
文系は就職に不利って本当?文系就活を勝ち抜くポイントとは
2023年3月19日更新
はじめに
就活を始める際に、文系・理系の区別が気になることはありませんか?
理系は職種まで細かく分かれている印象があるものの、文系はそのような印象もなく、なんとなく就活において不利だと思っている人は少なくありません。
「そもそも大学の学びに専門性がない…」
「何を学びましたか?と聞かれると、説明するのが難しい…」
「やっぱり理系の方が就職は有利なのでは?」
自身が文系というだけあって、就活に対する不安を抱えている人はたくさんいます。
そこで本記事では、そもそも文系は就活において不利なのかということをはじめ、文系就活を勝ち抜くためにはどのようなポイントを押さえておくべきなのかという点について詳しくご紹介します。
文系出身で今後就活を控えている人や、現在就活を行っている人は、ぜひ最後までお読みくださいね。
文系だから就活が不利ということはない
結論からお伝えすると、文系だからといって就活が不利になることはありません。
ただし、理系の場合は就活時にある程度職種が制限されていることも多く、専門知識をアピールしやすい環境があると言えます。
言い換えれば、文系は理系ほど専門性がない場合が多いとも言えます。代わりに幅広く様々なことを学んでいることこそ、文系の強みです。
一方で専門性が客観的には分かりにくいことから、自身で言語化して伝える必要があります。
そのため、「文系だから就活が不利」ということは決してないものの、自分なりに武器を整え、準備する必要があることを理解しておきましょう。
人事は文理を気にしていない?
そもそも、人事が就活生に対して文系・理系を強く気にしているかと言うと、そんなことはありません。
もちろん知識があることを前提とする職種であれば話は別ですが、それ以外の職種であれば、学生時代学んできた内容よりも、その人自身の価値観や性格、ポテンシャルの方が就活では重視されるでしょう。
そのため文系・理系に捉われすぎずに、就活に備えることが大切になります。
文系が就活に不利と噂される理由
文系だからといって就活に不利ではないことはお伝えしたものの、どことなく「文系は就活に不利だ」という話を耳にすることがあるのではないでしょうか。
なぜそのような話題が出るのか、その理由をご紹介します。
学びを仕事に活かしにくいと思われている
文系の場合、学んだことを仕事に活かしにくいという印象があります。
文系の中でも経済学部や経営学部などで学ぶ内容であれば、ビジネスとの親和性は高いでしょう。そうではなく、文学史や歴史などを学ぶと、文化に対する知見は拡がるものの、ビジネスには活かしにくいという側面があります。
そのような理由から、文系の学びは仕事に活かしにくいと思われてしまうことが多いようです。
専門知識がないと思われている
多くの理系学部は研究室への所属が必須とされ、何かひとつのテーマを決めて研究を重ねます。そのため、設定したテーマへの専門知識は深いものとなるでしょう。
その比較となると、文系の多くの学部では「専門的」と呼べるほどひとつの知識を深めることは少ないかもしれません。
このことが、「文系は専門知識がない」と言われるひとつの理由となっているようです。
学部ごとに違いが大きくないと思われている
学部ごとに専門の学問はあるものの、近年では「広く様々なことを学ぶ」ことを目的とした学部も少なくありません。そのため、特定の学部に所属していたとしても、学部特有の専門性が少ないと思われている可能性があります。
しかし、もちろん学部ごとに独自の専門性があることは言うまでもありません。
ただし、理系学部と比較すると伝わりにくい点は否めないことから、自分の言葉で所属学部の特徴や学びを説明できるようにしておきましょう。
文系学生が就活する際のポイントとは
では、文系学生が就活する際には、どのようなポイントに留意するべきなのでしょうか。
幾つかのポイントをご紹介します。
自分の強みを言語化できるようにする
最も大切なのは、自分の強みを言語化することです。
大学での学びはもちろん、その他の活動をしている人も多いでしょう。
あらゆる経験を通じて得た自分の学びから、自分の強みはしっかりと言語化しておくことが大切です。
もちろん文系学生に限らず、理系学生においても重要なことです。
就活に臨む上でまず必要なこととして捉え、強みをきちんと言語化しましょう。
自分の学びを説明できるようにする
「何が目的で今の学部を選びましたか?」「ご自身の学部では、どのようなことを学ばれていますか?」など、就活では学びに関連する質問がよくされます。
そのため、このような質問を想定して回答を準備しておくことが大切です。
「何を答えるべき?」と悩む人がいるかもしれませんが、ゼミに所属している場合はゼミで学んでいる内容を、ゼミが必修ではない場合は特に印象深い授業内容などに触れると良いでしょう。
ゼミに所属している場合は、「なぜそのゼミを選びましたか?」などの質問をされる可能性があることから、ゼミを選んだ理由も語れるようにしておくと安心です。
また、面接時期によっては想定される卒論テーマなども聞かれる可能性があるため、すでに準備をしている場合にはそちらも想定して回答を準備しておくのが良いでしょう。
就職したら何をしたいかを語れるようにする
「就職後、何をしたい?」と聞かれることは少なくありません。
専門性を極めるという選択肢にたどり着きにくいからこそ、文系学生は自分なりにビジョンを描くことが求められます。
そのため、就職後のビジョンをある程度描いておくのが良いでしょう。
この時注意すべきは、人生設計ではなくあくまでも仕事上のビジョンであることです。
「まずは〇〇の職種を経験し、将来的にはXXに関わる業務をしたいと思っています」などの回答が望ましいでしょう。
「〇歳で結婚して…」などの回答を求める質問ではないことは理解した上で、回答することが大切です。
文系学生に人気の業界
では、文系学生にはどのような業界が人気なのでしょうか。
特に人気がある業界を幾つかご紹介します。
金融業界
金融業界は規模が大きく、採用される人数も多いことから、文系学生に人気の業界となっています。
金融業界と一言に言っても様々な仕事がありますが、文系学部のひとつである法学部で学ぶことができる、法律知識を強く必要とする職種もあります。
その観点に立つと、文系ならではの専門性を活かしやすいことから、文系学生が就職する上で選択しやすい業界だと言えるでしょう。
また、多くの顧客との接点が求められることもあり、文系学生が強みとする傾向が強い対人力が重視される傾向もあります。
このような点から、文系学生との相性が良い業界だと言うこともできるでしょう。
保険業界
保険業界も金融業界同様、規模が大きく採用人数も多いことから、文系学生に人気の業界となっています。
保険業界は総合職、一般職、エリア職など様々な区分があり、働き方や働く場所を入社前に想定できる点も人気の理由でしょう。
また、在籍中に資格取得などもできることから、知識を獲得できる点も人気の理由です。
一部理系専門職がある場合があるものの、基本的には文系学生が多く就職する業界だと言えます。
教育業界
学校や塾、教育関連のサービスを提供する企業は、文系学生にとって人気の業界と言えます。
一言に教育業界と言っても教師の職に就き公務員となる人もいれば、塾などで講師となる人もいます。また、大きく教育業界を変えたいと考えた人は官公庁に就職する人もいます。
この他にも民間企業で教育に関わるサービスを担当するなど、その選択肢は幅広いといえます。
選択肢が多いからこそ、教育業界の中で自分は何を目指したいのか、どのような顧客と対峙したいのかによって、慎重に就職先を検討する必要があります。
採用人数が多い企業はそこまで多くないことから、教育業界を志す場合は自分の強みを明確にした上で、就職戦線に備えていく必要があるでしょう。
小売業界
生活と密接に関わる小売業界も、文系学生には人気の業界と言えます。
文系ならではの特徴ですが、日頃生活している中で見かける企業との親和性が高いと言うことができるでしょう。その中でも小売業界は、販売する商品のイメージも湧きやすく、文系学生には人気の就職先となっています。
様々な商品が展開されることから、商品ひとつひとつに細かな理解が求められます。
マーケティングなどの要素との親和性も高いことから、ビジネスにおける専門性を身に着けやすい点も人気がある理由です。
マスコミ業界
マスコミ業界は、イメージする華やかさゆえに文系学生から人気の業界です。
10年ほど前はテレビ局が一強でしたが、現在はYoutubeをはじめ、メディアの幅の分だけ様々な仕事があると言えるでしょう。
また、マスコミ業界は表に立つ仕事もありますが、裏側の仕事も数えきれないほどあります。カメラマンや音響など、専門性が高い職種に就くことができる点も、マスコミ業界ならではの魅力と言えるでしょう。
ただし近年は業界のトレンドなどの移り変わりが激しいことから、就職後は自分自身でスキルを磨くことが求められます。
入社後はどのような職種に就く?
もし、先にご紹介した人気業界に就職することができたら、文系学生はどのような職種に就くのでしょうか。
多くの場合、営業職などをはじめとする顧客との接点があったり、コミュニケーション力が問われるような仕事に就く場合が多いです。営業職だけではなく、人事などのバックオフィス系の職種に就く可能性も十分考えられるでしょう。
ただし、多くの企業では入社後に希望の職種を伝えることが可能です。
必ずしも希望が通るとは限りませんが、伝えておく価値はあるでしょう。
また、近年では文系学生であっても、入社後に手厚い研修を受けることで、理系の人が就くような専門職を目指すパターンも増えています。
企業によって研修の充実度は大きく異なるため、文系学生ながら理系職種を目指したい場合には、そのような視点で就職先を探してみるのも良いかもしれません。
よくある質問
では、最後によくある質問に回答します。
理系学生と比較すると不利なのでは?
文系学生としての強みは理解しても、理系学生と比較すると不利に感じる人もいるでしょう。確かに専門性という部分では、理系学生に劣る部分はあるかもしれませんが、卑下する必要はありません。
文系・理系それぞれに強みと弱みがあることを理解し、自分自身で文系ならではの強みが協調されるように自分をプロデュースしてみるのがおすすめです。
「自分は不利かも」というマインドで就活を開始すると、その空気に飲まれてしまいます。そのことを理解し、強みを活かした就活をできるようにしましょう。
文系だからこそ注意するべきポイントは?
文系だからこそ特に注意しなくてはならない点は特にないものの、自身の学びはしっかりと言語化する必要があります。
意外に感じるかもしれませんが、文系学生は理系学生と比較し、自分の学びを言語化できていない人が少なくありません。
どのような分野であれ、必ず大学生活の中で学びを深めているはずです。
ぜひその点が相手に伝わるよう、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
終わりに
いかがでしたか?
本記事では、そもそも文系は就活において不利なのかということをはじめ、文系就活を勝ち抜くためにはどのようなポイントを押さえておくべきなのかという点について詳しくご紹介してきました。
この記事を通じて、文系だからと言って不利になることはないということをご理解いただけたのではないでしょうか。もし文系が不利だと思っている人がいたら、そんなことはないと思ってもらえていると安心です。
大切なのは、自分自身が文系・理系という言葉に引っ張られすぎずに強みを言語化することです。
大学生活での自分の経験に自信を持って、前向きに就職活動に臨んでくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。