【就活生必見】TOEICと英検はどちらが就職に有利?
2022年8月31日更新
はじめに
就活をする際に、資格のアピールとして活用しやすいTOEICと英検。慌ただしくなる前に取得しておきたいと考える学生も多いはず。両方取得できれば越したことはありませんが、余裕がない学生にはそうはいきません。
そこで今回は、TOEICと英検はどちらが就職に有利なのかを解説し、お互いの違いや特徴も紹介していきます。
志望する業界や企業によって、英語の重要性も異なるため、あらかじめ調べてから受験するのがよいです。後半はTOEICや英検を就活で活用したい学生からのよくある質問もまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 結論:TOEICと英検はどちらも有利
TOEICと英検はどちらを履歴書に書いても有利とされています。国際共通語でもある英語は、日本がかかげる課題でもあり重要性が高いからです。
政府が重要視していれば、さまざまな業界や企業でも優先度が高くなるでしょう。
在学中に英語力を高めておけば、就活の際に重宝される可能性もあります。ただし、志望する企業によっては英語力を重視していないことも。
自分がこれから働くとされる業界・企業で、英語力がどのくらい重要なのかを確認しておくのがよいです。
出典:今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~
TOEIC:535点以上
IIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)によると、社員・職員に期待するTOEIC Programの平均スコアは次の通りです。
TOEIC L&Rの平均スコア | |
新入社員 | 535 |
中途社員 | 560 |
技術部門 | 560 |
営業部門 | 575 |
海外部門 | 690 |
もし、TOEICの受験を考えているなら535点以上のスコアがあれば、就職に有利となるかもしれません。そのため、まずは535点を狙えるように対策をおこなうのがいいでしょう。
また、新卒採用ではTOEIC L&Rのスコアを49.1%、およそ半数の企業が参考にしています。英語力を課題とする日本であれば、その割合は今日でも高まっているはず。一定のスコアを取得しておいても損はありません。
英検:2級または準1級以上
英検の取得を目指すなら2級または準1級以上が好ましいです。英検2級または準1級は、高校卒業から大学中級程度の能力とされています。
後ほど紹介しますが、TOEICのスコアで換算すると2級は550〜600点、準1級は740〜820点です。企業が新入社員に求めるTOEICのスコアは535点以上なので、英検2級があれば、求められているスコアはクリアできます。
準1級は、日本英語検定協会でも「実際に使える英語力」の証明として高く評価され、海外で仕事をしたい方におすすめです。
2.TOEICと英検のスコア換算表
参考までにTOEICと英検のスコア換算表を次にまとめましたので、ご覧ください。
TOEICのスコア | 英検 |
870〜970 | 1級 |
740〜820 | 準1級 |
550〜600 | 2級 |
450〜490 | 準2級 |
291〜299 | 3級 |
260〜269 | 4級 |
100〜259 | 5級 |
志望する業界・企業にもよりますが、TOEICスコア550〜600点、英検2級があると就職でも有利になる可能性が高いです。
英語に関する資格をまだもっていない学生でも、上記スコア・級をはじめから目指して勉学に励むといいかもしれません。高いスコア・級を目指せば難易度も上がりますが、出題範囲は被ります。
「大は小を兼ねる」とも言うので、スモールステップで準2級からスタートするより、はじめから2級以上を狙っていきましょう。就活まで時間がないならなおさらです。
3.TOEICと英検の特徴
同じ「英語」を扱うにしてもTOEICと英検は内容が異なります。それぞれの違いを知ったうえで試験を受けるのがいいでしょう。
特に英検は、4技能(話す・聞く・書く・読む)すべてをおこなうため、就活まで時間があまりない方には重荷になるかもしれません。
まずはTOEICの特徴から見ていきます。
TOEICの特徴
TOEICは、全部で5種類のテストがあり、就活などに活用されるものは「TOEIC Listening & Reading (L&R)」です。
英検とは異なり、4技能をおこなうわけではないので、短い期間でもスコアを伸ばせます。対策も打ちやすいため、就活までに時間がない方にもいいかもしれません。
内容:リスニングとリーディング
TOEIC L&Rは、リスニング(約45分・100問)とリーディング(75分間・100問)の合計2時間・200問で構成されています。
マークシート方式で答えやすいですが、時間が限られています。慣れていないと制限時間内に解き終わらないことも。
わからないからといって、マークをしないのはもったいないので、何かしらチェックをつけて次に進みましょう。
費用:7,810円
受験料は一律7,810円(税込)です。
また、受験をした同月から1年後にふたたびテストを受けると割引価格で受けられます。繰り返し挑戦したい方にはお得です。
出典:TOEIC® Listening & Reading Test
英検の特徴
英検は1級から5級まで7段階で構成されており、自身のライスステージや英語能力にあわせてチャレンジすることができます。
3級からは、二次試験で面接官とスピーキングテストがあるため、現在の英語力を試せるでしょう。
学校にもよりますが、英検を取得していると単位認定で優遇されることがあります。そのため、在学中に取得しておくと大きなメリットになるでしょう。就活にかかわらず、興味があればぜひ挑戦してみてください。
内容:4技能すべて
TOEICとは異なり、英検は4技能(話す・聞く・書く・読む)の試験をおこないます。日常会話だけではなく実用英語を出題しているため、英検を通して総合的に学べるでしょう。
社会に出てから英語を使用する予定の学生は、話す・聞く以外に資料作成やメールでも活用できます。そういった意味でも英検を取得しておくと、なにかと好都合です。
費用:級や受験会場で異なる
英検は級が上がるごとに検定料も高くなります。個人なのか団体なのかでも誤差があるため、受験する際はよく確認しておかなければいけません。
参考までに、個人で受験をする方の検定料金を次にまとめました。
料金(税込) | |
1級 | 11,800円 |
準1級 | 9,800円 |
2級 | 8,400円 |
準2級 | 7,900円 |
3級 | 6,400円 |
4級 | 4,500円 |
5級 | 3,900円 |
2級以下であれば団体で受けるほうが割安となるため、学校で募集しているなら、その際に受験するのが得策です。
出典:2022年度の検定料
4.TOEICと英検には有効期限はない
実はTOEIC・英検には有効期限はありません。そのため、一度取得してしまえばいくらでも使用できる資格です。
以前、学生から「TOEICの有効期限は2年じゃないの?」と質問されたことがありますが「TOEICテスト公式認定証を再発行できる期間が2年」です。お間違いのないように、確認しておきましょう。
ただし、企業によっては英語力を測るために1〜2年ごとに再受験を求めています。使用しなければ劣るからです。
就活でアピールをする場合も、直近で2年以内のスコアを採用するといいかもしれません。入学してから試験を受けていない方は、大学3年次にはふたたび更新しておくのがおすすめです。
5.英検の方が難しい:対策に時間がかかる
英検は4技能での評価であるため、対策に時間がかかり、級によっても難易度が上がります。
特に日本は「読み書き」の練習はたくさんしてきましたが「話す聞く」は慣れていない学生も多いはず。3級以上からは英語面接がおこなわれるため、対策をしておかなければ簡単に級を取得できません。
2級以上となると、ビジネスシーンでの対応力も見られるでしょう。ただし、対策に時間がかかる分、学んだ英語力は社会人になってからも役立ちます。決して無駄にはなりませんので、チャレンジする価値は大いにあるはずです。
時間がない方:TOEICを受験するのがおすすめ
「就活まであまり時間がないけど、英語の資格が欲しい」と考えているなら、TOEICを受験するのがおすすめ。就活などにも活用できるTOEICは「TOEIC L&R」なので、2科目に集中すればスコアを伸ばせるからです。
素早さと正確さが求められますが、対策をおこなえば十分に対応できます。新入社員に求められるスコア535点を目指して、取り組んでいきましょう。
6.TOEICや英検を就活で活用したい方からのよくある質問
最後にTOEICや英検を就活で活用したい方からのよくある質問とその答えをまとめました。
- 英検1級とTOEIC900点以上はどちらが難しい?
- 海外で仕事をするならTOEICと英検のどちらがいい?
では、それぞれ見ていきましょう。
英検1級とTOEIC900点以上はどちらが難しい?
英検1級はTOEICスコアに換算すると870〜970点です。多少、幅がありますが英検のほうが難易度が高いと考えておいてください。
英検はTOEICとは異なり、4技能を満遍なく伸ばさなければいけません。科目数から考えても英検は負担があります。
二次試験の面接では実施する年にもよりますが、その場で構成を考え、プレゼンテーションをおこなう場合もあるそうです。受験者の英語力そのものが試されています。
海外で仕事をするならTOEICと英検のどちらがいい?
海外で仕事をするためにどちらかを取得しなければならないなら、英検の準1級・1級がおすすめです。難易度の高いものを身につけておいたほうが苦労しないでしょう。
基本的に海外では英語を話せて当たり前です。日常のコミュニケーション、プレゼンテーション、書類作成などあらゆることが英語でおこなわれます。スコアや級に捉われない真の英語力が求められているのです。
そういった環境下で英語を使用するなら、必然的に高いレベルが必要になります。