
職種別採用はおすすめ?職種別採用のメリット・デメリットや導入している企業を100社ご紹介
2023年7月28日更新
はじめに
企業の採用形態にはさまざまなものがあります。そのなかでも職種別採用は導入している企業が増えてきている形態であり、就活生にとってもさまざまなメリットがあるものです。
そこで、ここでは職種別採用の概要や導入している企業、導入している企業の探し方をご紹介します。就活をこれから進めていこうとお考えの方は、ぜひご確認ください。
職種別採用とは?
そもそも、職種別採用とはどのような採用形態なのでしょうか。ここで職種別採用の概要や他の形態との違いについて確認していきましょう。
職種別採用の概要
職種別採用とは、事前に採用後の配属職種を決めて募集する採用方式のことです。たとえば、文系総合職として募集するのではなく、営業、経理、事務など職種を細かく分けて募集していると職種別採用にあたります。
以前は総合職採用が主でありましたが、2023年時点では6割の企業が職種別採用を導入するほどメジャーな採用形態になりました。また、職種の分け方は企業によって異なり、ソニーは98コース用意するなど非常に細かく分ける企業もあります。
ジョブ型採用と何が違う?
職種別採用とよく混合されるものにジョブ型採用があります。職種別採用は配属職種を明示するだけであり、雇用契約自体は職種について限定しないことが多いです。それに対し、ジョブ型採用は雇用契約自体も職種を限定します。そのため、ジョブ型採用は採用後に部門や職種を一方的に変更することができません。
このように入社後の職種変更に大きな違いがあるため、選考に進む前にどちらであるのかをしっかりと確認しておきましょう。しかし、企業も職種別採用とジョブ型採用を混合している場合があるため、雇用契約はどのようになっているのかは企業それぞれに確認することが確実です。
他の採用形態
職種別採用やジョブ型採用が導入されるまでの採用形態をメンバーシップ型雇用と呼ぶことがあります。ジョブ型採用とメンバーシップ型採用の違いは下記のとおりです。
ジョブ型採用 | メンバーシップ型採用 | |
仕事内容 | 職務が明確 | 業務範囲が定まっていない |
給与 | 職務給 (職務内容や専門性の高さから決定) | 職能給 (役職や勤続年数から決定) |
教育 | 自主的な学び | OJTやローテーション |
人材の流動性 | 高い | 低い |
–Infraインターン 【新卒企業一覧】ジョブ型採用/職種別採用の導入メリットは?メンバーシップ型との違いも
また、職種だけでなく、勤務地を限定する地域限定採用なども増えてきました。現在では非常に多くの採用形態があるため、選考を受ける企業の採用形態は必ず確認していきましょう。
就活生から見た職種別採用のメリット
職種別採用は就活生にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここで代表的な3つのメリットについて確認し、自分にとってどのぐらいメリットに感じるのかを確認していきましょう。
メリット①職種が確約される
職種別採用の最大のメリットは職種が確約されることです。入社後、やりたいことと違う職種につくとやる気が起きませんよね。また、総合職採用であると本当にやりたいことができるのか不安になるかと思います。そのため、ある職種についてつきたいと考えている方にとって非常に大きなメリットとなるのです。
メリット②入社後の業務が想像しやすい
インターネットが普及した現在では、ある職種について調べると働き方や業務内容、必要なスキルを知ることができます。そのため、職種別採用であると事前に職種について調べることが容易であり、自分の入社後の業務が想像しやすくなります。
入社後の業務が明確であると現在足りていないスキル、今からすべきことなどが分かり、自己研鑽していくことが可能です。
メリット③学生時代の学びを活かしやすい
学生時代に特定のスキルを身に付けているのであれば、そのスキルを社会人でも活かしたいと考える方もいらっしゃるかと思います。しかし、総合職採用であるとスキルを活かすことができる職種になるのか分からず、場合によってはまったく活かせないこともあります。
職種別採用であると学生時代の学びと一番マッチしている職種に応募することが可能です。とくに、理系大学で研究をおこなっている方はこちらの特徴が大きく活かされます。
就活生から見た職種別採用のデメリット
職種別採用はメリットだけでなくデメリットも存在します。では、職種別採用にはどのようなデメリットがあるのかを確認していきましょう。
デメリット①職種変更がしにくい
職種別採用は、その職種で活躍することを見込んで採用していきます。そのため入社後は職種変更がしにくいです。しかし、前述のとおり職種別採用は必ず変更ができないわけではありません。特別な理由は人事によっては変更が可能ですが、総合職採用と比べるとしにくいことは認識しておきましょう。
デメリット②職種外に携わることができない可能性がある
職種別採用では業務範囲が明確である場合が多いです。そのため、職種外の業務に携わりたいと考えていても関われない場合があります。もし、現時点で特定の職種に興味がないのであれば職種別採用はあまりおすすめできません。ただし、転職によってその興味のある職種に移ることは可能です。
デメリット③即戦力が求められやすい
職種別採用はその職種に知見・スキルがある方が採用されやすいです。たとえば、加工エンジニアとして募集されているのであれば、大学で加工について研究している方の採用が多くなります。そのため、その職種に興味があっても現時点でスキルがなければ採用が難しいかもしれません。一方で総合職採用であれば間口が広いため、入社後の希望でその職種につきやすいです。
職種別の有効求人倍率
有効求人倍率とは企業が出している求人数を求職者数で割った値のことです。有効求人倍率を確認することでその職種の採用難易度を図ることができます。では、具体的に有効求人倍率が高い職種と低い職種を確認していきましょう。
有効求人倍率が高い職種
有効求人倍率が高いということは、職種のなかでも採用されやすい職種だと言えます。そして、有効求人倍率が高い職種は以下のとおりです。なお、全体の平均は1.57倍となっています。
- 建築躯体工事:12.4倍
- 保安:8.14倍
- 採掘:7.41倍
- 建築・土木・測量技術者:7.34倍
- 土木:6.33倍
–Indeed どの業界が人材不足?職種別の有効求人倍率をチェック
このように建築関係であると有効求人倍率が高く、比較的採用されやすい職種であると言えます。ただし、これらはあくまでも職種全体での有効求人倍率であり、企業によっては採用が難しい場合もあります。
有効求人倍率が低い職種
有効求人倍率が低い職種は職種別採用であっても採用が難しいです。具体的に有効求人倍率が低い企業は以下のようになっています。
- その他の運搬など:0.2倍
- 一般事務:0.36倍
- 美術家、デザイナーなど:0.39倍
- 事務用機器操作:0.49倍
- 機械組み立て:0.65倍
–Indeed どの業界が人材不足?職種別の有効求人倍率をチェック
このように有効求人倍率が低い職種には共通性は見当たりませんでした。しかし、就活生の志望先として一般的でもある一般事務が入っているなど、一部の就活生は気を付けなければなりません。
職種別採用を導入している企業一覧
職種別採用を導入している企業例は以下のとおりです。ただし、これらがすべてではなく他の会社も職種別採用を導入しています。気になっている企業がどのような採用形態となっているかは各企業のHPから確認していきましょう。
- 浜松ホトニクス
- ヤクルト
- 伊藤園
- 日本光電工業
- 伊藤ハム
- ソフトバンク
- リクルート
- 日本IBM
- コロプロ
- ブルボン
- 三菱マテリアル
- 日本電子
- ADEKA
- デンソー
- ヤマサ醤油
- 花王
- P&G
- 伊藤ハム
- 島津製作所
- グリー
- サイバーエージェント
- テルモ
- 不二製油
- 三共製作所
- 日本ロレアル
- ブルドックソース
- キャノンメディカルシステムズ
- 日本光電工業
- コナミホールディングス
- ホクト
- ヤナセ製油
- 日清製粉グループ
- ネスレ日本
- 太陽誘電
- 読売新聞社
- ライオン
- オムロン
- NHK
- A&D
- 村田製作所
- サントリー
- 日産
- LINE
- 富士ゼロックス
- クボタ
- 大塚商会
- サントリー
- 日清紡ホールディングス
- ディスコ
- トヨタ
- アマゾンジャパン
- 楽天
- 味の素
- 京セラ
- 島津製作所
- パナソニック
- 日本郵政
- NEC
- キリンビール
- アクサ生命保険
- アクセンチュア
- TFDコーポレーション
- 明治安田システム・テクノロジー
- ベルシステム24
- AKODisコンサルティング
- アイシン
- メディカルフロンティア
- ユナイテッドアローズ
- 日本銀行
- 商工中金
- 学情
- ゲイン
- CLINKS
- ビーネックテクノロジーズ
- アルティア
- 松阪興産
- 三共鋼業
- 日本熱源システム
- エキスパートパワーシズオカ
- テレコム
- 丸千千代田水産
- ジャノメクレディア
- ドリームデザイン
- ニチフ
- キューブシステム
- 日研トータルソーシング
- 富士薬品
- 田中商事
- トライアル
- 佐川急便
- ワールドインテック
- ゼウス・エンタープライズ
- 武田メガネ
- NSW
- 夢真
- 朝日工業社
- ラディックス
- UTコネクト
- 富士機材
- システナ
職種別採用を導入している企業の探し方
前述の企業以外にも多数の企業が職種別採用を導入しています。ここでは、自分が気になっている企業が職種別採用であるかどうか、他に導入している企業の探し方についてご紹介しますので、ぜひご確認ください。
リクナビ
リクナビでは企業検索時に職種別採用をしている企業に絞り込むことが可能です。具体的には、下記のように企業検索にあるさまざまな条件の「採用状況」に職種別採用のチェックマークがあります。
リクナビは多数の企業の求人が掲載されているため、さまざまな業界・企業を確認したい方は積極的に登録していきましょう。
あさがくナビ
あさがくナビもリクナビと同様に企業検索時に条件を付けることができます。具体的な画面は下記のとおりです。
あさがくナビもリクナビと同様に職種別採用を導入している企業以外も検索することが可能です。1つの就活サイトのみに掲載している企業もあるため、企業検索をするときには複数のサイトでおこなっていきましょう。
職種別採用に応募する際の注意点
メリットとデメリットを確認し、職種別採用に応募しようと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは職種別採用に応募する際の注意点についてご紹介いたしますので、応募を考えている方はぜひご確認ください。
注意点①ESや面接で職種に活かせるスキルを伝える
前述のとおり、職種別採用では即戦力が求められることが多くなっています。そのため、現時点で活かすことができるスキルを持っているのであればESや面接でスキルを伝えていくことが重要です。
もしスキルを持っていないのであれば、なぜその職種に限定して就活をしているのかを説明できるようにしておきましょう。また、職種別採用では他社の選考も同じ職種を受けているのか見られる場合もあります。
注意点②職種が自分に合っているのか自己分析・職種研究を徹底的におこなう
職種別採用では職種変更がしにくいです。そのため、合っていない職種へ応募してしまうと業務を続けること、その会社にいることが苦痛に感じる可能性があります。
職種が本当に向いているのかは自己分析・職種研究より想像することが可能です。職種別採用へ応募する際は自己分析と職種研究を徹底的におこないましょう。また、より具体的に職種を確認できるインターンへの参加もおすすめいたします。
注意点③将来的に職種変更が可能であるかを確認する
職種別採用において職種変更が可能かどうかは企業によって異なります。また、職種変更が可能な場合でも一定期間後、自己申告制など条件はさまざまなものがあります。
職種別採用に応募する場合は入社後の制度についてもしっかりと確認しておきましょう。
注意点④総合職採用と給与形態が異なるか確認する
企業によっては総合職採用と給与形態が異なっています。実際に確認してみると、総合職採用と職種別採用を比較すると総合職採用のほうが高いことが多いです。ただし、総合職採用より低い場合もあるため、それぞれの企業で確認をしていきましょう。
まとめ
職種別採用は入社後の職種が確約されるといったメリットがあります。しかし、職種変更がしにくいため、本当にその職種が自分に合っているのかは確認が必要です。まずは自己分析や職種研究、インターンへ参加し、職種についての理解を深めていきましょう。