学から、中堅レベル、ローカルな大学まで幅広く採用実績があります。また、大学の地域の偏りも見られません。
この状況から、オートバックスセブンには、学歴フィルターは存在しないと考えられます。
新規出店や新たな長期目標の発表でさらなる成長に期待
オートバックスセブンは精力的に新規店舗をオープンさせています。2023年は海外での動きも多く、特にタイで次々に出店し市場を拡大中です。また、交通事故防止や置き去り事故防止、災害時支援など、社会として取り組んでいくべき問題にも積極的なサポートを行っています。なお、今年新たに長期目標である「ビヨンドオートバックスセブン2032」を策定し、2032年度までを目標に、既存事業の強化や、電気自動車を含めたディーラー事業を始め新規事業の拡大などに力を入れていくようです。今後も成長が期待されます。
参考:オートバックス タイ2店舗 新規オープン、「園児送迎バス置き去り防止装置」の全国出張取り付けサービス本格開始、愛知県と「災害時における徒歩帰宅者支援に関する協定」を締結、オートバックスグループ 地域密着型の「交通事故ゼロへの取り組み推進」イベントを開催(株式会社オートバックスセブン)、オートバックスセブンの新長期ビジョン、2032年度に売上5000億円へ 10年間で1000億円の投資見込む(日刊自動車新聞)
まとめ
オートバックスセブンは国内のカー用品業界の第一線を走るトップ企業です。国内外で活発に事業を展開しており、今後も社会や時代に求められるものをキャッチしながら、さまざまな分野に打って出ていくと予想されます。卸売や自動車など複数の業界をまたぐ企業でもあるため、入社できれば豊かな業務経験も得られそうです。