【企業研究】オリンパスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年8月16日更新
はじめに
本記事では、医療機器メーカー大手の人気企業「オリンパス」について、事業内容や採用大学、選考フローなど就活に役立つ情報をまとめました。
オリンパスをすでに志望している学生にはもちろんのこと、まだ検討中の学生やオリンパスを知らない方に対しても興味を持てるような情報を記載してますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
医療機器業界
医療機器業界は、医療の場で使用される製品を開発・製造・販売する業界です。
医療機器とはピンセットやガーゼ、絆創膏などの身近な消耗品から、人工呼吸器やレントゲン装置などの大型機器まで、幅広い製品を指します。
日本の医療業界の市場規模は現在アメリカに次ぐ世界第2位を誇り、高齢化問題を抱える日本を支えるうえで欠かせない業界です。
近年では医療機器は介護や福祉の場でも積極的に用いられるようになり、また今後世界中の他の先進国も高齢社会になっていく事が予想されるため、ますます需要が高まっていく見通しです。
そういった背景もあり、医療機器業界は就活生から人気の業界です。
今回は中でも「カメラ」事業で有名になり、現在は日本の医療機器メーカーを引っ張るオリンパスについて紹介していきます。
医療機器業界について興味を持っている就活生は、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
また医療機器業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
会社概要
オリンパスの会社概要は以下になります。
商号 | オリンパス株式会社(Olympus Corporation) |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
銘柄コード | 7733 |
設立年月日 | 1919年(大正8年)10月12日 |
取締役 代表執行役 社長兼CEO(最高経営責任者) | シュテファン・カウフマン |
本社 | 〒163-0914 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス |
事業内容 | 精密機械器具の製造販売 |
資本金 | 1,246億円(2023年3月現在) |
連結売上高 | 8,819億円(2023年3月期) |
連結従業員数 | 32,844人(2023年3月末現在) |
引用:会社概要:会社案内:オリンパス (olympus.co.jp)
事業内容
会社概要の事業内容欄には「精密機械器具の製造販売」という記載がありますが、具体的にどのような事業を行っているのでしょうか。
今回はオリンパスが行う2つの事業について紹介します。
内視鏡事業
オリンパスの内視鏡事業は、世界シェア70%以上を誇り圧倒的です。
1950年に世界初の胃カメラを開発して以降、70年を超える内視鏡事業の歴史の中で培ってきた高度な技術はオリンパス最大の強みといえるでしょう。
近年ではシステムインテグレーションや修理サービスを行うなどサービスの幅を広げ、また内視鏡検査にAIを活用するという国内初の挑戦をするなど、内視鏡事業のリーディングカンパニーとしてさらなる成長を目指しています。
治療機器事業
検査や手術でなるべく痛みや出血などを防ぐ「低侵襲医療」のための治療機器開発に注力し、内視鏡事業に次ぐ2番目の事業規模を誇ります。
現在は治療機器メーカーの激戦区であるアメリカで拠点を拡大し、オリンパスの治療機器事業の売上約4割を北米で達成。
市場規模の大きい3つの重要領域(呼吸器科・泌尿器科・消化器科)で独自の地位を確立することで、海外進出に課題を持つ日本の医療機器業界の中で存在感を発揮しています。
募集職種・待遇
圧倒的な成果を出しているオリンパスですが、興味を持っている就活生は特に新卒採用時の募集要項がどのような内容か気になりますよね。
以下ではオリンパスの募集要項について記載いたします。
募集職種
オリンパスは、16の職種で募集を行っております。
①研究・開発/ソフトウェアエンジニアコース
②研究・開発/メカニカルエンジニアコース
③研究・開発/デジタルエンジニアコース
④研究・開発/エレクトロニクスエンジニアコース
⑤研究・開発/オプトロニクスエンジニアコース
⑥研究・開発/バイオエンジニアコース
⑦研究・開発/デザイナーコース
⑧生産技術開発/ソフトウェアエンジニアコース
⑨生産技術開発/メカニカルエンジニアコース
⑩生産技術開発/エレクトロニクスエンジニアコース
⑪生産技術開発/マテリアルエンジニアコース
⑫生産技術開発/プロキュアメントコース
⑬グローバル/グローバルマーケティングコース
⑭グローバル/マニュファクチャリング&サプライチェーン マネジメントコース
⑮グローバル/サービス技術開発コース
⑯グローバル/品質保証(QARA)コース
引用:募集要項:新卒採用:オリンパス (olympus.co.jp)
募集要項
採用予定数 | 60名~70名 |
募集形態 | 学校推薦 / 自由応募 |
給与 | ・博士了 基本給 292,000 円 ・修士了 基本給 253,000 円 ・大卒 基本給 226,000 円(高専専攻科卒を含む) ・高専本科卒 基本給 192,000 円 |
諸手当 | 次世代手当、在宅勤務手当、通勤手当全額支給 所定労働時間8時間を超えた場合割増賃金を支給 |
勤務時間 | 標準労働時間8時間(8時45分~17時30分) フレックスタイム制度 ・コアタイム(必ず勤務しなければならない時間帯) ・フレキシブルタイム(出退勤時刻を選択できる時間帯) 6時45分~11時15分(始業時間帯) 13時30分~20時00分(終業時間帯) 年間所定労働時間 1888時間 時間外の労働あり(職場によって異なる) |
昇給 | 年1回(7月) |
賞与 | 年2回(7月、12月) |
休日休暇 | 完全週休2日制(土曜・日曜)、祝日、ゴールデンウィーク、夏季・年末年始休暇、クリエイティブホリデー(5日)、年間休日129日、有給休暇初年度20日、私傷病特別休暇(最高50日)、慶弔休暇、育児休暇、介護休暇、ボランティア休暇 等 |
加入保険 | 社会保険完備 (健康・厚生年金・雇用・労災) |
応募者名称 | オリンパス株式会社 |
応募について | 弊社マイページよりご自身の専攻分野、希望職種をご確認の上、エントリーしてください。 エントリー後、採用選考に関する最新情報を提供します。 |
引用:募集要項:新卒採用:オリンパス (olympus.co.jp)
新卒選考フロー
新卒採用時の選考フローは以下になります。
1、マイページ登録
2、エントリーシート提出
3、Webテスト(SPI形式)
4、面接(2回)
1、マイページ登録
オリンパスの新卒採用HPからマイページ登録を行い、希望する職種でエントリーをしましょう。
2、エントリーシート提出
過去に出題されたESの質問事項は以下です。
・得意教科とその理由(20字)
・不得意教科とその理由(20字)
・卒業論文について(200字)
※卒業論文が必須でない学生は「なし」を選択可
・修士論文について(200自字・大学院生に限る)
・志望動機(400字)
・ガクチカ(400字)
3、Webテスト
学力試験はWebテストで、形式はSPIです。
特別高得点を取らないと面接に進めないという訳ではなく、難易度はさほど高くありません。SPI専門のテキストを数周し、また事前にあらかじめSPI試験を受けておくような一般的な対策で通過している学生が多いため、事前の準備をしっかり行ったうえで試験に臨むようにしましょう。
4、面接
面接は一次面接、そして最終面接の2回です。
一次面接では、ESに記載したようなガクチカや志望動機、パーソナリティについてなど、オーソドックスな質問をされるケースが多いです。学生1名に対して面接官は1名で、面接時間は40分~50分です。
一方最終面接では、特に技術系志望の学生は学生時代の研究内容について深堀りされる傾向があります。また入社してから成し遂げたいことなど、入社後のビジョンについても細かく質問されるため、なぜ医療機器業界の中でもオリンパスを志望するかという点を交えながら質問に応えていきましょう。学生1人に対して面接官は3名で、面接時間は40分~50分です。
社風
オリンパスの社風は、以下3点で表すことができます。
・挑戦的
・多様性を尊重
・充実したワークライフバランス
挑戦的
もともとオリンパスの主力事業はカメラ事業でしたが、医療機器事業への参入を機になんとカメラ事業を譲渡した過去を持ちます。
また「Transform Olympus」という組織改革プランを2019年に掲げ、グローバル企業を目指すために5部門あった事業を内視鏡と治療機器事業の2部門に減らし、そして医療とITを融合した事業を展開するメドテックカンパニーとして先駆的に飛躍するために新たに経営戦略を策定するなど、保守的なイメージの強い医療業界において、業界の発展のために過去の成功にとらわれず、挑戦を続けています。
多様性の尊重
オリンパスは現在外国人が社長に就くなどグローバル企業として外国人の登用を積極的に行っており、また国内においても中途採用の割合が年々増えています。
様々なバックグラウンドを持った方々が共に働くことを通して、企業が成長していることから「多様性」を尊重する姿勢をもって1人1人仕事に取り組んでいると考えられます。
充実したワークライフバランス
・残業が少なく、有給も取得しやすい職場環境
・男性でも積極的に育児休暇を取得している
・フレックス勤務やリモートワークが充実している
など「ワークライフバランスを意識した社員が多い」「働きやすい環境」といったホワイトな働き方ができる社風であるといえます。
求める人物像
オリンパスの求める人物像は、以下の3点です。
・学ぶことや新しい経験に対してオープンであり、挑戦する人
・自ら考え主体的に動き最後までやり抜く人
・どのような環境においても、周囲を巻き込むリーダーシップで組織を動かす人
引用:求める人材:新卒採用:オリンパス (olympus.co.jp)
新たな技術や価値を創造するためには必ず「挑戦」していく必要があります。
また誰もが成し遂げたことのないことを成功させるためには、物事を最後まで主体的にやり遂げる「粘り強さ」が必要です。
医療機器業界のリーディングカンパニーとして、そして今後さらにグローバルな企業として飛躍していくであろう企業に相応しい人材を求めていることが分かります。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
オリンパスを他の大手医療機器メーカーと比較し、業界の中でどのような位置にいるのかを明確にしていきます。
就職難易度や偏差値について詳しく知りたい方は、【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキングを参考にしてください。
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
オリンパス | 8688億6700万円 | 922万 | 58 | 多様性を重視、挑戦的 |
富士フィルム | 2兆5257億7300万円 | 917万円 | 61 | 理論重視、個の能力が高い |
テルモ | 7033億300万円 | 790万円 | 59 | 個性を尊重 |
富士フイルムを筆頭に、オリンパス・テルモが追随する形で医療機器メーカーの中で上位の売上高を達成し、結果的に年収も高いです。
また3社ともに企業としてワークライフバランスを重要視していることも影響し、就活偏差値が高く学生に人気の企業です。
差が出ている点は「社風」にあります。
オリンパスの場合は上記で説明している通り、新しいことに挑戦していく企業です。
一方富士フイルムの場合は課題解決のために「STPDサイクル」という独自のマネジメントサイクルで課題の本質を見抜いていく企業文化があり、より論理的な思考を企業として重視しています。
またテルモは企業の求める人物像は「なし」と断言しています。
これは1人1人が持つオンリーワンの価値観や思考を大切にし、伸ばしていくことが医療の貢献に繋がるという発想に基づいています。
このことから、テルモの場合はすでに各個人が持ち合わせている個性を尊重している企業といえます。
採用大学
オリンパスの採用実績と採用大学について紹介していきます。
採用実績
採用年度 | 男性 | 女性 | 合計 |
2023年度 | 34名 | 15名 | 49名 |
2022年度 | 44名 | 16名 | 60名 |
2021年度 | 23名 | 8名 | 31名 |
引用:オリンパス|シキホー!Mine|就職四季報による発掘型就活サイト (toyokeizai.net)
採用大学
早稲田大学、 慶応大学、上智大学、宮城大学、 同志社大学 、東京工業大学 、東北大学、東京理科大学、 明治大学、成蹊大学 、岩手県立大学、東京都立大学、京都大学、北海道大学、大阪大学、東京電機大学、 筑波大学、 東京農工大学、名古屋大学、 新潟大学、 名古屋市立大学、 北陸先端科技院大学、 東京医科歯科大学、 九州大学、 電気通信大学、 岡山大学、 東海大学、法政大学、 芝浦工業大学、日本工業大学、 千葉大学、 関西学大、大阪公立大学
引用:オリンパス|シキホー!Mine|就職四季報による発掘型就活サイト (toyokeizai.net)
採用大学を見る限り、学歴フィルターはないといえます。
理由は旧帝大・早慶上智MARCHから地方大学、中堅の私立大学まで幅広く採用者が出ているためです。
ホットニュース
競合他社・テルモがオリンパスに経営統合提案
テルモは7月26日に、競合他社であるオリンパスに共同持ち株会社の方式による共同経営を打診していると発表。
国内での医療機器メーカーのトップ企業である両社のそれぞれの強みを活かし、中国などの新興国のマーケットを戦略していくことが主な目的とされています。
オリンパスは内視鏡技術に、テルモは心臓カテーテルに強みを持ち、各社の主力事業において重複している範囲は少ないです。
そのため補完的な関係性で提携を行うことで検査や手術時に患者の体への負担を少なくする「低侵襲医療」を発展させ、また世界の医療機器メーカーに規模面で対抗することも可能になる考えられます。
しかし現在オリンパスはソニーにも業務提携の提案を受けており、国内大手医療機器メーカー同士の統合が実現するかは不透明です。
出典:テルモがソニーに対抗してオリンパスに経営統合提案。新興国市場の深耕による相乗効果に期待か | 企業戦略 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)
まとめ
本記事では【企業研究】オリンパスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説というテーマで、オリンパスの就活情報についてまとめました。
すでに内視鏡という分野で圧倒的なシェアを獲得しながらもさらに挑戦し続け、またワークライフバランスを重視して社員を大切にしている姿勢は魅力的ですね。
そのため、毎年就活生からも人気の企業になります。
就活はなかなかうまくいかない事が多く「人気企業なら受からないかもな、、、」と悩んでしまうかもしれませんが、SPIの勉強や志望企業の下調べといった地味なことから、面接練習など本番に向けた準備などを粘り強く行えば、内定がもらえるチャンスは十分にあります。
この記事を参考にしてくれた学生の方々が、志望する企業から内定をもらえることを祈っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。