【企業研究】ブラザー工業の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】ブラザー工業の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2023年8月12日更新

はじめに

ブラザー工業(ブラザー工業株式会社)は、愛知県名古屋市に本拠を置く、電気機器メーカーです。主力製品は印刷機器やミシンなどで、国内外において高いシェアを誇っています。また、有名なカラオケシステム「JOYSOUND」もブラザー工業グループが運用しています。私達の生活によく登場する、身近な企業の1つと言えるでしょう。

 

今回はそんなブラザー工業の企業研究がテーマです。事業や社風、業界での立ち位置など基本的な内容の他、新卒選考フローや求める人材、採用大学など、選考対策をする上で有益な情報も紹介します。



電機機器業界

ブラザー工業の属する電気機器業界は、電気機器の開発・製造・販売などを担う企業が集まる業界です。取り扱っている電気機器は、家電・重電・OA機器・空調・電子部品・時計・半導体のいずれかまたは複数で、扱う機器によってさらに細かく業界が区別されます。なお、ブラザー工業は、家電・重電・OA機器など、さまざまな業界に横断しています。

 

電気機器業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!

【業界研究ガイド】業界一覧



事業内容

それでは、ブラザー工業の主な事業内容を見ていきましょう。

プリンティング・アンド・ソリューションズ事業

 

プリンター・複合機・スキャナー・ラベルライターなどのOA機器を製造・販売する事業です。家庭向けから業務用まで幅広くラインナップしており、近年のテレワークの増加傾向や、リサイクル・省エネルギー化などを意識しながら、業務を展開しています。

 

マシナリー事業

 

さまざまな工業部品の製造・加工に使用する産業機器(工作機械)や、工業用ミシン・ガーメントプリンターなどを取り扱う事業です。操作性や機能性の高い高品質なマシンを製造することにより、顧客の生産性向上を支援しています。

 

ドミノ事業

 

コーディング・マーキング機器やデジタル印刷機など、産業用印刷機器を取り扱う事業です。コーディング・マーキング機器は、缶・ボトル・食品などのパッケージに印字を行うための機械です。

 

ニッセイ事業

 

ギアモータ・高速性減速機・歯車などの装置・部品を取り扱う事業です。産業用ロボットやFA機器の稼働に欠かせない製品を供給することにより、各産業の省人化・自動化を支援しています。

 

パーソナル・アンド・ホーム事業

 

家庭用ミシンを中心とした家庭・業務用機器を取り扱う事業です。一般用ミシン・刺しゅう用ミシン・業務用刺しゅうミシン・カッティングマシンなどがラインナップされています。個人の趣味、家事、ビジネスなど、さまざまな活動を効率的、かつ独創性をもって行うための製品を提供しています。

 

ネットワーク・アンド・コンテンツ事業

 

業務用通信カラオケ「JOYSOUND」の開発・提供を行う事業です。また、通信カラオケシステムのノウハウを活かした介護市場向けカラオケサービスや、スマ―トフォン・タブレット用のカラオケアプリなども提供しています。

 

参考:ブラザー 企業情報 事業紹介



新卒選考フロー

ここからは、ブラザー工業の基本的な新卒選考フローを紹介します。ブラザー工業は、新卒の選考プロセスが比較的多いため、流れや各プロセスの内容を特によく理解して対策を練る必要があります。

 

1.エントリー

 

まず始めにエントリーです。募集要項をよく確認した上で、ブラザー工業の公式HPにある専用フォームからエントリーします。エントリーの後、ブラザー工業からマイページの案内が届き、ログインできるようになります。マイページでは採用に関する情報や企業研究に役立つブログなどを閲覧可能です。

 

2.WEB会社説明会への参加

 

続いてWEB会社説明会に参加します。この説明会でブラザー工業の事業や具体的な業務内容、社風などを確認できます。また、現場で働く若手社員から、仕事や職場に関するリアルなコメントを聞ける時間も。WEB会社説明会を次の選考ステップに進むかどうかの判断材料として利用しましょう。

 

3.WEBエントリシートの提出

 

応募に進む人はWEBエントリーシートを作成・提出します。エントリーシートでは、就職活動において何を軸においているかや、これまでものづくりに関わった経験(具体的な内容や時期)などの質問があるようです。

 

4.学力検査・適性検査の受検

 

ブラザー工業の選考では、学力検査と適性検査も行われます。学力検査は国語・数学・英語など、適性検査の形式はSPIです。最寄りのテストセンターに足を運び、受検します。

 

5.グループディスカッションへの参加

 

テーマについて5名程度のグループになり、ディスカッションを実施します。テーマやディスカッションのスタイルなどは、事前に連絡があるようなので、あらかじめ準備が可能です。

 

6.面接の実施

 

複数回の面接が実施されます。ブラザー工業の選考プロセスはボリュームが多めですが、特にこの面接を重要視しているようです。集団面接・個人面接の両方があり、最終面接は人事担当や役員を含めた個人面接です。また、面接の形式はオンラインと対面があります。

 

参考:ブラザー販売株式会社 採用情報 新卒採用 採用関連情報 採用プロセス



社風

ここからは、ブラザー工業の社風の主な特徴を紹介します。

コミュニケーションが取りやすい気さくな雰囲気

 

部署により多少違いはあるものの、総じてコミュニケーションが取りやすい雰囲気です。業務上必要な内容はもちろん、ちょっとした雑談もしやすい環境で、気さくな人間関係が構築できます。上司と部下の厳しい縦割り関係などもあまりなく、誰でも意見を言いやすい職場です。また、チームプレーを重視する傾向にあり、他の社員と連携を取りながら行う業務も進めやすいと言えます。

挑戦に寛容

 

ブラザー工業は、挑戦に寛容な社風があるという口コミも複数見られました。チャレンジを後押しするだけでなく、もし失敗した場合でもそれを頭ごなしに責めない、挑戦しやすい空気感があるようです。ただし、一方で保守的な部分が残っているという声も聞かれます。社員単位でのチャレンジは応援してくれるものの、会社全体でどんどん新しいことに進出していこうという雰囲気はあまり強くなく、伝統や既存の事業を大切にしていく社風があるようです。



求める人材

ブラザー工業では、新卒採用ページにおいて、求める人物像を「自ら考え迅速に行動する」「情熱をもってやり抜く」「本質を見極められる」「モノ創りが好き」「世界を舞台に活躍する」、この5つの素養を持つ人物と設定しています。

 

ブラザー工業は、激しく変化する社会の中にあって、常にビジネス・ホームユース両シーンで便利な製品を提供し続けること、また多様な社会課題解決について企業に求められる役割を理解し、事業活動を通して貢献していくことなどを掲げています。

 

このような企業の方向性や描く未来を実現していくため、同じベクトルで働き、事業とともに成長できる人材として、5つの人物像を示していると考えられます。

 

なお、ブラザー工業で働くためには、普通免許の取得が必須です。ただし、就職活動時点では取得していなくても問題なく、入社時までに持っていればよいようです。

 

参考:ブラザー 採用情報 新卒採用 求める人物像ブラザー ブラザー販売株式会社 経営理念



就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

会社名売上高平均年収就職偏差値・難易度社風
ブラザー工業8,152億円600~800万円58挑戦に寛容だがやや保守的
キヤノン4兆314億円700~800万円63風通しがよい・保守的
リコー2兆1,341億円700~800万円60優しく日系企業特有の雰囲気
セイコーエプソン1兆3,303億円600~800万円59真面目でおおらか・保守的

 

財務情報の比較(売上)

 

今回ブラザー工業との比較でピックアップしたのは、ブラザー工業と同じく印刷機器の製造・販売事業を行っている企業です。キヤノン・リコー・セイコーエプソンのいずれも、印刷機器の国内シェアはトップクラスを誇っています。売上高に関してもこの3社はブラザー工業よりも大きい金額になっており、事業規模や領域などから考えて、今後もこの立ち位置にあまり変化はないと考えられます。ただし、業界で全体的に円安の影響から売上高が上向き傾向にあり、ここに挙げた4社もすべて直近の売上高は前期比増です。

 

社風の比較

 

こちらに挙げた4社は社風の特徴に似ている部分が複数あります。例えば、やや保守的な空気感があることです。変化や改革を起こしていく姿勢がないわけではありませんが、それが社内になかなか浸透しきらない様子が見られます。また、優しい社員や気さくな社員など、人当たりのよい人物が多く、社内でのコミュニケーションが取りやすい社風も共通しています。異なるのは、社員のチャレンジに対するフォローです。各社とも挑戦する機会は与えるようですが、失敗に寛容かどうかが企業によってさまざまです。トライ&エラーの精神で最もおおらかに見てくれるのはブラザー工業でしょう。なお、平均年収は4社とも特別大きな違いはなく、似たような水準です。

 

就職偏差値

 

就職偏差値は、キヤノンとリコーが高めで、セイコーエプソンとブラザー工業がそれに続く形です。ただし、この表において最も就職偏差値が低いブラザー工業でも、採用倍率は例年100倍以上と言われています。就活生に人気の企業であることは間違いなく、今年度の採用にもかなり多くの応募者が殺到すると予想されます。

 

【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング



採用大学

ブラザー工業で採用実績のある大学例は、次の通りです。

 

青山学院大学、大阪公立大学、大阪大学、金沢大学、関西大学、関西学院大学、九州大学、京都大学、岐阜大学、慶應義塾大学、神戸大学、静岡大学、東京外国語大学、東京工業大学、東京大学、東京農工大学、東北大学、名古屋工業大学、名古屋大学、一橋大学、広島大学、北海道大学、横浜国立大学、早稲田大学 など(五十音順)

 

採用大学を見ると、地域の偏りはないものの、難関大学や有名私大、地方の有名大学などが目立ちます。ただし、技術職などに関しては、中堅レベルの大学からでも採用を獲得できる可能性がありそうです。学歴フィルターは、職種によって有無が異なると考えられます(技術職以外の職種、事務系職種などは学歴フィルターが存在する可能性が高いです)。

 

国内外に新たな工場・倉庫などを複数建設中

ブラザー工業は近年、次々と新たな工場・倉庫などの建設を進めています。例えば

2022年12月には、東北地方初の工作機械ショールームを完成させました。2023年1月には、名古屋市の港工場敷地内に新しい倉庫を建設することを発表、同月には名古屋市の星崎工場敷地内に新しい工場棟が完成した発表もありました。さらに、2月にはインドに工作機械の新工場を建設すると発表しています。また、5月にはインドで2か所目となる、工作機械のショールーム併設テクノロジーセンターが完成し、開所式が行われました。

 

2023年3月期の連結決算において、ブラザー工業は8,000億円の大台を突破し、過去最高の売上高を記録しています。不安定な経済情勢を生み出す一端となっている円安が、ブラザー企業の業績には追い風として好影響を与えていると見られています。部材の高騰などにより、純利益は30%以上の減となっているものの、今期はさらなる増収と増益が見込まれているようです。

 

経済情勢が今後どのような流れを見せるか、展望しきれない部分はあるものの、ブラザー工業の事業に勢いがあることは確かでしょう。今後もさらに拠点の数が増えるなど事業が拡大され続ければ、採用人数が増える可能性もあるかもしれません。

 

参考:ブラザー 2022年ニュースリリースブラザー 2023年ニュースリリース決算を読む ブラザー工業 23年3月期 売上高は過去最高、円安が追い風 部材高騰響き純利益36%減 今期は増収増益を見込む(中部経済新聞)



まとめ

OA機器や工作機械、ミシン、カラオケシステムなど、ブラザー工業は幅広い事業活動を行っています。国内外でさらに事業や拠点を拡大していく動きもあり、今後も業績の上昇が期待されます。工業・産業といったビジネスの現場への機器供給だけでなく、家庭用の家電やOA機器の製造・販売にも力を入れているため、もし入社できれば、さまざまな場所で必要とされている企業だと実感しながら、やりがいをもって働けるでしょう。ぜひ今回紹介した内容をきっかけに、さらにブラザー工業について企業研究や選考に関する情報収集などを進め、採用を目指すかじっくり検討してみてください。

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