【業界研究】アニメ業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

【業界研究】アニメ業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

2023年10月29日更新

はじめに

日本のアニメは世界的にも有名で人気のあるアニメが多いです。日本だけでなく、世界から需要があるのでやりがいをもって働ける仕事ではないでしょうか。

 

しかし、実際どんな仕事をするのか職種やビジネスモデルなどを知っていないと、思っている仕事ではない、といったギャップがある可能性もあります。そのため、本記事ではアニメ業界について詳しく紹介しているので、どのような業界なのか学んでいきましょう。

アニメ業界とは

アニメ業界とは、テレビや漫画、動画配信、映画などさまざまな媒体を通して、視聴者を魅了するアニメーションを製作する業界です。海外でも人気があり、「クールジャパン政策」においてもアニメ産業は重要な役割を担っています。

 

世界中で知名度のあるアニメを制作している代表的な企業は、スタジオジブリ、東映アニメーション、 電通、バンダイビジュアルなどです。

アニメ業界のビジネスモデル

アニメ業界のビジネスモデルは以下の図で表すことができます。それぞれの流れを見ながら紹介していくので見ていきましょう。

引用元:unistyle

 

スポンサー~テレビ局までの流れ

まずはスポンサーが「広告費」を広告代理店に支払い、依頼を出します。依頼を受けた広告代理店は、テレビ局や映画会社に「広告収入費」を支払い、テレビ局や映画会社が、製作会社にアニメの製作を依頼し、アニメ制作のスタートです。

 

スポンサーや広告代理店は、どのような企業が行っているか知らないからが多いですが、テレビ局や映画会社であれば、聞いたことのある名前が多いと思います。

 

例えば、テレビ局ならフジテレビ・日本テレビ・TBS・テレビ朝日の4社です。金曜ロードショーでアニメ映画が放送されているのを、ほとんどの人が見たことがあると思います。ちなみに、金曜ロードショーの製作は日本テレビです。

 

映画会社で言えば、東宝、東映、松竹の3社です。映画の始まりに会社の名前が出てくるので、注目してみてください。このようにアニメは、テレビや映画、その他漫画などさまざまな媒体を利用して視聴者に提供されています。

 

テレビ局~下請け製作会社までの流れ

テレビ局や映画会社は、「制作費」や「放映権料」を支払って製作会社にアニメの制作を依頼します。ここからアニメ制作の始まりです。人気の高いアニメを制作している製作会社は、以下の通りです。

 

製作会社代表作品
スタジオジブリとなりのトトロ、魔女の宅急便、もののけ姫、、千と千尋の神隠し、ハウルの動く城
東映アニメーションキャンディ・キャンディ、Dr.スランプ アラレちゃん、ONE PIECE、デジモン、プリキュア、ドラゴンボール
バンダイナムコ

フィルムワークス

ガンダム、犬夜叉、ラブライブ!
トムス・エンタテインメントとっとこハム太郎、エンジェル・ハート、イタズラなKiss、それいけ!アンパンマン、名探偵コナン
シンエイ動画ドラえもん、クレヨンしんちゃん、忍者ハットリくん、エスパー魔美、美味しんぼ、あたしンち

 

ヒットしたアニメを展開できれば、アニメ制作会社の名前も世間に知れわたっていきます。しかし、アニメ制作がすべてを自社で作っているわけではありません。アニメ制作会社の中には、いくつかの工程を下請け製作会社に任せているところもあります。

 

こうした一連の流れでアニメ業界が成り立っていますが、収益の多くはグッズ販売によるものが多いです。また海外でも人気があるので、海外に展開するときに収益を得ています。

 

アニメを制作するまでにスポンサーから下請け製作会社まで、幅広い人が関わりあっていますが、どのような職種があるのか見ていきましょう。

アニメ業界の職種

アニメはさまざまな人たちによって製作されています。大きく分けて10つに分かれるため、それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

プロデューサー

プロデューサーは、アニメの制作の企画から完成まで管理する責任者です。企画、製作、構成、宣伝、商品展開、スポンサー獲得、資金調達、予算管理など、担当範囲が広く、アニメ制作にかかわる全体的なことに関して、指示を出しています。

 

制作進行

制作進行は、アニメ制作に関わるスケジュールを管理する仕事です。アニメ制作では、様々な人と関わり合い、コミュニケーションをとりながらスケジュールの管理を行います。

 

クライアントからの納品日に間に合うように、進捗状況を見ながらアニメーターの人員管理やスケジュール管理を行い、製作会社やアニメーターの都合に合わせて、打ち合わせの準備や日程などを決める重要な役割です。

 

監督

監督は、アニメ制作において最高責任者であり、なくてはならない存在です。アニメの演出や色合いなど、全体の流れを見ながら担当者に指示を出していきます。

 

監督の個性によってアニメの色が変わるので、いい作品ができるかどうかは、監督の腕次第で決まるといっても過言ではありません。監督の考え方で作品が変わるので、自分と同じ考え方をもつ監督のもとで働くことがおすすめです。

 

日本の有名な監督といえば、宮崎駿・細田守・押井守・庵野秀明などがいます。

 

作画監督

作画監督は、各アニメーターたちが描いた原画を見て、指示や修正点などを行う仕事です。キャラクターや背景を少し修正する程度のときもあれば、すべて描き直すこともあるので、自分の要望や理想をしっかりアニメーターたちに伝えておくことが重要です。

 

アニメ全体のクオリティーに関わる重要な役割なので、完成度を高める上で大切なポジションを担っています。

 

アニメーター

アニメーターは、「原画」と「動画」の二つの仕事内容にわかれます。「原画」は、アニメーションの元となる絵を描いていく仕事です。監督からもらった資料や絵コンテなどを元にキャラクターや背景などを描く、重要な役割です。

 

一方の「動画」は、原画と原画を埋めるようなかたちで、動きをつなぐ絵を描きます。またアニメーターは、1枚1枚、絵を描いていくこともあり「作家」とも呼ばれます。

 

CGデザイナー・CGアニメーター

CGデザイナーは、パソコンで専門のソフトを使って、イラストや映像を描いていく仕事です。専用のソフトを使う専門職なので、アニメ業界だけでなく他業界からでも人気のある職業です。

 

クリエイターの要望通りのCG画像を作り上げるだけでなく、自分独自の構成を練りこむこともあり、ケースはたくさんあります。

 

CGアニメーターは、キャラクターやエフェクトなどリアルな世界観を演出する仕事です。

 

背景美術

背景美術は、背景画を専門とし、キャラクターや演出などとバランスの取れた自然風景、建物などを描いていく仕事です。違和感のない自然な風景を作り上げるために、さまざまなツールやスキルを用いて描いていきます。

 

コンポジター

コンポジターは、CG映像とアニメの本編を合成させる仕事です。原画とCG映像を合わせることで臨場感あふれる作品へと変わっていきます。戦闘シーンや爆発シーンなど特殊効果を入れる作業なので、CGを多用するアニメには必要不可欠な存在です。

 

キャラクターデザイナー・メカニックデザイナー

アニメに登場するキャラクターのデザインをする仕事です。容姿、衣装、表情などキャラクターの基本的な構成を決めていくため、「生みの親」といえる存在になります。

 

アニメにおいてキャラクターの人気度は非常に重要であるため、個性あふれるキャラクターを作ることが大切です。

 

声優

声優は出来上がったアニメ作品のキャラクターなどに声をあてる仕事です。声が入ることにより、キャラクターが完成するともいえるので、キャラクターに命を吹き込むような感覚になります。

 

有名な声優になれば、老若男女さまざまな役をこなし、人間だけでなく動物やロボットなど、なんでもオファーがくるようになります。声によってキャラクターの印象がついてしまうので非常に重要な役割です。

大手企業紹介

アニメ業界の大手企業をいくつかピックアップし、売上高や就職偏差値の違いを見ていきましょう。就職偏差値や難易度を詳しく知りたい方は、【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキングを参考にしてください。

 

会社名売上高平均年収就職偏差値社風
スタジオジブリ※134億3000万円

(2023年3月)

300万円~不明不明
東映アニメーション874億円

(2023年3月)

778万円71評価軸がしっかりしており、残業も少ない
バンダイナムコフィルムワークス9,900億円

(2023年3月)※2

367万円~73各自のライフステージに合わせ、やりがいを持って働き続けることができる
トムス・エンタテインメント148億円

(2023年3月)

483万円61真面目で社員同士の仲がいい

※1売上高は情報がないため、純利益を記載しています。また採用が不定期であるため、就職偏差値や社風に関する情報はありません。

 

※2バンダイナムコグループでの売上です。

アニメ業界の動向

アニメ業界の動向を見ていきましょう。

 

アニメ業界の現状

2010年から右肩上がりで業績を伸ばしてきたアニメ業界は、新型コロナウイルスの影響により2020年、21年は業績が悪化してしまいました。しかし、22年には3年ぶりとなる前年比を越え、2023年は3,000億円を超える業績が見込まれています。

 

アニメ業界が好調な理由の一つが、動画配信サービスです。動画配信市場は、2011年から10年間で10倍以上の売上を伸ばし、急成長している業界です。

 

新型コロナウイルスによってテレワークや家で過ごす人が増えている中、家でのんびり見ることができる動画配信が消費者たちのニーズにささりました。これまでは、テレビ放送を主軸に取り組んでいたアニメ制作も、VODへと配信チャネルの多様化が進んでいるのも特長的です。

 

アニメ業界の課題

アニメ業界の課題の一つが海賊版サイトです。海賊版サイトでは、動画や漫画などが違法にアップロードされ、2021年の被害額は、2020年から5倍へと拡大し1兆19億円と言われています。

 

またアニメーターの不足や製作費の高騰も課題の一つです。近年ではアニメのクオリティーを求める声が高く、作業量が増えています。しかし、賃金が変わらないままであるため、過酷な労働環境によりアニメーターの離職率が増加しているのが課題です。

 

高齢化社会により、人材が乏しくなる一方で、アニメの数は増えていくため製作が追い付かない企業も増えています。

志望動機

アニメ業界の志望動機を考えるときに基本となるのが、「なぜアニメ業界なのか」、「なぜこの企業を選んだのか」、「将来何をやっていきたいか」という3点です。その中でも今回は、「なぜアニメ業界なのか」という点に注目します。

 

就活生がアニメ業界を志望するときによくある動機をピックアップしたので見ていきましょう。

 

・アニメーションが好き

小さい頃からアニメを見ていて好きだから志望しました。アニメ業界を志望する人は、みんなアニメが好きな人ばかりなので、単純にアニメが好き、というだけでなく深堀して志望動機にしましょう。

 

・絵に命を吹き込みたい

本来動くはずのない絵が命を吹き込まれたかのように動き出す様に感動し、志望しました。

 

・憧れの存在がいる

スタジオジブリでいえば、宮崎駿のように、アニメ制作において憧れの存在がおり、自分もその人のように活躍したから志望しました。

 

・絵を描くことがすき

昔から絵を描くことが好きでアニメのキャラクター製作に携わりたいです。

 

このほかにも、アニメーションの魅力を伝えたい、夢や感動を与えたい、といった志望動機もあります。

ホットニュース

アニメ業界のホットニュースについて紹介します。

アニメ「ONE PIECE」企業横断の映像公開

アニメ「ONE PIECE」の25周年の開幕を告げる5つの特別テレビCM「ひとつなぎの150秒」が放送されました。東映アニメーション、集英社、バンダイナムコグループ3社が共同で企画し、新田真剣佑、一ノ瀬ワタル、木村昴、名塚佳織、福士蒼汰など豪華キャストが出演しています。

 

TOMORROW X TOGETHERと「クレヨンしんちゃん」がコラボ

韓国の人気男性グループであるTOMORROW X TOGETHERが、日本のアニメ「クレヨンしんちゃん」とコラボしました。2023年10月28日のクレヨンしんちゃんに登場する予定です。

まとめ

日本のアニメは海外でも人気があるほど、多くの人が魅了されています。そんなアニメ業界にあこがれる人は多く、どのような業務内容なのか気になる人は多いです。

 

1つのアニメをつくるのに、多くの人が携わっているため、アニメ業界に就職したい人は、自分がどの職種に就くのかを考えましょう。理想とは裏腹に、過酷な労働環境の多い業界なので、しっかり業界研究をしてから就職しましょう。

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監修者情報

印出実生

キャリアアドバイザー

株式会社Bboにカスタマーサクセスとして二年所属したのち株式会社ナイモノに入社。
現在キャリアアドバイザーとして勤務。 学生と直接向き合い、心おきなく相談できるアドバイザーとして日々奮闘中。 ただの「エージェント」ではなく、自分でしか出来ないことは何かを見つめなおし、 学生の将来に対して献身的に取り組んでいる。