はじめに

就活を成功させるためには企業研究が必須です。また、その企業についての情報だけでなく、選考フローがどうなっているのか、どのような対策を取れば良いのかを確認することは内定獲得に直結します。

そこで、ここでは東洋水産の企業情報と選考情報について解説します。東洋水産の選考を受ける予定の方、自分に合っている企業をお探し中の方は、ぜひご確認ください。

水産業界

東洋水産は食品業界中の水産業界に属する企業です。水産業界は海から取れる食品を加工・販売している業界であり、日常的にも利用されています。また、日常生活でも触れる機会が多いことから就活生から人気が高い業界です。

食品・水産以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください！

【業界研究ガイド】業界一覧

事業内容

事業内容を確認することで就職後に携わる業務を知ることが可能です。また、事業内容をしっかりと確認することで入社後にギャップで苦しんでしまう可能性を低くすることができます。ここで、東洋水産の事業内容を確認し、社会人として関わりたいものがあるのかどうかを考えていきましょう。

–東洋水産　事業内容

①国内即席麺事業

国内即席麺事業はお湯で作ることができる麺（カップ麺）を開発・販売している事業です。東洋水産の国内即席麺事業は1961年に開始しており、現在に至るまで長期間にわたって支持され続けています。ロングセラーとなっている主力商品には以下のような商品があります。

• 赤いきつね
• 緑のたぬき
• マルちゃん正麺
• ワンタン
• ごつ盛り焼きそば

②低温食品事業

低温食品事業は生麺・冷凍めんならではの本格感と簡便性を重要視し、商品拡大を進めている事業です。また、健康ニーズに対しても取り組んでいます。さらに、東洋水産の低温食品事業では他売り場とのクロス販売可能な商品を拡充し、市場全体の底上げを図っていることが特徴的です。

具体的な商品には以下のようなものがあります。

• マルちゃん焼きそば
• バリバリ無限キャベツのもと
• 函館「麺厨房あじさい」味彩塩拉麺
• 塩ゆで枝豆

③加工食品事業

加工食品事業は1956年の魚肉ソーセージ・ハムの生産から始まっている事業です。バラエティ豊かで健康ニーズに応える商品を揃えており、さまざまな利用者が利用しています。また、加工食品事業では調味料なども販売しており、日常生活の食に深く関わっている事業です。具体的な商品は以下のようになっています。

• あったかごはん
• ソーセージL
• 釜玉うどんの素
• だしの素鰹あじ
• だしの極み だしつゆ

④水産食品事業

水産食品事業では日本国内外から良質な海の幸を届けています。近年は国内グループ会社の工場から産地や製法にこだわり、付加価値商品の開発を重要視していることが特徴的です。また、近年高まっている健康ニーズも意識し、多くの利用者に支持される商品を開発しています。主要な取引商品は下記のとおりです。

うなぎ鮭鱒・筋子・いくら・たらこ・まぐろ・かに・えび・スリ身・サワラ・ししゃも・いか・たこ・さば・さんま・あじ・いわし・にしん・ロブスター・スモークサーモン・わかめ

⑤冷蔵事業

冷蔵事業では冷凍食品を適切な温度で保管・配送をおこなう物流サービスを提供しています。東洋水産の物流サービスは保管・入出庫設備が最新であり、22の業者に支持されているサービスです。

また、冷蔵事業においては①コンプライアンス②高パフォーマンスのネットワーク③低温食品物流のソリューションサービス、の3つを重視し、安全で安心な高品質物流の実現を目指しています。

主要取引先は下記のとおりです。

• 石狩冷蔵庫
• 中部物流センター
• 大井埠頭冷蔵庫
• 東扇島第二冷蔵庫
• 舞州冷蔵庫
• 福岡アイランドシティ

合計取扱量は庫腹が640,122トン、凍結が299トンとなっています。

⑥海外即席麺事業

海外即席麺事業は1972年の米国現地法人マルチャンインクの設立から開始されました。1977年には現地生産を開始し、国外においても商品拡大を進めています。現在では1972年設立のアメリカ、1989年にメキシコ、2017年にはブラジルと現地法人の設立を3国で果たしています。

⑦イベント開催・協賛

東洋水産は上記のような本事業だけでなく、イベントに関する業務もおこなっています。具体的には柔道大会であるマルちゃん杯の開催や、博多どんたく港まつり、YOSAKOIソーラン祭りへの協賛などです。このように地域への貢献も積極的におこなっている企業であることも知っておきましょう。

新卒選考フロー

選考を対策するためには選考フローを確認することが必須です。ここで、東洋水産はどのような選考フローを設けており、どのような対策が必要であるのかを確認しておきましょう。

募集職種

東洋水産には以下のような職種があります。

• 製造管理：工場での製造に関する業務全般を担当
• 開発：新商品の開発を担当
• 品質管理：食品の安全性に関する業務、製造工場に対する管理支援業務を担当
• 営業：加工食品、水産食品、冷蔵倉庫、海外の事業に分かれて商品の拡充を担当
• 営業（商品企画）：商品を市場に送り出すための業務を担当
• 間接部門：総務部や経理部、情報システム部など自社活動を円滑化する業務を担当

このように東洋水産は各職種で担当する業務が幅広いことが特徴的です。東洋水産に応募する際は、なぜその職種なのか、職種で具体的に携わりたいことはなにか、を伝えられるよう準備しておきましょう。

また、東洋水産のホームページには各職種で働いている社員のインタビューが公開されています。志望する職種についてはインタビューも必ず確認しておきましょう。

–東洋水産 採用情報 　仕事内容

選考フロー

東洋水産の選考フローは下記のとおりです。

1. プレエントリー
2. 説明会（オンデマンド配信）
3. 履歴書・ES提出
4. 適性検査
5. 面接（複数回）

適性検査はSPIのテストセンター形式もしくはWebテスト形式です。このように2つの形式から選ぶことができるため、自分はどちらのほうが高得点を取ることができるのか確認しておきましょう。とくに、過去にテストセンターで手ごたえを感じたものがあれば、使いまわすかどうかの考慮が必要です。ただし、選考フローは今後変更される場合もあるため、企業の採用サイトを適宜確認しておきましょう。

ESの設問例には下記のようなものがあります。

• 東洋水産に入社し、どのような仕事に就いて、その結果としてお客様や社会にどのように貢献したいか
• これまでに最もチャレンジしたこと、その結果から得たもの

毎年、ESの設問を変更する企業もありますが、過去の口コミから東洋水産は上記2つが設問である可能性が非常に高いです。選考直前だけでなく事前に内容を考えておき、採用者に自分が伝わる内容にブラッシュアップしていきましょう。

給与水準

東洋水産の給与水準は下記のとおりです。

• 高校卒：192,000円
• 短大・高専卒：198,000円
• 大学卒：227,000円
• 大学院了：233,000円

上記の初任給には地域手当6,000円を含んでいます。また、その他の手当には住宅手当、家族手当、食事手当、通勤手当などがあります。賞与は6月と12月の年2回です。さらに、賞与とは別に業績比例の利益分配制度が設けられています。

社風

口コミサイトを確認すると下記のような口コミが見られました。

• 少し古い体質の体育会系です。しかし、最近の風潮もありますが、頭ごなしに怒鳴るような人は居ません
• 良くも悪くも古い体質で、トップダウンな風土
• 終身雇用で年功序列型賃金の会社
• ファミリー感が強く、長く勤めるには良い環境

このように東洋水産は昔ながらの日系企業な風土です。1つの会社に長く勤めたい方、トップダウンが自分に向いている方に合っている企業風土となっています。

求める人材

東洋水産では下記の要項を求める人材としています。

• 真面目に誠意をもって何事にも果敢にチャレンジできる方を求めています

このように東洋水産では真摯さが重要視されています。

–東洋水産　募集要項（新卒・既卒・第2新卒）

また、東洋水産は社員一人一人が自発的に成長したいという気持ちを生み出すために教育制度に力を入れています。会社の制度を利用して成長していきたいとお考えの方は、下記の教育一覧をご確認ください。

教育制度

• 入社前通信教育
• 新入社員研修
• 新入社員サポート制度
• 工場実習
• 2年次研修

米国・メキシコ研修

技術伝承学校

自己啓発支援制度

• 通信教育制度
• eラーニング
• 資格学校・語学学校
• ビジネススクール通学を目的とした休職制度

さらに、会社のスローガンとして下記のものを掲げています。下記のスローガンに共感し、伸ばすことができる人が東洋水産に合っている可能性が高いです。自分の性格や目指す姿がスローガンとマッチしているのかも確認しておきましょう。

“食を通じ、みなさまに笑顔をお届けしたい”

私たち東洋水産グループは、その想いをマルちゃんマークに込め、

品質とおいしさにこだわった食品づくりに取り組んでまいりました。

自然に笑顔がこぼれるようなおいしさを、食卓へ。

いつまでも変わらず、安心な製品を、世の中へ。

“すべては、笑顔のために。”

私たちはこれからも取り組んでまいります。

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

水産業界における東洋水産の立ち位置は下記のとおりです。

ここからわかるとおり、東洋水産は給与水準などはやや低いですが、比較的内定を獲得しやすい企業であると言えます。ただし、日本全体の平均年収が443万円であることから決して低い水準ではありません。自分は何を重視するのかを考え、その軸にあった企業の選考を受けていきましょう。

他の会社や他業界の就職偏差値については下記の記事で紹介しています。こちらもぜひ、ご確認ください。

【27卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング

採用大学

2022年度における東洋水産の採用大学は下記のとおりです。

• 専修大学：2名
• 関東学院大学：2名
• 群馬大学：1名
• 慶應義塾大学：1名
• 中央大学：1名
• 明治大学：1名
• 日本大学：1名
• 東京農業大学：1名
• 立正大学：1名
• 関西大学：1名
• 北海道大学：2名
• 岩手大学：1名
• 東京海洋大学：1名
• 東京農業大学：1名
• 岩手大学：1名

このように東洋水産は高学歴と言われる大学からのみではなく、幅広い大学から採用しています。そのため、東洋水産に学歴フィルターは存在しないでしょう。ただし、学歴が重要視されないということは入社熱意などが深く見られるため、入念な対策は必須です。

ホットニュース

東洋水産のホットニュースには以下のようなものがあります。

ニュース①東洋水産が最高益を達成

東洋水産が発表した2023年3月期連結決算は純利益が前期比で48%増の331億円と過去最高益を更新しました。事業別で確認すると国内即席麺や低温食品事業は原材料の高騰でやや苦戦をしているものの、ネイ国やメキシコなど海外即席麺事業にて販売数量を伸ばしたことで達成しています。

このように海外事業は好調であり、今後も本事業に力を入れる可能性が高いです。入社前にグローバル的な働き方は可能であるのかも自分のなかで考えておきましょう。

ニュース②請求書支払業務の効率化・自動化を目的にRemotaを採用

Remotaは経理業務に特化したプラットフォームであるAIソリューションであり、経理関連の業務を自動化することが可能です。東洋水産はRemotaを採用することを2023年度に発表しており、このように自動化・DX化といった部分にも力を入れています。

まとめ

今回は水産業界である東洋水産の企業概要、就職情報について解説しました。東洋水産は日常生活に深く関わっており、多くの人の生活を直接的に豊かにすることができます。また、海外事業の拡大により企業経営も円滑に進んでいます。事業内容や社風が自分とマッチしている場合は選考に進んでいきましょう。