【業界研究】保険会社に就職したい!志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

【業界研究】保険会社に就職したい!志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

2023年6月14日更新

はじめに

保険業界は、金融業界に属することで安定性や給料の高さなどが期待され、就活において人気です。そのため、ライバルが多い業界であると言えます。保険業界とはどんな業界なのでしょうか?概要、ビジネスモデル、職種、大手企業、動向などについて解説していきます。この記事を読んで、保険業界について漏れなく把握し準備しましょう。ライバルに差をつけられるかもしれません。

 

保険業界とは?

保険業界には、保険を取り扱う企業が分類されます。保険とは、大勢の契約者から保険金を徴収し、それを元手として、もしもの時に保険金として契約者に還元する仕組みの商品のことを言います。

保険には取り扱うリスクによって、色々な種類があります。そして、取り扱う保険の種類は会社によって異なります。また、保険の販売形態も多岐に渡ります。そのため、まずはそれらの違いを把握しておく必要があります。以下に順番にご説明していくので参考にしてみてください。

保険の種類

保険は主に、生命保険、損害保険、その他の保険の3種類に分類することができます。

生命保険

生命保険は、死亡に関わる保険金と生存に関わる保険金を取り扱う保険です。もしも亡くなってしまった場合に残された人にお金を準備しておくことができます。また、個人年金保険や学資保険のように、保険期間満了後にお金を受け取れる仕組みの商品もあります。

損害保険

損害保険は、自然災害やケガ、事故などに備える時の保険です。身近な損害保険にはたとえば、自動車保険、火災保険、地震保険、傷害保険、旅行保険などが挙げられます。これらは個人が日々起こり得る様々なリスクに備えるための商品です。一方で損害保険には、法人向けの商品もあります。たとえば、賠償責任に関する保険、輸送に関する保険などが挙げられます。

その他の保険

その他の保険には、医療保険、がん保険、介護保険などが含まれます。生命保険や損害保険ではカバーできない分野のリスクに備えます。保険では「第三分野」と表現されることもあります。

以上のように保険は生命保険、損害保険、その他の保険の3種類に分類することができます。その中でも備えるリスクなどによって商品の仕組みが異なることに注意が必要です。

保険業界の形態

保険を取り扱っている企業には、保険会社と保険代理店が挙げられます。

保険会社

保険会社は、保険商品の企画開発、運用、販売、支払い業務などを行っています。保険会社が預かる資産は多額に上るため、その管理や運用が必要です。また、保険金の支払い判断や手続きなど業務は多岐に渡ります。

保険代理店

保険代理店は、保険会社と代理店契約をして保険商品を販売している企業です。保険業務のみを行う保険ショップ等と、保険業務以外も行う自動車販売店やハウスメーカー、銀行等があります。これらの保険代理店は保険会社とは異なり、基本的には保険の販売のみを行います。そのため商品の企画開発や運用の業務はありません。しかしながら、複数の保険会社の商品を取り扱えるという魅力があります。

以上のように、保険業界には保険会社と保険代理店の2つの形態があります。企業によってできる業務とできない業務があるので注意しましょう。

 

 

保険業界のビジネスモデル

保険料収益

契約者から支払われた保険料が、保険会社の支払うべき保険金と比較して多かった場合に、利益として計上できます。生命保険の場合、予定死亡率を元に算出した保険料が実際に支払った保険金を上回ります。これを、死差益と言います。

また、人件費や広告費などの必要な費用を差し引いたうえでの利益を、費差益と言います。

資産運用収益

保険会社は、契約者から支払われた保険金を運用しています。保険商品によりますが基本的な投資先は、比較的リスクが低い国内債券が中心です。また、不動産や外国債券にも投資している場合があります。想定した運用益と実際の運用益の差は、利差益と呼ばれています。

 

保険業界の職種

保険業界には、営業、開発企画、資産運用、事務などの職種があります。それぞれ、仕事内容や求められるスキルが異なります。同じ保険会社と言えど適性が異なるため、しっかりチェックしましょう。

営業

営業は、保険商品の販売とアフターフォローを行います。営業には、個人向けのリテール部門と法人向けのホールセール部門があります。

個人向け営業

個人向けの営業は、最も身近な職種です。地域住民に向けた新規開拓、既存顧客に向けた契約内容の見直しを行います。お客様の心配事やニーズを聞き出すコミュニケーション能力懐に入って良い関係性を続けていく外向性が必要です。また、人生の重要な場面でそばに寄り添っていたいというホスピタリティも重要視されます。保険商品は目に見えるものではありません。また競合他社が多く、顧客としては、売る側の人間性が大きな判断材料となります。魅力的な人間になれるかどうかが重要です。

法人向け営業

法人向けの営業は、企業に向けて損害賠償や輸送に関わるリスクに備える損害保険を販売します。工場や企業に向けて大きな金額の仕事ができるでしょう。それぞれの企業に見合ったリスクに対する保険プランの立案と提案が必要です。そのため、ヒアリング力、折衝力、論理的思考などが求められるでしょう。

法人向けの営業にはその他に、保険代理店に向けて営業計画立案や提案、販売促進を行う代理店営業もあります。適切にサポートする力が求められます。

以上のように保険会社の営業には、個人部門と法人部門の大きく分けて2つがあります。それぞれ求められる能力が異なることに注意が必要です。

開発企画

保険会社には、保険商品の開発や企画を行う部門があります。生命保険では少子高齢化によって国内の需要が飽和状態にあります。そのため、新たなリスクに対応した商品の開発が望まれています。また、損害保険ではインターネットの普及などによって新たなリスクが台頭しています。それに対応する商品の開発が望まれています。

開発企画には顧客ニーズを汲み取って商品に反映させられる能力が必要です。また、予定死亡率や経費、資産運用の想定利益率などを考慮して保険料や保険金を決定することになるため、金融工学の知識が必要です。そのため、就活市場では理系学生の採用も多くなっています。

資産運用

保険会社では、顧客から支払われた保険料を、国内債券や不動産、外国債券に投資しています。どの資産にどれくらいの比率で投資するのか、買い時や売り時を見極めることも必要です。そのため、市場分析力や忍耐力が問われます。

事務

保険商品の契約には、金融庁で定められている文書の交付や契約書の受け入れが必要です。また、保険金の支払い基準を満たしているかを顧客からヒアリングし、支払額を算定することも求められます。

このような手続きに関して事務職は、それが正確に行われているか、書類の不備や書き漏れはないかを確認していきます。そのため、ヒアリング力、正確性、真面目さなどが求められるでしょう。

 

 

大手企業紹介

ここでは、保険会社の大手を紹介していきます。生命保険会社、損害保険会社の大手企業について、社名、企業理念、特に力を入れている事業、社風、平均年収、就職偏差値などを記載しています。

 

会社名企業理念平均年間給与就職偏差値
東京海上日動火災保険「安心と安全」1412万7185円62
損保ジャパン安心・安全・健康に資する最高品質のサービス626万937円なし
三井住友海上火災保険安心と安全1097万6292円58
日本生命国民生活の安定と向上28万2000円(月額)67
第一生命お客さま第一主義27万3000円(月額)66

 

東京海上日動火災保険

東京海上日動火災保険(引用:東京海上日動火災保険株式会社)は、損害保険会社の大手企業です。理念は、「お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点におき、「安心と安全」の提供を通じて、豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献します。」というものです。

2022年3月31日現在の平均年間給与は、1412万7185円となっています。(引用:東京海上日動火災保険株式会社「2022年3月期有価証券報告書」

就職偏差値は、62(引用:【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング)となっています。

損保ジャパ

損保ジャパン(引用:損害保険ジャパン株式会社)は、損害保険会社の大手企業です。理念は、「SOMPOグループは、お客さまの視点ですべての価値判断を行い、保険を基盤としてさらに幅広い事業活動を通じ、お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献します。」というものです。

2022年3月31日現在の平均年間給与は、626万937円となっています。(引用:損害保険ジャパン株式会社「第79期有価証券報告書・確認書」

三井住友海上火災保険

三井住友海上火災保険(引用:三井住友海上火災保険株式会社)は、損害保険会社の大手企業です。理念は、「グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます」というものです。

2022年3月31日現在の平均年間給与は、1097万6292円となっています。(引用:三井住友海上火災保険株式会社「有価証券報告書」

就職偏差値は、58(引用:【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング)となっています。

日本生命

日本生命(引用:日本生命保険相互会社)は、生命保険会社の大手企業です。理念は、「共存共栄、相互扶助の精神にもとづく生命保険事業は、国民の福祉と密接に関連し、また、事業の繁栄は、国民の深い理解と信頼の上にはじめて可能であることにかんがみ、われわれは、信念・誠実・努力の信条のもとに、国民生活の安定と向上に寄与することを固く決意し、ここに経営の基本理念を定める。」というものです。

報告書によると2022年3月31日現在、営業職員の月額平均給与が28万2000円となっています。これは、賞与および時間外手当を含んでいません。(引用:日本生命保険相互会社「日本生命統合報告書2022」

就職偏差値は、67(引用:【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング)となっています。

第一生命

第一生命(引用:第一生命保険株式会社)は、生命保険会社の大手企業です。理念は、「一生涯のパートナーお客さま第一主義」となっています。

ホームページによると2017年度の生涯設計デザイナー月額平均給与が27万3000円となっています。これは、賞与および時間外手当を含んでいません。(引用:第一生命保険株式会社「従業員の状況」

就職偏差値は、66(引用:【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング)となっています。

 

 

保険業界の動向

つづいて、保険業界の市場規模や成長性などについて解説していきます。

市場規模

まずは生命保険業界の市場規模です。「保有契約の年換算保険料(契約期間中に平均して保険料が支払われると仮定した場合の 1年間の保険料収入)について見ると、2021 年度末は 27.8 兆円(うち第三分野は 7.1 兆円)」となっています。(引用:生命保険協会「生命保険の動向2022年版」

次に損害保険業界の市場規模についてです。「正味収入保険料は自動車保険や火災保険の増収などにより、前年度に比べ1.3%増の8兆8,063億円となっています(損保協会会員会社ベース)。」(引用:日本損害保険協会「ファクトブック2022」

以上のように、生命保険、損害保険どちらも大きな市場規模となっています。

今後について

生命保険業界については、少子高齢化の進行により従来の終身保険などの需要が減りつつあります。そのため、今後は死亡保障の他に、医療や介護分野のリスクに備えた商品開発や販売の力を培う必要があります。また、海外事業の開拓も活発です。

損害保険業界については、新たなリスクの台頭により今後も活発な需要が見込まれるでしょう。たとえば、インターネット犯罪やテロのリスクが挙げられます。これらに対応した商品開発や販売が伸びていくでしょう。また、海外事業の開拓にも積極的です。

志望動機

ここでは、保険業界の企業への就活において、よくある志望動機を2つご紹介していきます。

人を助けたいという精神

生命保険や損害保険は、人々のもしもの時の支えになります。悲しいことや思いもかけないことが起こってしまい落ち込む人々の力になりたいというホスピタリティが活かせる業界とも言えるでしょう。そのため、他人のために頑張った経験を志望動機とからめてアピールするケースが見受けられます。

お客様との深い関係性

生命保険や損害保険は、お客様との信頼関係がないと販売できません。なぜなら、目に見えない金融商品であること、高額になりがちなことが理由として挙げられます。そのため、コミュニケーション能力や折衝力を志望動機とからめてアピールするケースが見受けられます。

 

ホットニュース

損保ジャパンの沿革(引用:損害保険ジャパン株式会社「会社沿革」)から見られるように、損害保険会社の再編は進んでいます。しかしながら比較して生命保険会社の再編は遅れています。なぜなら、ほとんどが株式会社ではなく相互会社だからです。その複雑な仕組みから、M&Aが難しくなっているのです。国内市場が飽和状態にあるなかで、生命保険会社の財務状況が心配されています。今後、生命保険会社の再編がどのように進んでいくのかがポイントになります。

 

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