【就職=学歴?】学歴フィルターをすり抜け就活を賢く進める戦術
2022年9月6日更新
はじめに
「就職に学歴は関係する?」の真相
就職に学歴が影響するのかしないのか、知りたくないですか?
世の中には「就職と学歴は無関係」とか、「学歴不問」といった説がささやかれる反面、「いやいや学歴は大いに関係するでしょう」といった反論が飛び交っています。
どちらが正しいのでしょうか?
結論から言うと、どちらも極端すぎるし、どちらとも多少は合っています。
要は、採用に学歴が関係する会社もありますし、まったく関係がない会社もあるということです。
就活という時間の制約がある中で、いちいちエントリーシートを出して、WEBテスト受験後に学歴で落とされるのは、かなり非効率ですよね。
なので、学歴が高くない学生は学歴で選考しない会社を受けることが肝要です。
本記事では、学歴フィルターの実態や学歴を採用基準にしている会社の見分け方、逆に学歴フィルターのない会社を見分ける5つの方法を公開します。
10分ほどで上手く就活の波に乗れる方法を入手できますので、最後までジックリとお読みくださいね。
1.そもそも「学歴フィルター」とは
まず本記事で頻繁に出てくる「学歴フィルター」の定義を明確にしておきたいと思います。
学歴フィルター=学歴を採用基準として使うこと
です。
たとえば、学歴フィルターの例でいうと、
業種・知名度・企業規模 | 学歴フィルター | |
例1 | コンサルティングファーム・投資銀行・総合商社・資産運用会社等の一部で採用 | 東京一工(東大・京大・一橋大・東工大)+早慶上位(法・経済・政治経済・理工)以上が内定者一般層 |
例2 | 一般層に知名度の高い東証一部上場大手一流企業の一部で採用 | 上記大学+旧帝下位・上位国立(神戸横国筑波、電農名繊、金岡千広上位)+早慶下位(その他学部)・上智理科ICU以上が内定者一般層 |
例3 | 東証一部上場大企業の一部で採用 | 上記大学+中堅国立(金岡千広下位、5S(埼玉信州静岡滋賀新潟))+MARCH・関関同立以上が内定者一般層 |
例4 | 東証一部上場その他企業・非上場中堅企業の一部で採用 | 上記大学+下位国立+日東駒専・産近甲龍・四工大以上が内定者一般層 |
といったように色々な大学からエントリーしてきた学生を学歴というフィルターを通して、一定レベルの大学生のみに絞り込むための採用基準です。
厳しいようですが、こういった基準に対して劣位な学生は、そもそも採用枠から外されていますので、エントリーしないのが得策です。
2.実際に学歴フィルターは存在するのか?
「学歴フィルターの定義はわかりましたが、実際に企業は学歴フィルターを使って採用活動を行っているのですか?」
気になる点だと思いますので、その辺りをデータを見て確認していきましょう。
企業側のデータ
まず企業側が学生フィルターなるものを使って、実際に採用活動を行っているのかどうか。
それはHR総研の「学歴フィルター」をせざるを得ない採用の実情の中にある興味深いデータが参考になります。
下表がHR総研が「採用戦略におけるターゲット大学を設定しているか」という質問を企業側に行った結果です。
画像引用:HR総研~「学歴フィルター」をせざるを得ない採用の実情
この調査結果ではターゲット大学を設定している企業は全体の39%ですが、「10001名以上」の企業に限れば56%と過半数を超えています。
要は、企業規模が大きくなればなるほど、学歴フィルターを使って学生を絞り込んでいる実態が伺われますね。
学生側のデータ
今度は学生側からの意見を見てみましょう。
同じく同調査では2018年卒の就活生に対して「企業の学歴フィルターを感じたことがあるか?」の質問に対して、文系では57%、理系では51%と半分以上の学生が何かしらの学歴フィルターを感じたと答えています。
画像引用:HR総研~「学歴フィルター」をせざるを得ない採用の実情
興味深い点は、旧帝大クラスと早慶クラスで「ある」と答えた学生が相対的に高く、下位校になるにつれて、その比率が下がる傾向があるということです。
「学歴フィルターは下位校のほうが敏感に受け止めるのでは?」と推察していましたが、それとは逆に旧帝大や早慶クラスでは選考が進んでいく過程で、学歴フィルターによる優遇を実感するようです。
優遇例を見てみると、
・高学歴の学生しか呼ばれない座談会や説明会があった
・WEBテストができてなくても、次の選考に進めた
・プレエントリー後、すぐにリクルーターから連絡があった
・ESが通りやすかった
などの実体験が挙げられています。
3.学歴フィルターによる冷遇例
「逆に、下位校の学生が学歴フィルターのある企業エントリーした場合、どんな冷遇を受けるのでしょうか?」
大きくは下記の4つです。
①書類選考で不合格
➁セミナーに参加させない
➂リクルータをつけない
➃連絡の優先順位を低くする
少し説明を加えますね。
①書類選考で不合格
このやり方が最もスタンダードですが、書類選考で大学名だけで自動的に振り落とす方法です。
面接や説明会にエントリーしても、企業の求める学歴以上でないと容赦なく落とされます。
その学生がどんなに高難度の資格を保有していようが、何らかの実績を出していようが、どんなに人柄が良くたって無慈悲です。
要は、このような企業の書類選考は学歴以外の物差しは存在しませんので、最初からエントリーしないのが身のためですね。
➁セミナーに参加させない
企業側としては、このようなやり方を世の中に露呈したくないのがホンネです。
なので、企業が求めるレベル以上の学生だけを秘密裏にセミナーや企業説明会に招集します。
逆に、それ以外の学生は満席などの理由により採用専用サイトの予約ボタンを押せない状態にしてシャットアウトしたりします。
一方で、東大や早慶など上位校の学生はどんなに出遅れても予約可能なので、ハンディがあり過ぎますね。
➂リクルーターをつけない
出身大学のOB/OGが学生と直接会い、就職相談や質問会という形式で選考を行う場合があります。
特に大学OBとのつながりを重視する会社に多いやり方で、過去に採用実績の多い大学の学生が有利になります。
リクルーター経由でしか進めない選考ルートもあるようなので、そのケースではそもそも土俵に上ることさえできませんよね。
➃連絡の優先順位を低くする
これは上位校の学生の優先度を高くして、優先的にインターンシップやセミナーの連絡を入れるやり方です。
人事にもマンパワーに限りがあり、物理的な会場のキャパにも限界がありますので、人気企業はすべての学生を一斉に招集することができません。
なので、下位校の学生は上位校の学生で埋まらない場合のバッファーとして、連絡名簿の優先順位を低くしたり、場合によってはお呼びがかからないといったケースもあります。
4.学歴フィルターがある企業を見抜く方法
「なるほど、学歴フィルターのある会社はこれだけ冷遇するのですね。骨を折りたくないので、学歴を重視する企業を見抜く方法を教えてくれませんか?」
学歴を重視する企業は、大きく下記の4タイプに分かれるのかなと思います。
①競争倍率の高い企業
➁仕事の専門レベルが高い企業
③学歴を偏重する老舗企業
➃高学歴にリクルータを付けてくる企業
少し深掘りして説明します。
①競争倍率が高い
競争倍率の高い人気企業は、学歴を採用基準に設けてる可能性が高いです。
なぜなら、学歴による「足切り」が必要だからです。
人気企業ともなると、数千、数万のエントリーが一斉に入ってきます。
それを限られた陣容で、1人ずつ精査して絞り込むのは物理的に至難の業です。
したがって、簡便的にふるい分けできる基準が必要で、それが「学歴」というわけです。
「人物も見ないで学歴なんかで足切りするなんて、けしからん」と憤慨する気持ちは共感できますが、元人事の立場からすると仕方ないのかなと弁護したい気持ちにもなります。
ちなみに競争倍率の高い企業は「東洋経済オンラインの「内定の競争倍率が高い会社」ランキングTOP100」で確認できます。
競争倍率が上は数千倍から数百倍までの企業がズラリと並んでいますが、このレベルになると何かの基準で絞り込まないと非現実だということは理解できますね。
➁仕事の専門レベルが高い企業
総合商社、大手コンサルティング会社、投資系銀行などの仕事は頭脳を使った緻密な作業が要求され、論理的思考を伴うような高度専門業務です。
これらの仕事では地頭や忍耐力が必要で偏差値の高い脳に向いているので、学歴で足切りを行うのが理にかなっているということですね。
よって、最低限の学力が必要なので学歴フィルターを用いているというわけです。
③学歴を偏重する老舗企業
老舗企業も学歴を偏重する傾向がありますね。
旧財閥系企業などが特異な例ですが、基本的には年功序列であり、会社の上層部に高学歴の人が多く、学閥と呼ばれる古い習慣が未だに残っています。
学閥とは、同じ学校の出身者が派閥を形成し、採用・仕事・出世などの面において優遇されることです。
そのため、社内で活躍する社員も必然的に上層部と同じ大学出身の高学歴者に限られます。
私自身も旧財閥系のメーカーでの人事経験がありますが、高学歴でない人はそもそも入社自体が難しいですし、仮に入社できたとしても活躍の場が限定され、努力や実力とは無縁の世界で過ごしていくような実態を見てきています。
学歴が高くない就活生の中にも大手や老舗の企業を志望する人がいると思いますが、採用だけでなく、入社後も何かと学歴がモノを言う世界があることを覚えておいてくださいね。
➃高学歴にリクルータを付けてくる企業
高学歴の学生にリクルーターを付けてくる企業も学歴を重視する姿勢の現れですね。
リクルーターとは、就活生に接触して採用活動を行う人で、就活生が親しみを感じやすい入社1年目〜5年目の若手社員が担当することが多いです。
「リクルーター=人事」というわけではなく、他の業務と兼務していて業務範囲が異なる社員が大半です。
基本的には大学の優秀な後輩を引き抜いて、人事に引き継ぐことがリクルーターの目的なので、ターゲット校でない大学生にはリクルーターは付きません。
実際問題、リクルーターが付かなくても困ることはないですが、リクルーターを使って高学歴の学生を狙ってくる企業は学歴重視の可能性の高い企業だと言えます。
5.学歴フィルターのない会社を見分ける5つの方法
「学歴フィルターのない会社を受ける」
ことが先決です。
もちろん、企業側が「私たちの会社は学歴を採用基準にしています」と公言することはありませんので、こちらから突き止める必要があります。
本記事の最後に、学歴フィルターのない企業を探る5つの方法を公開して締めくくります。
①競争倍率の低い企業
競争倍率の低い企業は、そもそもエントリー数が少ないので「足切り」する必要がありませんし、足切りすると受験者がいなくなり砂漠化します。
なので、学歴フィルターを避けるためには、まず競争倍率の低い企業にエントリーすることです。
競争倍率を調べる方法は、大きく下記の3つです。
①就職四季報で調べる
➁リクナビの「気になる」の登録人数で計算する
➂会社説明会の参加人数から倍率を推定する
詳しくはジョーカツキャンパスの過去記事で解説していますので、参考にしてみてください。
➁大学の先輩が就職している企業
大学の先輩が就職しているならば、それはあなたの大学が学歴フィルターに引っ掛かっていない証拠ですね。
企業の採用ページや就活サイトに行けば、たいがい採用実績校が掲載されていて、そこにあなたの大学名が記載されていれば大丈夫です。
最も良い方法は、大学のキャリアセンターに行って、卒業生の就職先を直接調べれば明白ですよね。
卒業生が入社できているのなら、その会社の業績が悪化したり、採用人数を激減させたり、よほどの不景気がない限り、合格の道筋ができているという認識でいいでしょう。
➂優良中小企業やベンチャー企業
世の中には知名度は低いけど、優良の中小企業がたくさんあります。
日本の企業の421万社のうち、99.7%は中小企業です。
よって、ほとんどの就活生は中小企業に就職することになります。
なので、優良でそんなに人気のない中小企業にエントリーするのはアリです。
優良中小企業を見つける方法はジョーカツキャンパスの過去記事で解説していますので、参考にしてみてください。
また、ベンチャー企業も学歴フィルターのない会社だと思っていいですね。
ベンチャーは文字通りで新興で過去の慣習といったしがらみもなく、色々なことにチャレンジして拡大していくビジネスモデルなので、学歴が返って邪魔になってくる場面もあります。
逆に、実力の世界なので、学歴が低くても成り上がれるチャンスもあるというわけです。
➃仕事のレベルが相対的に高くない企業
仕事のレベルがそこまで高すぎない仕事を選ぶのも手ですね。
公共性の高い仕事など、高学歴による高度な専門知識と社会的信用度の高さが必要な場合は、そもそも「学歴」を基準に採用する必要があるわけです。
学歴を重視する大手企業や有名企業では、最先端の商品を取り扱って世界規模で事業を展開したり、業務内容自体に高い専門性を求められるため、高度な知識を求めて学歴を重視する傾向があるので、この逆を行けばいいということですね。
➄就活エージェントを利用する
学歴フィルターを回避する最後の方法は、就活エージェントを利用することです。
学歴を重視する会社はそもそも学生からのエントリーが過剰にあるので、就活エージェントを利用するメリットがないです。
特に、逆求人サイトを利用する企業は、学生のプロフィールを見て自社に合う人材を採用したいという思いが強いので、学歴よりもプロフィールの中身を重視します。
あなたのプロフィールを見てスカウトしてくれるので、学歴フィルターなんて全く関係のない世界です。
ぜひ就活エージェントも学歴フィルターを回避するための手段として使ってみてくださいね。
以上、本記事では学歴フィルターの実態を詳らかにしたうえで、「学歴フィルターのある会社」と「ない会社」の特徴と見分け方について解説してきました。
いずれにしても、「入れてくれた会社がいい会社」です。
学歴で落とす会社は、あなたにとっていい会社ではないんです。
逆に、入れてくれた会社に行けば、あなたにピッタリの経験ができたり、あなたを成長させてくれる上司や同僚に囲まれるようになっていますので安心してください。
本記事の内容があなたの就活のお役に立てば幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。