【25卒】就活の売り手・買い手市場とは?いつまで続く?3つのメリット・デメリットの紹介

【25卒】就活の売り手・買い手市場とは?いつまで続く?3つのメリット・デメリットの紹介

2023年5月17日更新

はじめに

「売り手市場は企業の求人が増えるから、内定をもらいやすい」と聞いたことはないでしょうか。

 

たしかに求人が増えれば、学生としても選択肢が増えるので、内定確率もアップします。しかし、売り手市場だからといって簡単に就職できるとは限りません。

 

そこで今回は、売り手市場の仕組みからメリット・デメリットなどを紹介していきます。

 

売り手市場でも気を緩めることなく、しっかりと対策できるかどうかが重要です。後半は、就活生からの売り手市場に関するよくある質問もまとめましたので、参考にしてみてください。

1.就活で聞く売り手市場とは

就活の場でよく耳にする「売り手市場」とは、就職を希望している学生に対して企業の求人募集が多い状態のことです。

 

求人募集が多ければ、学生にとっては企業の選択肢が広がるので、就活がしやすい状況とも言えるでしょう。売り手市場にはメリット・デメリットがあるため、後ほど解説していきます。

買い手市場

売り手市場と一緒に聞くのが「買い手市場」。こちらは、就職を希望している学生より企業の求人募集が少ない状態を指します。

 

売り手市場では「選ぶ企業の選択肢」が増えるのに対して、買い手市場は選択肢が限られるため、ひとつの企業に多くの就活生が集まりやすいです。採用人数には限りがあるので、必然的に競争率が上がり、学生にとっては不利な状態に。

 

就職する希望者と求人募集の数で「売り手市場なのか買い手市場なのか」が年々変動します。

2.有効求人倍率を見ると売り手・買い手市場がわかる

有効求人倍率とは「一人当たりに何件の求人があるのか」を表す数値です。1を基準として、上回る場合は「売り手市場」。1を下回る場合は「買い手市場」になります。

 

たとえば、就職希望者が50人に対して求人募集が100件あるなら、有効求人倍率は2倍です。売り手市場となるため、就職がしやすいと言えます。

 

ただし、仮に売り手市場だからといって、就活を適当にやっていい理由にはなりません。あくまで参考数値程度にとどめておくのがよいでしょう。

3.2025年卒の就活生:売り手市場

株式会社リクルートによると、2025年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は、1.58倍まで上昇。求人倍率1を上回っているため、売り手市場です。

 

2021年はコロナ禍の影響を受け、6年ぶりに1.6倍を下回る結果となりましたが、徐々に回復傾向にあります。

 

企業の従業員規模別でも「300人未満」「300〜999人企業」「1000〜4999人企業」「5000人以上企業」のすべてで求人倍率が上昇し、よい流れがうかがえるのではないでしょうか。

 

しかし、就職希望者数もここ2年で増加してきたため、求人倍率は大きくは伸びませんでした。

 

売り手市場はまだまだ続きそうですが、数字に惑わされずに就活対策をおこなっていくのが大切です。

 

出典:第40回 ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)

4.売り手市場のメリット3つ

求人募集が増えるため「企業選びの選択肢が増える」などのメリットがありますが、実はそれだけではありません。具体的には次の通りです。

 

  • 選択できる企業が増える
  • 好条件の求人が増える
  • 早期に内定がもらいやすい

売り手市場の好機を活かして、就活を有利に進めていきましょう。

 

選択できる企業が増える

売り手市場になれば求人募集が増えるため、就活生にとっては選べる企業が増えます。加えて、新卒採用を始めたり採用枠を広げたりするので、挑戦できる職種が広がることも。

求人枠が広がれば、就活生にとって相性のよい仕事が見つけやすくなります。自分の就活軸に当てはまるのであれば、積極的にエントリーしてみるのもアリです。

好条件の求人が増える

求人募集が増えるのは、企業からするとライバルが増えるのと同じです。

優秀な人材が競合他社に取られないよう好条件で募集する企業も多いのだとか。普段チェックしていた企業が、以前より給与・福利厚生が改善されている場合もあるかもしれません。

業界全体で底上げされてしまったら、大差がなくなりますが、それでも就活生にとっては嬉しいはずです。

売り手市場はいつまでも続くとは限らないので、好条件のうちに内定を獲得してしまいましょう。

早期に内定がもらいやすい

売り手市場は内定を獲得しやすい傾向にあります。求人募集が増えるので、企業は早急に人材を確保したいはず。企業によっては昨年度よりも早い段階で内定を出す可能性もあります。

ただし、内定がもらいやすいとはいえ、採用の難易度は変わりません。採用基準を下げても企業は得をしないからです。

 

「内定がもらいやすい」といった傾向があるだけで、確約するものではないため、気を引き締めて対策をおこなってください。

5.売り手市場のデメリット3つ

一方で、売り手市場にはデメリットもあります。2つ紹介しますので、下記をご覧ください。

 

  • どの企業がよいかわからなくなる
  • 企業とミスマッチが起きやすい
  • 内定ブルーに陥りやすい

仮に選択肢が増えたとしても、自分の軸にあうものを選ぶのが大切です。

どの企業がよいかわからなくなる

売り手市場で就活をおこなっていると、思いのほか内定をいただく学生も多いようです。嬉しい出来事ではありますが「内定は無事に獲得できたけど、どの企業がいいのだろうか」とわからなくなることも。

 

そのためにも、今までの自己分析や就活の軸が役立ちます。「自分が理想とする働き方」「企業に何を求めているのか」などをふたたび確認し、最終的な道を選んでみてください。

もし、ご自身で判断できなければ、学校の先生に聞いたりジョーカツに相談したりするのもおすすめです。

 

企業とミスマッチが起きやすい

早々に内定をいただき、いざ入社してみたら「なんかちょっと違った…」といったミスマッチが起きる事例も聞きます。

 

原因は「内定を早めに出す企業側」と「何も考えずに内定を承諾してしまう学生側」にあるようです。企業としては早めに人材を確保したいですし、学生も内定をもらって落ち着きたいと考えるでしょう。

 

しかし、就活はゴールではありません。内定を早い段階でもらっても、慎重に考えて進路を決定するのが得策です。特に、複数の内定をもらっている就活生は、意識しておいてください。

内定ブルーに陥りやすい

「内定ブルー」とは結婚前に陥る「マリッジブルー」と同じで、内定は貰ったけど「本当にこの企業でいいのか」「もっと他に自分に合った良い会社があるのではないか」「働くのがいやになってきた」と、学生ならではの甘えも含め、様々なマイナスな心境に心が揺れることです。
もちろん「内定ブルー」に陥ることは悪いことではなく、これまで勉強をしていれば評価されてきた学生が、なんの不安もなく社会に対応するのは少々難関かもしれません。

・就職のことを考えると不安になる
・自分が就職先で活躍できるか分からない
・働くことに意義が見いだせない

こんな感情になってもブルーになりすぎず、不安を解消するためには内定者会などでOB・OGに仕事内容を改めて質問するなど、自分の就活の原点を振り返ってみてください。
きっと自分の選択は間違っていなかったと思える安心材料となることでしょう。

6.売り手市場だからこそ就活対策をしっかりやるのが大切

「売り手市場」と聞くと、就活のハードルが下がるのではないかと思われますが、実はそのようなことはありません。

 

求人募集はたしかに増えますが、難易度は平行線。早い段階で内定を打診する企業もありますが、一部と考えておくのがよいです。

 

世間の状況に流されず「志望する業界・企業が何を求めているのか」を考えられる学生が、最終的に内定を獲得できます。そのためにも、自己分析・企業研究・面接対策などをしっかりやっておくのが大切です。

7.いつまで続く?就活生からの売り手市場に関するよくある質問

最後に、就活生からの売り手市場に関するよくある質問とその答えをまとめました。

 

  • いつから売り手市場なの?
  • 売り手市場はいつまで続く?
  • ITやエンジニアの売り手市場はいつまで続く?

いつから売り手市場なの?

株式会社リクルートによると、2001年から求人倍率が1を超え、2025年まで上下を繰り返しています。

数値は変動しているものの「売り手市場」といった観点で言えば、20年以上続いているため、24・25卒に大きな影響はないかもしれません。コロナ禍から徐々に回復傾向にあります。

人手不足が続いている企業も多いので、うまくいけば就活がしやすいはず。志望する業界が決まったら、個々で詳しく調べてみるのがおすすめです。

出典:第40回 ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)

 

売り手市場はいつまで続く?

売り手市場は数年ほど継続されるはずなので、23・24卒はあまり心配は入りません。しかし、業界によって市場は大きく異なるため、志望する業界をよく研究しておきましょう。

たとえば、建設業は東京オリンピックを境に求人率は減少しているものの、いまだに高倍率です。一方、金融業は買い手市場が続いています。

 

ITやエンジニアの売り手市場はいつまで続く?

旧みずほ情報総研によると、2030年にはエンジニアが10万人以上不足する可能性があると言われているため、売り手市場はしばらく続きそうです。

現在では、お掃除ロボットやスマートスピーカーなどが普及していますが、その勢いはまだまだ続きます。ITが普及していくと共に対応できるエンジニアが求められるため、需要は高まるでしょう。

ただし、売り手市場が続いていても、誰でも採用されるわけではありません。時代に適応できる人材が必要ですし、自分自身のスキルアップも常に求められます。

出典:みずほ情報総研「平成30 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT 人材等育成支援のための調査分析事業)」

 

売り手市場で就職できない理由は?

「企業が求めている人材に相応しくない」というのが理由に挙げられます。

売り手市場とはいえ、企業は誰でも採用したいわけではありません。「優秀な人材がいれば採用したい」といったことから、ハードルが高いケースもあるようです。

また、就活生自身も企業へのハードルを低く見積もっているため、安易に受けて落ちてしまうパターンもあります。

就活は「企業」と「学生」の相性です。市場が売り手と言われていても、あわなければ採用されません。

 

就職するためには志望する業界・企業研究を徹底し「私は企業にとって相応しい人材だ」といったことをしっかり伝えるのが重要です。

8.おわりに

売り手・買い手市場は、あくまで需要と供給のバランスを示すもの。就活の難易度が変わるものではないため、学生の心構えが大切です。

 

安易に受けて内定をもらったとしても、慎重に考えていなければ、後々後悔するかもしれません。

 

就活はこれからの人生をつくる通過点です。納得のいく社会人生活を築くためにも、自分の軸に沿って就活に励んでくださいね。

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就活ハンドブック編集部

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