【業界研究】コンビニ業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

【業界研究】コンビニ業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

2023年6月30日更新

はじめに

誰もが一度は利用しているコンビニエンスストア(以降コンビニ)でアルバイト経験がある人もいると思います。アルバイト経験がない人でも、普段目にする回数の多さから、業務内容がわかりやすい業界です。

 

全国どこにでもあるコンビニですが、新規出店を増やすだけの戦略では限界を感じてきたのが現状です。近年では、新たなサービスを増やし、セルフレジや無人店舗まで導入されています。

 

コンビニ業界に就職を考えている人は、業界研究を深め今後のコンビニ業界の動向を理解しておくことが重要です。本記事を参考にコンビニ業界の知識を深めていきましょう。



コンビニ業界とは?

コンビニと言えば、小売業の中でも長時間営業しているのが特徴です。従来のコンビニは、24時間営業が当たり前でしたが、近年では「人件費削減」、「光熱費の削減」などにより時間を指定しているところが多いです。

 

店舗出店を増やし、顧客を獲得する経営スタイルが特徴的なコンビニ業界ですが、近年では通用しなくなってきているため、店舗を増やすスタイルから新サービスを提供するスタイルに変わってきています。2019年から2022年までの店舗数をまとめました。

全国のコンビニの店舗数は、ほぼ横ばいの状態で、店舗数を増やしていく時代が終わりに近づいてきました。また「セブンイレブン」、「ファミリーマート」、「ローソン」の大手3社がシェア率を独占しているため、独立系のコンビニが消えつつあるのが現状です。



コンビニ業界のビジネスモデル

コンビニのビジネスモデルは、主にフランチャイズ方式です。コンビニは、ほとんどの店舗が「フランチャイズ店」で、直営店は少ししかありません。フランチャイズ店は、オーナーが本部の役員ではなく個人事業主が代わりにお店を経営することです。

 

本部から提供される「ノウハウ」、「経営技術」、「システム」、「商標」をもらう代わりに、「ロイヤリティ」として収益の一部を返上するやり方です。直営店との大きな違いは、出店する際に本部が出資することがない、ということです。

 

個人事業主が出資するため、店舗をたくさん出店しても大きな投資をしなくても問題ないことが特徴です。出店する際の投資が少ないため、店舗をどんどん増やし、知名度を上げ全国各地に展開する、というビジネスモデルです。



コンビニ業界の職種

コンビニ業界の職種は、販売・販売促進・店舗開発の3つがあります。自分がどの職業に合っているかひとつずつ確認していきましょう。

販売(店舗運営)

実店舗で働き接客・品出し・発注・スタッフの教育・売上金の管理といったことが業務内容です。本部からの指示に従いながらも、細かい経営部分に関しては独自で判断できます。

 

店舗運営全般に関わる仕事ですが、専門的なスキルが必要ないため誰でも気軽に始めることができます。売上分析やデータを活用する業務以外は、アルバイトでもできる作業を行うため、業務内容は比較的わかりやすく簡単です。

販売促進

販売促進はSV(エリアマネージャー)とも言われるポジションで、自分の管轄するエリア内の店舗を巡回し、店長や従業員の指導を行います。店舗の売上を伸ばす取り組みや、品質向上、販売計画の実施などが主な業務です。

 

各店舗を動き回ることから、体力面も必要な仕事です。また各店舗の店長や従業員と連携を取り合うので、コミュニケーション能力は高いことが望まれます。

店舗開発

店舗開発は、新たに出店する店舗の土地探し、開店計画の立案、オーナーの選定など店舗立ち上げに関わるすべてのことに携わる仕事です。

 

競合の多い場所に出店させることから「マーケティング力」、「分析能力」といったデータを読み取る能力が必要となります。またフランチャイズ店が多いことから、オーナーを見極める力も必須です。



コンビニ業界の大手企業の就職難易度や平均年収紹介

シェア率9割を占める大手3社の他にも、どのような企業があり、格差があるのか比較していきます。就職偏差値・難易度などについて詳しく知りたい人は、【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキングを参考にしてください。

 

また大手3社の経営戦略の違いについても見ていきましょう。

コンビニ業界の大手企業の比較

会社名売上高平均年収就職偏差値難易度
セブンイレブン60,632億円738万円583.5/5.0
ファミリーマート4,514億円618万円543.7/5.0
ローソン6,983億円633万円563.7/5.0
ミニストップ1,836億円599万円522.9/5.0
山崎製パン594億円558万円不明2.0/5.0

セブンイレブンの経営戦略

セブンイレブンの経営戦略は、オーソドックスな「ドミナント戦略」を使用しています。ドミナント戦略というのは、特定の地域に絞って集中的に出店することです。これにより、そのエリア競合に対し有利なポジションを得て、顧客を獲得します。

 

ドミナント戦略のもう一つの利点は、店舗が密集していることにより、物流が効率よく行えることです。スターバックスもこのドミナント戦略を採用しています。

 

地域ごとにそれぞれ特色がありますが、ドミナント方式を採用することにより各店舗が特色に沿った発注を行うことができます。本部主導であれば、需要を読み間違えることがあるため、このようなこともドミナント方式の魅力です。

ファミリーマートの経営戦略

ファミリーマートの取り組みは、業務提携や企業の吸収・合併、経営統合を積極的に行っていることです。個の力では、セブンイレブンにまだ勝てないため、他企業と力を合わせながら成長しています。

 

2016年にはサークルKサンクスと経営統合し、2017年にはドン・キホーテと業務提携しています。また24時間利用できるフィットネスクラブを運営するなど、コンビニ以外でも力を伸ばしているのが特徴です。

 

サークルKサンクスと合併したこともあり、店舗数の数はセブンイレブン(21,031店舗)、ファミリーマート(16,348店舗)と徐々に近くなってきています。しかし、一店舗当たりの売上はまだかけ離れているため、新サービスを進めているのが現状です。

ローソンの経営戦略

ローソンの経営戦略は、「ターゲティング戦略」と「投資収益性」です。この二つについて説明します。

 

<ターゲティング戦略>

ローソンは、コンビニの形態を少し変えることで、より顧客の求めるニーズに合わせた店舗を構えています。例えば、「ナチュラルローソン」、「ローソンストア100」といったものです。

 

コンビニでありながらも、ターゲットを細分化することで商品の種類や売り方などを変えているのが特徴です。

 

<投資収益性>

上記で説明した事業への「投資収益率」を徹底し、最大限の利益を生み出せる取り組みを行っています。投資収益率とは、投資することで得られる利益をどれだけ指せるか、という値です。

 

ローソンはこの値を20%と徹底し、どの事業からも安定した収益を得られるように管理しています。



コンビニ業界の現状と動向について

コンビニ業界は、出店数を伸ばすことで売上を増加させていきましたが、その戦略も伸び悩んできています。コンビニ業界の現状と動向について解説していきます。

コンビニ業界の現状

2011年から2017年まで店舗数を拡大することにより、売上を3.2兆円も伸ばしてきました。そこから店舗数はほぼ横ばい状態で、売上はコロナウイルスの影響で一時落とすものの、横ばい状態が続いています。

 

店舗数を増やすことで、売上を伸ばしてきた戦略が難しくなってきているのが現状です。大手3社は、店舗数の拡大に力を入れるのではなく、「既存店の見直し」に戦略を変えているようです。

引用元:業界動向リサーチ

 

コロナウイルスの影響から利用者の行動が変化しています。例えば、在宅ワークが増えていることから、オフィス街店舗の売上が低迷し、住宅街店舗の売上が増加しています。こうした社会の流れに合わせた取り組みの実施を3社共に行っているため、見ていきましょう。

 

・セブンイレブン

新事業であるデリバリーサービスの「7NOW」の開発に力を入れ、2024年には全国展開する予定です。また新規顧客の獲得に向けて、店舗内にダイソーの商品を展開するなど新サービスに取り組んでいます。

 

・ファミリーマート

デジタルサイネージや無人決済店舗といった新ビジネスで収益の加速を狙っています。デジタルサイネージというのは、レジ上に大きなディスプレイを設置し、そこで広告を流すことにより宣伝効果を得ることです。

 

レジ上にあることから視聴率は70%を誇り、購買意欲が1.6倍も高まったというデータが出ています。

 

・ローソン

店内で作った総菜やお弁当を販売する「店内厨房」の推進や、冷凍食品の品揃え強化などを行っています。また今後は、ドローンによる宅配、ロボットの活用、レジなし店舗システムの導入などを視野に売上を伸ばしていくのが狙いです。

 

コンビニ業界の今後の取り組み

国内競争が飽和状態になりつつあるため、大手3社は海外事業のさらなる発展を目指しています。今後のコンビニ業界は、国内争いだけでなく海外進出の違いにも差が出始めてきます。

 

海外事業に先駆けているセブンイレブンは、2021年にアメリカの大手コンビニである「スピードウェイ」を買収し、海外の店舗数を増やしているのが特徴です。

 

アメリカ以外にも、インド、イスラエル、タイ、韓国、台湾、ラオスなど18カ国に進出し、売上増加を図っています。国内のみならず、海外でも店舗数の差を見せつけているので、そう簡単に首位の座を譲ることはないでしょう。

 

セブンイレブンに次いで、ファミリーマート、ローソンも海外進出に力を入れています。台湾、中国、タイといった東南アジアを中心に進出し、店舗数を増やしています。

 

大手3社は海外進出に力を入れていくことはもちろんですが、商品の質へのこだわりや、利便性の追求など、競合とは異なるサービスに特化することが重要です。どの分野において他社との差別化を図れるかが、今後の行き先を左右することになるでしょう。



コンビニ業界の志望動機

コンビニを利用することの多さから、コンビニ業界に魅力を感じる人も多いです。コンビニを利用したことがきっかけになる人もいれば、アルバイト経験を志望動機にする人もいます。

 

志望動機の書きやすい業界であるため、どのような志望動機があるか見ていきましょう。

 

<コンビニでアルバイトしていた>

比較的多いのが、コンビニでアルバイトをしていたことを志望動機にすることです。アルバイトのときに、「接客によって売上が変わることを知った」、「地域のみなさまのためになる」といった理由が多いです。

 

<コンビニで売られている商品に魅力を感じた>

自社ブランドで販売している商品が大好きで、独自の製造方法や実現に至るまでの経営戦略に、魅力を感じました。販売している商品から「経営理念」や「経営戦略」などを絡めた志望動機もあります。

 

<コンビニの進化の速さに魅力を感じた>

自分がイメージしていた以上にサービスが充実しており、時代を先駆ける事業であると思ったからです。次々の新しいサービスが提供されることに驚き、最先端のサービスに携われる仕事をしたい、といった志望動機もあります。



まとめ

コンビニを普段利用することが多いことから、なじみの深い業界です。業務内容も比較的簡単で、専門スキルが必要ないため就職を考える人も多いと思います。

 

ビジネスモデルも「ドミナント戦略」や「企業の合併」などあまり複雑でないため、理解も深めやすいです。現状伸び悩みを抱えているコンビニ業界ではありますが、これから新事業、新サービスに携わることが多くなるため、やりがいを感じられる業種です。

 

自分ならどのようなサービスを提供するか、他社との差別化を図るためにはどうすべきか、といったこの先を考えた志望動機が書ければ、アピールポイントになります。面接やES等を踏まえて、業界研究は綿密に行うことが大切です。

 

本記事を参考に、コンビニ業界について知識を深め、業界研究に役立ててください。



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就活ハンドブック編集部

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