【例文付き】信用金庫に刺さる志望動機の作り方
2023年3月19日更新
はじめに
「信用金庫の志望動機が全く思い浮かばないんだけど、どうしよう!」
「信用金庫の志望動機って、どんなことを書けばいいの?」
「そもそも信用金庫と銀行の志望動機は一緒じゃダメなの?」
など、信用金庫の志望動機で頭を抱えていませんか?
大丈夫です。
信用金庫の志望動機はコツさえ掴めば、刺さる再現性の高い志望動機が簡単に作れます。
本記事では、信用金庫の志望動機を作る際の重要ポイントを5つ押さえたうえで、お手本とダメな例文を比較しながら、誰でも1人で作れるテクニックを身に付けてもらいます。
10分ほどで悩んでいたことが一発で吹き飛びますので、最後まで一気にお読みくださいね。
信用金庫の志望動機を作る際の重要ポイント5つ
信用金庫の志望動機を作成する際に意識すべき重要なポイントが、下記のとおり5つあります。
①なぜ銀行ではなく、信用金庫なのかを整理する
➁その中でもなぜ貴庫なのかを明確にする
➂貴庫で何を実現したいのかを考える
➃あなたの経験や能力、性格を志望動機に絡ませる
➄信用金庫に刺さる志望動機の「型」を使う
1つずつ深掘り解説していきますね。
①なぜ銀行ではなく、信用金庫なのかを整理する
まず、信用金庫の志望動機を作る際に重要な1つ目のポイントは、
「金融業界の中でも、なぜ信用金庫なの?」
「なぜ、似たような業態の銀行ではなくて、信用金庫なの?」
という疑問に対して明快に答えていかなければなりません。
特に、対銀行に対しては業務がほとんど同じで、内定を出しても銀行に逃げられるリスクもあるので、信用金庫としてかなり高い関心があります。
なので、「信用金庫でなくちゃダメな理由」を挙げる必要があるのですが、そのためには銀行と信用金庫の違いをまず押さえておく必要があります。
それでは、銀行と信用金庫の違いって何でしょう?
その違いを下表で見ていきましょう。
区 分 | 信用金庫 | 銀 行 |
設立目的 | 地域で集めた資金を地域の中小企業と個人に還元することにより、地域社会の発展に寄与する | 社会をより豊かにし、経済活動を支える |
組 織 | 会員の出資による協同組織の非営利法人 | 株式会社組織の営利法人 |
会 員 (組合員) 資 格 | 【地区内において】 ・住居または居住を有する ・事業所を有する ・勤労に従事する ・事業所を有する者の役員 〈事業者の場合〉 従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者 | な し |
業務範囲 (預金・ 貸出金) | 預金は制限なし ・融資は原則として会員とするが、 制限つきで会員外も貸し出しできる ・3年以上会員であった事業者に対しては、その会員であった期間に応じて会員脱退後以降も融資期間を延長する | 制限なし |
事業エリア | 一定の地域に限定 | 制限なし |
➁その中でも、なぜ貴庫なのかを明確にする
銀行ではなく、信用金庫を選ぶ理由ができたら、次はその中でもなぜ貴庫なのかという説明を考えていきます。
そのためには、企業研究や企業分析が必須となってきます。
「その貴庫にしかない強み」を会社の特長や経営理念、力を入れている取り組みや事業、求められる資質や能力などから探っていき、あなたが惹かれるものを明確にしましょう。
そして、
「〇〇だから、貴庫なのです」
と言えるようにすると、貴庫に対する志望度が伝わるわけです。
そのためには、ネットで調べるだけでなく、実際に企業見学させてもらったり、信用金庫の支店に足を運ぶのもいいでしょう。
あるいは、OB訪問で先輩の生の声を聴いたりして、貴庫の雰囲気を掴んでおくのもアリです。
このように志望度の高さを行動面で示せると説得力がより高まりますね。
➂貴庫で何を実現したいのかを考える
次に大切なことは貴庫で何を実現したいのかを語ることです。
相手はあなたが入社したら、
「活躍してくれるだろうか?」
「頑張ってくれるだろうか?」
「長く勤めてくれるだろうか?」
といった活躍イメージを想像しながら、選考を行っています。
なので、
「私を雇うとこういう明るい未来が待っていますよ」
といった活躍イメージの映像化に成功すると、内定確率が高まります。
これを「ベネフィット」と言いますが、要は「相手が得たい結果」や「求める未来像」を語って、「あなたを雇う理由」を提示してあげる必要があるわけです。
なので、必ず「私が入社したら、〇〇を実現したいと考えています」というようにアリアリと臨場感のあるパートを盛り込むようにしましょう。
➃あなたの経験や能力、性格を志望動機に絡ませる
次に考えてほしいことは、貴庫の求める人物像にマッチしているのかを確認することです。
なぜなら、「貴庫が求める人物像」=「そういう人物がいれば、採用しますよ」と公言しているに他ならないからです。
なので、
「私は求める人物像に適合する人物ですよ」
とアピールできれば、「はい、採用!!」となるわけです。
たとえば、
名 称 | 求める人物像 |
高崎信用金庫 | 1.何事にもチャレンジする「積極性」 2.目標達成に向けて、最後まであきらめない「粘り強さと責任感」 3.お客さまの大切なお金を扱う人間として、信頼される「誠実さ」 4.意志の疎通を円滑にする「コミュニケ―ション力」 |
呉信用金庫 | 1.考える力 2.チームワーク 3.行動する力 |
豊川信用金庫 | 1.様々な事に興味を持ち、挑戦する人 2.感性豊かで自ら考え、積極的に行動できる人 3.失敗を恐れず、最後までやり遂げる人 4.笑顔で会話のできる人 |
さわやか信用金庫 | 1.誰にでも明るい対応のできる方 2.失敗を恐れず、何事にも前向きに粘り強く取り組んでいける方 3.協調性とコミュニケーションを重んじ、人として信頼できる方 |
東京信用金庫 | 常にチャレンジ精神を持ち、物事に取り組めること |
のように信用金庫間でも「求める人物像」に似ている点もありますが、微妙に違う点もあります。
なので、同じアピールを行ったとしても、反応率の高い信用金庫とそうでない信用金庫に分かれる可能性があります。
求める人物像が「チャレンジ精神」や「行動力」であれば、そういった場面を想起できるエピソードを、「コミュニケーション」であれば、幅広い年齢層とコミュニケーション可能なイメージの出るエピソードを繰り出さなければなりません。
なので、各信用金庫の求める人物像をリサーチしたうえで、あなたの経験や能力と接点のあるピンポイントなエピソードを添えてアピールすることが重要だということですね。
➄信用金庫に刺さる志望動機の「型」を使う
最後の重要ポイントは、信用金庫に刺さる「型」を使うということです。
これまで重要ポイント4つを説明しましたが、それを包含する構成でまとめると刺さります。
その「型」が以下の4ステップです。
【ステップ1】結論①:信用金庫である理由→私が貴庫を志望する理由は〜だからです。
↓
【ステップ2】結論➁:貴庫である理由→特に貴庫では〜に力を入れておられます。
↓
【ステップ3】自分の経験や性格との紐づけ→私は〇〇な経験を通じて××な能力を高めました。
↓
【ステップ4】ベネフィット→貴庫では、この経験で得た××な力を駆使し、~で活躍します。
まず【ステップ1】で銀行ではなく、信用金庫を志望する理由を端的に述べたうえで、【ステップ2】で、その中でも貴庫である理由に踏み込んで具体的な志望動機へと展開していきます。
そのうえで、【ステップ3】であなたの経験や性格と貴庫の接点や関連性をリンク付けしたうえで、【ステップ4】のベネフィットであなたを採用する理由、活躍イメージを述べてクロージングしていきます。
とはいえ、例文がないとイメージしづらいと思いますので、次のチャプターで例文をお示しします。
信用金庫に刺さる志望動機の「お手本例文」と「ダメな例文」
それでは、例文を見ていきましょう。
まずは、お手本の例文を3つお見せします。
お手本例文
まず1つ目の例文です。
実際に例文を見ながら、イメージを膨らませて欲しいと思います。
私が貴庫を志望する理由は、弱い立場の中小企業や個人を資金面から下支えし、地元の経済安定化に一翼を担いたいからです。【ステップ1】 私の父親の会社がバブル崩壊時に経営が傾きかけていたときに、銀行が貸し渋りする中で貴庫から融資を行って頂いたことで、存続の危機を免れることができました。【ステップ2】 そんな父親の姿を目の当たりにし、地域で集めた資金を地域の中小企業や個人に還元するビジネスモデルに痛く感銘を受けました。【ステップ3】 貴庫では弱い立場の中小企業や個人に対して真摯に向き合い、一緒になって解決の方法を導き出し、地域に有難がられる信用金庫の一員として活躍したいと考えています。【ステップ4】 |
いかがでしょうか?
【ステップ1】で信用金庫に対する全般的な志望理由を述べたうえで、【ステップ2】ではなぜ貴庫なのかを説明することで、貴庫に対する志望度がグッとフォーカスされています。
【ステップ3】で自分と貴庫のつながりを説明することで、さらに親近感が湧いてきますね。
最後の【ステップ4】でベネフィットを述べると、活躍イメージが浮かび上がりますので、人事が内定になびくような志望動機に仕上がるわけです。
このように「型」を使うことにより、論理的で網羅された説得力のある志望動機が量産できます。
2つ目の例文は「型」を少しアレンジして作成してみます。
私が信用金庫に入社したい理由は、非営利組織として資金面で地域の活性化に大きな影響力を行使できるからです。 日本全体の99.7%が中小企業だと言われていますが、事業の特性上、信用金庫は中小企業や個人に融資するため、その役割が極めて大きいと考えています。【ステップ1】 私は大学時代のボランティアサークルの子供食堂や地域の清掃活動を通じて、地域の方とのふれあいや会話をする中で、人柄の良さや地域に対する愛着が生まれました。【ステップ3】 私の地元ではないですが、第2のふるさととして高齢化が進んで経済が低迷しているこの町を元気にしたいと思い、最も地域活性化に貢献できる貴庫でその一端を担いたいと考えています。【ステップ2、4】 |
いかがでしょうか?
今回の例文は【ステップ2】の貴庫でなければダメな理由と【ステップ4】のベネフィットを融合して作成した文章です。
これでも内容としては十分に効力があると思われます。
このように内容に漏れがないことが大事で、ステップの順番は内容に応じて適宜アレンジしても大丈夫だという例をお見せしました。
最後にもう1つだけ例文をお見せしましょう。
私が貴庫で働きたいと思った理由は「信用・信頼・しんきん感」の経営理念のもと、「地域の中で最も、身近で、便利で、頼りになる」地域の金融機関として評価を得るというスタンスに共鳴したからです。 その体現の1つとして、貴庫では〇〇大学から△△教授を迎え、「若手経営者塾」を主催し、これまで10年かけて300名の卒業生を輩出する長期的な取り組みを行っています。 ここから数多くのスタートアップが生まれ、徐々にではありますが地域の経済活性化にも寄与されている点に深く感銘を受けました。【ステップ2】 私自身、大学では地元を離れましたが、遠くから地元を客観的に見ることで、改めて地元の良さを実感しました。【ステップ3】 今度は生まれ育った地元に私自身が恩返ししたいと考え、お客様への情報提供と連携を通して地域の貢献に私の持てる力を十分に発揮したいと考えています。【ステップ4】 |
最後の例文は【ステップ1】をスキップして、いきなり【ステップ2】から入る例です。
冒頭から「貴庫でなければならない理由」を語ることで、銀行という選択肢をスッパリ消し去っています。
このように、いきなりミクロから入って【ステップ1】を省略する技でも、十分に志望動機として成立することが理解頂けたと思います。
型を守りつつ、独自にアレンジしていく「守破離」を身に付けられれば、技の引き出しが増えて応用が利きますね。
ダメな例文
お手本の例文を3本見ていただきましたが、逆にダメな志望動機の例文もお見せしておきます。
たとえば、
①どの企業にもあてはまる志望動機
➁安定性や待遇がメインの志望動機
➂入社後の活躍が抽象的・全般的な志望動機
がそれにあたります。
今から、すべてが入ったダメな例文をお見せしますので、反面教師として活用しましょう。
私が貴金庫を志望する理由は、信用金庫は収益が安定しており、生活設計が立てやすいからです。 加えて、私は貴金庫の仕事を通じて、自分が生まれ育った〇〇市に貢献したいと考えています。 住み慣れた環境で安心して仕事に取り組みながら、地域に貢献できるライフスタイルに生きがいを感じています。 貴金庫に入社した暁には、この地域を必ず盛り上げます。 |
いかがでしょうか?
どこが悪いか分かりますか?
まず冒頭で「安定性」を挙げていますが、安定している企業であれば、別に信用金庫でなくてもいいですよね。
しかも、その理由が「生活設計が立てやすいから」という自分本位の志望動機になっている点が気持ちはわかりますが、減点対象ですね。
また、「貢献したい」「この地域を必ず盛り上げます」と記載されていますが、具体的なエピソードや思いがプアーなので全く響きませんね。
自分や信用金庫のことを理解したうえで、双方にとってメリットとなる志望動機に持っていきたいものですね。
おわりに
以上、信用金庫の志望動機で重要なポイントを5つ紹介したうえで、「型」と「例文」を交えて実際にあなたが志望動機を1人で作れるようにテクニックを解説してきました。
あらためて、
・なぜ、信用金庫なのか?(=銀行ではないのか?)
・その中でもなぜ、貴庫なのか?
・貴庫でどのようなことを実現したいのか?(=ベネフィット)
を織り交ぜないと説得力ある力強い志望動機が生成できないことを理解してもらえたと思います。
そのために刺さる志望動機を作成する4ステップも公開してきました。
ぜひ、例文を参考にされて、あなたなりの志望動機を今すぐ作ってみてください。
魅力的な志望動機が完成するはずです。
そのために、本記事がお役に立てば幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。