【企業研究】日本触媒の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年8月17日更新
はじめに
就活を成功させるためには企業研究が必須です。企業研究を入念にしている就活生とそうでない就活生を比べると、前者のほうが発言内容に説得力があります。また、入社後にギャップで苦しまない可能性が高いのも企業研究を入念におこなった就活生です。
ここでは日本触媒について徹底解説します。日本触媒が気になっている方、選考に進もうとお考えの方は、ぜひご確認ください。
化学メーカー業界
日本触媒は化学メーカー業界に属する企業です。化学メーカーとは化学反応を用いて材料や製品を製造する業界を指します。化学メーカーは化学の知識が必要なことから、化学を専攻している就活生から人気が高いです。
化学メーカー以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
事業内容
日本触媒は主に5つの事業をおこなっています。それぞれどのような事業であるのかを確認し、入社後はどの事業に携わっていきたいのかを考えていきましょう。
–日本触媒 個人投資家の皆様へ 初めての人でもよくわかる日本触媒
事業分野①生活消費財・建材分野
生活消費財・建材分野では紙おむつなどに使用される高吸水性樹脂や家庭用・工業用の洗浄成分、建築外装用塗料、コンクリートを作るための混和剤用ポリマーなどを供給しています。このように日本触媒はBtoBとBtoCのどちらもおこなっている企業です。
具体的な製品には以下のようなものがあります。
- アクアリック CA
- HIDS
- ソフタノール
事業分野②情報ネットワーク分野
情報ネットワーク分野は半導体やイメージング領域の品質向上に貢献している事業です。液晶パネルに利用される光学フィルム用樹脂や3Dプリンター用素材などを提供しています。日常生活で直接的に関わることはあまりありませんが、どのように活用されているのかは選考前に確認しておきましょう。
具体的な製品は下記のとおりです。
- アクリビュア
- シーホスター
- ジルコスタ―
事業分野③エネルギー・資源分野
エネルギー・資源分野ではリチウムイオン電池や燃料電池の材料(イオネル)を供給し、エネルギーの有効活用に貢献しています。EV車に必要なリチウムイオン電池は高温下で劣化しやすく、低温下で性能を発揮しにくいといったことが課題です。日本触媒のイオネルは広い範囲で品質が安定しており、急激に普及が進むEV車に効果的であると注目を集めています。
事業分野④環境分野
環境分野では環境浄化をおこなえる製品を供給しています。環境分野で供給している製品は自動車ガス処理や排水処理、ダイオキシンの除去など幅広い環境分野に利用されています。また、前述のEV車のように間接的に環境保全をおこなっていることもあり、環境保全に関わることもできる企業です。
事業分野⑤ライフサイエンス分野
ライフサイエンス分野では中分子原薬の受託製造をはじめとする医療・創薬支援事業を展開しています。また、化粧品原料や食品添加物など日常生活でも関わる製品の開発・販売もおこなっています。具体的な製品は下記のとおりです。
- ポリビニルピロリドン
- ジルコスタ―
- 多機能性ポリマー
- 分岐型界面活性剤
新卒選考フロー
内定を獲得するためには選考1つ1つを入念に対策することが重要です。また、希望する職種が募集されているのかどうかも確認しておくことが重要になります。ここで、日本触媒の選考フローがどのようになっているのかを確認しておきましょう。
募集職種
募集形態は事務系と技術系の2形態です。事務系は営業、総務、法務、人事、財務など、技術系は研究開発・企画、生産技術、プロセス設計などの職種があります。さらに、技術系は化学系エンジニア系に分別されます。なお、応募資格として技術系は教授推薦を受けられる方とあるため注意が必要です。
日本触媒の選考を受ける際にはどの職種に就きたいのか、なぜその職種なのかを伝えられるようにしておきましょう。また、技術系は化学・化学工学系と機電系で分けられているため、自分の専攻とマッチしているほうはどちらであるのかも考慮が必要です。
選考フロー
日本触媒の選考フローは事務系、技術系(化学・化学工学系)、技術系(機電系)の3つにわけられます。それぞれの選考フローは下記のとおりです。
事務系
- ES提出・動画選考
- 先輩社員座談会
- 面談(複数回)・適性検査
- 最終面接
技術系(化学・化学工学系)
- 応募書類受付
- 書類選考
- 技術面接・適性検査
- 最終面接
技術系(機電系)
- ES提出
- 書類選考
- 技術面接・適性検査
- 最終面接
適性検査はSPIのWEBテスト型です。試験科目は言語・非言語・性格検査と一般的なものになっています。ESの設問例は下記のとおりです。
- 就職活動における企業選びの軸についてご記入ください(300文字以内)
- 大学生時代に力を入れた活動を、その活動の中で直面した困難を乗り越えたエピソードとともにご記入ください(500字以内)
このようにESでは企業選びの軸が日本触媒とマッチしていることを伝えなければなりません。また、過去のエピソードも単に成功したことではなく困難を乗り越えた経験であることが必要です。さらに、技術系である場合は研究内容についても問われるため、研究を初めて聞いた方でもわかりやすく説明できるよう準備しておきましょう。
動画面接については下記の記事で解説していますので、ぜひご確認ください。
給与水準
日本触媒の給与水準は下記のとおりです。
- 高校卒:199,000円
- 高専本科卒:216,600円
- 学士・高専専攻科卒:239,800円
- 修士了:255,400円
- 博士了:279,400円
昇給は4月の年1回、賞与は7月と12月の年2回です。住宅関連の手当としては家賃補助制度、寮・社宅制度、社内融資、ふるさと融資などがあります。大卒の初任給平均は228,500円であるため、日本触媒の初任給は水準どおりです。
社風
マイナビ2024に掲載されている取材・特集にて現役社員が社風を下記のように答えています。
- 社員の成長を温かくサポートする社風
- 自己研鑽を積むのに適した制度が豊富
口コミサイトでは下記のような意見が見られました。
- 保守的
- まじめで上下関係がフラット
- ボトムアップであり部下が主体となって改善活動をおこなう
- 周囲の人と調和を測りながら仕事する傾向が高い
このように社内の雰囲気は良く、事業を円滑に進めることを重視することがわかります。一方で、チャレンジはあまりせず、変化を好む方には適していないと言えます。
社風がマッチしているかどうかは個人によって異なるものです。自己分析が終わっていない方は、まずは自己分析をおこない、どのような社風の会社が合っているのかを確認できるよう準備しておきましょう。
求める人材
日本触媒は採用メッセージとして以下のものを公表しています。
私たち日本触媒は、社員一人ひとりの深層にある「多様性」を尊重していきながら、それぞれの能力を最大限に引き出していくことを大切にしています。そして社員たちには、自らの役割を認識してもらい、常により良い方法を考え、行動に移してもらうことを期待しています。
一人ひとりが輝き、お互いが認め合い、刺激しあうことで、人として、企業としての成長に変えていく。そんな環境がここにはあります。
ここからわかるとおり、多様性を重視しています。そのため、自分自身も多様性を認めるような人であることが求められている可能性が高いです。
また、終活ナビサイトであるリクナビには下記のものを求める人物像として掲載しています。
- 自ら課題を形成し、解決できる自律型人材
- 自己および組織を柔軟に変革できる人材
- 高度の専門性を有し、発揮できる人材
- 国際社会に通用する人材
自律性、専門性、グローバル力の3つが重要視されています。専門性は研究内容で伝えることができ、自律性やグローバル力は過去のエピソードや面接で伝えることが可能です。この3つを意識し、どれを今伝えているのかを考えると面接官へ効果的にアピールできる可能性が高まります。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
日本触媒の業界内での立ち位置は下記のとおりです。ここでは日本触媒と同じ素材メーカーであるダイセル、カネカ、クラレを選定しています。
会社名 | 売上高 (百万円) | 平均年収 (万円) | 就職偏差値・ 難易度 | 社風 |
日本触媒 | 419,568 | 759 | 58 | 保守的、風通しが良い |
ダイセル | 538,026 | 739 | 60 | 元気が良く、体育会系な風土 |
クラレ | 756,376 | 691 | 62 | 少数精鋭主義であり、個人の仕事の範囲が広い |
カネカ | 755,821 | 755 | 61 | 事業部によって保守的・挑戦的が異なる |
表からわかるとおり、日本触媒は平均年収が高水準です。また、就職偏差値も他社と比べるとやや低くなっています。ただし、平均年収や就職偏差値は対象とする職種によって大きく変わる可能性もあるため、あくまでも参考情報としてご確認ください。
なお、下記の記事では他の会社や他業界の就職偏差値をご紹介しています。選考に進む企業をより増やすため、下記の記事も確認しておきましょう。
【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング
採用大学
日本触媒の採用実績は下記のとおりです。
愛媛大学、大阪大学、大阪市立大学、大阪府立大学、岡山大学、鹿児島大学、金沢大学、関西学院大学、九州大学、京都大学、京都工芸繊維大学、熊本大学、群馬大学、慶應義塾大学、神戸大学、佐賀大学、静岡大学、信州大学、上智大学、千葉大学、中央大学、徳島大学、東京大学、東京工業大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、同志社大学、豊橋技術科学大学、名古屋大学、名古屋工業大学、一橋大学、兵庫県立大学、広島大学、北海道大学、三重大学、明治大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学
また、2022年度における採用大学ランキングは下記のようになっています。(1名以上)
- 京都大学大学院: 5名
- 大阪公立大学大学院: 4名
- 名古屋大学大学院: 3名
- 大阪大学大学院: 3名
- 広島大学大学院: 3名
- 関西学院大学: 3名
- 慶応大学: 2名
- 東北大学大学院: 2名
- 神戸大学大学院: 2名
- 九州大学大学院: 2名
- 横浜国立大学: 1名
- 同志社大学: 1名
ランキングから大学院からの採用が多いことがわかります。また、採用実績とランキングの両方を確認すると有名私立大学や国立大学からの採用が目立ちます。このことから日本触媒は学歴による足きりがある可能性があります。採用実績に自身の大学名が無い場合は、学務課などで過去に採用実績がないのか確認しておきましょう。
ホットニュース
日本触媒のホットニュースには下記の2つがあります。
ニュース①「FTSE4Good Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に選定
「FTSE4Good Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」は環境・社会・ガバナンス(ESG)の対応に優れた企業が選定されるインデックスです。とくに、「FTSE Blossom Japan Index」は年金積立金管理運用独立行政法人が指数の1つとして採用するなどESG投資において重要な判断材料となっています。
このように日本触媒はESGに高い評価があり、ESG投資がなされる可能性が高いです。企業の情報はこのように第三者からの評価も高いのかを確認しておきましょう。
ニュース②姫路科学館「科学の屋台村」出展
日本触媒は2023年7月22日・23日において姫路科学館にて出展をしています。このようにBtoBでありながら地域との関わりも持っている企業です。さまざまなイベントをおこなっているため、選考に進む前にどのようなものがあるのかを1度は確認をしておきましょう。
まとめ
今回は化学メーカーである日本触媒の企業情報、就活情報について解説しました。日本触媒は製品の原材料からエネルギーまで多岐にわたる事業をおこなっています。
そして、技術力の高さからさまざまな企業が利用しているため、今後も取引が続く可能性が高いです。社風ややりたいことが日本触媒とマッチしている場合は選考対策を始めていきましょう。