
【超簡単!!】就活小論文の完全攻略法~ステップ・バイ・ステップ網羅解説
2022年9月14日更新
はじめに
評価される小論文をすばやく書ける方法を知りたくないですか?
本記事では小論文を出題する人事の意図を明らかにしたうえで、出題される頻出テーマや
時短4ステップを使った実践デモンストレーション形式で、例文を交えながらステップ・バイ・ステップで解説していきます。
小論文はコツさえつかめば、短時間で響く文章を生成できます。
10分程度でその技術を入手できますので、最後までジックリとお読みくださいね。
1.小論文を出題する人事の意図
リクナビの調査では、企業側に「小論文を通じて評価していること」を選択式で聞いたところ、下記のような結果となっています。
画像引用:リクナビ~【就活小論文】書き方の4つのポイント、テーマ、準備方法などを紹介(例文あり)
これだけだと回答の抽象度が高く、分かりにくいので解像度を上げて解説していきます。
①あらゆる情報の中から必要な情報を選択する力
まず、色々な情報の中からどの情報をピックアップし、効果的に伝えようとしているのかをチェックしています。
現代は検索すればすぐに情報が取れる時代ですから、どの情報を選択するのか、どの情報とどの情報を組み合わせるかに価値が出てきます。
料理でいうところの「素材」にあたりますね。
「レシピ能力」と呼んでもいいですが、「Aという素材」と「Bという素材」を組み合わせると、どんな料理ができるかを想像できる力を見ています。
これが頭の中で咄嗟にできないと、食べると引くようなマズい料理ができちゃいますからね。
➁相手の理解を促すために順序立てて加工する力
次に適切な素材(=情報)を集められても、それを上手く順序だてて整理する力がなければ意味がありません。
個々に価値のある情報でも、それがバラバラでまとまっていない状態だったら、読み手に混乱を与えますよね。
たとえば、刺身でいうと加工せずに魚の切り身をドンと皿に載せられても、どのように食べたらいいのか戸惑いますよね。それよりも、食べやすいように一口サイズに切って、大根のつまや大葉で色合いを出して、
見た目だけで美味しそうな盛り付けにすると、見事な刺身に変身しますよね。
要は、同じ素材でもどう加工するかで、相手の印象がガラリと変わるわけです。
そういう意味で、小論文では「盛り付け力」が大切になってきますね。
③自分の経験などを添えたオリジナル性を出す味付け力
情報と情報を組み合わせて、ただ整理するだけでは、そこまでのオリジナル性は生まれません。そこにあなたの体験や意見を添えるだけで、あなたにしか書けない文章に激変します。
たとえば、カレーで言うと、最後の味付けにガラムマサラやクミンを入れるなど、ひと手間かけるだけであなただけのカレーの味に仕上がるのと同じです。
時々、キレイに整理された小論文を散見しますが、そこには本人の意見や独自性がないので味気のない無味乾燥な文章に見えてしまいます。
論文というと固く見えて、客観的な情報を論理的にまとめるだけで、自分の意見を差しはさんだらいけないのかなと思うかもしれません。
でも、学術論文と就活論文は似て非なるモノです。
こと就活ではライバルの中から、あなたを選んでもらわなければいけないわけです。
なので、相手の好みに合ったオリジナル性をバンバン打ち出していくことが大切です。
➃「話し言葉」から「書き言葉」に変換する力
よく「話せるけど、書けない」といった学生がいます。よく考えてみると、SNSで見かける文章はすべて「話し言葉」ですね。論文のような書き方をしている人を見たことはないはずです。
一方で、ビジネス文章であれ、社内資料であれ、すべてが「書き言葉」で動いています。
要は、「書き言葉」が使えないと仕事にならないわけです。
したがって、小論文を書かせることで「書き言葉」に変換する力があるのかもチェックしていますね。
➄肝心なところで抜かりがない力
「画竜点睛を欠く」という言葉がありますが、せっかく情報選択のセンスがあって、論理立てて相手を納得させる文章に仕上がってるのに、最後のところで大こけする小論文を見ます。
それは「てにをは」を間違っていたり、「です・ます調」と「だ・である調」が混在していたり、勿体ないなぁといった文章です。
このような文章を見るにつけ、「脇が甘い」「仕事でも肝心なところでミスするんだろうな」といった印象を免れません。
うっかりミスや抜けで、痛い失点を食らわないように注意しましょう。
2.小論文の頻出テーマ
「なるほど。人事は小論文でそんなところをチェックしているのですね。
それでは次に小論文ではどんなテーマが出題されるのか、知りたいです。」
小論文のテーマは大きく層別すると、
- 学生自身に関すること
- 社会(時事問題・一般論)に関すること
- 企業(志望職種や志望企業)に関すること
の3つにカテゴライズできます。
リクナビの調査結果でも、下表のように
画像引用:リクナビ~【就活小論文】書き方の4つのポイント、テーマ、準備方法などを紹介(例文あり)
といった結果になっています。
それぞれのカテゴリーの出題テーマ例は下記のとおりです。
カテゴリー | 出題テーマ例 |
1.自分に関するもの | ・今までに最も打ち込んだこと ・今までで1番感動したこと ・今までで1番苦労したこと ・学生生活で学んだこと ・尊敬する人物について ・自分が成長したと感じた瞬間 ・あなたが働くうえで大切だと思うこと ・これまでに最も打ち込んだこと ・社会に出たらどのような人になりたいか ・1年後に自分がどうなっていたいか ・将来の夢は何か ・学生と社会人の違い |
2.社会(時事問題・一般論)に 関すること | ・最近気になるニュースについて ・グローバル社会についてどう思うか ・少子高齢化社会に関しどうしていくべきか ・ハラスメントについて ・地球温暖化に関しどうしていくべきか ・ジェンダーについてどう思うか ・働き方改革についてどう思うか ・AIについてどう思うか ・人権問題についてどう思うか ・若者の投票率低下について ・コンプライアンスについて |
3.企業(志望職種や志望企業)に 関すること | ・仕事を通してどのように成長したいか ・入社してから実現したいこと ・企業に求めることは何か ・会社が社員に求めると思うこと ・就職したうえで心掛けたいこと ・会社で働くうえで何が最も大切な力か ・どうすれば商品の売上を向上させるられるか ・業界の課題は何か ・入社後に行いたいこと ・その企業の社会的役割 ・やってみたい仕事は何か |
3.小論文を書く時のポイント
「出題テーマの傾向はわかりましたが、実際に書くとなると、どうすればいいのですか?」
色々な就活記事で、小論文は「序論→本論→結論」で書けといったような内容を見かけますが、何となくどう書いたらいいのか分からないですよね。
一方で、人事は就活の小論文で学術研究のような堅苦しい論文を要求しているわけではありません。
思ったことを理路整然と書けていれば、OKのレベルです。
なので、もう少し肩の力を抜いて面接の受け答えの要領で「PREP法」を使って書けば、事足ります。
「PREP法」のおさらいをしておくと、
P(Point):結論
↓
R(Reason):理由
↓
E(Example):具体例
↓
P(Point):まとめ
ですね。
まず、P(Point)で言いたいことの結論を端的に書いていきます。
この時のポイントとしては、最初の1行目は短く、かつあなたの言いたいことのキーワードを含めたインパクトのある文章で相手の気を惹くことが大切です。
次のR(Reason)では結論を下支えする具体的な理由を提示していきます。
「AだからB(A→B)」という論理が頭で引っ掛かることなくスムーズに流れていれば、OKです。
逆に思考がストップするようであれば、それは論理にムリがありますので、他の理由付けが必要です。
E(Example)のステップでは色々な具体例を交えながら、読み手の理解を促進して納得性を高めていきます。
このステップでは、できるだけ体験に基づいた例を交えて具体的に書くことがポイントです。
また、小論文では別の背景や自分との反対意見を提示して、それに対してあなたなりの意見(反論を含む)を表明すると客観性が生まれてくる効果がありますので、このテクニックを使ってもいいですね。
最後のP(まとめ)では、今までの内容から冒頭の結論が正しいということを、異なる表現を使ってまとめていきます。
ザックリとこのような構成でまとめていけば、論理的にスムーズにいきます。
それではPREP法を使って、次章で実際に小論文をステップ・バイ・ステップで作っていきましょう。
4.小論文実践デモンストレーション(時短4ステップ)
「5年後のあなたはどうなっていたいですか?」
をテーマにします。
マネをするには型が必要で、型があると時短で効率的に文章を生成しやすいので、下記の4ステップに沿ってデモンストレーションを行います。
ステップ1:どういう自分を見せたいかを考える
↓
ステップ2:小論文の構成(骨組み)を考える
↓
ステップ3:書きながら肉付けする
↓
ステップ4:推敲する
ステップ1:どういう自分を見せたいかを考える
文章を書く時にいつも思い出してほしいことが、
「いきなり書いてはいけない」
ということです。
見切り発車で文章を書くと、途中で思ったことと違ったとか、行き先不明になって、いざ方向転換しようとしても時間がやたらと経過していてタイムオーバーといったことになりかねません。
なので、必ずこの4ステップを順守してくださいね。
最初に大切なことは「どういう自分を見せたいのか?」を考えるということです。
今回のお題だと「5年後の自分」なので、どのような5年後の自分を演出すれば、人事に響くのかを意識することが大切です。
ここで重要なことは、
できるだけ志望企業の求める人物像に寄せて書く
ということです。
やえもすると、自分の考えていることをそのまま単刀直入に書く人がいますが、それが読み手の求める人物像と真逆だった場合、悪い印象を連打している行為と同じですね。
ではなくて、「相手がこんな学生なら採用したいなぁ」と思えるような5年後の自分を提示することが大切です。
ここでは、この企業の求める人物像を「向上意欲旺盛で、ひたむきにチャレンジできる人」だと仮定して、5年後の姿を「〇〇地区ナンバー1のMR(医療情報担当者)になっている」という前提で書いていきますね。
ステップ2:小論文の構成(骨組み)を考える
どんな自分を演出したいかが決まったら、今度は小論文の構成を考えていきます。
構成とは、建物でいったら骨組みの部分なので、かなり重要なパートですね。
この骨組みは「PREP法」を使っていきましょう。
P:〇〇地区ナンバー1のMRになる
↓
R:ナンバー1になることで貴社の業績に貢献できるから
↓
E:でも、そんな簡単にナンバー1になれるわけはない。色々な障害があるはず。
→しかし、最新の医療や医薬の情報を収集してタイムリーに提供し、医者や薬剤師の信頼 を勝ち取れば、ナンバー1になれる(反論の反論)
↓
P:医者や薬剤師に有難がられるナンバー1のMRを目指す
というような大枠を考えていきます。
この時点で論理構成がシッカリしてないと、文章を書いても絶対に論理がスムーズに流れることはありませんので、このステップ2が最も重要なステップになります。
ステップ3:書きながら肉付けする
ステップ2の段階では、まだラフなスケッチに過ぎません。
ステップ3は、そのデッサンに絵の具を塗っていく作業です。
ここでは、できるだけ豊富なバリエーションで、他の学生が使わないような単語を選ぶとオリジナル性が生まれます。
それだけで差別化がはかれ、人事の印象に残りやすい文章に仕上がるというわけです。
ステップ4:推敲する
文章を推敲する際は、必ず声に出して音読してください。
仮に論文の試験が会場で行われる場合も、心の中で黙読するといいです。声に出すだけで、間違いに気づきやすくなりますし、文章の違和感を感じやすくなります。
そして、推敲でチェックする項目は、
✓1文1文が短く端的か?
✓1文が1メッセージになっているか?
✓接続詞を多用していないか?
✓「なので」など口語を使っていないか?
→使うのであれば、「したがって」「だから」
✓「私〜思う」など第1人称を連発してないか?
→論述で主張・考えを述べる場合は1人称だと決まっているから
✓誤字脱字はないか?
✓論理に矛盾がないか?
✓伝えたいことに一貫性があるか?
✓文章のテンポやリズムはいいか?
などをチェックしてみてください。
上記を踏まえて4ステップに沿って作成した例文が下記のとおりです。
【「5年後にどうなっていたいか」の例文】
5年後は、御社の●●地区ナンバー1のMRを目指します。 この目標を持つことにより、ひたむきにチャレンジする原動力が生まれ、挑戦体験を積み重ねることで自己成長がはかれると共に、ひいては御社の業績に貢献できると確信しているからです。 しかし、MRはお医者様に最新の薬や医療情報を適時提供しなければなりません。 また、仕事は想像以上に厳しく、門前払いになるというお話もお伺いしました。 その現実を乗り越えてナンバー1になるためには、まずはお医者様の信頼を勝ち取る必要があると考えています。 そこで、「歩く医療図書館」と呼ばれるくらい最先端の薬や医療に関する情報をお医者様にお届けし、深い信頼関係を構築したうえで、有難がられるMRとして5年後には常時ナンバー1を取れるように邁進します。 御社から内定を頂ければ、就職活動を終了してから入社までの間、「毎月1冊、医療関係の本を読む事」を自己課題とします。 (391字) |
いかがだったでしょうか?
字数制限400字以内をイメージして作成してみました。
この例文では、PREP法+αで文章の最後に結論を言うだけでなく、「今からできる第1歩」を示しています。
この+αには2つの効果があって、1つ目はこの1文を足すだけで目標の実現性や入社意欲を匂わせることができます。
そして、2つ目は通常の型を少し崩してフィナーレを迎えていますので、オリジナル性が出て印象に残りやすいといったメリットです。
ぜひ、このようなテクニックを使って自分なりのアレンジを加えて、人事の心に響かせてみてください。
5.おわりに
小論文だけで合否が決まるわけではないですが、加点・減点で影響を及ぼします。
また、文章を書こうと思っても、すぐには書けないので、数稽古がかなり重要になってきます。
スポーツと同じで、何度も何度も反射神経を鍛えることで、すぐにアウトプットできるようになります。本記事を参考に小論文の関門を突破して下さいね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。