【企業研究】日揮の就職難易度・採用大学・選考対策|プラントエンジニアリング最大手の全選考フローを解説
2026/07/13更新
横浜みなとみらいに本社を構える日揮ホールディングスは、LNGプラントをはじめとした大規模インフラ案件を世界80ヶ国以上で手がけてきた、国内プラントエンジニアリング業界の最大手企業です。毎年多くの理系学生・文系学生がエントリーしますが、技術系の採用枠は職種別マッチング選考で絞り込まれ、事務系は年間10名台という非常に限られた採用枠のため倍率が高くなっています。
就職活動の中で「日揮を受けてみたいが自分に合っているかわからない」「選考が3トラックあると聞いたが何が違うのか」「ESの設問ごとにどんな内容が評価されるのか」という疑問を持つ就活生は少なくありません。また、みなとみらいという立地への関心や「プラントエンジニアリングで世界に出たい」という志から受験を検討する学生も多く、具体的な難易度感と対策を把握しておくことが選考突破への第一歩になります。
この記事では、日揮グループの事業内容・選考フロー全体像・エントリーシート(ES)の設問と対策・面接の特徴・採用大学の傾向・競合他社との比較・入社後のキャリアパスまで、公式採用情報と就活ハンドブックに寄せられた学生の声を踏まえて体系的にまとめています。理系・文系を問わず、早期選考からの突破を目指す方にも参考にしていただける内容です。
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日揮グループの事業全体像
日揮ホールディングスは2019年に持株会社体制へ移行し、現在は「日揮グローバル株式会社(海外EPC事業)」「日揮株式会社(国内EPC事業)」「日揮触媒化成株式会社(機能材製造)」などをグループ傘下に置いています。新卒採用においては日揮ホールディングス・日揮グローバル・日揮株式会社の3社が共通サイト(参考:日揮ホールディングス 新卒採用情報)から一括でエントリーを受け付けており、どの会社・どの職種を志望するかを選考前の段階で明確にしておくことが、志望動機の説得力を大きく左右します。グループ全体の事業構造を把握せずにESに向かうと、各社の役割の違いや職種との接続が曖昧なまま文章を書いてしまいがちです。
EPC事業を基盤とする3社グループ体制
日揮グループのコア事業はEPC(Engineering・Procurement・Construction)、すなわちプラント・施設の設計・調達・建設を一括して請け負うビジネスモデルです。日揮グローバルは中東・東南アジア・アフリカ等を中心とした海外の大規模エネルギーインフラ案件を主体とし、日揮株式会社は国内のプラント・施設のEPCおよびメンテナンス事業を担います。日揮触媒化成は触媒・ファインケミカル・ファインセラミックスの開発・製造・販売に特化した機能材製造部門です。
EPCビジネスは受注から完工まで5年〜10年超の長期プロジェクトが珍しくなく、設計・調達・建設の各フェーズに多様な専門職種が関わります。文系総合職は契約・調達・財務・法務・広報等の領域でプロジェクトに参画し、理系総合職はプロセス設計・配管・電気・計装・土木・建築などの技術職として各フェーズを担います。どちらの職種でも、プロジェクトをチームで動かす調整力とグローバルコミュニケーション能力が早い段階から求められます。
5つの注力事業領域
日揮グループは現在、以下の5領域を戦略的重点分野として位置づけています(参考:日揮ホールディングス 事業紹介)。
①エネルギートランジション
LNGプラントの設計・建設で世界トップクラスの実績を持ちながら、CCS(二酸化炭素回収・貯留)、グリーンアンモニア、再生可能エネルギー関連施設へと事業領域を広げています。脱炭素化の波を追い風に、既存技術の強みを活かしながら新規分野に参入する動きが続いています。
②ヘルスケア・ライフサイエンス
医薬品製造施設・バイオ研究施設・病院のEPCを手がけます。感染症対策・高齢化社会への対応を背景に、製薬・医療分野のインフラニーズが高まっており、成長性の高い注力領域です。
③資源循環
廃プラスチックのケミカルリサイクルや、廃食用油を航空燃料(SAF)に転換するプロジェクトなど、サーキュラーエコノミーの実装に向けた事業開発が進んでいます。2023年には横浜赤レンガ倉庫のイベントで発生する廃食用油をSAFに活用する基本合意書を締結しており、国内実証事業が具体化しています。
④産業・都市インフラ
アジアを中心とした鉄道・空港・水処理施設のEPCです。新興国の都市化に伴うインフラ整備需要を取り込む領域であり、文系総合職が事業開発・プロジェクト調整として関わる機会も多いです。
⑤高機能材
触媒・ファインケミカル・ファインセラミックスの開発・製造・販売で、グループの製造業的側面を担います。継続的な研究開発投資が行われており、技術系の研究職キャリアを希望する学生に向いた領域です。
プラントエンジニアリング業界における位置づけ
日揮ホールディングスは国内プラントエンジニアリング業界において、売上高規模・海外実績ともに最大手の地位にあります。競合他社の千代田化工建設・東洋エンジニアリングと比較した場合、日揮はLNGプラント分野での世界的実績と、日本を拠点としたグローバル運営体制の強さが際立っています。プラント業界全体の構造と各社の強みを理解しておくことが、面接における「なぜ日揮なのか」という問いへの説得力ある回答につながります。
2026年度新卒採用の基本情報
日揮グループの2026年度新卒採用では、技術系と事務系合わせて145名が採用されています(参考:日揮ホールディングス 新卒採用情報、2026年度実績)。職種・採用人数・初任給の詳細を事前に把握した上でエントリーすることで、自身の志望職種に対する準備のピントが合ってきます。3トラック制の選考スケジュールについても早期に把握しておくことで、準備期間を最大限確保できます。
職種区分と採用実績人数
2026年度の採用実績は技術系131名・事務系14名の合計145名です(参考:日揮ホールディングス 新卒採用情報)。技術系の採用枠が圧倒的に大きく、理工系・農学系などの学部・大学院生が採用のメインターゲットとなっています。
技術系の職種は多岐にわたります。設計職(プロセス・制御・配管・機器・土木・建築・電気・システム等)、調達、品質管理、建設管理、試運転、メンテナンス、プロジェクトマネジメント、研究開発、営業が対象です。自身の専攻・研究内容と職種の対応関係を事前に整理した上で「希望職種を選んだ理由(200字)」に答える準備をしてください。
事務系は人事・経理・財務・法務・契約・広報・総務・ITなどのポジションで、採用枠は14名と非常に限られています。文系学生が日揮を志望する場合は、この採用枠の狭さを十分に織り込んだ複数社並行対策が現実的です。
初任給・給与水準
2026年度の新卒初任給は次のとおりです(参考:日揮ホールディングス 採用情報)。
| 学歴 | 月給 |
| 博士了 | 360,000円 |
| 修士了 | 330,000円 |
| 大学卒 | 300,000円 |
| 高専5年卒 | 260,000円 |
昇給は年1回(7月)、賞与は年2回(7月・12月)の体制です。令和5年4月には8年ぶりとなる基本給の一律賃上げ(ベースアップ)を実施しており、処遇改善への継続的な意思が示されています。福利厚生面では、独身寮・社宅制度・シェアオフィス・在宅勤務・ファミリーケア制度・WelcomeBack制度(育児・介護による退職からの復職支援)・レジャー施設宿泊(社員向け無料)などが整備されています。
3トラック選考スケジュール
日揮グループ技術系の採用選考は、以下の3トラックで展開されます(参考:日揮ホールディングス 新卒採用情報)。
- 技術系(早期トラック):2025年10月開始。インターンシップ参加者を対象とする早期選考ルートです。通常の本選考より早い段階で内々定が出る可能性があります。
- 技術系(中期トラック):2026年2月開始。インターン参加後に引き続き選考に進む学生が多いです。
- 技術系(後期トラック):2026年3月開始。一般的な就活解禁時期に合わせた標準スケジュールです。
- 事務系:2026年4月開始。
早期トラックの存在を知らずに準備が遅れるケースが多い領域です。理系学生でインターンシップへの参加を検討している場合は、秋以降のインターン募集情報をこまめに確認しておくことで選択肢が増えます。また、インターンシップへの参加自体が社員との接点を作り、職場のリアルな雰囲気を事前に把握する機会にもなります。
選考フローの全体像と各段階の特徴
日揮グループの新卒選考は、エントリーから内々定まで複数のフェーズにわたって評価が積み上がる構造です。一般的な大手製造業に比べると選考ステップが多く、各段階で問われる内容が異なるため、フェーズごとに準備のポイントを変えていく必要があります。就活ハンドブックに寄せられた学生の声によると、序盤の段階から「なぜ日揮なのか」という志望動機の核心部分への深掘りが行われることが多いと見られています。
エントリー・WEBセミナーの役割
エントリー後はまず、WEBセミナー・会社紹介イベントへの参加が求められます。業界・グループ全体・職種を深く理解する機会として有効に使う必要があります。この段階でグループ3社の役割の違い、5つの注力事業領域の方向性、自分の専攻や関心と接続できる職種を整理しておくことが、後続のES・面接準備を効率化します。
プラントエンジニアリング業界全体への理解を深めることが、「なぜプラント業界か」という問いに答えるための基盤になります。ゼネコン・機械メーカー・総合商社との違いを自分なりに整理したうえで、業界を選んだ理由を言語化する作業を早い段階で進めておくと、ES執筆時の軸がぶれにくくなります。
エントリーシートと適性検査(C-GAB)
ESの提出と並行して、適性検査(C-GAB)を受験します。C-GABはSHL社が開発したテストセンター型の適性検査で、言語・計数・英語の3科目で構成されます。プラントエンジニアリング業界では海外プロジェクトが基軸となる職種が多く、英語セクションのスコアも評価に影響すると考えておく方が安全です。
計数セクションはグラフや表の読み取り・計算を伴う問題が中心で、日頃からSPIや数的推理の演習を積んでいる学生は比較的対応しやすい傾向があります。一方、C-GAB独自の出題形式があるため、本番前に形式を把握した上で時間配分を練習しておくことが得点安定につながります。
ジョブマッチング面接の実態
ジョブマッチング面接は採用担当者と1対1で行われるオンライン面接で、所要時間は30分程度です。「なぜ日揮か」「希望職種を選んだ理由」「海外赴任への意向・抵抗感」「家族の理解状況」といった質問が中心となります。
この段階での海外勤務に関する確認は、日揮グローバルの事業が海外EPCを基軸としていることから避けられない質問です。「海外で働きたい」という意欲を示すだけでなく、「なぜグローバルな環境を求めるのか」「具体的にどの地域・事業領域に関心があるか」という背景まで準備しておくことで、面接官の納得感が高まります。就活ハンドブックに寄せられた学生の声でも、この段階での海外勤務意向の確認は複数の学生から報告されています。
部長面談と最終面接
部長面談は面接官5名程度で行われる約45分のオンライン面接です。研究内容の詳細・志望動機の具体性・プロジェクトへの貢献イメージが問われます。理系学生は専攻研究と日揮の事業領域(特に希望職種)との接点を、文系学生は職種選択の根拠と「なぜ日揮でその仕事をしたいのか」を論理的かつ具体的に説明できる準備が必要です。
面接官が複数名いる形式では、質問が複数の視点から飛んでくる可能性があります。研究内容については専門外の面接官にも伝わるよう、専門用語を使わない平易な説明も準備しておくことが得策です。
最終面接は20分程度の対面形式で行われます(会場:みなとみらいの日揮本社)。自己紹介・就活軸・他社選考状況・逆質問が主な内容です。最終面接まで進んだ段階で志望動機の評価は概ね完了しており、当日は人物面とカルチャーフィットの確認が主眼になるケースが多いと見られています。逆質問では、入社後の具体的な職種キャリアや海外プロジェクトへのアサインタイミングなど、実際に働くイメージを持っていることが伝わる質問を用意するとよいでしょう。
エントリーシートの設問と対策ポイント
日揮グループのESはフェーズ通過率が比較的高い傾向にあると見られていますが、それは内容が薄くても通過できることを意味しません。後続の面接フェーズで同じ内容を深掘りされるため、ESの段階から一貫性と具体性を持たせることが全体の選考対策において不可欠な要素となります。就活ハンドブックに寄せられた学生の回答例を参照しながら記述の方向性と分量のバランスを確認することで、精度を高めやすくなります。
4設問の内容と字数制限
日揮グループのESは以下の4設問で構成されます(参考:日揮ホールディングス 新卒採用情報)。
| 設問 | 字数制限 |
|---|---|
| 現在の研究テーマとその内容(学部生・高専生は学業で頑張ったこと) | 400字以下 |
| 希望職種を選んだ理由 | 200字以下 |
| 学生時代の取り組み(自己PR) | 400字以下 |
| 当グループへの志望理由 | 400字以下 |
字数制限がタイトな設問が多く、特に「希望職種を選んだ理由(200字)」は制限が厳しいため、何を最優先で伝えるかの取捨選択が求められます。文字数ぎりぎりまで使うことを前提に、読み手がすぐ理解できる文章構成にしてください。
4設問は互いに連動しているため、記述した内容同士に矛盾や乖離がないかを全設問を並べて確認する作業が有効です。研究テーマで示した専門性が希望職種と対応しているか、自己PRで示した強みが志望理由の中で活かせる形になっているか、という接続を意識することで全体の一貫性が生まれます。
志望動機の組み立て方
「当グループへの志望理由(400字)」は、4設問の中でも最も差がつく設問です。業界・企業・職種の3層を論理的に接続した構成で書くことが、面接官に「志望の必然性」を感じさせる上での基本線となります。
- 大規模インフラ×多職種チームでのものづくりへの関心(業種レベルの動機):「なぜ製造業でも商社でもなく、プラントエンジニアリングか」という問いへの答え
- プラントエンジニアリング業界を選ぶ理由(業界レベルの動機):社会的インパクトの大きさ・EPC一括体制での達成感・グローバルなプロジェクト環境等
- 日揮グループである必然性(企業レベルの動機):LNGプラントの世界的実績・エネルギートランジションへのコミット・みなとみらいを拠点とするグローバル体制・特定の事業領域(例:ヘルスケア・SAF)への共感
- 希望職種で実現したいこと(職種レベルの動機):専攻との接続・携わりたいプロジェクト・将来のキャリアイメージ
この4段階を400字でまとめる場合、各段落に1文〜2文を割り当て、具体性は最も差別化できる「なぜ日揮なのか」の部分に集中させることが得策です。千代田化工建設や東洋エンジニアリングとの違いを自分なりに言語化し、日揮固有の要素を取り上げることで、他の学生との差別化が生まれます。

監修者からのアドバイス
三好 達也(キャリアアドバイザー)
上記のESフレームで特に差がつくのは「なぜ日揮なのか」の部分です。同業他社と比較した際の日揮固有の強みを自分の言葉で語れていない状態で部長面談に臨むと、論理の弱さが露呈しやすくなります。志望動機の軸の整理が難しいと感じる場合は、キャリアアドバイザーとの面談を通じて業界比較・企業比較の視点を言語化する作業を一緒に進めることが、精度を上げる近道です。
研究内容・自己PRと職種選択理由の連動
「研究テーマ(400字)」と「希望職種を選んだ理由(200字)」は密接に連動させる必要があります。研究で培った知識・手法・問題解決のアプローチが、希望職種の仕事でどのように活きるかを示すことで、4設問全体の一貫性と説得力が増します。
就活ハンドブックに寄せられた学生の声からは、開発途上国における住民参加型のインフラ整備を研究テーマとした学生が、日揮の産業・都市インフラ事業や資源循環分野への強い関心と自然な形で結びつけてES設問全体を構成していた事例が確認されています。研究テーマが一見するとプラントエンジニアリングから遠い分野であっても、エッセンスの接続さえ丁寧に行えば説得力のある記述が可能です。
日揮が求める人財像と社風
日揮グループは公式採用ページで「人財」という表記を採用し、社員を企業価値を創り出す重要な存在として位置づけています。求める人財像は5項目で構成されており、選考全体を通じて各項目への適合度が評価されます。5項目を暗記するだけでなく、自身の学生時代の経験・取り組みを各項目と照らし合わせ、具体的なエピソードを引き出しに入れておくことが実際の面接で機能します。
公式に掲げる5つの人財像
日揮グループが採用ページで明示する「求める人財像」は以下の5点です(参考:日揮ホールディングス 新卒採用情報)。
1. 新たな領域・技術・手法に挑戦できる人
既存の方法にとらわれず、未経験の領域にも飛び込んでいける姿勢。変化の激しいエネルギー業界において、新技術への挑戦意欲は特に評価されます。
2. 社会への好奇心をもち、創造性を発揮できる人
社会課題に対して自らアンテナを張り、解決策を提案できる創造性。エネルギートランジション・脱炭素・食料安全保障など幅広い社会課題と日揮の事業がつながっています。
3. 多様な人や技術を結集できる柔軟性とリーダーシップをもてる人
異なる文化・専門性・立場のメンバーを束ねてプロジェクトを前進させる力。海外EPCでは多国籍チームを動かす調整力が実務の中核を占めます。
4. 困難があってもあきらめず最後までやり遂げる意欲をもてる人
数年〜10年に及ぶ長期プロジェクトを完遂させるための粘り強さと責任感。研究・部活・アルバイトでの長期的な取り組みのエピソードが説得力を持ちます。
5. 文化や立場の違う人を尊重し、高い倫理観をもって誠実に行動できる人
グローバル環境での信頼関係を築くための品格と倫理観。コンプライアンス・誠実さへの言及がES・面接で自然に滲み出る記述が求められます。
面接では、この5項目を裏付けるエピソードを具体的に語れるかが評価軸のひとつとなります。特に「多様な人を結集するリーダーシップ(3番)」は海外EPCを基軸とする日揮らしい項目であり、研究室のプロジェクト・国際交流活動・インターンシップ等での経験を通じてどう示すかを事前に整理しておくことが求められます。
就活ハンドブックに寄せられた学生の声から見えるカルチャー
就活ハンドブックに寄せられた学生の声からは、職場環境について「上司との距離が近く相談しやすい」「プロジェクト内で困っているとチームがフォローしてくれる雰囲気がある」「新規事業への挑戦機会が用意されている」といった言及が確認されています。助け合いの精神と新しいことへの挑戦を奨励するカルチャーが共通して語られています。
グローバル環境については、入社後比較的早い段階で海外プロジェクトへアサインされるケースが複数の学生の声から示唆されています。語学力・グローバル志向を持つ学生にとっては入社後すぐに実践的な国際経験を積める環境でもある一方、海外赴任を前提とした働き方への心理的・家庭的な準備も求められます。
就職難易度と採用大学の傾向
日揮グループはプラントエンジニアリング業界の中でも選考難易度が高い企業のひとつとして位置づけられています。採用枠に対してエントリー数が多いため、各選考フェーズで着実に通過していくための準備が求められます。就職偏差値ランキングにおいても業界内で上位グループに位置づけられており、その水準を正確に把握した上で対策の深度を決めることが効果的です。
文系・理系で大きく異なる競争状況
日揮グループへの採用難易度を理解する上で最も重要なのは、文系と理系で競争状況が根本的に異なるという点です。
技術系(理系)の採用枠は131名(2026年度実績)と比較的大きく、専攻別・職種別のマッチング選考が行われます。自身の専攻研究と希望職種が合致している場合は選考で有利に進められる可能性があります。ただし、技術系採用においても「なぜ日揮か」「海外勤務への意向」といった志望動機の確認は徹底して行われるため、研究内容と企業の事業領域をつなぐ作業は理系学生にも必要です。
事務系(文系)の採用枠は14名(2026年度実績)と非常に限られています。プラントエンジニアリングという業界への理解・志望動機の明確さ・コミュニケーション能力に加えて、グローバル対応のポテンシャル(語学力・海外経験)が選考で問われやすい傾向にあります。事務系志望の就活生は、日揮グループを第一志望に据えながら、採用枠の少なさを踏まえた並行対策を組んでおくことが現実的な選考設計です。
就活情報サイトのデータによると、一次面接以降の通過率は各フェーズで段階的に絞られる傾向があります。早期から選考対策を始め、ESの段階から面接での深掘りを見越した記述をしておくことが全フェーズを通じた精度向上に直結します。
採用大学の傾向と学歴フィルターの有無
過去の採用実績データを見ると、東京科学大学・横浜国立大学・東北大学・名古屋大学・九州大学・慶應義塾大学・早稲田大学などの名前が上位に並んでいます。技術系採用が多い構造上、理工系学部・大学院を擁する大学の占める割合が高くなっています。
明確な学歴フィルターの設定は公式には告知されていません。ジョブマッチング面接という職種別マッチング選考を行う構造上、専攻・研究内容・職種との適合度が重要な評価軸であることから、大学名単体よりも「何を学び・何を希望職種として・なぜ日揮か」を明確に語れるかどうかが通過の分かれ目になると考えられます。TOEIC・TOEFL等の英語スコアを早い段階で取得しておくことも、海外勤務意向を裏付ける材料として有効です。
競合他社との比較と差別化ポイント
プラントエンジニアリング業界を志望する就活生の多くが、日揮グループに加えて千代田化工建設・東洋エンジニアリングなどを並行検討します。複数社を受ける際には、各社の役割・強み・カルチャーの違いを整理した上で「なぜ日揮でなければならないのか」を自分の言葉で語れる状態にしておくことが、部長面談・最終面接での説得力を左右します。
千代田化工建設・東洋エンジニアリングとの違い
3社の主な差異は、事業の地理的重点・規模・注力分野・グループ親会社にあります。
日揮グループ
世界80ヶ国以上での実績を誇り、LNGプラントにおける世界的技術優位性を保有します。みなとみらいを拠点にグローバルエンジニアリングを展開し、エネルギートランジション・ヘルスケア・資源循環への多角化が最も積極的に進んでいる企業です。独立系の持株会社体制で、グループとしての事業多様性が高い点も特徴です。
千代田化工建設
LNG関連プロジェクトへの強みを持ちつつ、三菱商事グループの傘下にあります。グループ企業の安定的なバックボーンを持ち、商社グループとのシナジーを活かしたビジネス展開が特徴です。
東洋エンジニアリング
石油・ガス・化学・医薬品分野の中規模EPCに強みを持ちます。住友商事グループとの関係も深く、プロジェクトの規模感が日揮・千代田化工建設に比べてやや小さい分、比較的早い段階で特定フェーズの責任を任される環境があると見られています。
自分がどのような規模のプロジェクト・事業領域・グループ環境を求めるかを軸に、3社の中での優先度を整理してください。
プラント業界を選ぶ理由を面接でどう語るか
「なぜプラントエンジニアリング業界を志望するのか」という問いは、日揮の面接だけでなく、業界内の複数社を並行して受ける場合にも共通して問われます。ゼネコン・機械メーカー・総合商社等との比較において、「大規模インフラを設計から建設まで一貫してチームでリードできる業界」という軸を持つことが基本的な答えの枠組みになります。
その上で「なぜ日揮なのか」という企業固有の理由として、以下のような視点が差別化につながります。
- エネルギートランジション分野(CCS・SAF・グリーンアンモニア等)への具体的なコミットメントが業界内で最も先行している
- 世界80ヶ国以上の実績に基づくLNG技術の優位性
- みなとみらいを拠点とし、日本からグローバルエンジニアリングを動かすという働き方の魅力
- 若い段階でのグローバルプロジェクトへのアサイン機会の豊富さ
面接官は「業界への関心」と「日揮への固有の理由」の両方を確認します。特定のプロジェクト事例や日揮の技術的強みに触れた上で「自分がそこで何を実現したいか」を語ることで、志望の具体性と熱量が伝わります。
入社後のキャリアパスと働き方の特徴
日揮グループへの入社後、キャリアは職種・配属先・海外赴任の有無によって多様な方向に展開します。技術系社員は特定職種でのスキルを深めながら段階的にリーダーポジションへ進むルートが基本であり、プロジェクトマネジメント職(PM)を目指すキャリアが技術系の代表的な上位ポジションです。文系社員は契約・調達・人事・法務等の部門でプロジェクト支援に携わり、グローバル業務へのアサインが生じます。新卒の就活生にとってはこのキャリアビジョンを面接で語ることが、長期的な志望動機として機能します。
技術系職種別のキャリア展開
技術系社員は入社後数年間、担当する特定のフェーズ(設計・調達・建設管理のいずれか)での専門スキルを習得します。プロセスエンジニア・配管エンジニア・電気エンジニア等の職種別に技術的な専門性を積み上げながら、徐々に複数フェーズを横断的に見るシニアエンジニア・リードエンジニアへとステップアップするのが一般的な流れです。
その先に目指すプロジェクトマネージャー(PM)ポジションは、数百億〜数千億規模のプロジェクト予算と多国籍メンバーを束ねる役割を担います。PMになるためには技術的な専門性に加え、スケジュール・コスト・品質・安全を統合的にマネジメントする能力が求められるため、入社後もトレーニングプログラムへの参加やOJTを通じたスキル習得が継続的に行われます。
研究職から始まり、応用研究→技術開発→事業化プロジェクトへという機能材製造事業側のキャリアパスも存在しており、理系学生が研究職として長期的に専門性を深める選択肢もあります。
海外赴任の実態と期間
日揮グローバルの社員は入社から数年以内に海外プロジェクトへアサインされるケースが多く、赴任期間は数ヶ月から複数年と案件の規模・フェーズ・担当職種によって異なります。建設管理フェーズでは現地に長期滞在するポジションが多く、設計フェーズではみなとみらいの本社から海外チームと連携しながらリモートで進める形態もあります。
就活ハンドブックに寄せられた学生の声では、若い段階からグローバルな実務経験を積めることを日揮選択の理由として挙げる学生が複数確認されています。一方で、ジョブマッチング面接・部長面談の双方で海外赴任への意向確認が行われているため、自身の価値観として「グローバルな環境で働くこと」をどう位置づけるかを事前に言語化しておく必要があります。語学力は英語が基本であり、プロジェクトによってはアラビア語・スペイン語・マレー語等の現地言語の習得が求められるケースもあります。
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まとめ
日揮グループは、国内プラントエンジニアリング業界の最大手として、エネルギートランジション・ヘルスケア・資源循環など時代の要請に即した5領域での事業拡大を進めています。2026年度の採用実績は技術系131名・事務系14名の計145名で、初任給は修士了330,000円・大学卒300,000円と設定されています(参考:採用情報)。技術系早期選考は2025年10月からスタートするため、インターンシップへの参加を軸にした早期の準備が選択肢を広げます。
選考突破のポイントは「なぜプラント業界か→なぜ日揮か→なぜその職種か」という3層の志望動機を自分のエピソードと結びつけて論理的に語れるかどうかです。ES4設問は字数制限が厳しいため、優先して伝える要素を絞り、面接での深掘りを意識した記述が求められます。ジョブマッチング面接から最終面接まで一貫した志望の軸を維持することが各フェーズの通過率向上に直結します。理系学生は専攻との職種マッチングを早めに整理し、文系学生は事務系採用枠の少なさを踏まえた複数社対策を組んでください。就活ハンドブックに寄せられた学生の声を参考にしながら、自分なりの「日揮らしさ」を言語化する作業を積み重ねることが選考突破への道筋です。






