【業界研究】家電量販店業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

2023年10月29日更新

はじめに

家電量販店といえば、ヨドバシカメラやジョーシン、ヤマダ電機など、誰もが一度は訪れたことのある会社ばかりだと思います。実際に商品を購入している人も多く、なんとなくどんなことをするのかイメージがつく人もいるのではないでしょうか。

 

どんな仕事をするのか職種やビジネスモデルなどをしっかり理解していないと、思っている仕事ではない、といったギャップがあるかもしれないのでしっかりと業界研究を行うことが大切です。

 

そのため、本記事では家電量販店業界について詳しく紹介しているので、どのような業界なのか学んでいきましょう。

家電量販店業界とは

家電量販店業界とは、テレビ、洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫など、日常生活で使用する家庭用電化製品の販売を業務とする業界のことです。家電量販店業界の主な企業は、ヤマダ電機、ビックカメラ、ケーズホールディングス、エディオンなどです。

 

家電量販店業界の幅を広げ、家電業界として考えると家電メーカーも似た存在になります。家電メーカーの主な企業は、パナソニック、三菱電機、シャープ、日立などです。

 

家電量販店業界が主に販売している商品は「白物家電」、「黒物家電」、「loT家電」、「4Kテレビ」の4つです。

 

<白物家電>

白物家電とは、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、炊飯器など、主に日常生活において、家事の労力を減らしたり、暮らしを楽にしたりする目的で使われる生活家電のことをいいます。名前の由来は、発売当初は白色の製品が多かったため、白物家電と呼ばれるようになりました。

 

<黒物家電>

黒物家電は、テレビやAV機器、オーディオ、ゲーム機、パソコンなど、音響や映像を娯楽や趣味のために使う家電のことです。白物家電と同じで、発売当初は黒色の製品が多かったため、黒物家電と呼ばれるようになりました。

 

<IoT家電>

loT家電とは、「Internet of Things」の略で、インターネットにつないで活用することができる家電のことです。スマホなどを使って、遠隔操作できるエアコンや照明、冷蔵庫などがあります。

 

< 4Kテレビ>

4Kテレビは、現在、普及が広まっているフルハイビジョンテレビよりも、画素数が4倍の解析度を誇るテレビです。

 

家電量販店業界のビジネスモデル

家電量販店業界のビジネスモデルは、簡単にいうと「大量仕入れ・大量販売」です。メーカーから商品を大量に仕入れることにより、卸値を下げて購入し、仕入れた商品を大量に販売する、といった薄利多売型の販売戦略をとっています、

 

一度に多くの商品を仕入れるため、店舗が大型化したり、多店舗展開したりして、いかに短時間で大量に売り切るかが重要です。また在庫リスクを避けるために、店舗間による在庫の平準化も行っています。

 

家電量販店といえば、販売のほうにイメージが行きがちですが、薄利多売型の販売戦略の中で重要になってくるのは「仕入れ」です。当然ですが、安く仕入れれば仕入れるほど、利益が大きくなります。商品を仕入れるまでの流れを見ていきましょう。

 

家電メーカーが製造した製品は卸業者を経て、家電量販店のもとへと提供されます。このとき、製品の数量や価格などを決めるのが「商談」です。商談は、販社の商談担当者と家電量販店商品部のバイヤーなどで行われます。

 

新製品が挿入された際は、最初の商談で初回値入が決められます。売上予想や、仕入れの条件などを加味しながら、家電量販店商品部のバイヤーが「定番ランク」を決定し、全国の店舗で販売していくのが流れです。

 

ちなみに定番ランクとは、A、B、Cというようにランクで表される型番ごとに付けられた展示や販売の優先順位のことです。

 

新商品を発売したあとは、週に1回商談を繰り返します。ここで売れ行きや競合との販売価格などをもとに、仕入れ値の引き下げやリベートなどを交渉していきます。この交渉によって決められた仕入れ値が、利益に直結するので重要な項目といえるでしょう。

 

家電量販店が普及する前は、家電メーカーが力を持っていたため、価格の権限は家電メーカーにありました。しかし家電量販店が普及すると、家電メーカよりも家電量販店が力を持ったため、現在でも力持ち価格の権限を持っているのは家電量販店です。

 

また独占禁止法によって、家電メーカーは希望小売価格などの「参考売価」を提示することは可能ですが、店頭での「表示価格」や「実売価格」をメーカーが拘束することはできなくなりました。

家電量販店業界の職種

家電量販店業界では、「総合職」、「Web販売職」、「法人営業」、「販売促進」の4つに分かれています。それぞれの特徴について見ていきましょう。

 

総合職(店舗勤務、店舗運営スタッフ)

家電量販店業界のメインとなる職種が総合職です。総合職は主に店舗勤務・店舗運営を行うスタッフで、店頭で取り扱っている商品の販売や、それに関する企画・管理・販売促進などを行います。

 

多くの家電量販店では、まずは現場経験を積ませるために入社すると店舗勤務からスタートすることが多いです。現場は消費者の声を生で聞くことができるポジションです。消費者が本当に必要としている商品やサービスを理解するためには、現場経験を積む必要があります。

 

総合職からキャリアアップした際には、この現場経験をもとに業務を遂行します。どのポジションであっても消費者の必要とするものがわかっていなければ、良いサービスを提供することができないため、現場での経験は重要です。

 

web販売職(webサイトの運営・管理、仕入)

消費者は店舗で購入するだけでなく、インターネットを使用してWebで購入する人もいます。そのため、インターネットショッピングの運営・管理・保守・商品の仕入れ作業などを行うのがWeb販売職です。

引用元:家電量販店を取り巻く環境と戦略の方向性 三井住友銀行

 

三井住友銀行が調査している家電量販店の分析レポートでは、家電量販店におけるショールーミングの割合が66%と業界の中では圧倒的に多いことがわかります。

 

ちなみにショールーミングとは、消費者が実店舗で従業員から商品の説明を受けたあと、店舗価格よりも安い商品をウェブサイトで探し購入することです。また近年では、コロナウイルスの影響により、インターネットショッピングの需要が増えています。

 

実店舗の強化も大切ですが、Webサイトの運営・管理も非常に重要な職種だと言えます。

法人営業

一般企業や官公庁、学校など法人との取引や販売システムの構築などを行います。パソコンや大型家電の設置工事といった大口契約に関わることが多いです。

 

販売促進(販売促進、広告)

販売促進のため、広告やCM、チラシの作成、イベントやキャンペーンの企画・提案などを行います。

大手企業紹介

今回は家電量販店業界に属する、ヤマダ電機、ビックカメラ、ケーズホールディングス、エディオンの4社の売上や社風などを比較していきます。

 

なお、就職偏差値や難易度を詳しく知りたい方は、【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキングを参考にしてください。

 

会社名 売上高 平均年収 就職難易度 社風
ヤマダ電機 1兆6,000億円

(2023年3月)

402万円 53 周りの社員が助け合いの精神を持っている
ビックカメラ 7,923億円

(2022年度)

468万円 53 若いときから挑戦できる
ケーズホールディングス 7373億円

(2023年3月)

554万円 不明 コミュニケーションを大切に、ある程度大目に見て、自分でやらせる社風
エディオン 7,205億円

(2022年度)

504万円 50 頑張った分だけ評価される風土

 

家電量販店業界の動向

家電量販店の動向を見ていきましょう。

 

家電量販店の現状

2022年の家電量販店の分野別売上高を前年比でまとめたので見ていきましょう。

 

スマートフォンなどの通信家電 11.8%増
カメラ類 6.7%増
AV(音響映像)家電 9.2%減
パソコンなどの情報家電 1.8%減
家事、調理などの生活家電 0.3%増
家電小売市場全体 2.3%減

 

日本電機工業会(JEMA)によると、2022年の白物家電の国内出荷額累計は2兆5,723億円と前年比2.0%増加しました。一方の黒物家電は、電子情報技術産業協会(JEITA)によると、国内出荷額の累計は1兆2,492億円と前年比4.8%も減少しています。

 

2020年、21年はコロナウイルスの影響による特需で、大幅に売り上げを伸ばしましたが、2022年はコロナウイルスの流行前の売上に落ち着いているのが現状です。

 

経済産業省の発表によると、生活家電の売上はここ数十年、横ばい状態で維持しているため、国内市場がすでに成熟化し、今後大きな売り上げ増加は見込めないとしています。

 

家電量販店の大手3社であるビックカメラ、ケーズホールディングス、エディオンは、3社揃って減収と今後の見通しが怪しくなっています。以下の表に3社の前年比をまとめているので、参考にしてください。

 

会社名 前年比(9月度)
ビックカメラ(ビックカメラ+コジマ) 98.8%(1.2%減)
エディオン 98.1%(1.9%減)
ケーズデンキ(ケーズホールディングス) 98.7%(1.3%減)

 

家電量販店業界の今後

家電量販店業界の今後の見通しとして企業が取り組んでいることが、多ジャンルへの展開です。家電量販店の大手企業の取り組みは以下の通りです。

 

・ヤマダデンキ

家具や住宅・リフォーム事業に参入し、家具・生活雑貨の品ぞろえを強化

 

・ケーズホールディングス

テクニカルアーツの買収を行い、パソコン教室事業に参入

 

・ヨドバシカメラ

M&Aは行わない方針であったが、石井スポーツを買収し、アウトドア用品を取り扱う

 

・ビックカメラ

ユニクロと提携し異業種とタッグ組んだ「ビックロ」を展開

 

どの企業も家電だけでは、増収を見込めなくなっているため、家電以外の事業に力を入れてくることが予想されます。また国内だけでなく海外進出も積極的に行う企業が増えています。

志望動機

志望動機を作る上で大切なポイントが3つあります。それぞれの特徴と家電量販店業界でよくある志望動機を見ていきましょう。

 

なぜ家電量販店業界なのか

一つ目の大切なポイントは、「なぜ家電量販店業界を選んだのか」という点です。採用担当者は、就活生がしっかりと業界研究ができているか、この業界に対する知識量、本気度を確認するために質問します。他の業界にはない魅力をアピールすることが重要です。

なぜその企業なのか

家電量販店といっても、企業によって取り組み方はさまざまです。経営方針、社風、求める人物像など、どこに魅力を感じて就職しようと決めたのかをアピールすることが大切です。

 

「家電が好きだから」といった志望動機であれば、「他の家電量販店でもいいのでは?」と採用担当が感じ取ってしまいます。

 

そのため、「多角的な販売戦略をとっている御社に将来性を感じました」といったような、その企業にしかないポイントを明確に伝えられるようにしましょう。

 

その企業にどうやって貢献するのか

担当採用者は、採用した就活生がどのように会社に貢献できるか、どのポジションなら力を発揮してくれるのか、といった内容を考えています。自分の強みは企業にとってどのようにプラスになるのかをアピールしましょう。

 

家電量販店業界によくある志望動機

家電量販店業界によくある志望動機は以下の通りです。

 

・人の生活に密に関わることができる仕事をしたいから

・「ビッグカメラセレクト」のような家電の枠に囚われず、その地域の特色にあった製品を集めた店舗作りを行う姿勢に魅力を感じたから(ビックカメラの場合)

・商品知識を活かしたいから

・家電の魅力を伝えたいから

 

まとめ

日常生活において、家電は身近な存在です。触れる機会も多いことから魅力を感じて家電量販店に就職したいと考える就活生もいるでしょう。近年では、家電以外にも、日用品や住宅、不動産、金融など様々なジャンルを取り扱っている家電量販店が多いです。

 

事業内容を知らずに就職すると、自分の思っていた職種に就けない可能性もあるので、しっかり業界研究と企業研究を重ね、自分とあっているか確かめてから選考に挑戦しましょう。

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