【東京特化】新卒1人暮らしの「家賃相場」と「物件の賢い選び方」

【東京特化】新卒1人暮らしの「家賃相場」と「物件の賢い選び方」

2022年9月30日更新

はじめに

 

東京の会社に入社することが決まり、いざ物件探しという段になって

 

「いくらぐらいの家賃物件に住めばいいのだろう?」

「なるべく家賃を減らしたい…」

「東京に住むなら、どのエリアがいいの?」

 

など、分からないことばかりで戸惑いますよね。

 

ただ戸惑いや不安も十分な知識さえあれば、自分の中に基準ができ、迷わなくて済みます。

 

また、家賃の相場や住むエリア、家賃を抑えるポイントの目星が付いていれば、目利きができるので”泥物件”をつかまされずに済みますね。

 

本記事では、東京で1人暮らしを始める新卒向けに、賢く物件を選ぶ方法を解説しましたので、10分くらいで最後まで一気読みしてくださいね。

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1.東京都:新卒1人暮らしの家賃の目安

「東京で1人暮らしって、家賃がどのくらいかかるの?」

 

特にはじめて上京する新卒の方は「東京は家賃が高い」と分かり切っているので、気になるところですよね。

 

何事も頭の中に相場観があったほうが決めやすいので、まずは東京23区の家賃相場を見ておきましょう。

 

区 分ワンルーム1K
東京都23区6.6万円〜12万円6.2万円〜11万円

※家賃相場はCHINTAIネット2021年8月23日現在のものを使用

 

ちなみに、「ワンルーム」と「1K」の違いですが、ワンルームには室内にドアなどの区切りがなく、玄関やキッチンから部屋までが一体となっている間取りです。 

 

一方、1Kとは1つの部屋とキッチンという意味ですが、キッチンと部屋の間にドアや引き戸が設置されており、玄関・キッチンと部屋が分離されている状態となります。

2.1人暮らしの家賃の目安は?

「うわぁ~、やっぱり東京は家賃が高いですね。どのくらいで抑えればいいのか、家賃の目安を知りたいです。」

 

一般的に「家賃は手取り収入額の3分の1程度にとどめる」と比較的余裕を持った生活ができると言われています。

 

手取り収入額とは、給与の総額から所得税や社会保険料(健康保険・厚生年金)などの控除額を引いた後の実際に受け取れる金額を指します。

 

厚生労働省の「令和2年の賃金構造基本統計調査」では、大卒初任給は226,000円が平均となっています。

 

初任給とは、本採用後に支払われる所定内賃金月額のことで、住宅手当や家族手当など、入社した会社独自の固定的な手当は含まれますが、通勤手当、時間外手当は除かれます。

 

したがって、残業したことに対して支払われる時間外手当によって、月の手取り収入額は上下しますので、注意してください。

 

税金や社会保険料で約2割は持っていかれると仮定すると、初任給が226,000円の場合の手取り収入額は、

 

⇒手取り収入額=226,000円×0.8=180,800円

 

家賃の目安を手取り収入額の3分の1とすると、

 

⇒家賃の目安額=180,800円÷3=60,266円

 

となるわけです。

 

要は、6万円以内の家賃物件を探さないといけないので、東京23区の相場観から言うと、下限の物件を選ぶ必要があるというわけですね。

 

3.新卒1人暮らしの生活シミュレーション

毎月どのくらいの収入があって、どのくらいのお金が出ていっているのかを予め知っておくと安心して暮らせますね。

 

要は、収入という「入口」と、出費という「出口」の全体感を押さえておいたほうがいいわけです。

 

というわけで、総務省統計局が公表している「2021年家計調査 第1表1世帯当たり1か月間の収入と支出 単身世帯」の金額をベースに、毎月の1人暮らしに必要な金額を手取り収入額別にシミュレーションした図が下表です。

 

ちなみに、家賃は手取り収入の3分の1で設定しています。

 

区 分手取り14万円手取り16万円手取り18万円手取り20万円
家 賃46,000円53,000円60,000円67,000円
食 費38,400円
水道光熱費11,400円
通信費7,200円
交際費13,000円
娯楽費17,000円
日用消耗品5,700円
保険・医療費7,600円
その他14,000円
合 計160,300円167,300円174,300円181,300円
残額(予備費)▲20,300円▲7,300円5,700円18,300円

 

これを見ると、手取り16万円までは毎月赤字、手取り18万円以降でようやく貯金にまわせるという厳しい現実が垣間見れます。

 

「え~、それじゃ手取り額が16万円の人は暮らしていけないじゃないですか」

 

そうですね、ハッキリ言って毎月の給与だけでは、よっぽど切り詰めないと厳しいですね。

 

たぶん、こういう人は、いわゆる「ボーナス」と言われる賞与で毎月の赤字分を補填していると思われます。

 

もちろん、上記の生活費は平均をとっているので、個別に金額は変わってきます。

 

華やかな新生活に水を差すようで恐縮ですが、新卒の段階では思ったより楽な生活はできず、かなり節約しながら生活しなければいけないということを心得ておく必要があります。

 

4.家賃を抑える5つのコツ

「そうですか、思ったより楽な生活はできないんですね。図を見ると、やっぱり家賃のウエイトが大きいので、何か家賃を抑える秘訣とかありませんか?」

 

そうですよね。

 

毎月支払う家賃を低額で収められれば、他の出費に回せたり、貯金できる額が増えるので生活がイージーになりますよね。

 

家賃を抑えるコツは5つあります。

 

①オフシーズンを狙う

➁家賃が安いエリアを狙う

➂駅から遠い物件を狙う

➃条件や設備で家賃を抑える

➄物件選びの優先順位を付ける

 

1つずつ解説していきましょう。

 

①オフシーズンを狙う

 

家賃を抑える最も有効な方法は、「賃貸のオフシーズンを狙う」です。

 

例年5月〜8月は入学や入社、転勤などのイベントがひとまず落ち着き、下記の理由により通常に比べて家賃や初期費用を抑えられやすくなります。

 

  • オフシーズンになると入居者が減り、大家さんが家賃を下げることがあるから
  • 家賃は下がらないが、敷金・礼金、管理費が安くなっている可能性があるから
  • 需要と供給のバランスで価格交渉を行いやすいから
  • 引越業者などの料金相場が下がるから

 

ただ、この時期はちょうど内定のピークを迎えている頃で、物件探しどころではないですよね。

 

なので、早期内定をもらった人で終活した人に限り、この方法を駆使すれば、優位な物件選びが可能になります。

 

➁家賃が安いエリアを狙う

 

時期に関わらず確実に安い物件をつかむ方法が、「家賃の安いエリアを狙う」ということです。

 

下記が東京都の家賃が低い区ベスト10ですが、「葛飾区」「江戸川区」「足立区」などは家賃相場が低めであり、新入社員の給料でも無理なく借りられる物件が多いです。

 

画像引用:一人暮らし向きマンション・家賃相場の低い区ベスト10~SUMO

一方で、「港区」や「品川区」などは地価自体が高いため、ワンルームでも新入社員の給料では手が届かないのが現実です。

 

「これだけを見ると、初任給から逆算した家賃の目安(6万円)では住めないじゃないですか?」

 

そうですね。もう少し「葛飾区」や「江戸川区」、「練馬区」の家賃相場をズームアウトすると心が多少落ち着くかもしれません。

 

区 分おすすめの駅ワンルーム1K
葛飾区新小岩約6.4万円約7.2万円
京成高砂約5.9万円約6.4万円
金町約5.4万円約6.3万円
江戸川区一之江約6.8万円約6.5万円
西葛西約6.5万円約7.2万円
平井約6.3万円約7.1万円
練馬区中村橋約6.3万円約7万円
東長崎約6.5万円約7.6万円
大泉学園約6.5万円約7万円

 

やはり、新卒は給与が少ないので、家賃相場が低いエリアで部屋を探すべきですね。

 

したがって、家賃相場からどこがおすすめかと言われれば、「葛飾区」と「江戸川区」、そして「練馬区」ですね。

 

特に練馬区は家賃相場が低いうえに、区全体で治安も良いので、女性の1人暮らしには最適だと言えます。

 

③駅から遠い物件を狙う

 

一般的に駅から離れるほど家賃相場は下がっていくため、あえて「駅から徒歩15分、20分」という物件を狙ってみるのも手です。

 

やはり、駅までのアクセスがいい物件は利便性が良く、多くの人が希望するので、需給関係から家賃が高騰しがちです。

 

その逆で、駅から少し離れている物件であれば、需要が低くなりますので、同程度の間取りでも安い家賃で住むことができます。

 

特に都市部や人気のエリアで暮らしたいのであれば、少し駅から離れている物件を選ぶことが家賃を抑えるコツです。

 

➃条件や設備で家賃を抑える

 

家賃を抑える4つ目のコツは、「条件や設備で家賃を抑える」です。

 

たとえば、下記のような物件は相対的に家賃が低いです。

 

<家賃が安くなりやすい条件>

 

  • 築年数の長い物件
  • 日当たりが悪い部屋
  • 鉄筋より木造
  • 風呂とトイレが同空間(ユニットバス)
  • オートロックなし
  • 冷暖房なし

 

など、設備条件を緩くすると家賃を低く抑えられます。

 

とはいえ、「快適性」は当然落ちますので、「どこまで妥協できて、ここからは絶対譲れない」という自分なりの妥協線を予め設けておくことが望ましいですね。

 

➄物件選びの優先順位を決める

 

4つ目のコツをさらに具体化させていきますが、「アレもコレも」と欲張ると家賃はインフレします。

 

一般的に家賃は「駅からの距離や周辺環境」「建物設備」「間取り」「築年数」などの条件で決まると言われています。

 

当然、これらの条件のいいところでは家賃が高くなりますよね。

 

したがって、自分の希望は際限なく拡大していくものなので、「これだけは譲れない」という条件を絞り込んで優先順位を付けていくことが大切です。

 

たとえば、

 

優先順位1位:駅から5分以内

  〃 2位:南向き

  〃 3位:2階以上

  〃 4位:スーパーが近い

  〃 5位:電車の乗り換え1回

 

など、何が1番で、何が2番といった重要度をランク付けしておけば、何かをあきらめるときにふんぎりが付けやすいです。

 

逆に、この優先順位が明確になっていないために、「アレもコレも」といった現象になっているというわけですね。

 

 

5.物件を選ぶ前に「こだわりポイント」を明確にしよう!

「物件選びには優先順位が大切なことはわかりましたが、イマイチ選択肢が思い浮かびません。どうしたらいいですか?」

 

そうですよね。なかには物件探しが初めてという人もいるかもしれませんので、イメージが湧きませんよね。

 

そういう場合は、たくさんの例を見て、どれが1番自分がこだわっているのか(=こだわりポイント)を見つけ出すことが手っ取り早いです。

 

下表が先輩が物件を選んだ決め手の一例です。

 

これを見れば、「あっ、コレコレ」というあなたの価値がハッキリすると思います。

 

それがあなたの価値であり、優先順位の中に入れておくべき項目です。

 

ぜひ、あなたの「こだわりポイント」を見つけ出すヒントにしてくださいね。

【男性】

物件を決めた理由
A君築年数・環境(騒音などの少ない場所)を優先して探した。

荷物が少ないので、部屋の大きさにはこだわらなかった。

B君浴室とトイレは別で、駅から徒歩15分圏内の条件で探した。
C君駅から家までが徒歩5分圏内であること。

家の近くにスーパー、薬局がありコンビニも近いこと。

オートロックであること。

 

【女性】

物件を決めた理由
Dさん2階以上の部屋で、近くに買い物ができるスーパーがあること。

深夜まで開いている店なら、なお良い!

Eさん壁と天井の厚さ、南向き、独立洗面台設置にこだわった。
Fさん間取り(収納)とキッチンの機能性を重視した。
Gさん最寄駅から近いことと、会社まで乗り換えなしでいける駅の近くで探した。
Hさん駅からの距離はもちろん、通る道が暗いところではないか、途中で買い物をできるところがあるか、という点にこだわった。

 

いかがだったでしょうか?

 

いま読んだ中でピンと来る項目があれば、それがあなたの重視したい価値観であり、「こだわりポイント」です。

 

その「こだわりポイント」を起点に家探しを行ってみて下さいね。

 

6.先輩はどうやって物件を探したか?

先輩達がどうやって物件を探したのか気になりませんか?

 

ニフティ不動産の「新社会人にきいた!家賃相場はどのくらい?新社会人の一人暮らし事情」の記事では下記のようなアンケート結果が示されています。

 

手 段割 合
不動産屋42%
インターネット32%
会社の紹介16%
知人の紹介5%
インターネット検索後、不動産屋へ行った5%

 

まず新卒の場合、会社が物件を探してくる、あるいは指定してくるパターンと、自分で探すパターンに分かれます。

 

このデータの見る限り、会社紹介パターンは16%とメジャーではないようですね。

 

自分で探すパターンだと、不動産屋とインターネット、インターネットからの不動産屋が8割弱を占め、大勢を占めています。

 

7.ムダな出費を回避するための5か条

「収入ー出費=残額」です。

 

収入は残業の多少で変化する場合がありますが、毎月そんなに変わるものではありません。

 

また、毎年の昇給と言っても、新入社員の頃は微々たるものなので、あまり当てにできません。

 

となると、出費を抑えるしか、自己防衛する手段がないわけですね。

 

ただ、「欲望」は大きなエネルギーなので、「これを買いたい」「これを手に入れたい」と思うと、暴走機関車のように理性ではブレーキがかけにくいものです。

 

最後に、そんな厄介な欲望と対峙するために必要な5か条をお届けして、本記事を締めくくりたいと思います。

 

これは自戒の念を込めて、私自身がいつも財布の中に携行している5か条です。

 

欲望が出てきたときに、パッと取り出して冷静に判断する基準になれば、嬉しい限りです。

 

【ムダな出費を回避するための5か条】

 

第1条 その商品やサービスを購入するのに最低30日間、待ったか?

第2条 この買い物は借金にならないか?

第3条 「欲しい」ではなく、「必要か?」

第4条 他の投資よりリターンが高いか?

第5条 1年後にこの買い物を正しいと思えるか?

 

8.おわりに

本記事は初めて東京で1人暮らしする新卒向けに家賃の相場や物件を探す際のポイントについて解説してきました。

 

「入るを計って出るを制す」という有名な「礼記ー王制」の言葉があります。

 

収入がどれくらいあるかを正確に計算してから、それに釣り合った支出の計画を立てるべきだという意味です。

 

初任給はすでに分かっていると思うので、そこから手取り収入額を算段して、家賃を除く出費を差し引いた残高から家賃をいくらに設定すべきなのかを逆算して考えることが肝要です。

 

また、住居物件は、敷金・礼金などの初期費用や引越費用が嵩むため、「いま住んでいるところの住環境が嫌だから直ぐに引越ししたい」というわけにはいきません。

 

そうならないためにも、自分なりの物件選びの優先順位を付けて、これだけは譲れないという「こだわりポイント」を明確にしておきましょう。

 

本記事があなたの物件選びのお役に立てば、幸いです。

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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