メガバンクの特徴比較!メガバンク選びのポイントとは?
2022年11月17日更新
はじめに
かつて、就活生が必ず受ける企業と言っても過言ではなかったのがメガバンクでした。
出身大学や学部・学科を問わず、安定的な成長と高い給与が約束され、長い間高い人気を誇っていました。
しかし現在、「銀行」と聞くと将来性に不安を感じる就活生が多くなっています。
「この先も長い間働くことはできる?」
「転職するときに不利にならないだろうか…」
「自分の実力を高めることはできる?」
など、不安な要素を洗い出すとキリがありません。
そこで今回は、そもそもメガバンクとはどのような企業を指すのか、また、直近はどのような傾向があるのかなどを詳しくご紹介します。
表面上の情報で判断しないためにも、ぜひこの記事を最後まで読んでみてくださいね。
1.メガバンクとは?
そもそもメガバンクとは、巨大な収益や資産を有する銀行、あるいは1兆ドル以上の総資産を持つ銀行のことを指します。
日本では、一般的に「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」を指す言葉として知られています。
就活においては、採用人数や採用エリアなど、あらゆる面において地方銀行と比較されることが多くあります。メガバンクは、その規模感を活かした様々な事業展開や、職種展開があることが魅力です。
2.就活生が知りたい!メガバンクごとの特徴
では、日本でメガバンクとして知られる銀行別に、特徴を見ていきましょう。
三菱UFJ銀行
丸の内に本社を構える三菱UFJ銀行は、メガバンクの中でも業績が非常に好調なことで知られています。
純利益はコロナ禍を経ても非常に好調で、売上・利益ともにメガバンク最大となっています。この規模は他のメガバンクと比較しても、圧倒的な規模となっています。
従業員は35,000人ほどで、国内には550箇所以上の支店を構え、海外にも100箇所以上の支店があります。全国各地を網羅する国内の支店はもちろん、積極的にグローバル進出している点も大きな特徴と言えるでしょう。
大学を問わず特に人気が高い銀行で、東大をはじめとする様々な大学の内定者がいる点が特徴です。
三井住友銀行
こちらも丸の内に本社を構える三井住友銀行は、三菱UFJ銀行に次ぐ2番目の規模の銀行として知られています。
従業員は27,000人ほどで、国内には450支店ほどを構えています。
個の力を尊重した教育方針を取り入れており、新入社員でありながらも様々な仕事に従事できる点が特徴です。このような教育文化は、企業としての高い利益率につながっており、メガバンクの中では最も平均年収が高い企業としても知られています。
みずほ銀行
最後に名前を挙げるメガバンクは、みずほ銀行です。
近年はシステムトラブルなどの影響であまりいい話が聞こえてきませんが、歴史ある日本のメガバンクです。
従業員の規模感は28,000人ほどと、三井住友銀行と大きく変わらないものの、メガバンクで唯一47都道府県に支店があることで知られています。
銀行・信託・證券、シンクタンク、アセットマネジメント会社が一体となってお客様のニーズに応える「ONE MIZUHO戦略」を掲げており、新入社員のうちから幅広い業務に従事できる点が特徴です。
3.メガバンクを取り巻く状況
昔は就活生からの人気が高かったメガバンクですが、現在そのようなイメージを持っていない人は多いのではないでしょうか。
実際のところ、現在はどのような状態なのか、注目すべき2点をご紹介します。
人員は削減傾向
現在メガバンクでは、採用人数は削減傾向にあります。
金融とテクノロジーを融合させたフィンテック領域の展開やAIの導入、RPAと呼ばれる事務作業の自動化が進んだことで、一般職に該当するような職種において積極的な自動化が進められています。
この結果、業務効率化が進んだことにより、店舗を統廃合するケースが見られるようになりました。その結果、10~15%ほど採用人数を抑制することも珍しくありません。
2023年度の新卒採用計画数は、メガバンクの3つの銀行全てが2022年卒採用と比較して13%ほど少なくなっています。その結果、三菱UFJ銀行は320人、三井住友銀行は400人、みずほFGは380人の採用となっており、かなりの人数が削減されていることが分かります。
今後も業務の自動化が進むことが予想されるため、さらなる人員削減が行われても不思議ではありません。採用人数が減ることで、就活における競争が激しくなっていくことが予想されます。
社会情勢の影響は強く受けている
一見すると、社会情勢の影響が少ない業種に感じるかもしれませんが、新型コロナウイルス感染症や経済動向など、社会情勢の影響は強く受ける傾向にあります。
様々な分野の中でも、経済状況の低迷は特に消費活動に直結するため、決済やコンシューマファイナンス分野が厳しい状態にさらされることになります。
近年はVUCAと呼ばれる時代の中でも、特に先行きが見えない時代となりました。
メガバンクの規模を持っていたとしても、不透明な社会情勢には対抗しにくいことが分かります。
4.メガバンクの今後の展望
では、メガバンクの今後の展望について詳しく見ていきましょう。
代表的な2つの展望として、以下をご紹介します。
①注力事業への積極的な投資
②企業間連携の強化
①注力事業への積極的な投資
注力事業への積極的な投資は、今後メガバンクで積極的に行われていくことが予想されます。
メガバンクは、「メガ」という言葉の通り巨大組織です。ゆえに様々な事業を展開していますが、より銀行内での連携を強化することで、注力事業をブラッシュアップしていくことが求められています。
そのため、近年各メガバンクが積極的に組織再編を行っており、CxO制やカンパニー制の導入を積極的に進めています。
②企業間連携の強化
①に伴って、企業間連携の強化も重要な指標となっています。
ここで言う企業間とは、メガバンク同士の連携ではなく、銀行、信託、証券それぞれを一体化することを指しています。
これらの企業は消費者、さらにターゲットを限定するならば富裕層が対象であるにも関わらず、それぞれの企業が単独でアプローチを行っていました。企業目線では仕方ないことだとしても、消費者目線ではただただ手間が増えるだけです。
そこで、消費者の手間削減はもちろん、関連性の高いサービスを同時に提供することで、企業間、さらには事業間の相乗効果を期待しているのです。
企業間連携により、消費者の情報を細かく入手することが可能なため、消費者、企業双方にとってwin-winと言えるでしょう。
5.就活生から見たメガバンク
では、就活におけるメガバンクの立ち位置はどのようになっているのでしょうか。
①まだまだ人気は高い
②ファーストキャリアとしては魅力的
特徴的な2点をご紹介します。
①まだまだ人気は高い
採用人数の削減や組織編成による人員削減、さらにはシステムトラブルなど、一見良い話を聞かないように感じるかもしれませんが、就活生からの人気は以前として高くなっています。
中でも金融工学やシステムに強い学生を対象に、新卒1年目から年収1000万円以上となる可能性を含んだ採用活動などが積極的に行われています。人員確保に必死だからこそ、他企業とは異なる魅力的なポジション提示が多く、就活生にとっては非常に魅力的でしょう。
また、一般職などの人員が削減される一方で、銀行内のIT化が進み、収益が向上していくことを期待できます。その結果、専門性が高い分野に高い給与で取り組むことができるでしょう。
ゆえに、高学歴層を中心に引き続き人気が高いと言えます。
②ファーストキャリアとしては魅力的
メガバンクに総合職として入社した場合、広い業務範囲が大きな魅力となります。
そのため、ファーストキャリアとして様々な経験を積むことができる点も、引き続き人気が衰えない理由です。
また、近年は海外展開に力を入れる銀行も多く、グローバルな活躍を期待することも可能です。語学などの強みがあれば、年次に関係なくチャンスを掴むこともできるでしょう。
また、銀行内のDX化推進のため、年次に関係なく敢えて若手に責任あるポジションを任せるケースも少なくありません。メガバンクは変革期だからこそ、年次に関係なく専門性を発揮できるチャンスが広がっています。
6.就活時にメガバンクを選ぶポイント
では、実際に入社しようと考えた際に、どのように志望先を選ぶのが良いでしょうか。
①入社後どのような仕事をしたいかを明確にする
②将来のビジョンをある程度持っておく
③メガバンク以外の銀行の企業研究は必須
ポイントとなる3点をご紹介します。
①入社後どのような仕事をしたいかを明確にする
入社後、どのような仕事をしたいのかを明確にしておくことは非常に重要です。
先にもお伝えした通り、メガバンクは銀行、信託、証券と幅広く扱っています。
これらは領域としては金融に留まるものの、得られる知識や接触するクライアントは事業内容によって大きく異なります。分かりやすく言えば、toBのものもあればtoCのものもあります。
様々な経験を広く積みたいという人は問題ありませんが、誰に対してどのような活動を行うのかという点は、キャリアプランを描いていく上で非常に重要なポイントです。
メガバンクは大半の場合、新卒は一律で同じ研修を行い、銀行としての基礎業務にまずは取り組むのが一般的でしたが、採用人数の縮小によってそうとも限らなくなっています。
メガバンクの業務を広く理解し、自分なりの希望を持っておきましょう。
②将来のビジョンをある程度持っておく
将来のビジョンを持っておくことも大切です。
ずっとメガバンクで経験を積むのか、そうではなく後に独立や転職をするのかなど、ある程度のキャリアビジョンを持っておきましょう。
昔は新卒で入社した企業に生涯いることが一般的でしたが、近年そのような人は多くありません。しかし、どこかで転職などを見据えた場合、アクションを起こすまでにある程度の経験を積んだり、実績を残しておく必要があります。
メガバンクは変革期ゆえに、組織の流動性が高くなっています。
流されるままに過ごしていては、理想通りの計画にならないかもしれません。
したがって、入社時にある程度ビジョンを描いておき、必要な経験や実績を逆算しておくのがおすすめです。
③メガバンク以外の銀行の企業研究は必須
メガバンクだけに目を向けるのも良いですが、他の銀行の企業研究は必ず行っておきましょう。
かつては比較対象が外資系銀行や地方銀行しかありませんでしたが、近年ネットバンクを扱う企業が増えています。
ネットバンクは新たな領域だからこそ、既存企業内に事業部として組織され、事業運営を行っている場合と、独立した企業として子会社化している場合に分けることができます。
金融以外の業務に興味がある場合、敢えてネットバンクを扱う企業に入社し、他の事業部への異動可能性などを残しておくこともできます。また、地方銀行などの規模が小さい銀行であれば、よりスピード感を持って出世ルートに乗ることなども期待できるでしょう。
メガバンクは業務範囲が強いのは魅力ですが、あくまでも金融領域の範囲に留まります。
長い目で見たときに、自分にとって最善の選択は何か、企業分析を通じて見つけておくのがおすすめです。
7.自分に合ったメガバンクを見つけることが大切
今回は、そもそもメガバンクとはどのような企業を指すのか、また、直近はどのような傾向があるのかなどを詳しくご紹介してきました。
「この先も長い間働くことはできる?」
「転職するときに不利にならないだろうか…」
「自分の実力を高めることはできる?」
などの不安な要素は解消できたでしょうか?
お金にまつわる知識は、メガバンクで働く際に限らず、生きていく上で非常に重要な知識です。無駄にはならない知識かつ専門性の高さが評価されやすいことから、しばらく就活生からの人気は衰えないでしょう。
採用人数が減ることで、どんどん狭き門になることが予想されます。
メガバンクへ入社を希望する場合は、積極的に情報収集を行いながら、アクティブに行動してみてくださいね。