【業界研究】住宅設備業界について徹底解説!特徴や向き不向きは?
2023年10月28日更新
はじめに
就活を成功させるためには業界研究をしなければなりません。業界独自の業務や特徴を知っていないと入社後にギャップを感じて長く続かないかもしれません。また、長く続けるためには業界全体の将来も考えることが必要です。
そこで、ここでは住宅設備業界について基本概要から業務内容、向いている人・向いていない人をご紹介します。住宅設備業界に興味があり、業界研究があまり進んでいない方は、ぜひご確認ください。
住宅設備業界とは?
住宅設備業界とは住宅において使用される設備の製造、販売、施工を行う業界です。具体的には、キッチン、バス、トイレ、給湯器、エアコン、照明器具、窓、ドアなど家に関する設備の多くが含まれます。
住宅設備業界は住宅の建築やリフォームに欠かせません。近年は、高齢化や少子化などの社会情勢を背景に住宅設備の需要が高まっています。また、省エネや耐震性などの性能を備えた住宅設備の開発も進んでおり、今後も成長が期待される業界です。
2022年度の主要住宅設備機器(水まわり設備機器+水まわり関連設備機器+創エネ関連設備機器)の市場規模は、前年度比7.7%増の1兆9,430億円と推計されています。前年度に比べ増加傾向にあり、安定した業界であると言えます。
–株式会社矢野経済研究所 住宅設備機器市場に関する調査を実施(2023年)
住宅設備業界全体の平均年収は600万円前後となっています。全産業の平均年収が443万円であるため、業界全体として高水準であることが分かります。
住宅設備業界の種類
一口に住宅設備業界といっても複数の種類があります。ここで各種類の概要についても知っておき、選考に進む際にはどの種類の会社を志望していくべきであるのかを考えていきましょう。
種類①住宅設備メーカー
住宅設備メーカーは住宅設備の製造を行う企業です。キッチン、バス、トイレ、給湯器、エアコン、照明器具、窓、ドアなどの住宅設備を製造し、住宅設備商社や一般向け販売者に販売します。住宅設備メーカーは機能面の技術だけでなく、デザイン性も重要です。
住宅設備メーカーの具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
- 製品の企画・開発
- 製品の製造
- 製品の品質管理
- 製品の販売
種類②商社
住宅設備商社は住宅設備メーカーから仕入れた住宅設備を販売する企業です。住宅設備メーカーと一般向け販売者をつなぐ役割を担っています。住宅設備を専門としている専門商社と住宅設備以外にも扱っている総合商社の2種類に分けられます。
住宅設備商社の具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
- 住宅設備メーカーから仕入れ
- 一般向け販売者への販売
- 製品の展示会やセミナーの開催
- 顧客へのアプローチ
種類③一般向け販売者
一般向け販売者は住宅設備メーカーや商社から仕入れた住宅設備を一般消費者に販売する企業です。ショールームや展示会での販売、インターネットでの販売などさまざまな販売方法があります。住宅設備業界のなかでもコミュニケーション能力が重要です。
一般向け販売者の具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
- 住宅設備の展示・販売
- 顧客への提案
- アフターフォロー
住宅設備業界の主な業務内容
住宅設備業界の主な業務内容は下記のとおりです。
業務内容①営業
住宅設備業界の営業は顧客のニーズをヒアリングし、最適な住宅設備を提案して販売する仕事です。
具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
- 顧客のニーズをヒアリング
- 住宅設備の提案
- 契約書の作成
- アフターフォロー
住宅設備業界の営業で求められるスキルは、以下のとおりです。
- コミュニケーションスキル
- 提案力
- 営業力
- 住宅設備に関する知識
業務内容②技術
住宅設備業界の技術職は住宅設備の製造や施工、修理を行う仕事です。技術といった仕事内容から理系の方が志望することが多くなっています。
具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
- 住宅設備の設計
- 住宅設備の製造
- 住宅設備の施工
- 住宅設備の修理
これら業務を一貫して担っている企業や一部のみを担っている企業があるため、各企業の対応範囲は確認が必須です。
住宅設備業界の技術職で求められるスキルは、以下のとおりです。
- 技術力
- コミュニケーションスキル
- 安全作業の知識と技術
業務内容③ショールームスタッフ
住宅設備業界のショールームスタッフは、ショールームで住宅設備の展示や販売を行う仕事です。実際の居住スペースでの見え方や機能をお客様に知ってもらう、購入率に深く関わってくる業務です。
具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
- 住宅設備の展示
- 住宅設備の説明
- 顧客への提案
- 契約書の作成
住宅設備業界のショールームスタッフで求められるスキルは、以下のとおりです。
- コミュニケーションスキル
- 住宅設備に関する知識
- 提案力
住宅設備業界のメリット・デメリット
住宅設備業界のメリット・デメリットには下記のようなものがあります。
メリット①技術力や専門性を磨くことができる
住宅設備業界は技術革新が進んでいる業界です。住宅設備メーカーや技術職は常に最新の技術を学び、技術力や専門性を磨くことができます。また、技術力を持っていると転職も容易になり、各フェーズで学びたい事柄を学んでいくことが可能です。
メリット② 安定した収入を得ることができる
住宅設備業界は需要が安定している業界です。そのため、安定した収入を得ることができます。例えば住宅設備メーカーや商社は住宅の建築やリフォームに不可欠な製品やサービスを提供しています。そして、この需要はなくなる可能性は非常に少ないです。
ただし、企業単体で見たときには安定しているとは限りません。あくまでも業界全体として安定している点にご注意ください。
メリット③やりがいが大きい
住宅設備業界の仕事は顧客の暮らしを豊かにする仕事です。最適な住宅設備を提案し、顧客の満足を得られることに大きなやりがいを感じている方が多数います。
例えば、営業職は顧客のニーズをヒアリングし、最適な住宅設備を提案します。その提案が顧客の満足につながったとき大きな達成感を得ている方が多いです。
また、技術職は住宅設備の製造や施工、修理を行います。直接的に顧客に関わることは少ないですが、その仕事が顧客の快適な暮らしを支えていることにやりがいを感じることができます。
デメリット①初任給は高めだが伸び率が悪い
住宅設備メーカーの初任給は同年代では若干高めに設定されていることが多いです。しかし、伸び率で見ると他の業界に負けていることもあり、その点に不満を感じる方もいます。年齢につれてこの影響が大きくなってくるため、ある程度の年数が経つと他業界に転職する方も多いです。
デメリット②統合・再編が頻繁に起こっている
住宅設備業界では企業の再編が進んでいます。具体的には大きな会社が小さな会社を買収し、1つのグループとして活動する動きが他業界と比べても盛んです。
その結果、現在ではLIXILグループとパナソニックが売り上げ規模で2強体制を築いており、就職先の候補はあまり多くないかもしれません。業界内の会社が少ないと感じた場合は他業界も並行して考えていくことが必要です。
住宅設備業界に向いている人・求められるスキル
住宅設備業界には以下のスキルが求められます。つまり、下記のようなスキルをすでに持っている、もしくは身に着ける意欲がある方が住宅設備業界に向いています。
- 家やデザインが好きな人
- 理想を追求できる人
- 常に最新技術を学びたいと思う人
住宅設備業界への就活に活かせる資格
住宅設備業界において、就活に活かすことができる資格には以下のようなものがあります。
- キッチンコーディネーター
- キッチンスペシャリスト
- リフォームプランナー
- 福祉住環境コーディネーター
- カラーコーディネーター
時間に余裕があるのであれば取得を目指して勉強することをおすすめいたします。
住宅設備業界の大手企業5選
住宅設備業界の大手企業には下記のような企業があります。
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 企業理念 | 社風 |
LIXILグループ | 1兆6,944億3,900万円 | 1,198万円 | MAKE BETTER HOMES A REALITY FOR EVERYONE, EVERYWHERE 世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいの実現 | グローバル志向 チャレンジ精神 |
パナソニック・ライフソリューションズ | 1兆6,235億円 | – | 産業人たるの本分に徹し社会生活の改善と向上を図り世界文化の進展に寄与せんことを期す (グループ全体) | 技術力重視 顧客第一 |
TOTO | 5,964億9,700万円 | 679万円 | ・水まわりを中心とした、豊かで快適な生活文化を創造します。 ・さまざまな提案を通じ、お客様の期待以上の満足を追求します。 ・たゆまぬ研究開発により、質の高い商品とサービスを提供します。 ・限りある資源とエネルギーを大切にし、地球環境を守ります。 ・一人ひとりの個性を尊重し、いきいきとした職場を実現します。 | 品質第一 お客様第一 |
YKK AP | 3,647億3,500万円 | 556 | YKKグループは、お客様に喜ばれ、社会に評価され、社員が誇りと喜びを持って働ける会社でありたいと考えています。 そのための手段として、商品、技術、経営の質を高めていきます。 そして、これらを実践するにあたって常に根底にあるのが「公正」であり、これを価値基準として経営判断を行っていきます。 | ものづくりへの情熱 チームワーク |
リンナイ | 3,404億6,000万円 | 630万円 | Creating a healthier way of living (リンナイは、健全で心地よい暮らし方を創造します) | グローバル志向 技術力重視 |
下記の会社については詳しい解説記事があるため、こちらもぜひご確認ください。
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まとめ
今回は住宅設備業界について解説しました。就活を成功させるためには業界研究が必須です。業務内容や大手企業について調べるだけではなく、本当に自分に向いているのかを確認しながら業界研究を進めていきましょう。