【業界研究】損害保険会社について徹底解説!特徴や向き不向きは?
2023年10月29日更新
はじめに
就活を成功させるためには業界研究をしなければなりません。業界独自の業務や特徴を知っていないと入社後にギャップを感じて長く続かないかもしれません。また、長く続けるためには業界全体の将来も考えることが必要です。
そこで、ここでは損害保険会社について基本概要から業務内容、向いている人・向いていない人をご紹介します。損害保険会社に興味があり、業界研究があまり進んでいない方は、ぜひご確認ください。
損害保険会社とは?
損害保険会社は偶然の事故や災害によって生じた損害をカバーする保険を提供する会社です。主な業務は保険商品の販売・保険金の支払い・損害調査・保険金の算定などがあります。
損害保険会社の主な収入源は保険料です。保険料は保険契約者が支払う金額であり、保険金の支払いにあてられます。そして、保険料収入と保険金支払いの差額が損害保険会社の利益です。
損害保険会社は顧客の安心と安全を守るために重要な役割を果たしています。損害保険に加入することで万が一の事故や災害に備えることができるため、高い需要がある業界です。
損害保険業界の市場規模を表す正味収入保険料は、2021年度において8兆8,063億円でした。このように業界全体で見ると大きな市場を持っています。
生命保険会社との違い
損害保険会社と生命保険会社の違いは下記のようなものがあります。
損害保険会社 | 生命保険会社 | |
保険の対象 | 事故や災害 | 人の生死 |
保険金の支払い方法 | 実損払い | 定額払い |
主な商品 | 自動車保険、火災保険、傷害保険、賠償責任保険など | 死亡保険、医療保険、介護保険、養老保険など |
損害保険会社の面接では「なぜ損害保険なのか」と聞かれることがあります。この質問で熱意を見られるため、必ず答えられるようにしておきましょう。
損害保険会社の種類
一口に損害保険会社といっても複数の種類があります。ここで各種類の概要についても知っておき、選考に進む際にはどの種類の会社を志望していくべきであるのかを考えていきましょう。
種類①メガ損保
メガ損保は国内最大規模の損害保険会社の総称です。東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの5社が該当します。
メガ損保は国内の損害保険市場の約7割を占めており、業界のリーディングカンパニーとして活躍しています。豊富な資金力と人材を背景に幅広い商品やサービスを提供していることが特徴的です。
メガ損保は就活生から人気があり、就職難易度が非常に大きくなっています。志望する場合は入念に対策をしておきましょう。
種類②準メガ損保
準メガ損保はメガ損保に次ぐ規模の損害保険会社です。準メガ損保は下記のような会社が挙げられます。
- 日新火災保険株式会社
- 大同火災海上保険株式会社
- 第一生命保険相互会社
- 三井住友海上あいおい生命保険株式会社
- アクサ生命保険株式会社
- ソニー損害保険株式会社
- ニッセイ同和損害保険株式会社
- 富国生命保険相互会社
- 日産火災保険株式会社
- ジブラルタ生命保険株式会社
- 朝日生命保険相互会社
準メガ損保はメガ損保に比べると規模は小さいですが、独自の強みを活かした商品やサービスを展開していることが特徴的です。
種類③中小損保
中小損保はメガ損保や準メガ損保に比べると規模が小さい損害保険会社の総称です。中小損保は地域密着型の営業を展開している会社が多く、顧客のニーズに応じたきめ細かなサービスを提供しています。
損害保険会社の主な業務内容
損害保険会社の主な業務内容は下記のとおりです。
業務内容①保険商品の販売
損害保険会社は自動車保険、火災保険、医療保険など、さまざまな保険商品を販売していることが多いです。そして、保険商品の販売では様々な手法でお客さんに商品を提案しています。保険商品の販売は営業職が担当することが多いです。
業務内容②保険金の支払い
保険契約者が事故や災害に遭った場合、損害保険会社は保険金の支払いを行います。事故に遭ったお客さんを支える保険金に携わっているため、ミスなく仕事をこなしていくことが重要です。
業務内容③損害調査
事故や災害が発生した場合、損害保険会社は損害の状況を調査します。損害調査では、事故や災害の原因や損害額を調査し、保険金の支払いの根拠を明らかにします。保険金の算定のために重要な役割です。
業務内容④保険金の算定
損害保険会社は保険金の支払いを行う際に保険金の額を算定します。保険金の算定では保険金の支払いの根拠となる損害調査の結果を基に、保険金の額を算定します。事故の状況によって算定額は変わるため、その都度で算定していくことが必要です。
業務内容⑤その他
その他の業務としては下記のようなものがあります。
- 商品開発
- リスク管理
- 財務管理
- 情報システム
損害保険会社のメリット・デメリット
損害保険会社のメリット・デメリットには下記のようなものがあります。メリット・デメリットがどのくらい大きいのかを考えていきましょう。
メリット①安定性が高い
損害保険会社は国内の金融・保険業界を代表する企業であり、安定した経営基盤を持っています。そのため、就職・転職後も安定した収入を得ることができます。
メリット②やりがいが大きい
顧客の安心と安全を守る重要な役割を担っているため、やりがいを感じながら仕事に取り組むことが可能です。とくに、お客さんと直接会って話をする営業職などはやりがいを感じる方が多くなっています。
メリット③キャリアアップの機会がある
損害保険会社は営業職から損害サービス職、商品開発職など、さまざまなキャリアアップの機会があります。また、損害保険会社の大手企業であれば転職市場において優位性が高いです。
デメリット①仕事量が多い
損害保険会社は顧客からの問い合わせや事故・災害の対応など、仕事量が多い傾向にあります。そのため、残業や休日出勤が発生する場合があります。具体的な日数に関しては企業によってかなり異なるため、それぞれで確認することが必要です。
デメリット②ノルマが多い
損害保険会社の営業職は保険商品の販売、損害サービス職は保険金の支払いなど、ノルマを達成することが求められます。そのため、プレッシャーを感じる場合もあります。ノルマが課せられていない企業もあるため、口コミなどから確認しておくことがおすすめです。
損害保険会社に向いている人・求められるスキル
損害保険会社には以下のスキルが求められます。つまり、下記のようなスキルをすでに持っている、もしくは身に着ける意欲がある方が損害保険会社に向いています。
- コミュニケーション能力
- 分析力・判断力
- 責任感
- チームワーク
- 向心力
- 数字に対する強さ
損害保険会社への就活に活かせる資格
損害保険会社において、就活に活かすことができる資格には以下のようなものがあります。
- 損害保険募集人資格
- ファイナンシャルプランナー
- 簿記
- TOEIC
- ITパスポート
時間に余裕があるのであれば取得を目指して勉強することをおすすめいたします。
損害保険会社の大手企業5選
損害保険会社の大手企業には下記のような企業があります。もちろん、これら以外にも多数の企業があるため、ぜひお調べください。
会社名 | 売上高 (百万円) | 平均年収 (万円) | 企業理念 | 社風 |
東京海上日動火災保険 | 6,648,600 | 863 | お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点におき」、「お客様に最大のご満足を頂ける商品・サービスをお届けし、お客様の暮らしと事業の発展に貢献する | 伝統と革新を重視 |
損害保険ジャパン | 4,041,040 | 626 | SOMPOグループは、お客さまの視点ですべての価値判断を行い、保険を基盤としてさらに幅広い事業活動を通じ、お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献します。 | 自由と挑戦を重視 |
三井住友海上火災保険 | 2,858,011 | 747 | グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、 安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と 地球の健やかな未来を支えます | 信頼と共創を重視 |
あいおいニッセイ同和損害保険 | 743,117 | 674 | グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます。 | 個性と協働を重視 |
トーア再保険株式会社 | 349,337 | 905 | 社会の安心を支えるトーア再保険 | 専門性とスピードを重視 |
下記の会社については詳しい解説記事があるため、こちらもぜひご確認ください。
損害保険会社への就活を成功させるためには
まずは、就活に関する基本的なことは損害保険会社でも他の業界でもおこなうことが重要です。ESのブラッシュアップ、面接対策は必ず徹底的におこないましょう。そのうえで、損害保険会社への就活を成功させるためには下記のような書籍がおすすめです。
図解即戦力 保険業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書 [改訂2版]
図解入門業界研究 最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第5版]
また、損害保険会社に属する企業のインターンシップに積極的に参加することもおすすめいたします。実際の業務内容を知っておくことで面接やESで説得力を持たせることができます。
まとめ
今回は損害保険会社について解説しました。就活を成功させるためには業界研究が必須です。業務内容や大手企業について調べるだけではなく、本当に自分に向いているのかを確認しながら業界研究を進めていきましょう。