【企業研究】三菱倉庫の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年9月30日更新
はじめに
三菱倉庫(三菱倉庫株式会社)は、倉庫事業を中心とした物流事業などを行う大手企業です。三菱グループに属しており、グループの中でも古くに創設された老舗企業でもあります。大手企業グループの組織力を活かしつつ、国内外の多数の拠点を運市ながら、グローバルな物流を展開しています。
今回は、そんな三菱倉庫の企業研究記事です。事業内容や業界大手との比較など、基本的な企業情報の他、新卒選考フローや採用大学といった選考対策に役立つ内容も解説します。
倉庫業界
倉庫業界とは、倉庫を管理し、物品の保管や供給などを行う企業の属する業界です。物流業界と密接な関係にあり、倉庫事業は物資輸送の拠点として重要な役割を果たしています。
海運業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
事業内容
それでは、三菱倉庫の主な事業内容を紹介します。倉庫事業を中心に、国内外の物流を多様な方向から支える総合力、豊富な実績やネットワーク、技術力を駆使した高クオリティな業務が大きな魅力です。
倉庫事業
国内外の倉庫の保有・管理・運用を行う事業です。国内においては全国各地に倉庫・配送センターを有しています。保管・輸配送・流通加工・情報システムによる管理など、総合的なロジスティクスサービスを展開し、物流を支えています。また、これまでの経験を活かし、顧客のニーズに適した物流サービスの提案も行っています。
海外においては、アメリカ・中国・シンガポール・タイ・ベトナム・イタリア・オランダなど、各地に拠点を置き、グローバルな物流事業を展開しています。なお、倉庫の運営の他、電子機器の修理センター運営や工場の賃貸業務など、物流から派生した事業も行っています。
国際輸送事業
海上輸送・航空輸送・大型や重量物の輸送・通関手続きなど、グローバルな輸送サービスやそれに付随する業務を行っています。物流のスペシャリストとして多様なサプライを供給し、顧客のニーズに細やかに対応できる点が強みです。また、複雑に絡み合う物流サービスの中から、顧客がニーズに合致するサプライチェーンを選び取るための、総合的なコンサルティングサービスも展開しています。
港湾運送事業
国内の主要港において輸送物の運送業務を担う事業です。コンテナ船・在来船など各種船舶への荷物の積み込み・取り下ろし作業を行っています。また、ターミナルでのコンテナ移動や陸上運送、船舶代理店業務など、港湾を経由する荷物に関する多様な業務を担っています。
不動産事業
全国各地のオフィスビル・商業施設・ホテル・賃貸マンションなど、多様な種類の不動産の建設・賃貸業務など、不動産事業も行っています。なお、三菱倉庫を母体に設立された「MLCベンチャーズ株式会社」において、倉庫事業や不動産事業などで培ってきたノウハウを活かしつつ、他のベンチャー・異業種企業などとの協業を行い、社会貢献につなげていくことを目指しています。
新卒選考フロー
続いて、三菱倉庫の基本的な新卒選考フローを紹介します。
エントリー
三菱倉庫の採用サイトからエントリーを行います。なお、複数の職種の応募がある場合でも、併願はできません。複数の職種に興味がある場合、この後の会社説明会などのタイミングで、どの職種に応募するか絞り込む必要があります。
会社説明会に参加
エントリーした人を対象に、会社説明会が実施されます。会社説明や社員同士の座談会、パネルディスカッション、質疑応答などが行われるようです。より具体的な業務内容や、現役で働く社員のリアルな声など、自分と企業の相性や採用された後の働き方などをイメージするために役立つ内容が盛り込まれています。
エントリーシート提出
エントリーシートを作成し提出します。エントリーシートでは、志望している業界や志望企業、学生時代に自分が力を入れて頑張ったこと、自分が企画した経験と内容などの質問があるようです。トリッキーな質問はほとんどなく、一般的な質問がなされます。
試験
三菱倉庫の選考では筆記試験が行われます。内容はデザイン思考テストで、デザインの投稿や他社のデザインに対する評価などの内容を求められるようです。デザイン思考テスト自体、そこまでポピュラーな試験ではないため、選考経験者からは、事前にデザイン思考テストについてもっと情報を得ているべきだったとの感想も多く見られます。
また、選考によっては適性検査(形式は玉手箱)が実施されることもあります。
面接
最後に複数回の面接が行われます。1次・2次・最終面接などがあり、職種や選考状況によって、回数は変動するようです。また、個人面接と集団面接のどちらも実施される可能性があります。面接では、志望動機や自己PR、入社したら希望する業務、企業研究の内容、学生時代に力を入れて取り組んだこと、最近のニュースの話題など、ベーシックな質問が多いようです。
社風
基本は保守的な社風です。年功序列で、上下の風通しはそこまで良いわけではないようです。ただし、社員は真面目・堅実・穏やか・礼儀正しいという、好印象な人柄を持つタイプが多く、人間関係やコミュニケーションなどは良好な状態を保てます。おっとりとした職場で、良く言えば平和、向かない人にとっては物足りない環境だと感じやすいでしょう。反対に、あまり極端な変化がない中で堅実に業務をこなしていきたいという人には、マッチしやすい環境だと言えます。
保守的であまり変化を好まない社内の雰囲気もあるものの、近年では積極的に挑戦しようという方向性も意識しているようです。ただし、現状維持という空気が強いため、なかなか劇的な変化は生まれない現状があります。財閥系企業であり、安定感は抜群です。
求める人材
三菱倉庫は、自社の行動基準を念頭に置きながら、自社だけでなく社会の発展のために行動できる人を、社員に求める人材像として設定しています。三菱倉庫が掲げる行動基準には、信義を守ることや誠実・公正・自律的な行動、柔軟な対応、チームワークなど、会社で働く上で欠かせない基本的な姿勢や考え方が挙げられています。国内の物流を真摯に支える三菱倉庫の企業姿勢が表れているような基準です。
なお、入社時点で専門的なスキルを必ずしも求められることはありませんが、入社後は業務上のニーズに最大限応えていけるよう、ビジネススキルや業務に関連する専門スキルなどの育成研修が豊富に用意されています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
三菱倉庫 | 3,005億円 | 876万円 | 64 | 保守的で穏やか |
郵船ロジスティクス | 8.624億円 | 710万円 | 68 | 堅実さと自由さのバランスが良い |
近鉄エクスプレス | 1兆809億円 | 810万円 | – | チャレンジ精神豊富で勢いがある |
財務情報の比較(売上)
三菱倉庫との比較対象に挙げた2社は、倉庫業界の大手でトップクラスに位置する企業です。三菱倉庫も倉庫業界の中では大規模に事業を展開する大手企業に入りますが、2社はその上を行く規模です。郵船ロジスティクスは海運業の最大手の1つである日本郵船の完全子会社であり、日本郵船における物流事業の中核を担う存在です。また、近鉄エクスプレスは倉庫業界の売上高トップを走る企業で、世界中を股にかけ総合的な物流事業を展開しています。どちらも三菱倉庫より事業規模が大きく、規模がそのまま売上高に反映されているような形です。ただし、三菱倉庫は財閥系企業ならではの地盤の固さで、例年安定的な売上をあげています。
社風の比較
社風は比較に挙げた3社それぞれでかなり異なります。具体的に違うところは、保守的か変化を求めるかという点です。三菱倉庫はベーシックな日系企業と言えるような保守的な社風が特徴。真面目で穏やかな社員が多く、現在の業務を堅実にこなしていくことが得意なタイプです。一方対極のような社風が近鉄エクスプレスで、チャレンジ精神が強く、勢いで押していく傾向にあります。失敗を恐れずまずはやってみようという寛容な雰囲気も。三菱倉庫と近鉄エクスプレスの中間のような社風が、郵船ロジスティクスです。
3社とも、人柄が良い人材が多いという点は共通していますが、業務に対する姿勢に大きな違いがあるので、自分が望む働き方ができるのはどのような社風か、検討する必要があるでしょう。
就職偏差値
就職偏差値については、詳しい情報がない企業もありますが、やや高めの傾向にあるのではと考えられます。三菱倉庫は国内有数の企業グループである三菱グループに属しており、例年就活生に人気です。また、郵船ロジスティクスは親会社である日本郵船の就職偏差値が非常に高いため、グループ内の物流事業の中核的存在である当該企業も就職は容易でないと予想されます。近鉄エクスプレスは2023年3月期に売上高が初の1兆円超えとなり、業績が好調です。具体的な就職偏差値は不明ですが、今後就活生からの人気が高まる可能性もあるでしょう。
採用大学
三菱倉庫で採用実績のある大学の例は次の通りです。
青山学院大学、大阪大学、大阪市立大学、大阪薬科大学、関西大学、関西学院大学、九州大学、京都市立大学、京都大学、群馬大学、慶應義塾大学、甲南大学、神戸大学、神戸市外国語大学、神戸女学院大学、滋賀大学、上智大学、成蹊大学、千葉大学、中央大学、筑波大学、津田塾大学、東京大学、東京海洋大学、東京外国語大学、東京農業大学、東京理科大学、同志社大学、東北大学、長崎大学、名古屋大学、南山大学、日本女子大学、一橋大学、兵庫県立大学、広島大学、フェリス女学院大学、北海道大学、明治大学、明治薬科大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学 など(五十音順)
難関大学や有名私大など、いわゆる高学歴にカテゴライズされる大学もありますが、同じくらい中堅レベルな大学やローカルな大学も見受けられます。地域に関しても全国各地のさまざまなエリアから学生を採用している印象です。
また、薬科・海洋・外国語・農業・理科など、特定分野に強い大学からの採用も多く見られます。このような傾向を鑑みると、三菱倉庫は学歴フィルターを設けず選考を行っている可能性が高いでしょう。地方の大学出身者や、中堅レベルの大学の就活生なども、選考対策次第で十分採用獲得の可能性はあります。
労働安全対策のさらなる充実を目指し教育ツールを導入
三菱倉庫は労働安全対策の拡充を目的に、2022年11月から動画配信型サービス「LaKeel Online Media Service」の運用を行っています。こちらのサービスはeラーニングできる教育ツールで、全従業員約1.000名を対象に運用しています。
さまざまな物品を保管・管理を担う三菱倉庫の事業には、業務中にミスや事故によって従業員の健康が脅かされるリスクもあります。従業員の安全を守るためには、安全な職場環境を整えるとともに、従業員の労働安全対策の意識も高めていかなければいけません。このような従業員向けの教育ツールを用いて、従業員1人1人の意識の底上げを行うことも重要です。
従業員の能力開発に力を注ぐ傾向にある三菱倉庫ですが、安全面からも快適に働ける環境を整える意識が高く、従業員に真摯に向き合う企業だと考えられます。
まとめ
三菱倉庫は国内外の倉庫業界や物流業界において、存在感を放つ大手企業です。社会の情勢が今後変化したとしても、物流の重要性が失われることはないでしょう。社会に供給される全ての物資の輸送や輸送拠点を支える、世の中になくてはならない存在として、三菱倉庫は今後も持続的に事業を展開していくはずです。ぜひ今回の記事を参考に、三菱倉庫の企業研究をさらに深めて、採用獲得を目指すか具体的に検討してみてください。