【企業選び】理系就活生に人気がある企業の特徴とは?
2022年10月24日更新
はじめに
就活では、就活生の人気企業がランキング形式で発表されます。
この時、総合ランキングの他に、文系・理系でカテゴリー分けされているのを見たことはないでしょうか?文系と理系では、各企業採用人数が異なるため必然的に人気度合いに差が出ます。
その上で、これから就活をする理系学生の中には
「理系にはどのような企業が人気なんだろう?」
「どんな点が支持されて、この企業は人気なんだろう?」
「今後はどんな企業が注目されるのかな?」
など、様々な疑問を抱く人は少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は、どのような企業が理系学生に人気なのか、また、人気であるポイントは何にかを詳しくご紹介します。
1.文系と理系では人気企業ランキングは異なる
冒頭でもお伝えしたように、文系と理系では就職人気ランキングが異なります。
その理由は大きく2つです。
①文系と理系で採用人数が異なる企業がある
②文系と理系で企業を選ぶ目線が違う
「①文系と理系で採用人数が異なる企業がある」は、比較的イメージしやすい内容ではないでしょうか?
文系は総合職採用が多いのに対して、理系は職種別採用が積極的に行われています。
近年では文系の採用でも職種別採用が取り入れられることがありますが、現時点ではまだ理系ほどではないでしょう。
なぜ理系の方が職種別採用に至りやすいかと言うと、より専門的な知識を求められることが多いためです。
採用人数が多い企業では、入社後にエンジニアやアナリスト向けの専用研修を行い、その場で育成を行うことがありますが、一般的に多くはありません。
そのため、すでに知識がある学生を採用しようとすると、どうしても職種が細かくなってしまうのです。
「②文系と理系で企業を選ぶ目線が違う」は、文系学生が給料や福利厚生といった待遇面を重視する傾向があるのに対し、理系学生は「どのような分野に携わることができるのか」「どのような面でスキルを習得し、成長できるか」といった観点で企業を選ぶ傾向があります。
また、「自分のスキルを活かすことができるのか」という点も非常に重視しています。
①と連動して、既に取り組む業務が明確になっているからこその視点かもしれませんが、かなり具体的に業務イメージを描いてから企業を選ぶ学生が多いです。
2.理系の就活人気ランキングの特徴
では、実際に理系学生に人気の企業を特徴別に見ていきましょう。
ビジネスイノベーション企業が人気
現在理系学生には、ビジネスイノベーション系の企業人気が高くなっています。
「ビジネスイノベーション」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、デジタルトランスフォーメーション(DX)をはじめとするビジネスへイノベーションを起こそうとしている企業への人気が高くなっています。
新型コロナウイルス感染症が流行して以来、企業の多くがリモートワークを余儀なくされました。
その際、場当たり的にデジタル化を進めた企業は少なくなく、少し落ち着いた今だからこそ、改めて業務効率を意識したビジネス導線の設計が求められています。
それを自社で完結できる企業は問題ありませんが、自社で完結できない場合には他社に依頼をする企業も増えており、しばらくはビジネスイノベーション系企業のニーズが続くでしょう。
また、2022年1月に改正された電子帳簿保存法などもビジネスイノベーション系の企業に注目が集まる要因になっています。
時代の変化と共に様々な法律が変化していく中で、企業は大規模な変革を求められています。
何より法律が変わるとなると、各企業は対応せざるを得ません。
こちらも自社完結で対応できる企業は良いものの、そのパワーがない企業は少なくありません。
そのため、ビジネスイノベーション系の企業ニーズは継続的に見込まれているのです。
環境やエネルギー問題への取り組みも重要視されている
ビジネスへのイノベーションだけではなく、環境やエネルギー問題へ取り組む姿勢も理系学生が企業を選択する重要な指標になっています。
SDGsや二酸化炭素ゼロ社会など、企業が取り組むべき環境問題は多数存在します。
これらの問題に対して、企業がどのように向き合い、取り組んでいくのかは理系学生にとって重要であり、前向きに発信している企業が好まれやすい傾向があります。
この点は理系学生に限らず、年齢が若いほどに環境問題に興味がある学生は多く、今後さらに人気が高まっていく要素として注目されているのです。
インターンシップ実施企業の人気も高い
このほかに、インターンシップを実施している企業の人気が高くなっています。
現在企業は、採用サイトだけではなく各種SNSや様々なイベントを通し、自社の情報を積極的に発信しています。
たくさんの活きた情報があるため、企業選択には役に立つ一方で、情報が溢れているからこそ取捨選択する能力が問われていると言い換えることもできます。
そんな中、インターンシップは企業内部の情報を知ることができるだけでなく、企業の雰囲気を知ることができるため、実際にインターンシップに参加した学生からの人気が高くなりやすいのです。
また、インターンシップに参加することで、早期内定ルートを獲得できるということに注目している学生も多く、早めに良い企業から内定獲得をできる手段としても、インターンシップ実施企業の人気は高まっています。
3.企業別・理系人気の特徴はこれだ!
NTTデータ
理系学生に人気が高いNTTデータは、理系学生はもちろん、文系学生にも人気が高い企業のひとつです。
官公庁や金融向けにITシステムの開発・運用を行っており、理系学生にとってはこれまでのスキルを活かす環境として最適であると言うことができます。
業務内容はもちろん、採用される学生も早慶上智レベルや東京理科大などが上位を占めており、優秀な学生が多数集まる点も人気のポイントです。
また、理系人材を多数採用していることから、理系のキャリアも豊富な点も魅力です。
中でも人数を占めるSEは、プロジェクトマネージャ、業務SE、方式SEなど、個人の能力や志向性に合わせてキャリアを積むことができます。
また、NTTデータの取引先の強みを活かし、建築系や電力系のファシリティマネジメントを行うことも可能です。
理系という専門分野がありながら、業界特化の知識として建築分野、電力分野を専門領域として持つこともできます。
このように、理系に対する幅広い選択肢が大きな魅力となり、人気が高い企業となっています。
(参考:https://nttdata-recruit.com/)
ソニーグループ
ソニーグループは、理系学生の中でも特に人気が高い企業です。
なぜここまで人気なのかと言うと、最先端の現場で活躍できるという点が挙げられます。
そもそもソニーは、グローバル企業として日本に留まらず、世界各国で知られている企業です。
そのため、様々な事業を積極的に展開しています。
テレビやオーディオを中心とした「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション」や、最新のテクノロジーを駆使した「イメージング&センシング・ソリューション」、そしてゲームや音楽領域を広く展開する「ゲーム&ネットワークサービス」など、多岐に渡る領域が魅力です。
これらの領域の中でも最先端技術を駆使しているソニーでは、他の企業では積むことができない魅力的な経験を期待できるでしょう。
また、大手企業ながらグローバルな風土を活かし、「個」を尊重する文化・風土が根付いている点も大きな魅力です。
いわゆる大手企業から連想される堅苦しい空気や年功序列が強い土壌はなく、年次に関係なく活躍できるようになっています。
また、理系学生の中でも女子学生に着目した採用も行っており、性別に関係なく安心して働くことができる環境が用意されているのも魅力です。
(参考:https://www.sony.com/ja/SonyInfo/Jobs/newgrads/)
富士通
富士通は、コロナ禍以降に推し進めている自社のDXが理系就活生に魅力的に映っています。
もちろんこれまでも、富士通は多くの学生にとって人気企業でした。
しかし、コロナ禍で浮き彫りになったDXの必要性に対して、積極的に行動をしている姿勢が理系就活生に人気となっているポイントです。
また、自分のスキルを活かせるという点はもちろん、ワークライフバランスを重視した働き方ができる点も大きな魅力になっているようです。
さらに、富士通は規模を活かし、一つの会社ながらたくさんのテクノロジーを扱っています。
「マーケティングオートメーション」「ビッグデータ」など、すでに注目が集まってきたテクノロジーはもちろん、「5G」「モビリティ」など、今後さらなる成長が予想されるテクノロジーに多数取り組んでいる点も魅力です。
そのため、一言に理系と言っても、機械系、数理系、電気電子系、物理系、生物系など様々な分野があるにも関わらず、どの分野を専攻している人にも知識を活かせるチャンスがあるのです。
(参考:https://fujitsu.recruiting.jp.fujitsu.com/)
日立製作所
日立製作所と聞くと、電機メーカーだと考える人がほとんどではないでしょうか?
しかし、現在日立製作所は、電機メーカーという枠に留まらず、ITを基軸とした社会インフラ企業となるべく進化を遂げています。
この進化に理系学生はいち早く注目しており、現在理系学生の人気が高い企業になっているのです。
一方で、電機メーカーとしての地位は高く、日本国内で名前を聞いたことがない人はほぼいないでしょう。
社会インフラ事業に舵を取る中でも、電機メーカーとして培ってきた地位は確固たるものだからこそ、簡単に崩れるものではありません。
また、製品や企業に対する信頼度が高いことから売上も安定しており、業界内では平均給与が高い企業として知られています。
また、日本国内に留まらず、海外でも活躍のチャンスがある点は大きな魅力です。
理系学生だからといって海外の選択肢がないのではなく、様々な場面で海外に行くことができる可能性を秘めています。海外で働く希望がある場合には、高い確率で働くことができるでしょう。
(参考:https://www.hitachi.co.jp/recruit/newgraduate/recruit_info/guideline.html)
NRI
コンサルティング企業と聞くと、文系学生の人気が高いように思うかもしれませんが、理系学生からの人気も近年高くなっています。
中でも大手企業である野村総合研究所は、理系学生の人気企業です。金融ITソリューションを強みとしながらも、コンサルティングも強みとしています。
優秀な学生が集まるNRIは、院卒学生の割合も非常に高くなっています。
この点において、理系学生からの注目を集めやすいひとつの要因と言えるでしょう。
また、インターンも積極的に開催しているため、企業内部の雰囲気を積極的に知ることができます。
ただしホームページ上などでも、NRIの採用コンセプトである「リアリズムに即して企業の姿を明示すること」が徹底されているため、嘘偽りない企業の雰囲気を知ることが可能です。
さらに特徴的な点として、エリア総合職採用を実施しています。
エンジニアを志望する場合には、札幌、福岡での勤務を行うことができるため、地方生が地方在住のまま、NRLの業務を行うことが可能です。
この点も、理系学生にとって魅力的なポイントになっています。
4.おわりに
今回は「理系にはどのような企業が人気なんだろう?」「どんな点が支持されて、この企業は人気なんだろう?」「今後はどんな企業が注目されるのかな?」といった点を詳しくご紹介してきました。
理系企業の人気傾向は、文系とは大きく異なります。
理系ならではの特徴を押さえて企業を見てみると、新たな発見があったのではないでしょうか。
理系学生の人は、この記事を参考にせひ理想の企業を見つけてみてくださいね。