【裏事情公開】元人事が教える面接の入退室方法(虎の巻)

【裏事情公開】元人事が教える面接の入退室方法(虎の巻)

2023年2月10日更新

はじめに

はじめての面接の人にとっては、

 

「面接の入退室って、どうしたらいいの?」

「正しい入退室の仕方ってあるの?」

「恥をかきたくないので、事前に知っておきたい」

 

など、入退室のやり方は何かと気になるところだと思います。

 

本記事では私の人事としての面接経験に基づき、入退室で面接官が何をチェックしているのかといった実態から正しい入退室方法、集団面接やWEB面接の入退室の仕方まで踏み込んで解説していきます。

 

本記事だけで入退室については万全になりますので、最後まで一気にお読みくださいね。

入室で第1印象、退室で評価が確定する

「面接なんて中身が大切で、入退室なんて対して評価に関係ないでしょ…」

 

と高を括る人も中にはいるかもしれませんが、そうではありません。

 

ここで質問です。

 

初対面の第1印象って、どのくらいの時間で決まると思いますか?

 

少し考えてみてください。

「1時間かなぁ」

 

とか、

 

「1日かな?」

「いやいや1か月はかかるよ」

 

なんて、色々な答えが出てくるかもしれませんが、

 

答えは、3〜5秒です。

 

これは私の感覚値でもそうですし、カルフォルニア大学ロサンゼルス校の偉い心理学者の先生(アルバート・メラビアン名誉教授)も論文で発表しています。

 

要は、入室の3〜5秒の間で、第1印象が決まるわけなので、決して侮れないですよね。

 

私の経験でも、オドオドしていたり、目がキョロキョロした人物が入室してくると、オドオドしているというレンズを通して、面接中も先入観を持ちながら見てしまう傾向がありましたね。

 

また、第1印象が1度確定してしまうと、少なくとも6カ月は変わらないというビルケント大学(トルコ)の研究もありますので、面接で一旦確定した第1印象を変えようとしても、なかなか骨が折れる作業となります。

 

それだけ第一印象は面接の評価を左右するというわけです。

 

次に、退室です。

 

日本でも「終わり良ければ総て良し」ということわざがありますが、これも心理学・行動経済学者のダニエル・カーネマン氏が「ピーク・エンドの法則」という研究結果を発表しています。

 

これは、

 

「人はある出来事に対し、感情が最も高まったとき(ピーク)の印象と、最後の印象(エンド)だけで全体的な印象を判断する」

 

という法則です。

 

私の面接経験でも、退室時に最後の評価を決定付けるという感覚でしたね。

 

面接官もやはり悩んでいます。

 

バリバリ合格、バリバリ不合格ならいいのですが、なかには

 

「合格レベルか、そうでないか」

 

という当落線上の学生もいます。

 

そんな時は、退室時の雰囲気で決める場合もありますね。

 

特に、退室時は面接の緊張も抜けて、素の自分が出やすいので結構チェックしていました。

 

ということで、入退室といってもバカにはできず、そこで合否の勝敗ラインがかなり決まる重要なステップだということを紹介してきました。

 

続いて、入退室で人事は何をチェックしているのかを公開しましょう。

 

入退室で面接官がチェックしているポイント

それでは、入退室で面接官が本能的にチェックしているポイントを公開していきます。

 

まずは入室時から見ていきましょう。

入室時のチェックポイント

入室時は自社のお客様や従業員と接触するときのイメージに思いを馳せることが多いです。

 

要は、

 

「この子はどんな感じでお客様と接するのだろう?」

「この学生は従業員と仲良くやっていけそうか?」

「礼儀、マナーはあるか?」

 

など、入社後をイメージしながら、入室姿を見ています。

 

メラビアンの法則でも、人の第1印象は、

 

視覚情報(見た目):55%

聴覚情報(話し方):38%

言語情報(話す内容):7%

 

と、「見た目」と「話し方」というノンバーバル(言葉を介さない)な領域で第1印象の93%が決まると言われています。

 

ということは、

 

✓服装や頭髪の清潔感

✓立っている時の姿勢

✓挨拶をするときの表情

✓目線の配り方

✓挨拶の声の大きさや明瞭さ、トーン

✓ノックの音やタイミング

 

などが本能的にチェックされているわけですね。

 

そこで、第1印象の93%が自動的に決まっているわけですから、

 

「人の話も聞かずになんで評価できるの?」

 

と言われてもしょうがないというわけです。

 

退室時のチェックポイント

退室時は、「面接が終わった」と緊張がほどけて、素が出やすい急所です。

 

面接官は、その瞬間を見逃しません。

 

入室時や面接時と温度差がないかをチェックしています。

 

退室時に挨拶を忘れたり、態度がぞんざいになったり、会社から見える場所で気の緩んだ行動を取ってしまうと、それまで良かった評価もガタ落ちになります。

 

勿体ないです。

 

また、面接が終わって敷地から出た場合でも、面接官以外の社員に見られている可能性だってあります。

 

私の経験でも社員から「今日の学生の態度は、なっていない」など、速攻で連絡が入ったこともありますので注意が必要です。

 

そういう意味では、帰宅するまでが面接という意識を持ったほうがいいかもしれませんね。

【個人面接(基本編)】正しい入退室方法

それでは、正しい入退室方法について解説していきます。

入室方法

まずは「基本編」として、面接官が既に面接会場で待機しているパターンを紹介します。

 

入室方法は、大きく下記の5つのステップです。

 

【ステップ1】ドアを3回ノックする

【ステップ2】「失礼します」と言ってから入室する

【ステップ3】面接官に向かってお辞儀する

【ステップ4】椅子の横に立ち、名を名乗る

【ステップ5】着席する

 

1つずつ分解して解説していきましょう。

 

【ステップ1】ドアを3回ノックする

 

まずはドアを3回ノックしてください。

 

なかには2回でもOKという人もいますが、2回のノックは空室確認、いわゆるトイレのノックです。

 

ノックの回数は国際的なマナーでは4回と言われていますが、日本のビジネスシーンでは3回が望ましいと言われています。

 

面接でノックをする意味は在室確認であったり、入室の許可をもらうための合図だと捉えてください。

 

また、ドアが開いている場合はノックを行わず、挨拶してお辞儀してから入室してください。

 

【ステップ2】「失礼します」と言ってから入室する

 

部屋の中から「どうぞ」という声が聞こえたら、ドアの外から「失礼します」と返事してからドアを開けるようにしましょう。

 

なお、失礼しますと言いながら、ドアを開ける「ながら動作」はNGです。

 

また、無言で入ると、気持ちが悪いし、マナーのなってない子だとお墨付きをもらいますので、絶対に挨拶してから入ってくださいね。

 

また、ドアを閉める時は音を立てないように静かに閉め、後ろ手で閉めるのではなく、ドアのほうに向き直してから閉めましょう。

 

【ステップ3】面接官に向かってお辞儀する

 

入室したら面接官のほうを向き、お辞儀します。

 

お辞儀するときは、背筋を伸ばし、30度ほど傾け、指先を真っすぐ伸ばすとバシッと決まります。

 

お辞儀は首だけ曲げると不格好です。

 

首から腰まで一直線に倒して、目線は足元の少し先を見ると綺麗に見えますよ。

 

手の位置は男女で異なります。

 

男性の場合は、ズボンの縫い目に沿って真っすぐ滑らすように、女性の場合は腕を前方向に出して、左手を右手に重ねるようにしてお辞儀をすると綺麗に見えます。

 

【ステップ4】椅子の横に立ち、名を名乗る

 

ステップ3が終わると、用意された椅子に向かって進み、椅子の横に立ちます。

 

「本日はお時間を頂き、ありがとうございます。〇〇大学から来ました〇〇と申します。よろしくお願いします」と挨拶してからお辞儀します。

 

【ステップ5】着席する

 

面接官から「お座りください」や「どうぞ」と促されてから、「失礼します」と一礼してから座るようにしましょう。

 

時々、お辞儀した後に促されてもいないのに勝手に座る学生を散見しますが、心証が悪くなりますので気を付けてください。

 

着席後は背筋を伸ばしてあごを引き、浅めに腰かけて背もたれを使わないようにしましょう。

 

男性は両膝を軽く開き、手は軽く握って膝の上に、女性は両膝を閉じて両手を重ねて膝に乗せてください。

 

なお、カバンは置く場所を指定された場合はそこに置き、指定がない場合は椅子の横に置くようにしましょう。

 

また、コートがあるときは畳んでカバンの上に置きましょう。

 

退室方法

次に退室方法を見ていきましょう。

 

退室方法は下記の2ステップです。

 

【ステップ1】お礼をして立ち上がりお辞儀

【ステップ2】ドアの前であいさつし、ドアを開閉

 

1ステップずつ、深掘り解説していきます。

 

【ステップ1】お礼をして立ち上がりお辞儀

 

面接官から「それでは本日の面接はこれで終了です」と言われたら、

 

「本日は貴重な時間をいただき、ありがとうございました」

 

とお礼を述べてから一礼して席を立ちます。

 

立ち上がってから、椅子の位置を元に戻し、横に立ってください。

 

その後、姿勢を正して再び「ありがとうございました」と挨拶し、お辞儀をしてから出口の扉に向かいます。

 

【ステップ2】ドアの前であいさつし、ドアを開閉

 

ドアの前まで行ったら、面接官に向き直り、「失礼します」と一礼します。

 

背中を見せないように、ドアを開けて退室したら、面接官の目を見てお辞儀してから静かにドアを閉めます。

 

ここで気を抜いてはいけません。

 

誰が見ているかわかりません。

 

私の場合は学生が待機している段階から面接前後の様子を部下にフィードバックしてもらうようにしていました。

 

そして、面接の評価とそのフィードバックをドッキングさせながら、合否を決定していましたので、部屋を出てからも決して油断しないようにしましょう。

【個人面接(番外編)】入退室方法

ここまでは、入退室の基本編を解説しましたが、なかには例外パターンがあります。

 

その時の対処法を番外編としてお届けしますね。

入室(番外編)

それでは、入室(番外編)として、あり得るシチュエーション3つの対処法を見ておきましょう。

 

【ケース1】面接官と一緒に入室する場合

 

面接官と一緒に入室する場合は、基本的に面接官の指示に従ってください。

 

受付後に迎えを待つ場合は、面接官が見えたらすぐに立ち上がり、挨拶しましょう。

 

会場に向かう途中で雑談を振られたら、面接官のペースに合わせて応答しましょう。

 

また、面接会場に到着してからは、着席を促された後に座るようにして下さい。

 

【ケース2】面接官が後から入室する場合

 

次に、あなたのほうが先に面接会場に通されて、面接官が後から入室する場合です。

 

特に指示がない場合は、立って待つのが無難です。

 

「お掛けになってお待ちください」と促された場合は、ドア近くの席に着席するか、座席指定があれば、その席に座ります。

 

間違っても、待ち時間が長いからといって、スマホを出したりしないよう注意しましょう。

 

面接官が入室してきたら、即座に立ち上がり、「本日はお時間を頂き、ありがとうございます。〇〇大学から来ました〇〇と申します。よろしくお願いします」と挨拶して、お辞儀をしましょう。

 

その後、面接官から「お座りください」と言われたら、「失礼します」と言って、一礼してから着席します。

 

【ケース3】面接官から名刺を渡された場合

 

名刺を渡されたら、「ありがとうございます」とお礼を述べ、両手で丁重に受け取ります。

 

受け取る際は、机を挟まずに自分から相手に近づくことがポイントです。

 

名刺を受け取った後は、机の左側へ置きます。

 

面接官が複数人いる場合は、着席の順に並べます。

 

名刺を置く場所がない場合は、名刺をすぐにはしまわず、名前を確認してから名刺入れに入れるようにしましょう。

退室(番外編)

続いて、退室(番外編)として、2つのシチュエーションの対処法を確認しておきましょう。

 

【ケース1】エレベータまでお見送りがある場合

 

先に面接官に乗り込んでもらい、その後に自分が乗り込みます。

 

逆に、面接官から促された場合は、「それでは、失礼します」と述べてから自分が先に乗り込んでください。

 

エレベータを降りてから面接官に向き直り、ドアが閉まる前にお礼と挨拶を述べてお辞儀します。

 

お辞儀はドアが閉まるまで続けるのがマナーです。

 

【ケース2】出口までお見送りがある場合

 

出口に到着したタイミングで面接官に向き直ります。

 

一呼吸おいて、「本日はどうもありがとうございました」とお礼を述べ、一礼して帰路につきます。

 

【集団面接編】入退室方法

集団面接の入退室は、個人面接とは趣が異なります。

 

知らないと恥をかきますので、ここで押さえておきましょう。

入室方法

集団面接の入室方法を2つのステップで解説していきます。

 

【ステップ1】ドアの開閉、ノック

 

集団面接はドアの前で一列に整列します。

 

通常は着席順に人事が整列させますが、そうでない場合は最初に名前を呼ばれた人、もしくはドアに1番近いところに立っている人が先頭になります。

 

先頭がドアを3回ノックして返答を待ち、入室を促されてから扉を開け、「失礼します」と挨拶とお辞儀をして入室します。

 

その後、ドアを開けたままにしておき、列の2番目以降の人も挨拶とお辞儀をしてから入室していきます。

 

列の最後の人は、入室後に扉を静かに閉め、挨拶とお辞儀をします。

 

【ステップ2】着席

 

入室すると、順番に席に向かいます。

 

面接官に促されたらその席に、指示がない場合は入ってきた扉から遠い側の椅子から順番に横に立っていきます。

 

全員そろったところで、面接官の指示に従って着席します。

 

カバンを置く指定された場所がない場合は、横の人と被らないように椅子の横に置きます。

 

コートがあるときは、畳んでカバンの上に置きましょう。

退室方法

集団面接の退室方法は、入室時の逆でドアに1番近い人が先頭です。

 

「本日はありがとうございました」とお礼を述べてお辞儀し、順次退室していきます。

 

先頭の人は扉の前で立ち止まって振り返り、「失礼します」と挨拶とお辞儀をしてから扉を開け、ドアを開けたままにして退室します。

 

2番目以降も先頭と同じく扉の前で立ち止まって振り返り、挨拶とお辞儀をしてから退室します。

 

列の最後の人も同様に退室してから静かに扉を閉じ、これで集団面接は終了です。

【WEB面接編】入退室方法

近年は新型コロナの感染防止や遠方の学生に配慮して、WEBで面接を行う企業が増えてきました。

 

したがって、WEB面接での入退室方法についても確認しておきましょう。

入室(ログインのマナー)

WEB面接で余り早い時間にログインしてしまうと面接官がまだ準備できていないこともありますので、5〜10分前を目安にログインすることをお勧めします。

 

もちろん、企業側から入室時間の指示がある場合は、それに従いましょう。

 

面接は担当の面接官がログインしてから開始されますが、面接官が複数人いる場合は、揃うまで待機し、その間は気を抜かないように注意しましょう。

退室(ログアウトのマナー)

WEB面接が終了したら、お礼を述べてお辞儀をしてから相手の退室を待ちます。

 

この時に注意してほしいことは、自分からブチっと回線を切断しないことです。

 

ただし、先方から退室を促されたり、相手が時間を置いても退室しない場合は、一言断ってから通信接続を切るようにしましょう。

 

おわりに

以上、面接時の入退室の方法について、解説してきました。

 

記事内でも説明したとおり、入室は第1印象を決定づけるシーンですし、退室はピークエンドの法則が働いて、最も印象に残りやすい場面です。

 

そこで下手をすると、その先入観に引きずられながら面接官は合否を検討するようになります。

 

面接当日に思い出しながらやると緊張も相まってパニくる可能性が大なので、予行演習を行うなど、万全の態勢で臨みましょう。

 

本記事が、その際の手引きになれば幸甚です。

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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就活ハンドブック編集部

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