売り手市場で就活を勝ち抜く秘策4選!特徴やメリットも解説
2024/10/12更新
はじめに
近年では「売り手市場の求人が増えているから内定をもらいやすい」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
しかし、売り手市場だからといって簡単に就職できるわけではないのが現状です。
内定を勝ち取るには、売り手市場の特徴や動向を把握して正しくアプローチする必要があります。
そこで今回は、売り手市場、買い手市場の意味をはじめ、その仕組みからメリット・デメリット、業種別の動向などを紹介していきます。
以下のようなお悩みのある学生は必見ですので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
- 売り手市場はいつまで続くのか分からない
- 売り手市場の業界で内定を勝ち取る方法が知りたい
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就活で聞く売り手市場とは
就活の場でよく耳にする「売り手市場」とは、いったいどのような意味なのでしょうか。
それは、就職を希望している学生に対して企業の求人募集が多い状態のことです。
求人募集が多ければ、学生にとっては企業の選択肢が広がります。
このため、企業は人材を獲得するために魅力的な条件を整備・提示するほか、積極的に応募・アプローチを行う等の対策を講じる傾向にあります。
売り手市場においては、企業における採用活動に要するコスト負担等が増加することすることになります。
よって、就活生にとっては、一般に就活がしやすい状況とも言えるでしょう。
売り手市場にはメリット・デメリットがあるため、後ほど解説していきます。
買い手市場
売り手市場と一緒に聞くのが「買い手市場」。
こちらは、就職を希望している学生より企業の求人募集が少ない状態を指します。
売り手市場では「選ぶ企業の選択肢」が増えるのに対して、買い手市場は選択肢が限られるため、ひとつの企業に多くの就活生が集まりやすいです。
企業は厳格な採用基準に従いフィルタリングを行い、採用枠の争いが激化することにつながります。
企業各社は、応募してきた就活生が自社が求める人材といえるのか、慎重に判断し、見極めを行うことができる一方、各社の採用人数には限りがあるので、必然的に競争率が上がり、学生にとっては不利な状態になります。
就職する希望者と求人募集の数で「売り手市場なのか買い手市場なのか」が年々変動します。
いつまで続く?売り手市場の動向
続いて、売り手市場の動向について有効求人倍率や業界ごとの求人倍率状況などから解説します。
有効求人倍率からチェックしてみる
有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合をいいます。
有効求人倍率は、雇用動向を示す重要指標の一つであり、景気とほぼ一致して動く特徴があるため、景気動向指数の一致指数として知られています。
具体的に説明すると、これは「一人当たりに何件の求人があるのか」を表す数値です。
1を基準として、上回る場合は「売り手市場」となり、1を下回る場合は「買い手市場」になります。
たとえば、就職希望者が50人に対して求人募集が100件あるなら、有効求人倍率は2倍です。
売り手市場となるため、就職がしやすいと言えます。
ただし、仮に売り手市場だからといって、就活を適当にやっていい理由にはなりません。
あくまでも参考数値程度にとどめておくのがよいでしょう。
株式会社リクルートによると、2025年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は、1.75倍まで上昇。2024年の1.71倍より0.04ポイント上昇しました。
求人倍率1を上回っているため、全体としては売り手市場です。
大卒求人倍率の状況
2022年卒は、コロナ禍の影響を受け、一時的に求人倍率が低下したものの、それでも底堅さ(1.50倍)を見せており、それ以降現在まで上昇が続いています。
企業の従業員規模別では、「300人未満企業」および「300〜999人企業」で大卒求人倍率が上昇しました(前年と比較して、、「300人未満企業」では0.31ポイント、「300~999人企業」では0.46ポイント上昇しました)。
これに対し、「1000〜4999人企業」では変動がなく、「5000人以上企業」では0.07ポイント低下しました。
業種別求人倍率
次に、業種別の求人倍率にも注目していく必要があります。
2022年卒以降の業種別の求人倍率の推移は次のとおりです。
2022年3月卒 | 2023年3月卒 | 2024年3月卒 | 2025年3月卒 | |
全体 | 1.50倍 | 1.58倍 | 1.71倍 | 1.75倍 |
建設業・製造業他 | (2.22倍) | (2.35倍) | (2.92倍) | (2.66倍) |
建設業 | 6.40倍 | 7.70倍 | 13.74倍 | 9.35倍 |
製造業 | 1.71倍 | 1.81倍 | 2.19倍 | 2.07倍 |
流通業 | 8.12倍 | 7.77倍 | 10.49倍 | 16.21倍 |
金融業 | 0.21倍 | 0.22倍 | 0.21倍 | 0.23倍 |
サービス・情報業 | 0.31倍 | 0.33倍 | 0.36倍 | 0.36倍 |
これを見ると、特に建設業と流通業における売り手市場ぶりが顕著です。
両業種ともに慢性的な人手不足の状況にあると言われており、それを裏付ける結果となっています。
製造業も約2倍の求人倍率を記録しており、建設業や流通業ほどではないとしても、これらの業種を志望する就活生にとっては有利な状況にあると言えます。
他方、金融業は0.21倍~0.23倍、サービス・情報業は0.31倍~0.36倍にとどまっています。
いずれも就活生に人気の高い業種であり、これらの業種で仕事をすることを希望する就活生にとっては売り手市場といっても実感は沸かないというのが実情ではないでしょうか。
市場全体が売り手市場である場合、就活生にとって買い手市場の場合よりも有利な状況であることは確かです。
しかし、それが即志望する業種・企業からの内定獲得に直結するとは限りません。
大手の企業や知名度の高い企業には就活生が多く応募してくるため、たとえ売り手市場といわれる状況であったとしても、限られた採用枠を争うことになることは避けられず、厳しい競争を勝ち抜く必要があります。
売り手市場による影響
続いて、売り手市場による影響を企業側と学生側の両方の側面から解説します。
企業への影響
求める人材の確保が難しくなる側面があります。
優秀な学生を集めるために企業間で採用競争が激しくなり、コストや時間がかかる可能性があるからです。
そのため、他社との差別化を図るべく福利厚生の充実や職場環境の改善などが求められることもあります。
また採用競争の激化による採用プロセスの迅速化や人材を定着させるための取り組みも重要なカギとなってきます。
学生側への影響
学生としては選べる企業が増えるため、就活がしやすくなるという特徴があります。
選択肢が広がるだけでなく企業側からもスカウトなどのアプローチが来やすくなるため、学生は条件の良い企業を見つけやすくなるでしょう。
その反面、選択肢が増えすぎてどの企業にすべきか迷ってしまう場面も増えるでしょう。
多くのスカウトやオファーを受けると、自分にとって最善の選択がしにくくなり結果的に就活が長期化してしまうことも考えられます。
売り手市場のメリット3つ
求人募集が増えるため「企業選びの選択肢が増える」などのメリットがありますが、実はそれだけではありません。
具体的には次の通りです。
- 選択できる企業が増える
- 好条件の求人が増える
- 早期に内定がもらいやすい
売り手市場の好機を活かして、就活を有利に進めていきましょう。
選択できる企業が増える
売り手市場になれば求人募集が増えるため、就活生にとっては選べる企業が増えます。
加えて、新卒採用を始めたり採用枠を広げたりするので、挑戦できる職種が広がることも。
求人枠が広がれば、就活生にとって相性のよい仕事が見つけやすくなります。
自分の就活軸に当てはまるのであれば、積極的にエントリーしてみるのもアリです。
好条件の求人が増える
求人募集が増えるのは、企業からするとライバルが増えるのと同じです。
優秀な人材が競合他社に取られないよう好条件で募集する企業も多いのだとか。
普段チェックしていた企業が、以前より給与・福利厚生が改善されている場合もあるかもしれません。
業界全体で底上げされてしまったら、大差がなくなりますが、それでも就活生にとっては嬉しいはずです。
売り手市場はいつまでも続くとは限らないので、好条件のうちに内定を獲得してしまいましょう。
早期に内定がもらいやすい
売り手市場は内定を獲得しやすい傾向にあります。
求人募集が増えるので、企業は早急に人材を確保したいはず。
企業によっては昨年度よりも早い段階で内定を出す可能性もあります。
ただし、内定がもらいやすいとはいえ、採用の難易度は変わりません。
採用基準を下げても企業は得をしないからです。
「内定がもらいやすい」といった傾向があるだけで、確約するものではないため、気を引き締めて対策をおこなってください。
売り手市場のデメリット3つ
一方で、売り手市場にはデメリットもあります。
3つ紹介しますので、下記をご覧ください。
- どの企業がよいかわからなくなる
- 企業とミスマッチが起きやすい
- 内定ブルーに陥りやすい
仮に選択肢が増えたとしても、自分の軸にあうものを選ぶのが大切です。
どの企業がよいかわからなくなる
売り手市場で就活をおこなっていると、思いのほか内定をいただく学生も多いようです。
嬉しい出来事ではありますが「内定は無事に獲得できたけど、どの企業がいいのだろうか」とわからなくなることも。
特に、同じように就活に取り組んでいる大学の友人たちの内定先を知り、不安を覚えることもあるようです。
そのためにも、今までの自己分析や就活の軸が役立ちます。
「自分が理想とする働き方」「企業に何を求めているのか」などをふたたび確認し、最終的な道を選んでみてください。
もし、ご自身で判断できなければ、学校の先生に聞いたりジョーカツに相談したりするのもおすすめです。
もちろん、最終的には就活生自身が判断するべきことではありますが、第三者による客観的な意見・情報をもとに検討すると良いです。
自分が今まで気づかなかった、または忘れていた視点を提示してくれる可能性があるからです。
企業とミスマッチが起きやすい
早々に内定をいただき、いざ入社してみたら「なんかちょっと違った…」といったミスマッチが起きる事例も聞きます。
原因は「内定を早めに出す企業側」と「何も考えずに内定を承諾してしまう学生側」にあるようです。
企業としては早めに人材を確保したいですし、学生も内定をもらって落ち着きたいと考えるでしょう。
しかし、就活はゴールではありません。
内定を早い段階でもらっても、慎重に考えて進路を決定するのが得策です。
特に、複数の内定をもらっている就活生は、意識しておいてください。
内定ブルーに陥りやすい
「内定ブルー」とは結婚前に陥る「マリッジブルー」と同じで、内定は貰ったけど「本当にこの企業でいいのか」「もっと他に自分に合った良い会社があるのではないか」「働くのがいやになってきた」と、学生ならではの甘えも含め、様々なマイナスな心境に心が揺れることです。
もちろん「内定ブルー」に陥ることは悪いことではなく、これまで勉強をしていれば評価されてきた学生が、なんの不安もなく社会に対応するのは少々難関かもしれません。
- 就職のことを考えると不安になる
- 自分が就職先で活躍できるか分からない
- 働くことに意義が見いだせない
こんな感情になってもブルーになりすぎず、不安を解消するためには内定者会などでOB・OGに仕事内容を改めて質問するなど、自分の就活の原点を振り返ってみてください。
きっと自分の選択は間違っていなかったと思える安心材料となることでしょう。
売り手市場における就職生の悩み
売り手市場での就活において、学生達はどのようなことに悩んでいるのでしょうか。
マイナビの「マイナビ 2024年卒 学生就職モニター調査 2月の活動状況」に記載されている「就職活動で不安に思う要因」を見てみましょう。
出典:マイナビ 2024年卒 学生就職モニター調査 2月の活動状況
こちらを見てみると、就活生の多くは志望企業から内定をもらえるかどうか、面接が不安、エントリーシート作成負担が大きいといった不安が挙げられます。
売り手市場だからこそ就活対策をしっかりやるのが大切
「売り手市場」と聞くと、就活のハードルが下がるのではないかと思われますが、実はそのようなことはありません。
求人募集はたしかに増えますが、難易度は平行線。
早い段階で内定を打診する企業もありますが、一部と考えておくのがよいです。
世間の状況に流されず「志望する業界・企業が何を求めているのか」を考えられる学生が、最終的に内定を獲得できます。
そのためにも、自己分析・企業研究・面接対策などをしっかりやっておくのが大切です。
「売り手市場」の中で就活を勝ち抜く秘策4選!
就活生が「売り手市場」の中で勝利を勝ち取るための方法を紹介していきます。
入念に自己分析をおこなう
まず最初に就活生が行うべきことは、徹底した自己分析です。
徹底した自己分析をすることなく、就活に勝利することはあり得ないと言っても過言ではありません。
自己分析をすることにより、価値観や自分が仕事に求めることなどが次第に明確になってきます。
最初は億劫に感じることがあるかもしれませんが、焦らずじっくりと自己分析に取り組んでください。
自己分析をやり切ることによって、選考先を選ぶ際や最終的に内定を承諾するときに、自分に合った正しい選択ができるようになります。
自己分析のくわしいやり方は以下の記事で紹介されているので、ぜひチェックしてみてください。
業界・企業研究を丹念におこなう
表面的な業界研究や企業研究では、志望する企業からの内定を獲得することは困難です。
このため、業界研究や企業研究を丹念に行う必要があります。
業界・企業に関する理解を深めることが、自分にとって最適な会社に出会う確率を高めることにつながるのです。
これは同時に、入社後のミスマッチを未然に防ぐことも可能にします。
また、業界研究・企業研究をおこなう過程で、関連する業界や企業の情報に接することになるため、自分の中に判断軸が形成され、複数の会社から内定をもらった場合に冷静な比較ができるようになります。
業界研究のやり方は以下の記事を参考にしてみてください。
大手企業にこだわらない
就活生の中には「何としても大手企業を目指す」という志向の人も少なくないことでしょう。
ただ、就活の状況いかんによっては、自分の選考先を大手企業にこだわらない方が良い場面もあることを理解しておくと良いです。
既述のように、売り手市場においても、大手企業は競争倍率が非常に高い状況にあります。
きわめて多くの就活生が集まるため、内定獲得は厳しい競争になります。
「大企業だけを受けていたら、結局内定が0…」という事態を避けるため、ほかの企業への応募も検討しておくことをおススメします。
中小企業にも選択肢を広げる
これも就活の状況次第ではありますが、比較的内定を得やすい中小企業も就職先の候補として考えてみてはいかがでしょうか。
中小企業の場合、社会における知名度や安定性の観点では大企業と比較して劣る部分があることは確かです。
しかし、そうした中で優良で将来性の高い中小企業が数多く存在することも事実であることを強調しておきます。
また、就活生自身の適性において、大手企業で安定的な仕事をするよりも、チャレンジングなベンチャー企業で活躍する方が自分に合っていることもあります。
就活生の皆さんにおいては、ぜひ視野を広げ、自分がいきいきと働ける就職先を探してください。
売り手市場に関するよくある質問
次に、就活生からの売り手市場に関するよくある質問とその答えをまとめました。
- いつから売り手市場なの?
- ITやエンジニアの売り手市場はいつまで続く?
- 売り手市場で就職できない理由は?
いつから売り手市場なの?
株式会社リクルートによると、2001年から求人倍率が1を超え、2025年まで上下を繰り返しています。
数値は変動しているものの「売り手市場」といった観点で言えば、20年以上続いているため、24・25卒に大きな影響はないかもしれません。
コロナ禍から徐々に回復傾向にあります。
人手不足が続いている企業も多いので、うまくいけば就活がしやすいはず。
志望する業界が決まったら、個々で詳しく調べてみるのがおすすめです。
ITやエンジニアの売り手市場はいつまで続く?
旧みずほ情報総研によると、2030年にはエンジニアが10万人以上不足する可能性があると言われているため、売り手市場はしばらく続きそうです。
現在では、お掃除ロボットやスマートスピーカーなどが普及していますが、その勢いはまだまだ続きます。
ITが普及していくと共に対応できるエンジニアが求められるため、需要は高まるでしょう。
ただし、売り手市場が続いていても、誰でも採用されるわけではありません。
時代に適応できる人材が必要ですし、自分自身のスキルアップも常に求められます。
売り手市場で就職できない理由は?
「企業が求めている人材に相応しくない」というのが理由に挙げられます。
売り手市場とはいえ、企業は誰でも採用したいわけではありません。
「優秀な人材がいれば採用したい」といったことから、ハードルが高いケースもあるようです。
また、就活生自身も企業へのハードルを低く見積もっているため、安易に受けて落ちてしまうパターンもあります。
就活は「企業」と「学生」の相性です。
市場が売り手と言われていても、あわなければ採用されません。
就職するためには志望する業界・企業研究を徹底し「私は企業にとって相応しい人材だ」といったことをしっかり伝えるのが重要です。
さいごに
売り手・買い手市場は、あくまで需要と供給のバランスを示すもの。
就活の難易度が変わるものではないため、学生の心構えが大切です。
安易に受けて内定をもらったとしても、慎重に考えていなければ、後々後悔するかもしれません。
どれだけ学生にとって就活しやすい状況であっても、徹底した企業分析や自己分析、面接・エントリーシート対策は欠かせません。
人気企業に関しては応募倍率が高くなる可能性もあるので、気を抜かずにこれらの対策をする必要があります。
就活はこれからの人生をつくる通過点です。
納得のいく社会人生活を築くためにも、自分の軸に沿って就活に励んでくださいね。