【企業研究】日本ペイントホールディングスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2023年10月4日更新

はじめに

日本ペイントホールディングス(日本ペイントホールディングス株式会社)は、国内の塗料業界における最大手の企業です。明治から続く老舗であり、国内外の多数の企業とともに日本ペイントグループを形成しています。塗料業界のリーディングカンパニーとして、幅広い領域のニーズに対応しながら、グローバルに事業を展開しているところです。

 

そこで本記事では、日本ペイントホールディングスの企業研究を行います。事業内容・業界での立ち位置など基本的な内容から、新卒選考フロー・求める人材・採用大学など選考対策に役立つ情報まで、詳しく解説します。

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塗料業界

日本ペイントホールディングスが属する塗料業界は、塗料の開発・製造・販売などを担う業界です。自動車業界・建設業界・印刷業界など、さまざまな業界に製品を供給しており、私たちの生活にも非常に密接に関わっています。

 

塗料業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!

【業界研究ガイド】業界一覧

事業内容

続いて、日本ペイントホールディングスにおける主な事業領域を紹介します。

建築構造物用塗料

 

戸建て・集合住宅・ビル・公的機関など、多様な建築物で使用される塗料の製造・販売を行っています。そこで過ごす人たちにとって安全かつ快適で、見た目により心地よさを感じられるような、高品質・高機能な製品が提供されています。また、建築物の外壁について、天候や温度・湿度変化によるダメ―ジから建物を守り、景観を整え、かつ環境への配慮も行き届いた製品が豊富です。

 

自動車用塗料

 

自動車用塗料の製造・販売も主要な業務の1つです。塗料によって車体をコーティングし、耐久性や見た目の美しさなどを付加します。自動車製造は日本が世界に誇る産業のひとつであり、日本ペイントホールディングスもその発展において大きな役割を担っています。

 

工業用塗料

 

建設用・農業用・鉄道用・オフィス用・家庭用などさまざまな機器の塗料を提供しています。金属製品をコーティングしダメージから守りつつ、環境への配慮も忘れない他方面に優しい製品が充実しています。

 

表面処理

 

素材の表面に特殊な処理を施す事業です。表面に直接機能を付与するコーティングや、塗料との密着度をアップする下地被膜など、塗料との親和性も意識しながら表面素材の機能を高める技術を発揮しています。

 

船舶用塗料

 

日本ペイントホールディングスの創業時から続くのが船舶用塗料の開発・製造事業です。四方を海に囲まれた日本の物流や移動を支える造船・海運業において、船体塗装の面から力強くサポートし続けています。近年は海に溶け出さず防汚性と機能性を兼ね備えた、従来よりさらに環境にやさしい製品なども開発し、注目を集めました。世界中に多数の拠点を構え、グローバルに船舶の活動を支えています。

 

家庭用塗料

 

消費者がDIYなどで使用できる家庭用塗料を製造・販売しています。抗ウイルス・抗菌コーティングなど、家庭のニーズや問題解決にマッチした機能性の高い製品がラインナップされています。塗料の塗布に関して専門的な知識がなくても取り扱いやすいよう、塗りやすさなどを意識している点も特徴です。

 

塗料周辺事業

 

塗料と一緒に使用することの多い製品の製造・販売など、塗装周辺事業にも力を入れています。具体的には、SAF(密封材・接着剤・充填剤)、CC(建設化成品)、ETICS(断熱材)など、建設資材として使われるものが中心です。これらの周辺製品は、日本だけでなく海外にも数多く供給されています。

 

参考:事業領域 日本ペイントホールディングス

新卒選考フロー

日本ペイントホールディングスでは、次のような流れで選考が進むのが基本です(ただし、募集のタイミングや職種などによってフローは変わる可能性もあります)。

 

エントリー&エントリーシート提出

 

まずは日本ペイントホールディングスの採用情報ページからエントリーを行います。エントリーが完了したらエントリーシートの提出です。エントリーシートには、自己PRの他、日本ペイントホールディングスに関して詳しく聞きたいことなどを問う内容もあるようです。

 

面談&筆記試験

 

日本ペイントホールディングスでは、応募者としっかり向き合うという目的のため、面接はすべて個人面接です。人事担当者とカジュアルにやり取りする1次面接、人事・各部門マネージャーとの2次面接、応募した職種の部門トップとの最終面接と、段階を経ながら応募者と企業のマッチングを見極めていきます。面接では、志望動機や企業研究の内容、将来なりたい社会人像などの他、技術系職種では学生時代の研究テーマなどについて尋ねられることもあるようです。なお、WEBテスト(Q_DOG・SCOA形式)の受検も必要です。

 

参考:第二新卒【自動車用塗料】開発・技術サービス職(立邦塗料へ転籍) 日本ペイントホールディングス

社風

ここからは、日本ペイントホールディングスの主な社風を紹介します。

穏やかに働ける職場環境

 

業務にあまり激しいアップダウンはなく、良くも悪くも穏やかに働ける環境です。職場の雰囲気はアットホーム寄りで、人柄が良くコミュニケーションを取りやすい社員が多く見られます。コツコツ堅実な仕事はしやすい反面、やる気をチャレンジに還元してアグレッシブに活躍していきたいと望む人などは、希望する働き方とのギャップが生じるかもしれません。ただし、挑戦する機会が全くないわけではないので、行動次第で実力勝負をしていくことも可能でしょう。

 

ワークライフバランスを意識しやすい

 

ワークライフバランスがかなり意識しやすいという声もよく聞かれます。休日が非常に取得しやすいようなので、仕事とプライベートの両立も難しくないと考えられます。女性社員数はそう多いわけではありませんが、女性が活躍しやすい環境も整っているようです。

求める人材

日本ペイントホールディングスは、採用サイトにおいて自社が求める人材像を明確に示しています。具体的には、自社がモノづくりを通して社会で重要な役割を果たす存在だと自覚した上で、モノづくりに興味関心を持ち、自ら考え行動できる・チームワークを意識できる・業務の達成に向け熱意を持てる・明るく誠実でいられるなどの素養を有する人です。

 

日本ペイントホールディングスは、塗料を通して幅広い分野に存在する自社の顧客のニーズに、細やかに応え続けてきました。このスタンスを今後も持続し、さらに社会に貢献していくためには、さまざまな視野で物事を見定めながら、モノづくりを追及していく姿勢が必要なのでしょう。

 

参考:求める人材像 採用情報 日本ペイント株式会社

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

会社名 売上高 平均年収 就職偏差値・難易度 社風
日本ペイントホールディングス 1兆3,099億円 898万円 61 ワークライフバランスに強い
関西ペイント 5,090億円 783万円 60 チームワークが良い
中国塗料 994億円 689万円 53 体育会系で風通しは良い
エスケー化研 955億円 566万円 55 日系企業の体質が色濃い

 

財務情報の比較(売上)

 

日本ペイントホールディングスとの比較対象としてピックアップしたのは、国内の塗料業界を代表する大手各社です。業界の最大手が日本ペイントホールディングスであり、売上高・シェアともに群を抜いています。なお、4社とも2022年度の業績は軒並み好調です。

 

売上高増は、近年の物価高騰により商品の販売価格もアップしたことなどが大きく影響しています。塗料業界全体としては、海外各国の経済成長に伴い塗料の需要が増えており、グローバルな展開に大きく舵を切る企業が多いようです。

 

社風の比較

 

塗料業界の社風は企業ごとの違いが目立ちます。例えば保守的な体質が少し強いのは、日本ペイントホールディングスやエスケー化研です。挑戦の機会を得ることは可能ですが、どちらかというと、既存の事業にとことん向き合いたい人に適した環境と言えるでしょう。対して、挑戦的な姿勢が少し強いのが関西ペイントや中国塗料です。自分の実力次第で華やかに活躍していける職場を求める人は、こちらの企業が肌に合っているかもしれません。

 

就職偏差値

塗料業界の就職偏差値は、トップクラスの大手がやや難しく、後は選考対策次第で食らいついていけるレベルと考えられます。業界最大手の日本ペイントホールディングスが最も就職は難易度が高いと言えるでしょう。採用人数がグループで例年50名前後と少なめです。派手さはない業界ですが、日本ペイントホールディングスは経営が順調であり、また平均年収も業界では高めの水準なので、今後さらに就活生からの人気が高まることもあり得ます。

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採用大学

日本ペイントホールディングスで採用実績のある大学の例は次の通りです。

愛媛大学、大阪市立大学、大阪大学、岡山大学、お茶の水女子大学、香川大学、鹿児島大学、金沢大学、関西大学、関西学院大学、学習院大学、九州工業大学、九州大学、京都工芸繊維大学、京都大学、熊本大学、慶應義塾大学、神戸大学、国学院大学、国際教養大学、埼玉大学、滋賀大学、静岡大学、島根県立大学、首都大学東京、信州大学、上智大学、成蹊大学、千葉大学、中央大学、筑波大学、東京工業大学、東京大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、徳島大学、同志社大学、長崎大学、名古屋工業大学、名古屋大学、奈良先端科学技術大学院大学、新潟大学、日本大学、広島大学、福井大学、法政大学、北陸先端科学技術大学院大学、北海道大学、明治大学、山形大学、山口大学、横浜市立大学、立教大学、立命館アジア太平洋大学、立命館大学、和歌山大学、早稲田大学 など(五十音順)

エリアは偏りなく、全国各地から学生を採用しているようです。国内の難関大学や有名私大の名前も見られますが、中堅大学やローカルな大学からの採用も複数見られます。このような実績を鑑みると、日本ペイントホールディングスには学歴フィルターは存在しない可能性が高いと考えられます。

組織体制の見直し・変更により採用活動が一時見送りに

ダイヤモンド社が作成した国内化学メーカーの2022年平均年収ランキングでは、日本ペイントホールディングスは第4位と高い順位にランクインしています。富士フィルムや三菱ケミカルグループなど、名だたる国内大手企業に次いでの高水準であり、塗料業界トップ企業の底力が感じられます。

 

一方で、日本ペイントホールディングスは、組織体制の見直し・変更などに伴い、2023年度の新卒採用を見送っています。この体制変更によって、グループ内の会社分割や事業継承などを行い、事業の効率化や会社機能の明確化を狙うようです。なお、今度新卒採用が全く行われないわけではなく、随時採用情報ページでお知らせをしていく模様です(また、中途採用は変わらず行われています)。

 

日本ペイントホールディングスへの就職を目指している学生は、更新される新卒採用関連情報を逐次チェックしながら、動向を見守る必要があります。

 

参考:年収が高い化学メーカーランキング2022最新版【208社完全版】1000万円超はたった1社(ダイヤモンドオンライン)日本ペイントグループ 組織体制変更にともなう採用活動の変更・お知らせ日本ペイントHD、今年度の新卒採用見送り 中途採用重視(日刊工業新聞)

まとめ

日本ペイントホールディングスは、創業から約130年の長きに渡り、日本を塗料製造・販売の面から支え続けてきた企業です。塗料は私たちの生活にも、さまざまな産業においても必ずなくてはならないものであり、今後も塗料業界の重要性が失われることはないでしょう。縁の下の力持ちのように、堅実に社会に貢献する日本ペイントホールディングスは、これからの世の中でも引き続き、社会に求められ続ける企業です。ぜひ今回の記事を参考に、さらに企業研究を深めてみてください。

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